更新日:2025/06/30
この記事のまとめ
転職活動の一環として履歴書を作成する際、書き方で悩むこともあるのではないでしょうか。特に「退職」「退社」「離職」といった似た意味を持つ言葉の使い分けに迷った経験を持つ方もいるでしょう。
採用担当者に好印象を与える履歴書を作成するには、これらの用語の正確な意味と適切な使い分けを理解することが重要です。この記事では、「退職」や「退社」といった類似した言葉の意味の違いと併せて、採用担当者に好印象を与える履歴書作成のコツについて解説します。
目次
「退職」「退社」「離職」は、一見似ているようで明確な違いがあります。特に、転職活動や履歴書作成の際に違いを正しく理解することは、採用担当者に好印象を与えるために重要です。ビジネスシーンで誤解を招かないためにも、それぞれの言葉の意味や適切な使い分けについて理解しましょう。ここでは、これらの言葉の意味と具体的な使用場面について解説します。
「退職」とは、勤めていた職を離れることを意味します。会社と従業員の雇用関係が終了する行為で、自己都合・会社都合を問わず使用します。一般的なビジネスシーンでは、退職届や退職願などの公式文書で使われることが多く、「定年退職」「自己都合退職」といった表現も一般的です。
退職時には就業規則にしたがって手続きを行い、法的には退職の意思表示から2週間後に退職となります。また、「退職」は履歴書の職歴欄記入時や退職金制度など、公式な場面で広く使われる表現です。
「退社」には主に2つの意味があります。ひとつは「会社を辞める」という意味で、雇用関係が終了することを指します。もう一つは「その日の勤務を終えて会社から出ること」を表す日常的な意味です。このように2つの意味があるため、誤解を招きやすい言葉といえるでしょう。
たとえば、電話対応で「○○はすでに退社しました」と伝えると、「会社を辞めた」と誤解されるリスクがあります。このような場合、「本日はすでに退社しております。明日は9時に出社予定です」と補足するか、「失礼しております」といった別の表現を使うことで誤解を防げます。
会社を辞めたことを伝えたいなら、「○月○日付で退社いたしました」と日付を明記するのが適切です。曖昧さを避けるなら「退職」という言葉を使うことで、より明確に意図が伝わります。
「離職」とは、従業員が職業から離れることを意味する言葉です。退職や解雇によって、企業と従業員の関係が終了した状態を指します。厚生労働省の調査では、離職者は「常用労働者のうち、事業所を退職したり、解雇された者」などと定義しています。
仕事を辞めることを意味する「退職」とほぼ意味は同じですが、使い方が多少異なります。例えば、「離職中」とはいいますが、「退職中」という表現はあまり使用しません。例文としては、「介護のために離職した」「1ヵ月前に退職し、現在離職中です」などの表現があります。また、企業が退職者の割合を公表する際は、退職率とはいわず「離職率」と表現します。
履歴書作成において「退職」と「退社」の適切な使い分けは、採用担当者の印象を左右する重要なポイントです。ここでは、履歴書で好印象を与えるための正しい表現方法について、具体的なケースに基づいて解説します。職歴欄の適切な記載方法から避けたほうがよいNG表現、職歴の具体的な記入例、退職理由の効果的な伝え方まで、初めての転職活動でも安心して履歴書を作成できるポイントを順に見てみましょう。
履歴書の職歴欄に記入する際は、「退職」という表現を使用するのが一般的です。「退社」にも会社を辞める意味がありますが、その日の業務を終えて会社を出るという日常的な意味も含まれるため、誤解を招く恐れがあります。
一方、「退職」には「職を辞める」という意味しかありません。履歴書では明確さを重視して「退職」を選ぶことで、採用担当者に好印象を与えられます。また、似た意味の言葉ですが、「離職」はあまり使用しません。
具体的には「20○○年〇月 株式会社□□ 退職」のように記載します。これにより、職歴の区切りが明確になり、採用担当者にとって履歴書が理解しやすくなるでしょう。特に初めての転職活動では、こうした細かな表現の違いに気を配ることが、採用プロセスを有利に進める鍵です。
履歴書に書くとマイナスイメージを与えるNG表現がいくつかあります。話し言葉を使用することは避け、「御社」ではなく「貴社」、「なので」ではなく「そのため」など、書き言葉に統一しましょう。「見れる」のような「ら抜き言葉」も不適切です。
また、企業名や資格名は略称ではなく正式名称で記載し、「(株)」ではなく「株式会社」と書きます。「いろいろな成果を上げました」という抽象的な表現は避け、具体的な実績を数値と共に示すことが重要です。
「貢献したいと思います」といった自信のない表現より「貢献します」と断定的に書くことで、自信がある印象を与えられます。誤字脱字や不適切な敬語も避け、丁寧に作成しましょう。
職歴欄の記入例としては、「20○○年○月 株式会社□□退職」というシンプルな書き方が基本です。会社名は略さず正式名称で記載し、西暦もしくは元号表記に統一します。在職中は「現在に至る」と記入し、退職予定日が決まっているなら「現在に至る(20〇○年○月○日退職予定)」と表記します。
派遣社員や契約社員の経験がある場合、「株式会社○○ 入社(契約社員)」のように雇用形態を明記するとよいでしょう。社内異動や昇進を記載すると、キャリアアップをアピールできます。これらを記入する際は、採用担当者が見やすいように簡潔かつ正確に表現することが好印象につながります。
退職理由を書く際は、前向きな印象を与えることが重要です。短期間での退職や転職回数が多い場合、筋の通った理由を具体的に記載しましょう。たとえば、「月80時間以上の残業が続き、業務負荷が大きいため」という理由を「クライアントと丁寧なコミュニケーションを取りながら課題解決できる環境を求めて」と言い換えると印象が良くなります。
