希望する業種・職種に就いたのに「今の仕事向いていないのかも......」と思い悩んでいる人は意外と少なくありません。「せっかく入ったのだから」と我慢し続けると、心身に負担がかかって辛い思いをする可能性が高くなり、キャリアプランにも悪影響を及ぼす原因になるため、思い切って転職を検討してみるのも一つの方法です。

本記事では、今の仕事に向いていないと感じる理由やタイミング、そう思ったときの対処法や転職のコツについて解説します。今の仕事に何らかの不満や違和感を覚えている人は、ぜひ参考にしてください。

今の仕事に向いていないと感じる6つの理由

「今の仕事に向いていないかも」と感じた場合、そこには何かしらの理由があります。根本的に悩みを解決するために、なぜ向いていないと思ったのかの原因を追求してみましょう。

ここでは、今の仕事に向いていないと感じる主な理由を6つまとめました。

1. なかなか結果が出ない

「人より努力しているつもりなのになかなか結果が出ない」「同期に比べて成果が上がらない」など、努力に対して結果が伴わない場合、この仕事には向いていないかもしれないと思うきっかけになります。努力は怠っていないぶん、結果がついてこないと徒労感を覚えやすく、モチベーションが低下して働く意欲まで失われることも少なくありません。

すると、さらに業績が低迷してしまい、悪循環に陥るケースも少なくないようです。適性のない仕事は努力でカバーできないこともしばしば発生するため、頑張っても結果が出ない場合は転職を検討した方がよいかもしれません。

2. スキルや知識が不足している

担当する仕事に対して十分なスキルや知識を持っていないと、力不足を感じたり、なかなか結果が出ずに思い悩んだりしがちです。たとえば、営業職なのに人とコミュニケーションを取るのが苦手、経理担当なのに計算ミスが多いなどが挙げられます。

スキル・知識不足は経験を積み重ねていけば補えることが多いですが、元々の性格や性質は簡単に変えられるものではないため、いつまで経ってもスキル不足・知識不足を感じる場合は、今の仕事が向いていないといえるかもしれません。

3. 同僚との差を感じる

同じタイミングで入社したのに、同僚や同期と比較して能力に差を感じる、あるいは周囲のレベルが高くついていけないと感じると、次第に職場の居心地が悪くなってしまいます。

特に同期が先に出世して自分の上司になる場合など、強い劣等感を覚えて、ますます自信を失いがちです。同僚との差を感じたときは、なるべく他人と比較しないようにする、自分は自分と割り切るなどの対処法で乗り切るようにしましょう。同僚との差を感じる理由が仕事への適性のなさにあるのなら、環境を変えてみるのもひとつの方法です。

4. 職場環境が合わない

同じ業種でも、職場の雰囲気や社風は会社ごとに大きく異なります。入社前は雰囲気のよい会社だと思っても、いざ入職してみたら人間関係に馴染めない、社風が合わないと感じる人は意外と多いものです。

実際、厚生労働省が実施した令和4年雇用動向調査によると、離職理由についてその他の理由を除くと、男女ともに「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」に次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」が多い結果でした。人間関係が原因で離職に至る人も少なくないようです。

職場環境の感じ方には個人差があるため、馴染めない、合わないと感じたら環境を変えてみるのもよいでしょう。

参照：令和４年雇用動向調査結果の概況（P15）｜厚生労働省

5. 将来的なイメージができない

「今の職場で働いている数年後の自分が想像できない」「今後のキャリアプランを描けない」と感じる場合は、現在の仕事が向いていない可能性があります。なぜなら、現在の仕事にやりがいや適性を感じているなら、キャリアアップやポジションアップについて自然と考えるようになるからです。

将来のキャリアプランやビジョンがなかなか見えてこないのは、今の職場に対して漠然と不満や不安を感じていたり、仕事へのモチベーションが低下したりしていることのサインかもしれません。

6. 別の仕事に興味がある

最初は興味・関心を持って取り組んでいた仕事でも、スキルや適性がないと感じ始めると、「ほかの仕事をやってみたい」と関心が移ることがあります。もちろん、やりたい仕事や興味のある仕事が適性のある仕事とは限りませんが、興味・関心の薄い仕事を続けてもモチベーションや充足感はなかなか上がりません。

