更新日:2024/07/08
この記事のまとめ
転職先として、ベンチャー企業を視野に入れているという方もいらっしゃると思いますが、そもそも「ベンチャー企業」とはどのような企業を指し、どういった特徴やメリット・デメリットがあるのか、よく理解していない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ベンチャー企業の定義から転職にあたって押さえておくべきポイントやどんな人がベンチャー企業に向いているかといったことまで詳しく見ていきましょう。
目次
ベンチャー企業には明確な基準や定義はありませんが、一般に独自のアイデアや技術をもとにして、新しいサービスやビジネスを展開する企業とされています。
新興企業と同じ意味で用いられることもあり、主に成長過程にある企業を指します。
最先端技術や全く新しいビジネスモデルで、新たな価値の創造を目指す会社などがこれに当たります。ベンチャーキャピタルなどの投資機関から資金援助を受けている企業などを指してベンチャー企業と呼ぶこともあります。
企業規模は、ほとんどが小規模から中規模です。
ベンチャー企業と類似した企業形態もあり、その違いがよくわからないという方もいると思います。
以下、ベンチャー企業と中小企業、スタートアップ、社内ベンチャーの違いについて見ていきましょう。
中小企業とは、企業の規模を表す分類の仕方です。
中小企業基本法という法律で業種によって資本金の額や従業員数が定められており、例えば製造業その他の場合、「資本金の額または出資の総額が3億円以下の会社または常時使用する従業員の数が300人以下の会社および個人」を「中小企業者」と定義づけています。
中小企業・小規模企業者の定義 - 中小企業庁
これに対してベンチャー企業は、企業の規模に関わらず、独自のアイデアや技術をもとにして、新しいサービスやビジネスを展開する企業を指します。
多くは小規模から中規模なので、「中小企業のベンチャー企業」は数多く存在するということです。
スタートアップとは、ベンチャー企業の中でも、特に新しいビジネスモデルで短期間に成長している企業を指します。
既存のビジネスではなく、新規に立ち上げられたビジネスである点がスタートアップの特徴です。
企業の規模は関係なく、組織の形態もさまざまなので、法人ではないスタートアップもあります。
社内ベンチャーとは、文字通り、企業が新規事業を作り出すために社内に設けた独立の事業部隊を言います。
社内ベンチャーはあくまでも企業内の一部門や事業部であり、独立した企業や子会社ではありませんから、法人登記なども行われません。
「ベンチャー企業での仕事は、かなりハード」という話を聞くことも多いと思います。
企業差はあるものの、確かにベンチャー企業は社員数も少ない場合が多く、1人ひとりがこなさなければならない業務の範囲も広くなりがちです。その結果、連日の残業や休日出勤が当たり前という激務になることも多いようです。
その分、後述するように裁量権が広く、多くのことを経験できるというメリットもありますが、激務の割に給与が低いと感じる人も少なからずいるようです。
ベンチャー企業は、さまざまな経験を重ねながら、自分で考えてビジネスを回していく感覚を身につけられるのが魅力です。
ただし、大企業のように行き届いた研修制度や教育の体制も整備されていないので、自発的に知識やスキルを磨く努力が欠かせないでしょう。
大企業における仕事のメリットは、ベンチャー企業にはない、豊富なヒト・モノ・カネというリソースを生かし、スケールの大きな仕事に携わることができる点でしょう。
待遇の面でも、ベンチャー企業は大企業のように福利厚生制度が充実しているケースはまだまれです。
また、給与体系も大企業の場合は基本的に業績に関わらず定期昇給が望めますが、ベンチャー企業の場合は給与水準が概ね低く、昇給も業績次第という所が多いようです。
ベンチャー企業は、一般の企業とは企業カラーやそこで働いている人たちのタイプも異なります。
どういったタイプの人がベンチャー企業に向いているのか、その特徴を紹介しますので、ベンチャー企業への転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
ベンチャー企業は、さまざまな仕事に取り組む必要が出てきます。
場合によってはかなりの激務になることもありますが、「さまざまな仕事に取り組めて楽しい」と全力で仕事に当たれる人はベンチャー企業への適性があるといえます。
ベンチャー企業は、一人ひとりの社員に大きな裁量権があり、またさまざまな仕事をする機会が多くなる傾向にあります。
ですから、一般企業よりも早く成長することが期待できます。
さまざまな経験をして早く成長したいと考えている人には、ベンチャー企業がおすすめです。
ベンチャー企業は、新しいビジネスやサービスを展開していく企業です。
