更新日:2021/08/23
目新しい独自の事業を行う企業を、ベンチャー企業といいます。
年齢や経験を問わず挑戦しやすい仕事内容や、大規模の会社では関われない事業に着手できるなどの理由で人気の高い企業です。
しかし、ベンチャー企業には少なからずリスクもあり、転職する場合には知っておく必要があるでしょう。
今回は、ベンチャー企業について、転職を成功させるポイントを交えながら解説するので、興味がある方は参考にしてみてください。
目次
具体的にベンチャー企業とはどういった企業を指すのでしょうか。
いくつかの特徴を踏まえながら、ベンチャー企業とは何かを説明します。
また、ベンチャー企業と同じような事業を展開しているスタートアップという企業もあるため、両者の違いもみていきましょう。
ベンチャー企業とされる会社は、ひとつの分野を切り開くようなアイデアを軸に企業展開している場合がほとんどですが、はっきりとした基準はありません。
同じ会社でも、人によってはベンチャー企業だと説明することもあったり、そうでなかったりすることもあります。
一般的には、ほかの企業にはみられない新しい事業を進めていることや企業として成長中であること、大きな会社では取り扱いにくい事業を行っていること、投資機関から経済的なサポートを受けていることなどの特徴をもつ企業をベンチャー企業と呼ぶようです。
ベンチャー企業には業績によって成長段階があります。
事業を立ち上げたばかりで製品開発や研究を継続中のときは「シード」、初期のマーケティングや販売活動をスタートした時期には「アーリー」です。
製品の出荷をはじめ、在庫量や販売数が増えると「エクスパンション」となり、収入や支出といった金銭の流れを持続的に把握できるようになると「レーター」であると判断します。
段階が進むにつれ、従業員数や利益が増え安定していくと考えてよいでしょう。
スタートアップは斬新なアイデアから社会的な価値を生み出して、短期間に成長した企業のことです。
企業としての形にこだわらず個人で行っていたり、経済援助を受けていなかったりと、ベンチャー企業とは異なる部分も多くあります。
しかし、ベンチャー企業の定義があいまいであるように、スタートアップの定義にも明確な決まりがないため、広い意味でスタートアップはベンチャー企業の一種だとする見方もあります。
前職で経験できなかったことに挑戦したいという方は、新進気鋭のベンチャー企業は魅力的でしょう。
しかし、ベンチャー企業に転職することは危険だと耳にすることがあります。
実際に転職を検討する前に、ベンチャー企業のリスクや見分け方を確認しておきましょう。
ベンチャー企業への転職が危ぶまれる理由は、リスクの高い企業形態や経営力不足がみられるからです。
企業として成り立ってはいますが、実際には資本金が少なく、従業員も数えるほどしかいないという場合もあり得ます。
将来を見据えた事業計画などがないベンチャー企業は、従業員を集めた後に倒産するケースもあり注意が必要です。
また、ベンチャー企業の中には、少ない従業員で研究や開発を始めたばかりというところもあります。
少人数で業務を行うと、思うようにはかどらず時間外勤務が続き、利益が出ていないため定額以上の給与は支払われないという場合もあるでしょう。
いざ就職したらブラック企業だったということのないように、事前にしっかりとチェックすることが大切です。
ベンチャー企業がもつ転職に対するリスクは、企業として著しく成長している最中であるために発生するともいえます。
考え方を変えると、企業の成長とともに昇進できたり、年齢が若い人でも重要なポストに就けたりとキャリアアップのチャンスが多いともいえるでしょう。
職場内で何年経っても同じポジションでモチベーションが上がらないと感じる人は、ベンチャー企業に就職すると悩みが減ることもあります。
スムーズに転職を行うためには、ベンチャー企業のリスクを念頭に置き、企業を見分けることが重要です。
優良なベンチャー企業の特徴のひとつとして、銀行や証券会社が共同で立ち上げたベンチャーキャピタルから融資を受けていることが挙げられます。
ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業の新規性や堅実性、事業計画などを細かく審査したうえで、将来性のある企業へ融資を行います。
ベンチャー企業の経営計画に干渉する場合もあるため、安定した成長へとつながるでしょう。
また、社内に活気があり明るい雰囲気で仕事ができているか、社員同士のコミュニケーションがとれているかなども優良なベンチャー企業と判断するポイントとなります。