スキルアップに不安がある場合、「さらなる技術向上のため」と表現すると、前向きに見えるでしょう。履歴書では「一身上の都合により退職」という定型文で十分ですが、職務経歴書ではより詳しく記載することで採用担当者の疑問を解消できます。退職理由と志望動機は一貫性を持たせ、ネガティブな表現より将来の目標を強調しましょう。
ビジネスにおいては「退職」と「退社」以外にも適切な使い分けが必要な言葉があります。これらの言葉の意味を正確に理解し、状況に応じて適切な表現を選ぶことは、履歴書や面接でプロフェッショナルな印象を与えられるでしょう。
ここでは、「辞職」「辞任」「解雇」といった退職に関連する言葉の違いや日常業務で混同されがちな「退勤」と「退社」の使い分け、転職活動を有利に進めるために知っておきたい雇用契約の専門用語について解説します。
「辞職」「辞任」「解雇」はそれぞれ異なる意味を持つ言葉です。「辞職」は主に役員クラスのような役職の高い人が自分の意思で職を辞める場合に使用します。一方、「辞任」は特定の役職や任務を辞めることを指し、必ずしも会社を離れるとは限りません。たとえば、首相が辞任しても国会議員としては残る場合があります。
「解雇」は会社が一方的に雇用関係を終了させる行為で、従業員の意思に関係なく行われます。整理解雇や懲戒解雇といった種類があり、法的に厳格な要件が定められています。これらの言葉は状況や立場によって適切に使い分けることが重要です。
「退勤」と「退社」は日常的に混同されがちですが、明確な違いがあります。「退勤」は「業務を終える」という意味で、リモートワークや在宅勤務時にも使用できます。「退勤」の対義語は「出勤」です。
一方、「退社」は「仕事を終えて会社から帰る」ことを意味します。物理的に会社に出社した場合に使う言葉で、16時に会社を出て営業先で18時まで仕事をした場合、退社したのは16時で退勤時間は18時です。
また、勤務先が官庁や研究所の場合、「退庁」「退所」と施設に応じた表現を用います。ビジネスシーンでは、これらの言葉の持つ意味を正確に理解し、状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが重要です。
転職活動では、雇用契約に関連する専門用語を理解することが大切です。「労働条件通知書」は企業が提示する重要書類で、給与や労働時間、業務内容といった条件が記載されています。入社前に必ず確認し、不明点は質問しましょう。
給与形態に関する用語も押さえる必要があります。「基本給」は各種手当やインセンティブを含まない給与のベースとなる金額です。「インセンティブ」は成果に応じた追加報酬、「固定残業代」はあらかじめ一定時間の残業を見込んで支払われる手当です。「年俸制」は1年単位で給与が決定する形態を指します。
これらの用語を正しく理解することで、求人情報を的確に判断し、自分に合った条件の仕事を見つけやすくなるでしょう。
転職面接では多くの場合、退職理由について質問されます。採用担当者は応募者の回答から人柄や考え方を判断するため、適切な伝え方が内定獲得の鍵です。ここでは、面接で退職について質問された際の効果的な答え方や印象を左右する退職理由の伝え方の実例、転職エージェントによる面接対策の活用法について解説します。これらのコツを押さえることで、転職活動を成功に導く大きな武器となるでしょう。
面接では退職理由を聞かれることがほとんどです。この質問は採用担当者が応募者の人柄や考え方を見極めるために行うもので、回答次第で印象が大きく変わります。
退職理由は2割、転職で実現したいことを8割の割合で話すと効果的です。単に前職への不満を述べるのではなく、その経験をどう活かして応募先企業で貢献したいかを具体的に伝えましょう。
具体的なエピソードを交え、自信を持ってハキハキと話すことも大切です。退職理由と志望動機に一貫性を持たせることで、明確な目的意識を持った人材だと評価されます。
退職理由の伝え方で、採用担当者の心象は大きく変化します。たとえば「人間関係が悪かった」という理由は「チームワークを重視した環境で働きたい」と前向きに言い換えると印象が良くなります。
仕事内容への不満も「専門性を高めたい」というキャリアアップの意欲として伝えられるでしょう。待遇面の問題も「仕事と家庭のバランスを取りたい」と表現すれば、建設的に聞こえます。
大切なのは、一貫した退職理由を明るくハキハキと伝えることです。面接では退職理由を短く説明した後、「だからこそ御社で○○したい」と未来の話に切り替えるとより効果的です。同じ内容でも言い方次第で、ネガティブな印象からポジティブな印象に変えられます。
転職エージェントの面接対策は、採用面接を成功させるための強力なサポートです。キャリアアドバイザーとの面談を通じて自己分析や業界動向を把握し、模擬面接で実践的なトレーニングができます。
特に退職理由や志望動機の伝え方について、プロの視点からフィードバックをもらえる点が大きな強みです。多くの転職エージェントでは無料で何度でも対策が可能で、面接本番での自信にもつながります。効果的に活用するには、事前に自己分析や志望企業のリサーチを行い、転職への意欲を担当者に伝えることが重要です。
「退職」と「退社」は似た言葉ですが、退職は職を辞めること、退社は会社を辞めること以外にも日々の勤務終了の意味があります。履歴書では一般的に「退職」を使用し、マイナスイメージを与える表現は避けましょう。転職面接では退職理由の伝え方で印象が大きく変わるため、前向きな表現を心がけることが重要です。
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