そのため、一般企業以上に、新しいものを生み出すには何が必要なのかを積極的に考え、向上心を持って取り組む自発性や主体性が求められるといえます。
したがって、与えられた仕事を着実にこなすのが得意な人よりも、自分で考えて仕事を進めていきたい、新しいビジネスやサービスを創造したいというタイプの方がベンチャー企業にマッチしているといえます。
ベンチャー企業の多くは、これまでになかった新たなビジネスや既存のビジネスにはなかった新しいサービスを展開しています。
ですから、今までにないようなビジネスに携わり、新たな価値の創造にかかわっていきたいという方にとっては、ベンチャー企業が向いているといえるでしょう。
ベンチャー企業では、物事がスピーディに展開し日々さまざまな変化が起こるものです。方針の転換、組織変更なども、変化する状況に対応するために日常的に行われています。
また、若手であっても裁量が大きく大切な仕事を任されるケースも少なくありません。
ですから、未経験の仕事に挑戦する姿勢を持っている必要があります。
こうした変化や挑戦を楽しむことができる人は、非常にベンチャー企業向きであるといえるでしょう。
ベンチャー企業は、将来的な仕事の目標が明確な人、中でも起業や独立を考えている人に向いています。
ベンチャー企業は、やりたいことに挑戦しやすい環境にある場合が多く、企業規模もそれほど大きくないことから経営者と社員の距離が近いため、経営のやり方や経営者としての考え方などを学ぶ機会に恵まれているからです。
ベンチャー企業というと、勢いがあって新しいことに挑戦しているというプラスイメージが強いかと思いますが、もちろんデメリットもあります。
ここでは、ベンチャー企業で働く上でのメリット・デメリットを、大企業や中小企業とも比較しつつ詳しく紹介します。
ベンチャー企業への転職を考えている方は、これらを押さえた上で転職活動を進めるようにしましょう。
一般企業の場合、社内体制が確立していて、担当部署や個々の社員が受け持つ業務も決まっています。
また、社歴が浅いうちは、なかなか大きな仕事に関わる機会も多くないのが普通です。
その点、ベンチャー企業は、少数の社員で事業を立ち上げていることから、若手でも裁量の大きい仕事を任せてもらえやすく、またさまざまな業務を担当する機会も多いことから幅広い経験を積むことができるでしょう。
ベンチャー企業は社員数が多くない分、成果が評価されやすい傾向にあります。
そのため、大きな成果を上げることができれば、入社後の期間が短くても早い昇進やかなりの高給を期待することもできるでしょう。
ベンチャー企業には、その企業の企業文化に合った人たちが集まってくる風土があります。
同じような考え・志向性の人と一緒に働きたいという人にはベンチャー企業が向いているといえるでしょう。
大企業であれば、一般社員が社長をはじめ、役員と顔を合わせたり意見交換をしたりすることはほとんどないと思われます。
その点、ベンチャー企業は少数精鋭の所も多く、日常的に社長と接し、意見交換や提案などができる環境にあります。
ベンチャー企業の多くは、成長段階、発展途上の段階にあります。そのため、大企業や中小企業に比べると、経営基盤の安定性は弱いといえます。
勢いがある企業は一見順調そうですが、経営が軌道に乗るまでは、倒産のリスクも決して低くはないと考えておいた方がいいかもしれません。
ベンチャー企業は、大手企業や中小企業と比べて資産面での体力が劣るため、退職金制度や保険といった福利厚生が整っていないケースが多いようです。
ただ最近では、人材確保のために福利厚生を充実させるベンチャー企業も増えつつあり、ユニークな福利厚生制度を設ける企業も登場するなど、状況は変わってきています。
成果しだいで高給を期待できるメリットはありますが、基本的にベンチャー企業の場合は給料が低い傾向にあり、転職した当初は前職と比べて年収がダウンする可能性が高いといえます。
ベンチャー企業の場合、経営者の個性が強く、企業文化も独自色が強くなる傾向にあります。
そうした雰囲気になじめない人は、働きにくくなる可能性があるでしょう。
ベンチャー企業への転職を考えている方は、転職エージェントに登録することをおすすめします。
ベンチャー企業は、社風や企業文化など、個性的な特徴を持った企業も多いようですが、転職サイトや求人票だけでは実際の雰囲気まではわかりません。
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーが各企業と深く連携していますから、それぞれの企業に関するより詳しい情報を教えてもらうことができます。また、転職エージェントはベンチャー企業の非公開求人情報も保有しています。
よりあなたの希望にマッチした求人を紹介してもらうことも期待できるでしょう。
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