自分の希望するベンチャー企業は安心して勤められるか判断に迷う場合は、業界に精通する専任エージェントを有する転職支援サービスに相談するとよいでしょう。
ベンチャー企業は、比較的年齢の若い人材が注目する就職先のひとつです。
ベンチャー企業が転職先としても人気があるのは、働くメリットを知っている人が多いこともあります。
ベンチャー企業へ転職しようかと悩んでいる人は、具体的なメリットも確認してみてください。
ベンチャー企業で働くひとつのメリットとして、スキルアップの早さが挙げられます。
ベンチャー企業は出世が早い傾向です。
さまざまなポジションに就き、その業務に必要なスキルがどんどん蓄積されます。
従業員数の多い大手企業では、ある程度の経験や年齢を重ねなければ管理職ポストに就けない場合が多いでしょう。
ほとんどのベンチャー企業は少ない従業員数で起業するため、入社歴が浅い社員でも部下がいるというケースもたくさんあります。
ベンチャー企業に転職するとマネジメントする機会を得られやすく、自身の成長につながるさまざまな経験を積めます。
ベンチャー企業に転職すると、社長に近い位置で働ける場合が多くあります。
将来的に自分で会社を経営したいと考えている人や起業を計画している人は、ベンチャー企業への転職を視野に入れるとよいでしょう。
社長をはじめとする経営陣と肩を並べて働くことで、大きなメリットを得られます。
一般的に大手企業で働いていると、上層部と顔を合わせることは少ない傾向にあります。
従業員数が少ないベンチャー企業では、経営陣と同じ部屋やフロアで勤務することも多くあるため、状況に応じて直接意見を伝えたり提案したりすることも可能でしょう。
また、経営陣との距離が近いことにより、普段とは違う視点で物ごとをみられたり、経営者の思考を学べたりと、一社員であれば出会えないような機会にも恵まれやすくなります。
ベンチャー企業は、物ごとを決める際の意思決定がスピーディーに行われる傾向にあります。
実施したい施策や新しい制度を提案しても通らない、作業効率アップのためにシステム導入を実施したくてもなかなか許可が下りないという経験をした人もいるでしょう。
主に新しい取り組みを行うことを目的としたベンチャー企業では、慣例にない提案は歓迎されやすく、悩むよりまずはやってみようという展開になることも多くあります。
自由度が高めのベンチャー企業であれば、社員の小さな意見でも新しい試みとして受け入れてもらいやすく、自ら手を挙げることで社内環境も変えられます。
転職経験のある人は、以前の勤務先との比較ができるため改善できる点などをみつけられるかもしれません。
経営陣に意見しやすいベンチャー企業では、社内全体を見回して新たな提案をすることもできるでしょう。
よりよい仕組みや制度を作ることで、企業としての成長につながり、社員が働きやすくなることがメリットとなります。
年齢や経験に関係なく、さまざまな意見を取り入れるベンチャー企業は、個人の実力や能力を重視した評価を行ったうえで、給与に反映する場合があるようです。
成長中であるがゆえに、固定給は少なく設定している企業が目につきます。
しかし、成果主義であるため、インセンティブを支給する、自社株を一定の価格で購入できる権利を用意しているという企業も存在します。
自分の力に対して正当な評価を得たい人や努力を重ねて成長したい人には、ベンチャー企業への転職を検討するとよいでしょう。
前職が一般企業であった場合は、異なる特徴をもつベンチャー企業へ転職するには勇気がいるかもしれません。
ベンチャー企業で働くことに向いている人の特徴をまとめてみました。
ベンチャー企業への転職に興味がある人は、チェックしてみてください。
物ごとに対して必要なものは何か、状況を改善するにはどうしたらよいかなど、積極的に考え、常に向上心をもって仕事に取り組めるような成長意欲のある人はベンチャー企業に向いているといえます。
前代未聞ともいえる事業やサービスを生み出すという目的があるベンチャー企業において、新しい物を開発するためには、自らの力を研ぎ澄ませる必要があるでしょう。
社員が能力を向上させることにより、企業の成長につながります。
社員の意見を受け入れ、次々と事業を展開していくベンチャー企業で働くとなると、一人ひとりの肩に大きな責任がかかります。
また、従業員数が少ない会社であれば、仕事量もおのずと増えてしまうでしょう。
多くの仕事を抱えるとネガティブになってしまう人もいますが、「仕事って楽しい」「もっと働きたい」という気持ちを持てる人は、ベンチャー企業に就職すると生き生きと働けるといえます。
