更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
金融エンジニアはエンジニアの中でも比較的年収が高いことで知られ、人気の職種です。しかし、金融エンジニアがどのようなキャリアパスをたどるのかは、あまり知られていません。ステップアップのための転職先の種類についても同様です。
そこでこの記事では、金融エンジニアのキャリアパスや主な転職先を解説します。求められる人物像についても併せて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
金融エンジニアにおすすめのキャリアパスには、「社内SE」「プロフェッショナルファーム」があります。金融機関の社内SEは待遇が良く安定して働けますし、プロフェッショナルファームへ転職すれば高年収を期待できるでしょう。
自社内の情報システム部などに所属し、SEとして働く道がひとつです。客先常駐SEは中間マージンが引かれたり、常駐先によって居心地が悪かったりと、合う・合わないがあります。将来の安定性や給与アップを目指すのであれば、金融機関での社内SEを目指してみてはいかがでしょうか。
社内SEは社内システムの設計・運用・管理やセキュリティ対策、システム周りのトラブル対応などを担います。金融機関は業界全体として給与水準が高く、福利厚生が良い点も魅力です。
金融エンジニアとして経験・実績を積んだ後、監査法人やITコンサルティングファームといったプロフェッショナルファームを目指すキャリアプランもあります。
プロフェッショナルファームへ転職するには、高度なITスキルやマネジメント経験、英語力が求められるため簡単ではありません。しかしその分報酬は高く、監査法人の平均年収は597万円と、マイナビエージェントの「業種別平均年収ランキング」調べでは最も高い結果が出ています。ステップアップしたい方にはおすすめのキャリアプランです。
金融エンジニアとして転職できる金融機関は主に「銀行」「証券会社」「保険会社」の3つがあります。それぞれで開発するシステムは異なるため、自分がどのような仕事をしたいのかを明確にしてから、転職活動を始めるとよいでしょう。
多くの銀行ではインターネットやスマートフォンアプリを利用した各種手続きへの移行が進んでいます。アプリで預貯金を確認したり、振り込みをしたりする方も増えているでしょう。そのようなシステムを開発するのが、銀行で働く金融エンジニアです。
具体的には、預金や為替などの入出金を処理する「勘定系システム」や、日々の業務で蓄積されたデータを加工して活用する「情報系システム」、窓口業務をサポートする「事務系システム」などを開発します。
証券会社も証券取引や顧客情報の管理、市場のリスク管理などのシステム開発で金融エンジニアが活躍します。銀行とは少し異なり、証券会社では業務を行う人に向けたシステム開発がメインです。
具体的には、顧客・口座情報を管理し、注文・決済・約定を処理する「業務系システム」や、経済・投資・銘柄などの情報を提供する「情報系システム」、市場リスクを計量・管理する「リスク管理システム」などを開発します。
保険会社では、顧客や契約情報の管理、高度な計算を行う数理システムの開発を行います。保険会社も証券会社と同様に、業務を行う人に向けたシステムの開発がメインです。
具体的には、保険料の入出金や顧客・契約管理などを行う「業務系システム」、顧客関係管理から経営や営業を支援するための「情報系システム」などを開発します。
金融エンジニアの経験を活かせる主な転職先には、「自社開発システム運営企業」「監査法人」「ITコンサルティング会社」があります。監査法人やITコンサルティング会社への転職は、金融エンジニアとして一定の経験・実績を積んでからチャレンジするのがおすすめです。ここでは、他業界の転職先の一例を紹介します。
自社展開のサービスやシステムを開発している会社へ転職する道がひとつです。自社開発システム運営企業で働く大きなメリットは「大ヒット製品を開発すれば大きな恩恵が受けられる」でしょう。活躍次第では社内での評価が高まり、昇給や昇進にもつながる可能性が高いです。
「コミュニケーションが取りやすい」という声もよく聞きます。受託開発と違い、関係者全員と綿密なコミュニケーションが取れるため、仕事がやりやすいでしょう。
金融エンジニアとして経験や実績を十分に積めば、監査法人へ転職する道も見えてきます。監査法人はクライアントのシステム環境を監査する仕事で、信頼性・安全性・効率性などの観点から評価します。
システムを評価・保証する業務を「アシュアランス」、クライアントに改善提案を行う業務を「アドバイザリー」といいます。企業のリスク管理を支える、社会貢献性が高い仕事です。
エンジニアではなく、ITの知識を活かしてコンサルティング会社や大手SIerへ転職する道もあります。ITコンサルティングは、クライアントが抱えているIT領域での課題をヒアリングして整理し、改善のアドバイスや導入のサポートを行う仕事です。
ITの知識や経験だけでなく、コミュニケーションスキルや課題解決スキルも求められます。エンジニアの領域に留まらず、より幅広くキャリアアップしたい方におすすめの転職先です。
金融エンジニアは一般的なエンジニアよりも高いスキルを求められるため、社内や転職先では「十分な経験とスキルを身につけている人」だと期待されがちです。ここでは、金融エンジニアに求められる人物像について具体的に解説します。
金融エンジニアは金融に関する知識も求められます。そのためエンジニアとしてのスキルや経験だけでなく、金融業界の経験がないと評価されにくいでしょう。
同業種へ転職するにしても、応募条件に「銀行や証券会社、保険会社などでシステム開発の経験」といった文言が見られる求人もあります。求められるレベルも全般的に高い傾向にあるため、社内や転職市場で胸を張ってアピールできるほどの経験・実績を積みましょう。
金融業界は利用者との信頼関係で成り立っている部分が強く、失敗に対する代償が大きいです。システムに不具合が生じれば利用者に迷惑をかけるのは明白で、築いてきた信頼を瞬時に損なうかもしれません。
エンジニアたる者スピード感を持つことも大切ですが、正確に作業することのほうがより大切です。ミスやエラーがあるのは前提とし、細かくチェックできる方が向いている仕事といえます。
外資系金融機関や海外系システムの開発など、職場によっては英語力が求められます。場合によっては海外拠点への異動の可能性もあるでしょう。将来のキャリアアップや転職を見越し、日本の金融機関に勤めていても英語は学習しておくことをおすすめします。
英語力の証明にはTOEICが使いやすく、求人には「TOEIC600点以上」や「750点以上」などスコアを指定しているケースも見られます。設計書や仕様書を解読でき、電話会議などで不自由なく話せるレベルの英語力を求めている企業もあります。
金融エンジニアのキャリアパスには、金融機関の社内SEを目指すプラン、監査法人やITコンサルティングファームといったプロフェッショナルファームを目指すプランがあります。昇進・転職の際には仕事の正確性や高い英語力が求められるため、日頃からスキルアップを心掛けて業務に取り組みましょう。
金融エンジニアとして次のステップを考えている方や、思い切って他職種への転身を考えている方は、ぜひマイナビ金融エージェントへご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングしたうえで、一人ひとりの強みや希望に適した転職先を提案いたします。
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