モチベーションの低下は仕事の成果に大きな影響を及ぼす原因になるため、別の仕事に興味を持ったなら、転職を検討してみてもよいでしょう。

今の仕事に向いていないと感じるタイミング

今の仕事が向いていないと感じるタイミングは人それぞれですが、特に以下のような時期は、ふとしたきっかけで「このままでよいのかな」と悩む人が多いようです。

• 仕事に慣れてきたとき
• 長期的に勤めているとき
• 転勤してしばらく経ったとき

以下ではそれぞれのタイミングについて詳しく解説します。

仕事に慣れてきたとき

入社したばかりの頃は、仕事や職場の雰囲気に慣れるのに手一杯で、ほかのことを考える余裕はほとんどありません。しかし、仕事に慣れてくると、徐々に周囲に目を向けたり、仕事についてじっくり考えたりできるようになります。

すると、労働条件や人間関係への不満、仕事への適性のなさ、将来への不安などが徐々に浮き彫りになり、「今の仕事は自分に向いていないのでは？」と悩み始める人が増えてくるようです。また、仕事に慣れていないうちは怒られて当たり前という意識がありますが、慣れた頃に怒られるとショックを受けたり落ち込んだりしやく、現状に疑問を抱くきっかけになることもあるようです。

長期的に勤めているとき

ひとつの会社に長く勤めていると、途中で経営方針に変化があったり、トップが入れ替わったりすることがあります。場合によっては労働環境が大きく変化したり、これまでとは異なるスキルや行動を求められたりすることもあるでしょう。

従来の職場や仕事に愛着があるほど、大きな変化を受け入れるのは難しく、「もうここでは働けないかも」と感じる人は多いようです。また、昇進によってポジションが変わると、業務上の役割にも変化が生じます。たとえば、現場で働くのが性に合っていたのに管理職になった場合、仕事にストレスを感じて悩みを抱えることもあるかもしれません。

転職してしばらく経ったとき

「前職に興味を持てない」「人間関係が嫌で環境を変えたかった」との理由で転職したにもかかわらず、いざ転職したら「想像していた仕事内容ではなかった」「転職先の社風が合わなかった」と悩む人は意外と少なくありません。

特に職場の雰囲気や人間関係は実際に入社してみないとわからない部分が大きいため、「前職の方がましだったかも」と後悔するケースは多いようです。また、同じ業種や職種であっても、制度やルールは会社ごとに異なるため、転職してしばらく経っても前職とのギャップに苦しむ人もいます。

今の仕事に向いていないと感じたときの対処方法

今の仕事に向いていないと感じていながら放置すると、心身に大きな負担がかかります。場合によっては体調不良に陥ったり、メンタルに不調を起こしたりする原因になるため、仕事の適性について思い悩んだら、以下の対処方法を実践してみましょう。

ストレスやモチベーション低下の原因を探す

まずは、今の仕事にストレスを感じる理由や、仕事への意欲が湧かない理由を探ってみましょう。ストレスやモチベーション低下の原因が見つかったら、さらに深掘りすることによって根本的な要因の発見につながります。

たとえば、営業の仕事にストレスを感じているのなら、「なぜ営業が向いていないのか→コミュニケーションスキルが不足している→なぜコミュニケーションが取れないのか→人と関わることに苦手意識があるから......」という風に原因を突き詰めていくと、問題の解決方法が見えてくるかもしれません。

ポジティブな解決策を検討する

今の仕事は向いていないと思いつつ、じっと我慢してしまう人は少なくありません。

しかし、ストレスを抱えながら仕事を続けると、心身に不調を来したり、仕事のモチベーションが低下して自己成長が頭打ちになったりと、さまざまなリスクがあります。そのため、今の仕事が向いていないと感じたら、我慢せずにポジティブな解決策を見出すようにしましょう。たとえば、部署異動を願い出たり、転職したりして環境ががらっと変われば、現在抱えているストレスや不満が払拭されるかもしれません。

