更新日:2023/05/25
この記事のまとめ
システムエンジニアは、要件定義や設計などの上流工程からプログラミングを含めた下流工程まで幅広く担当します。さまざまな業務を担当するため、広範なスキルが求められる職種です。
システムエンジニアを目指しているものの、どのようにスキルアップすればよいのか分からず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、システムエンジニアに必要とされる具体的なスキルとスキルアップのコツを紹介します。
必要なスキルを効率的に学ぶことで、システムエンジニアへの転職を実現しやすくなるでしょう。
目次
IT業界において、システム開発プロジェクトのさまざまな領域に携わるエンジニアを「システムエンジニア」と呼びます。システムエンジニアの主な仕事内容は以下のとおりです。
携わるプロジェクトによって、仕事内容は大きく異なります。クライアントとのヒアリングや要件定義をはじめとした上流工程に携わることもあれば、開発や運用といって下流工程に携わることもあるでしょう。さまざまな領域を担当するため、幅広いスキルが求められます。
システムエンジニアはICTシステムの開発プロジェクトでさまざまな領域を担当するため、幅広い知識が必要です。ここでは、開発現場でシステムエンジニアとして働くうえで欠かせない専門スキルを3つ紹介します。より有用なシステムエンジニアとして活躍するためにも、日々スキルアップに励みましょう。
システムエンジニアとして活躍するには、高度なプログラミングスキルが必要です。世の中には数多くのプログラミング言語があるため、需要が高いものから学ぶとよいでしょう。需要が高いプログラミング言語の一例は以下のとおりです。
携わる分野によっても、必要とされるプログラミング言語が異なります。たとえば、Javaはさまざまな分野で幅広く使用されている言語です。PythonやRはAIや機械学習分野で使用されています。
新たなプログラミング言語を学ぶときは、自分が目指している分野でトレンドになっているものが何かを考えて学習するとよいでしょう。
ICTシステムに携わるうえでは、ネットワークやセキュリティに関するスキルも求められます。この分野を専門とするネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアが参加するプロジェクトもありますが、システムエンジニアがまとめて担当するプロジェクトもあるためです。
ネットワークの設計・構築に必要なスキルや最新のセキュリティに関する知識を学ぶなど、スキルアップに励むことをおすすめします。
システム開発の現場では、必要なリソースをすべて自前で調達せずにクラウドサービスを利用することがあります。サーバーやデータベース、プラットフォームをはじめとしてさまざまなサービスが使用されるため、クラウドに関する知識を増やしましょう。
システム開発の現場で多く用いられているクラウドサービスには、AWS・Microsoft Azure・Google Cloudがあります。システムエンジニアとして働く中でこれらのサービスを活用する可能性は高いため、学んでおくとよいでしょう。
システムエンジニアとして活躍するには、専門スキルに加えてポータブルスキルも求められます。ポータブルスキルとは、分野を問わずビジネスシーンで必要とされる汎用的なスキルを指す言葉です。
ここでは、システムエンジニアが習得したい3つのポータブルスキルを解説します。プロジェクトチーム内のコミュニケーションをスムーズにするためにも、普段から意識して習得を心掛けるとよいでしょう。
マネジメントスキルは管理スキルとも呼ばれ、ビジネスに必要な4つのリソース(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に管理するためのスキルです。具体的には、以下のスキルが含まれます。
いずれもプロジェクトを進めるうえで欠かせないスキルであり、要件定義やプロジェクトの工程管理に携わるシステムエンジニアにも必要です。すぐに習得できるものではないため、日々の業務を通じて少しずつ身につけていきましょう。
システムエンジニアとして働くには、ロジカルシンキングが欠かせません。ロジカルシンキングは特定の物事から結論と根拠を抽出し、どのようにつながっているかを筋道立てて考える思考パターンです。
システムエンジニアの仕事では、何らかの問題を解決するための方法や、特定の目的を達成するためにどのような機能を実装するかなどを考えることがあります。そのようなときには、目標にいたる道筋を考えるためにロジカルシンキングが必要です。
クライアントのヒアリングや要件定義を担当するときには、提案力が求められます。抱えている課題をどのように解決するかを考え、説得力がある仕方で提案する必要があるためです。
場合によっては、収益力の改善をはじめとしたビジネス上の課題に向き合うこともあります。ビジネスをサポートするという観点でも欠かせないスキルといえるでしょう。
システムエンジニアとして活躍し、より有用な人材になるには継続的にスキルアップに励むことが大切です。ここでは、スキルアップするときに押さえておきたい3つのプロセスを解説します。市場価値が高いスキルを効率的に習得するためにも、事前に確認しておくとよいでしょう。
スキルアップの取り組みは、自分のスキルレベルを可視化して強化したい部分を可視化するところから始まります。まずは自分のスキルレベルを客観的に知るために、スキルマップを作成しましょう。
スキルマップは自分が習得しているスキルとそのレベルを図表にまとめたものです。習得しているスキルを可視化すれば、自分の長所となるスキルと強化しなければならないスキルが明らかになります。
スキルマップから十分なレベルに達しているスキルと不足しているスキルが明らかになったら、不足しているスキルを集中的に強化しましょう。
たとえば、より高度なプロジェクトに携わるのに求められるプログラミングスキルに達していないのであれば、優先的に学ぶ必要があるでしょう。
ウィークポイントになっているスキルを強化したら、自身の市場価値を高めるために新たなスキルを習得するのがおすすめです。