安定した経営を行うには少し時間を必要とするベンチャー企業は、経営状況を整えるために会社の核となる物が必要です。
自分の能力を発揮してサービスを作り出したいという気持ちがある人は、ベンチャー企業なら希望を叶えられるでしょう。
また、経験のない仕事も挑戦したい、福利厚生などに関わり社内全体の環境を整えたいという姿勢がある人も、ベンチャー企業には求められています。
ベンチャー企業は、自分のやりたい事業を進められるという可能性を秘めた企業です。
経営陣へのプレゼンを行える力がある人は、さまざまなことに挑戦しやすい環境である場合が多くあります。
仕事で何かを達成したいという気持ちが強い人は、ベンチャー企業向きといえるでしょう。
経営陣との距離が近く、企業経営に関するような提案や経験ができる場合もあるため、経営を学びたい人や独立を考えている人にもおすすめです。
ベンチャー企業にはリスクもある反面、社員として迎えられると得られるメリットもたくさんあります。
ベンチャー企業で転職を成功させたい人は、いくつかのポイントをしっかりと押さえて、スムーズに転職活動を進めましょう。
ベンチャー企業で成功を収めるには、明確なキャリアプランをもちましょう。
自身の力で道を切り開けるような気持ちがある人は、ベンチャー企業にも快く迎えられ、将来的に多くの目標を達成することにつながります。
しかし、明確なキャリアプランが浮かばない人もいるでしょう。
その場合は、エージェントのいる転職支援サービスで相談してみるのがおすすめです。
これらのサービスでは、転職希望者の経験や状況、強みを基にアドバイス行うため、キャリアプランに関する相談も可能です。
求人票では把握できない企業情報を聞けるというメリットもあります。
選考のときに、そのベンチャー企業で働く自分を想像してみましょう。
リアルにイメージができるなら、ベンチャー企業への転職は成功する可能性も高くなります。
イメージがあいまいであると、転職後に思っていた環境ではなかったと感じて早々に辞めるかもしれないという印象を与えてしまい、合格につながりにくくなるかもしれません。
ベンチャー企業では、従業員が事業をやりとげるために一丸となって展開していきます。
企業の行うビジネスやサービスに対し、はっきりとビジョンが描けているかが重要です。
ベンチャー企業に転職する際は、企業側が転職希望者を戦力となれる人材かどうか厳しく審査していることを理解しておきましょう。
キャリアや経験から、自分の強みは何かなどしっかりと自己分析を行い、能力を存分に活かせる企業を探すことが、転職成功への近道となるのです。
通常、未経験職種への転職は困難であり、培ってきたキャリアを生かせる企業を選ばなければ、なかなか就業に結びつきません。
エンジニアという1業種を例に挙げても、ネットワークエンジニアやデータベースエンジニアなど、求められる仕事内容は細かく分かれていることが現状です。
転職前に得た力をフル活用できるベンチャー企業を、入念に探して応募しましょう。
ベンチャー企業への転職では書類や面接において、自分の強みを相手に納得してもらえるアピール力が重要です。
ベンチャー企業は多くの場合、資本金が少なめであるため人材採用にはあまりコストをかけられず、書類選考である程度の人数まで絞り、面接には限られた人数しか呼ばれない場合が多くあります。
つまり、書類で即戦力になる能力をもっていると思わせることが必要です。
履歴書にある資格や特技の欄にはじっくりと厳選した内容を書き込み、職務経歴書には希望するベンチャー企業で活躍できると感じられる成果をはっきりと記しておきましょう。
面接に進んだ場合は採用になる可能性が高いともいえますが、油断せず応募書類の詳細をしっかりとアピールすることが合格へとつながっていきます。
ベンチャー企業は新しい試みを事業として展開していることも多く、組織そのものが発展途上でもあるため、若い世代でもやりがいを見出しやすい環境です。
しかし、ベンチャー企業への転職は、平坦な道ではないでしょう。
企業それぞれの特性もさまざまで、自分に合う企業を1人で探すのは困難かもしれません。
ベンチャー企業への転職を目指すならば、プロのエージェントからキャリアプランに沿った、さまざまなアドバイスを受けることがおすすめです。
マイナビエージェントは、転職をサポートします。
各業界の事情を知る専門アドバイザーから業界独自の転職情報を聞いて、参考にしてみてください。
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