第三者の意見を聞く

一人であれこれ思い悩んでいると、考えが堂々巡りになり、よい解決策が思い浮かばないものです。場合によっては悪循環に陥ることもあるため、客観的に物事を見て、適切なアドバイスを提供してくれる第三者に相談することも検討しましょう。

相談する相手としては、上司や同僚、家族、友人などが一般的ですが、より専門的かつ客観的なアドバイスを求めるのなら転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントなら、求職者の適性や要望にマッチする求人探しから、内定・入社後のアフターフォローまで、プロの視点からアドバイスやサポートを提供してくれるため、転職後に「想像と違った」と後悔するリスクも少なくなります。

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「仕事に向いていない」と感じたときの転職のコツ

 
今の仕事に向いていないと感じたときは転職を検討するのも一つの方法です。

ただ、勢いだけで転職活動を開始すると、なかなか採用されなかったり、転職後に再び同じような悩みを抱えたりする原因になります。同じ後悔をしないためにも、転職をする際は以下のポイントを押さえて活動に取り組みましょう。

本当に転職すべきか慎重に考える

今の仕事に向いていないから、とりあえず転職しよう！と安易に考えると、転職先で同じ悩みや問題を抱えることになりかねません。まずは、今の仕事に向いていないと感じた理由を明確にしたうえで、その問題は転職しなければ解決できないものかどうか、じっくり検討してみましょう。

部署異動や意識改革などで対処できる問題であれば、先にそちらの対処法を実践し、様子を見てみるのもひとつの方法です。それでも問題が解決しない場合は、改めて転職を考えてみましょう。

主体的に行動する

前述の通り、職場を変えたからといって、現在抱えている問題や悩みが解決するとは限りません。

再び自分に合わない仕事や職場を選んでしまわないよう、転職活動を行う際は事前に自己分析や企業研究を積極的に実施しましょう。自分にはどのような仕事が向いているのか、どういう職場で働きたいのかを明確にすれば、条件にマッチした求人が見つかる可能性が高くなります。

自己分析を行う際は、Web上で公開されている自己分析シートを活用したり、5W1H、すなわちWhere（誰が）・When（いつ）・Where（どこで）・What（何を）・Why（なぜ）・How（どのように）を意識して自己を分析したりする方法が有効です。

退職理由はポジティブに伝える

転職の場合、企業面接で退職理由を聞かれることが多いです。その際、「今の仕事が向いていないと思ったため」と答えると、同じような理由ですぐ辞めてしまうのではないかとネガティブな印象を持たれる恐れがあります。

そのため、退職理由ではネガティブな理由はあえて伝えず、ポジティブな説明を心掛けましょう。たとえば、現在の仕事に興味・関心を持てないのなら、「御社の商品を愛用しており、より自信や関心をもって自社の商品・サービスを提供できると思った」などと説明すると、プラスの印象を与えられます。

ただ、嘘の理由を説明するとかえって心証が悪くなるため、きちんと自己分析し、なぜ今の仕事が向いていないと思ったのかを明確にしておくことが大切です。

転職エージェントを利用する

転職活動を効率的に進めたいのなら、転職エージェントの利用を検討しましょう。転職エージェントを利用すると、担当者が求職者の希望や条件をヒアリングし、要望にマッチした求人を探してくれます。

また、応募資料の効果的な作成方法や、転職活動に特化した面接対策などもサポートしてくれるため、短期間で希望する職場への決定がしやすくなります。さらに、入社後に「想像と違う」「待遇に不満がある」といった悩みが発生すれば相談に乗ってくれるため、初めての転職でもチャレンジしやすいでしょう。

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まとめ

「なかなか仕事の結果が出ない」「職場環境が合わない」などの理由で、今の仕事に向いていないと感じたら、その理由を明確にしたうえで、効果的な解決方法を模索しましょう。転職も一つの方法ですが、原因が明らかにならないうちに職場を変えても、同じ悩みを抱える可能性があります。

そのため、転職を検討する際は、ほかの解決策も考えてみる、自己分析や企業研究を徹底し自分にぴったり合った職場を探すなどの工夫を取り入れましょう。また、転職エージェントを利用し、プロの意見を取り入れながら活動するのも有効な方法です。

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