更新日:2024/06/20
この記事のまとめ
ヘルプデスクはシステムや情報機器に関する疑問、トラブル、クレームなどに対応する仕事です。ヘルプデスクへ転職したい人は、仕事内容やどのようなスキルが必要なのかきちんと知っておきましょう。
この記事では、ヘルプデスクの仕事内容や平均年収について解説します。求められる知識や働く魅力についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ヘルプデスクとはどのような職種なのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。またヘルプデスクと似た職種に、コールセンターや社内SEがあります。ここではヘルプデスクが何をする職種なのか、他職種との違いについて解説します。
ヘルプデスクはシステムや情報機器に関する疑問、トラブル、クレームなどに対応する仕事です。電話やメールでの問い合わせが多いですが、内容によっては客先に出張して対応することもあります。ヘルプデスクは、ハード・ソフト・プログラミングに強いメンバーでチームを構成して対応にあたるのが一般的です。顧客からの問い合わせに即答できない場合は、外部に調査を依頼する場合もあります。
コールセンターは電話をとおして顧客とやり取りする仕事です。コールセンターは「インバウンド業務」「アウトバウンド業務」の2つに分類できます。インバウンド業務は顧客からの問い合わせに対応する仕事、アウトバウンド業務はその逆で、コールセンター側から顧客へ電話をかけて商品やサービスを紹介する仕事です。
「顧客からの問い合わせに電話で対応する」といった点では、ヘルプデスクとコールセンターはよく似ています。しかしヘルプデスクは顧客の問題やトラブルの解決が主な業務で、より専門的な知識が必要です。
社内SEは社内の専任エンジニアとして、自社のシステム構築・運用・保守を行う仕事です。また社内ヘルプデスクとして、社員へPCの操作方法やシステムの使い方などの問い合わせに対応する業務も行います。ヘルプデスクと業務内容は似ていますが、ヘルプデスクはユーザー対応がメインで、開発や運用まで行うことは基本的にありません。
ヘルプデスクは自社社員からの問い合わせに対応する「社内向けヘルプデスク」、社外からの問い合わせに対応する「社外向けヘルプデスク」の2つに分類できます。ヘルプデスクへ転職したい人は、それぞれの仕事内容について詳しく知っておきましょう。
自社社員からの問い合わせに対応するのが社内向けヘルプデスクです。情報システム部門に設置されることが多く、社内システムに関する技術的な質問のほか、システム障害や事故への対応などを行います。OA機器のメンテナンスやPCのセットアップなど、社内の技術的な役割を担うポジションです。
顧客からの問い合わせやクレーム、トラブルに対応するのが社外向けヘルプデスクです。企業によっては社内SEがヘルプデスクを兼任する場合もあります。基本的にはメールや電話、チャットを用いたリモート対応がメインですが、状況次第ではシステムを導入した客先に訪問したり、常駐したりするケースもあります。
ヘルプデスクはITやシステム関連の専門的な知識が必要なことから、未経験でも転職できるのか気になる人も多いのではないでしょうか。ここでは、ヘルプデスクは未経験でも転職できるのか、平均年収・将来性について解説します。
ヘルプデスクに転職するために必要な資格や学歴はありません。未経験者歓迎の求人も多くあるため、業界未経験者でも転職可能です。ただしPCやタブレット、プリンター複合機といった情報機器を扱う仕事であるため、IT関連の知識が求められます。さまざまな顧客と接する機会も多いため、コミュニケーションスキルや臨機応変な対応力も必要です。
職業情報提供サイト『jobtag(出典:令和3年賃金構造基本統計調査)』によると、ヘルプデスクの平均年収は558.8万となっています。ヘルプデスクはデスクワークがメインですが、IT分野に分類されるため一般的な事務職と比べると年収が高めです。経験を積めばより高収入も目指せるでしょう。
PCやソフトウェアなどITの運用がある限りヘルプデスクは一定の需要が存在し、安定して働けるといえます。しかし、ヘルプデスクはサーバーの構築や開発などを行わないため、ヘルプデスクとして働き続けてもIT関連のスキルアップは難しいでしょう。年収やキャリアを上げたい場合は、将来的にSEやインフラエンジニアといったIT関連職へ転職することも視野に入れることをおすすめします。
ヘルプデスクの年収や将来性を知ったうえで、転職するか悩んでいる人も多いでしょう。しかし、ヘルプデスクとして働くことでコミュニケーションスキルを向上できるほか、社内や顧客から直接感謝してもらえるといった魅力があります。ここでは、ヘルプデスクとして働く魅力を詳しく解説します。
