更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
金融エンジニアは銀行や証券会社、保険会社などのシステム開発や設計を担当する仕事です。金融エンジニアへ転職するのに資格は必須ではありませんが、取得しておくと採用担当者の目に留まりやすい資格はあります。
そこでこの記事では、金融エンジニアへの転職に役立つ資格を7つ紹介します。金融エンジニアに求められるスキルや、向いている方についても解説するので、転職を考えているならぜひ参考にしてください。
目次
一般的に、金融エンジニアへの転職で求められる資格はありません。しかし、資格の取得は知識の底上げに役立つうえ、自身の能力を客観的に証明する材料になります。
特に、金融エンジニアはシステムの開発はもとより、金融に関する専門的な知識が必要になるシーンもあります。転職活動時、あるいは転職後のキャリアアップに役立てたい方は、資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
金融エンジニアへの転職で役立つ資格には、情報セキュリティに関するもの、金融の知識に関するものが挙げられます。特にIT業界で「基本情報処理技術者試験」は定番資格ともいえるため、取得を目指してみてはいかがでしょうか。ここでは、金融エンジニアにおすすめの資格を7つ紹介します。
基本情報処理技術者試験は経済産業省が認定する国家試験のひとつで、「IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」(以降:IPA)が実施しています。資格取得を目指すことで、ITの基礎知識から情報処理の知識・技能まで学習できます。
本試験の合格率は22~27%を推移しており、きちんと勉強しないと足元をすくわれる恐れがあります。午前・午後と2回ある試験の両方に合格することで取得できます。
参照:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
基本情報処理技術者試験と同様にIPAが実施している国家資格です。応用情報技術者試験は基本情報処理技術者試験の上位資格にあたります。
資格取得に向けて勉強することで、システム開発やアプリケーション開発、ネットワークシステムの保守運用などを体系的に身につけられます。高度なIT人材であることを証明でき、転職活動での十分なアピール材料となるでしょう。
参照:制度の概要:応用情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
情報処理安全確保支援士試験も、IPAが実施している資格です。情報処理技術者試験のなかで最もレベルが高く、有資格者は情報セキュリティ分野におけるスペシャリストであることを証明できます。
システムのセキュリティ対策や、サイバー攻撃の調査および分析といった高度な知識・スキルを身につけなければなりません。信用が求められる金融エンジニアにとってチャレンジしがいのある資格といえるでしょう。
参照:制度の概要:情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
CISSP認定試験は、国際的に認められた情報セキュリティ・プロフェッショナル認定資格です。主催は米国の非営利団体「International Information Systems Security Certification Consortium(ISC)」で、セキュリティ制御やリスク管理などに関する幅広い知識が問われます。
難易度は非常に高く、基本的には「CISSP CBK」と呼ばれる専門ドメインに4年以上関わった方が受ける資格です。CISSPに認定されるためにも複数の要件があり、取得することで所属組織の信用・信頼の獲得にもつながるでしょう。
銀行業務の遂行に必要な実務知識や技能応用力を問われる試験です。主催は銀行業務検定協会で、銀行・保険会社・証券会社など金融機関の職員を対象としていますが、転職前の業界未経験者でも受験できます。
金融エンジニアの中でも、銀行系で働きたい方は特に検討してはいかがでしょうか。法務や財務、金融商品取引などの23系統・36種目の試験があり、好きな種目を選べます。
銀行や証券会社などで金融商品の取引を行うために必要な資格です。主催は日本証券業協会で、受験資格はありません。金融業界では定番の資格のひとつであり、金融エンジニア志望にもおすすめできます。
なお、外務員資格には一種と二種があり、扱える金融商品が異なります。まずは現物取引に限定されている二種から取得を目指してみるとよいでしょう。
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施する英語力の試験です。合否のないスコア制のため、自身の英語力がどの位置にあるのかを把握しやすいでしょう。
金融エンジニアの業務に直接影響するわけではありませんが、一定の英語力を求める企業も少なくありません。高い英語力をアピールできれば、外資系企業への転職でも役に立つでしょう。
金融エンジニアには、システム開発や金融の知識以外にも求められる力があります。金融エンジニアへ転職し、ステップアップしていきたい方は、ここで紹介するスキルも習得を目指してみてください。ここでは、「コミュニケーションスキル」「マネジメントスキル」「プロジェクトの推進力」の3つを解説します。
エンジニアは単独で黙々と作業するイメージが強いかもしれませんが、チームで仕事を作り上げることも多くあります。そのため、組織内のメンバーと円滑にコミュニケーションを取れるスキルは重要です。
また、上流工程に携われば、企画提案において外部の関係者と関わる機会も増えます。クライアントのニーズを引き出すためのヒアリングスキルはもとより、提案するスキルも磨かなければなりません。
プロジェクト全体を管理するマネジメントスキルも重要です。エンジニアに限った話ではありませんが、「チームを引っ張っていけるリーダーシップのある人材」が多くの企業から求められています。
マネージャーになれば、他部署とも連携しながら遅延なくプロジェクトを進め、利益を生み出さなくてはなりません。金融エンジニアとしてステップアップしたいと考えている方は、マネジメントスキルの向上に意識を向けるとよいでしょう。
エンジニアの現場ではスピード感も大切です。順調だったはずのプロジェクトに課題や問題が発生することは珍しくありません。それらの原因をスピーディーに取り除かなくては、スケジュールに支障をきたしてしまいます。
プロジェクトを推進するにあたり、「課題の把握」「分析と判断」「決断と実行」の3つを意識することが大切です。日頃から業務の効率や改善を考えて仕事に取り組むとよいでしょう。
金融エンジニアに向いている方の特徴は、「学習意欲に長けている」「几帳面」「責任感が強い」などが挙げられます。これらはどの仕事においても重要ですが、金融業界に携わる方には特に重要です。ここでは、金融エンジニアに向いている方とその理由を解説します。
金融業界はトレンドの移り変わりや新しいサービスの誕生など、変化の激しい業界です。そのため金融エンジニアは既存の知識に慢心せず、最新の情報をキャッチアップしなければなりません。
新たな知識を学習し続けられる方でないと、時代のニーズに応えられるシステムやサービスを生み出すことは難しいでしょう。自ら興味を持って学べる方は知識の吸収もレベルアップも早く、企業で重宝される人材になれるはずです。
金融エンジニアが扱うシステムのひとつに、利息や保険料などの勘定系システムがあります。顧客のお金にかかわる仕事である以上、計算違いや処理ミスはあってはなりません。
エンジニアにはスピード感も大事ですが、丁寧さや正確さも非常に大事です。携わったシステムを何度も確認するような几帳面な方は、金融エンジニア向きといえます。
仕事をするうえで責任感が必要なのはいうまでもないでしょう。特に金融業界は顧客との信頼で成り立っている部分が大きいため、強い責任感を持つ方が歓迎されます。クライアントの重要な機密事項を取り扱うことも多く、守秘義務に対しても人一倍敏感な方が向いているでしょう。
上司、部下、同僚、クライアント、あらゆる関係者から信頼を得られるよう、自分が「責任者」になったつもりで向き合うことが大切です。
金融エンジニアになるために必須となる資格はありません。しかし、金融エンジニアは情報セキュリティや金融の知識が求められるため、転職でアピールするために資格を取得するのもよいでしょう。
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