更新日:2024/09/05
証券の営業には個人営業と法人営業があり、それぞれ業務内容が異なります。転職を検討するにあたってどちらを選ぶかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、証券の個人営業の業務内容や仕事のやりがいについてご紹介します。
目次
まずは証券の個人営業の業務内容と法人営業との違いについて見ていきましょう。
証券の個人営業の主な仕事としておこなうことは、個人のお客様に対して株式や投資信託、債券などを販売することです。「リテール営業」と呼ばれることもあります。
個人といっても対象となるお客様はさまざまで、経営層や医師・士業などといった富裕層のほか、年金や退職金を運用したいと考えている個人投資家も含まれます。一般的に、証券会社に入社したばかりの新入社員は個人営業に配属されるケースが多いといわれています。
証券の法人営業は企業や学校法人などの法人を対象に営業活動を行います。金融商品の販売をメインとする個人営業とは異なり、法人営業では法人の資産運用や資金調達、M&Aのアドバイスなど、金融にかかわる事業全般をサポートする役割を担うのが一般的です。
個人営業も富裕層を相手にすると高額な案件になる場合もありますが、法人営業の方が総じて取引金額が大きくなりやすく、大規模な案件に関わる機会が増える傾向にあります。
実力主義の側面が強いのが証券の個人営業の特徴です。成果が給与に反映されやすいため、やりがいも実感しやすいでしょう。
また、ノルマを達成することによって成果報酬が支払われる企業も多いため、目標に到達し続けることが自分の自信につながり、高いモチベーションを維持しながら働くことができます。
一方、証券の個人営業には個人を相手にする仕事だからこその難しさを感じる場面もあります。証券の個人営業でネックとなりやすい3つのポイントを解説します。
証券の金融商品は最新の社会情勢に合わせて常に変化を続けています。そのため、商品知識をアップデートし続けなければ顧客にとって最適な商品を提案することができず、受注を獲得しにくくなってしまいます。入社後も絶えず金融知識を保ち続ける意識が必要です。
証券の個人営業は個人を対象とした営業活動であり、顧客との信頼関係の構築が非常に重要となります。相手の興味・関心から話題を広げていき、「この営業になら自分の資産を預けて取引を任せられる」と感じてもらえる存在になって初めて受注が獲得できます。
ただし、顧客の資産を勝手に運用してしまうようなこと、いわゆる横領が起きないよう、証券会社では3年~5年程度のスパンで他のエリアに営業を転勤させる傾向にあります。そうなればまた1から顧客との信頼を築かなければならないため、常に新しいことに挑む気持ちを長く持たなければいけません。
他の多くの営業職にもつきものですが、証券の個人営業には営業ノルマが設定されることが多いです。毎月与えられたノルマを達成しなければならないというプレッシャーを感じる方も多いでしょう。
入社したばかりの頃は重いノルマを課せられるケースはそれほど多くはないでしょうが、給与が上がったり昇進したりするにしたがってノルマの基準値が上がり、プレッシャーと感じる人も増える傾向にあります。
では、証券の個人営業にはどんな人が向いているのでしょうか。求められる主なスキルとしては次の3つが挙げられます。
証券の個人営業は個人のお客様を相手に営業活動を行うため、土日や祝日を商談日にするケースも少なくありません。お客様の仕事が終わった後の夜の時間帯に商談が始まることも多く、プライベートの時間を作りにくかったり体力的に負担を感じたりする人もいます。労働時間が長くなりやすいため、体力的にも精神的にもタフであることが求められます。
どのような営業職にも言えることですが、お客様との信頼関係を構築しなければならない証券の個人営業には高いコミュニケーション能力が必要となります。
相手の興味・関心を足がかりにして距離を縮め、大切な資産を託してみようと思ってもらえるような関係を築くためには、長い目線で何度もお客様とコミュニケーションを図り、少しずつ信頼を獲得していくことが大切です。
証券会社が扱う商品は多岐にわたるため、常に情報のアップデートが必要となります。古い情報をもとに商品を提案すると、説得力が欠けたり顧客の不利益につながったりする可能性があるため注意が必要です。
また、商談を通して顧客から投げかけられる質問に正確に答えることによって信頼を勝ち取ることができ、営業の成功へとつながります。
証券の個人営業を経験した人は、そのまま個人営業を貫く以外に、社内の他の部署に異動したり、他社に転職したりするといったキャリアパスを描くことが考えられます。同じ証券業界の中で個人営業から法人営業に舞台を移して活躍する人や、コンサルティング業務・財務アドバイザリーなどに転職する選択肢も考えられるでしょう。
金融業界以外では、上場したばかりのベンチャー企業の戦略担当として証券の個人営業の経験値が必要とされることもあります。採用枠が限られていることから比較的レアなケースではありますが、中には外資系ファンドへの転職を叶える人もいます。
ここまで証券の個人営業の業務内容や仕事のやりがいについてお伝えしてきました。証券の個人営業は、さまざまな背景を持つ個人のお客様に対して金融商品を販売する仕事です。努力したぶんだけ給与という目に見える形で結果が返ってきやすいため、成果主義が苦にならない人には向いている仕事でしょう。また、お客様と接する仕事であることから豊富な商品知識や信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が重要であり、常に学び続ける姿勢を持ち続ける必要があります。
本文中で紹介したように、証券の個人営業は数年程度でエリア替えとなるケースが多くありますので、タイミング次第では個人営業の経験を活かせる法人営業やその他の仕事に転職を検討するのも選択肢の一つです。自らのキャリアプランとも照らし合わせながら、力を最大限に発揮できる道を選ぶようにしましょう。
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