社内ヘルプデスクとして働くことで、企業全体の業務効率向上に貢献できます。システム障害が発生して業務が滞れば、企業の売り上げが低下することもあるでしょう。そういった深刻なトラブルを解決できることに対し、喜びや達成感を得られます。
ヘルプデスクは社内や顧客が抱える問題を解決する仕事です。トラブルを無事に解決できたときは、直接感謝の言葉をかけてもらえます。自社社員や顧客から感謝されることで人の役に立っていると実感でき、モチベーションアップにもつながるでしょう。
社外向けヘルプデスクは、年齢や性別の異なるさまざまな人と接する機会があります。そのため、業務を通じて自然とコミュニケーションスキルを向上できることが大きな魅力です。コミュニケーションスキルはどの業種・職場でも重要視されるスキルであるため、仮にヘルプデスクから転職することになっても次の職場で役立つでしょう。
ヘルプデスクとして働く魅力は多くありますが、大変なところもいくつかあります。転職する前にヘルプデスクの大変な部分を知っておくことで、入社後に「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防げるでしょう。ここでは、ヘルプデスクの大変なところを3つ紹介します。
社外向けヘルプデスクはさまざまな顧客の問い合わせに対応します。ときには自社が対応していない製品やサービスについて、理不尽なクレームを受けることも少なくありません。顧客からきつい言い方をされれば、人によっては大きなストレスに感じるでしょう。
担当するシステムがアップデートされ、新機能が追加されたり仕様変更があったりすることから、ヘルプデスクへ転職した後も学び続ける必要があります。またIT分野は技術やトレンドの変化も速いため、業務外の分野であっても自ら進んで学ぶことが大切です。
新システムの導入や客先のトラブル対応に時間がかかれば、残業が発生してしまう可能性があります。トラブルの解決にかかる時間は一概にはいえないため、早く終わる場合もあれば、残業が長引いてしまうことも少なくありません。そのため「確実に定時で帰りたい」というのは難しいでしょう。
ヘルプデスクは未経験者にも門戸を開いていますが、まったく知識のない状態で転職するのは困難です。未経験でヘルプデスクへ転職する場合は、転職活動を有利に進めるために、どのような知識・スキルが求められるのか知っておきましょう。
ヘルプデスクの仕事は基本的に顧客対応がメインです。顧客の抱える問題を丁寧にヒアリングし、解決方法を分かりやすく説明するためのコミュニケーションスキルが求められます。電話以外にもメールやチャットで問い合わせ対応することがあるため、ある程度文章力も必要です。
顧客の抱える悩みやトラブルを解決するためにも、ITやシステムに関する専門的な知識が必要です。自社製品やサービスの機能・仕様を熟知する必要があるほか、OSの知識、WordやExcelといったOfficeソフトが扱えるスキルも求められます。専門性を高めることで顧客満足度の向上につながるため、積極的に資格を取得したり、書籍や学習サイトで独学したりするとよいでしょう。
ヘルプデスクが受ける問い合わせの内容は多種多様です。どのような内容の問い合わせでも、冷静かつ臨機応変に対応できる能力が求められます。対応力が低いと顧客に不信感を抱かれてしまう恐れがあるため、あらかじめよく聞かれる質問に対しては回答を用意しておくとよいでしょう。また理不尽なクレームに対しても感情的にならず、冷静に対処することが大切です。
ヘルプデスクは社内の部門間のやり取りを仲介することもあるため、スケジュール調整力が欠かせません。双方の状況や希望を把握し、すれ違うことのないようスケジュールや時間を調整します。うまく部門間を調整できるようになれば、社内から頼られる存在になるでしょう。
グローバル展開している企業や外資系企業では英語スキルが必要です。外国人顧客から問い合わせを受けた際は英語で会話する必要がありますし、英語を社内言語としている企業もあります。またIT関連の技術情報や用語は英語で記載されているケースが多いため、外資系企業でなくても一定の英語スキルは身につけておいたほうがよいでしょう。
ヘルプデスクには自社社員からの問い合わせに対応する「社内向けヘルプデスク」と、社外からの問い合わせに対応する「社外向けヘルプデスク」があります。ヘルプデスクは未経験者歓迎の求人も多く、安定して働ける仕事であるため、転職先としておすすめです。
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