システムエンジニアとして働くのに十分なスキルを有していても、新たなスキルを意欲的に学ぶことで別の領域で活躍したり、上位職種にキャリアアップしたりする道が開かれます。まずは自分が目指すキャリアの方向性を定め、求められるスキルが何かを考えましょう。
将来性や安定性を考えて、大企業への転職を希望しているシステムエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
「身を寄せるのであれば大きくて力のある者のほうが安心」であることをたとえた「寄らば大樹の陰」ということわざもあります。ここでは、大企業でシステムエンジニアとして働く魅力について紹介します。
システムエンジニアが大企業で働くメリットのひとつに、「収入が高く、福利厚生が充実していること」が挙げられます。ボーナスなどのオプション待遇がしっかりしているのも魅力です。
また、大企業は福利厚生が整っている傾向にあり、産前・産後休業や育児休業などに柔軟に対応してもらえる可能性があります。そのため、ワークライフバランスを保ちつつキャリアアップを目指す場合の転職先としてもおすすめです。
仕事の規模が大きいことも、大手企業で働くメリットです。大企業には、参入障壁の高い分野や、利益率の高い仕事を取り扱う資金力と開発力があります。
数千万円〜数億円規模の仕事や、行政から委託を受けて行う仕事など、協力会社を束ね、長期計画を立てて取り組む仕事もあります。
社会的に影響力の大きいプロジェクトに関わる機会が多く、誰が見ても分かりやすい実績を作れるのも大企業で働くメリットといえます。より高い報酬や難度の高い仕事を求めて転職するときも、それらの実績が有利に働くことが多いでしょう。
ここまで大企業でシステムエンジニアとして働く魅力をいくつか紹介しましたが、大企業の雰囲気が肌に合うとは限りません。
状況によっては、中小企業のほうが自分の知識やスキルを活かせるケースもあるでしょう。ここからは、大企業を選ぶ際の注意点を紹介します。
大手SIerやシステム・ベンダーなどの大企業は、1,000人以上の社員を抱えています。社員数が1万人を超える大手SIerもあります。数百、数千の新卒応募者の中から選ばれた生え抜きや、他社での実績が認められ転職してきた優秀な人材も数多く働いているでしょう。
そのため、たとえ転職に成功しても、すぐに自分のやりたい仕事ができるとは限りません。やりたい仕事や入りたいプロジェクトに自ら手を挙げるチャンスをつかむまで、割り当てられた仕事で成果を出し続けることが大切です。また、時には社内政治をうまくこなすことも必要になるでしょう。
IT業界だけの話ではありませんが、「書類ひとつとおすのにも時間がかかる」のは大企業のデメリットといえる部分でしょう。
何かを購入したり、新しいシステムを導入したりしたいときにも時間がかかり、なかなか次のアクションに移れない場合もあります。
大企業では業務が細分化されており、担当できる仕事が限られてしまう場合があります。場合によっては、クライアントからニーズを聞き取り、実際にシステム開発をするベンダーに橋渡しするだけの仕事を任されることもあります。
規模の大きなプロジェクトのメンバーに入れたとしても、仕事を下請け企業に割り振るだけのマネジメント業務や、システムテストの担当を割り当てられることも考えられるでしょう。
結果として「最新の技術の現場に触れる機会は少なくなる」というのは、大企業で働いたことのあるシステムエンジニアからよく聞く声です。「ITのスキルを活かして働きたい」「難しい仕事でITスキルをさらに高めたい」と考える方は、大企業への転職が向いていない可能性があります。
大企業のシステムエンジニアは、規模の大きい案件に長いスパンで関わることが多く、特定分野のスキルしか深まらない場合もあります。
銀行の案件に長く関わっていれば、銀行経営の仕組みや銀行のシステム設計には詳しくなるかもしれませんが、ほかの業種や分野に携わる機会は少なくなります。
逆にいえば、何か特定分野に強みを持ちたいと考えるシステムエンジニアにとっては、大企業で仕事をすることが、その後のキャリアに有効に働くでしょう。
大企業のシステムエンジニアといっても、大手のベンダーやSIer、社内SEなど、多くの選択肢があります。ここでは、大企業への転職を成功させるために必要なスキルやマインドについて紹介します。
大企業に入ると、クライアントや協力会社など社外の人と関わったり、リーダーとしてプロジェクト全体を取りまとめる立場になったりする機会が多くなります。知識やスキルがあっても、コミュニケーション能力が低ければ、仕事を円滑に進められません。
また、業務を組み立てたり、プロジェクトメンバーに説明したりする機会も多くなります。そのため、論理的な思考力も、大企業のシステムエンジニアにとって欠かせないスキルです。
大企業への入社を目指して転職活動をする場合、何かの業務分野に特化している人は評価されやすいといえるでしょう。
たとえば、中小企業のSIerとして同じ業界の仕事に長く従事していて特定業界の経営事情に詳しいのであれば、その業界に強みを持つ大手SIerや企業の社内SEなど、業界を絞って転職活動をするとよいでしょう。また、専門的な業界知識が求められる分野のパッケージソフトの開発を手掛けていたなど、スペシャリティといえる技術を持っている人は企業から必要とされる傾向にあります。
上に挙げたような実績がなくても、「Javaが得意」「C言語には自信がある」など、自分の得意なことやできることを明確にしておくことが大切です。
システムエンジニアとして自分の市場価値を高めるには、さまざまなスキルを磨くことが大切です。習得したスキルやこれまでの実務経験は、上位職種にキャリアアップする際にも役立ちます。
システムエンジニアからさらに上位職種にキャリアアップしたい方も、スキルアップに積極的に取り組みましょう。自分が目指すキャリアの方向性を定め、転職するのもおすすめの方法です。
キャリアアップ目的の転職を考えている方は、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。IT業界に特化したキャリアアドバイザーが、スキルや経験を活かせるキャリアアップをサポートします。
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