更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
金融エンジニアは、一般的なエンジニアよりも年収が高いといわれています。同じエンジニア職なのにどうして差があるのか、理由が気になる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、金融エンジニアの年収に焦点を当てて解説します。年収の目安をはじめ、報酬が高い理由、ハードといわれている仕事内容、またその魅力についても紹介するため、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
金融エンジニアはどれくらい稼げる職業なのか、これから転職を目指すにあたって気になるのは自然なことでしょう。金融エンジニアは年収が高いといわれていますが、一般的なエンジニアと比べてどのくらい差があるのでしょうか。ここでは、金融エンジニアの年収の目安を紹介します。
金融エンジニアは、エンジニアの中でも比較的年収が高いといわれています。
スキル次第ではさらに評価が上がり、実績と経験を積めば高年収も期待できるでしょう。国内よりも外資のほうが高待遇を望みやすいことから、年収重視の方は海外にまで視野を広げて転職活動をしています。
マイナビエージェント内の調査では、システムエンジニア(制御・組み込み)の平均年収は455万円でした。20代で絞ると432万円、30代では480万円で、世代が変わると50万円近く増えていることが分かります。
ただ、システムエンジニアの年収は企業によって異なるケースが多いため、20代から高年収を目指せる環境もあります。金融エンジニアのほうが高い傾向にあるものの、金融以外の業界だからといって年収が極端に下がるとはいえません。
金融エンジニアが一般的なエンジニアと比べて年収が高いのには理由があります。業界そのものの傾向といえばそれまでですが、業務の責任の重さや、近未来で必要とされているニーズの高さも理由のひとつでしょう。ここでは、金融エンジニアが高待遇で迎えられる背景を解説します。
金融業界そのものが、ほかの業界と比べて高待遇な傾向にあります。そのため金融エンジニアに限らず、営業職や証券アナリスト、ファンドマネージャーなども比較的年収が高めです。
事実、マイナビエージェント内の「業種別平均年収ランキング」では、「監査法人」が597万円で1位、「投信/投資顧問」が562万円で2位、証券会社が513万円で3位と、トップ3に金融に関わる業種がランクインしています。さらに、ネット銀行は5位で503万円、政府系金融機関は495万円で7位でした。以上から、業界全体を通して年収水準が高いといっても間違いではないでしょう。
金融エンジニアは、ほかのエンジニアよりも機密情報を扱うことが多くあります。金融業界は顧客との信頼で成り立っている部分が大きく、ひとつのミスやエラーで築き上げたものが崩壊しかねません。
必然的にセキュリティは徹底しなければならず、業務も複雑になり、結果、責任が重くなります。金融エンジニアが高待遇で迎えられるのは、こうした「業務難易度の高さ」もあるでしょう。
さまざまな業界でIT化が進む昨今、金融業界においても、近未来のニーズに応えるためにIT化や新サービスが生まれています。代表的なのが「フィンテック(FinTech)」です。
フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、モバイル決済やブロックチェーンなどが該当します。今後もテクノロジーの発展により、金融業界はよりIT化していくでしょう。金融エンジニアは近未来の世界に欠かせない存在であり、将来性の高い職業といえます。
金融エンジニアといっても、銀行・証券会社・保険会社によって構築するシステムは異なります。銀行ではサービス利用者に向けたシステム開発をメインに行いますが、証券会社や保険会社は業務を行う人に向けたシステムの開発がメインです。ここでは、金融エンジニアの仕事内容について紹介します。
銀行でエンジニアが構築するシステムは、「勘定系」「情報系」「その他」3つに大別できます。「勘定系」とはその名の通り、預金や融資などの残高管理、入手金などを処理するものです。
「情報系」は日々の業務で蓄積されたデータを加工して提供するシステムで、営業支援や商品開発などに活用されます。
「その他」とは、窓口業務をサポートする事務系のシステムや、営業店同士の円滑なネットワークを構築する営業店端末システムなどが該当します。
証券会社でエンジニアが構築するシステムは、大きく「業務系」「情報系」に分けられます。「業務系」は、顧客や口座情報を管理し、注文・決済・約定を処理するシステムがメインです。不正取引を監視・検知するシステムの開発も行います。
「情報系」は主に、経済・投資・銘柄などの情報を提供するシステムを作ります。また、マーケティングに活用できるよう、CRM(顧客関係管理)システムを構築するのも大切な仕事です。
保険会社でエンジニアが構築するシステムも「業務系」「情報系」に大別できます。証券会社と同じく、どちらかといえば業務を行う人に向けたシステムを開発するのが特徴です。
「業務系」は、保険料の入出金や顧客管理、契約管理、保険金の支払いなどを処理するシステムです。一方の「情報系」は、顧客や契約情報を管理し、経営や営業を支援するためのシステムを指します。
金融エンジニアは業務内容が複雑で責任感が重い面もありますが、それらを忘れさせてくれる魅力、やりがいもあります。大変ながらも金融エンジニアであり続けるモチベーションは何なのか、代表的な2つの魅力を紹介します。
オンライン決済ひとつを取ってみても、いまや金融エンジニアが携わるITインフラは日常生活に欠かせないものと呼べるでしょう。新システムや新サービスの開発・保守を通じ、「多くの人の役に立っている」「経済を支えている」という実感を得る金融エンジニアは少なくありません。高い知識とスキル、粘り強い開発精神があってこそ得られるやりがいだといえるでしょう。
システムの開発には多くのコストがかかるものであり、昨今の不況でコスト削減を選ばざるを得ない企業は多くあります。コストが下がれば設計の自由度も下がるため、業務を通して不満を覚えるエンジニアも少なくありません。
しかし、金融業界はシステムにかける予算が高い傾向にあります。フィンテックを含むIT化へのニーズも高いことから、今後も余裕のある予算の下で力を振るえるでしょう。
報酬が高い分、金融エンジニアには大変な思いをしなくてはならないシーンもあります。トラブル時には早急な対応が必要ですし、常に重いプレッシャーがかかることもあるでしょう。ここでは、金融エンジニアという職業のハードな一面を紹介します。
システムトラブルが起こった際には、昼夜関係なく早急に対応しなくてはいけません。また、納期に追われて長時間の残業が必要な場合もあります。残業が重なった結果、心身共に大きな負担を感じる方もいるでしょう。
緊急時に関わらず、初めからプロジェクトのスケジュールが厳しい場合も少なくありません。夜間や休日も仕事に追われる時期が続き、生活リズムの立て直しに苦労する方もいます。
仕事のミスをゼロにするのは不可能ですが、金融エンジニアにとってシステムエラーや不具合といったミスは致命的です。お金がダイレクトに絡む金融業界は信頼を築くことが大切であり、たったひとつのミスでも積み上げてきたものが壊れる恐れがあるためです。
職業柄仕方ないとはいえ、重い責任によるプレッシャーを感じることもあるでしょう。スピード感を持って仕事をすることも大切ですが、一つひとつの業務を正確に行うことはもっと大切です。信頼されるエンジニアとして、丁寧な仕事を心掛けましょう。
金融エンジニアは責任感が重い仕事ではありますが、年収が高く予算も豊富で人気のある職種です。近未来のニーズに欠かせない存在であり、社会を支えている実感が持てる点など、やりがいや魅力は大きいでしょう。
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