未経験から化学業界へ転職するコツ
化学素材を活用して新たな製品を開発する化学メーカーは、
研究開発や技術開発に携わりたいと考える人にとって転職の選択肢の一つです。
営業やシステム開発など企業を支える職種も豊富であり、
これまでの経験やスキルを活かして活躍出来るさまざまな仕事が化学メーカーの中にはあります。
そこで今回は、化学業界の動向や職種、平均年収などを詳しくご紹介します。
化学メーカーの転職事情に
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ひと口に化学業界といっても、
メーカーによって生産している製品は大きく異なります。
まずはその業界全体についての理解を深めましょう。
化学業界が市場に送り出す製品の代表例として挙げられるのが、化学肥料や工業製品です。化学素材から生まれた肥料は農業を営む人々を助け、私たちの食生活を間接的に支えています。
工業製品は「無機化学工業製品」と「有機工業製品」の2種類に分類されます。無機化学工業製品は炭素を含まない素材によって開発された工業製品のことで、圧縮ガスや液化ガスなどが代表的です。
一方、有機工業製品は炭素を含む素材によって開発された製品で、石油や有機顔料、プラスチック、天然ガスなど幅広い製品が該当します。
化学業界では、開発などの技術系職種から、
営業職、総務・人事などの管理系の職種まで、さまざまな職種が活躍しています。
これらの中から、「未経験で転職しやすい職種」をピックアップしてご紹介します。
01
生産工程をマニュアル化し、
未経験者向けに研修を用意する企業も
ものづくりの現場では、一定の品質の製品を安定的に生産できるよう、多くのメーカーが生産工程をマニュアル化しています。未経験者向けに教育・研修を用意している企業も多く、製造職は未経験の方にとって最も転職がしやすい職種と言えます。雇用形態も多数あり、自部のペースで働くことも可能。まずは製造職で経験を積み、生産技術職や生産管理職などの職種に転職するなど、戦略的にキャリアアップを目指している方にもオススメしたい職種です。
02
異業種での営業経験を活かせば、
未経験での転職も可能
03
あらゆる業種で必要な職種。
自分の強みをアピールしよう
総務・人事など管理系の職種は、あらゆる企業・組織で必要です。そのため、営業職と同様に、異業種で総務・人事の経験がある方を歓迎する企業が少なくありません。「採用業務に携わってきた」「給与や社会保険の手続き業務の経験がある」など、前職の経験で得た「強みとなる分野」をアピールしましょう。また、化学業界未経験で、かつ総務・人事職未経験の方は、Excelなどのスキルを習得しておくことをお勧めします。
化学業界は中途採用が活発な業界であり、未経験でも転職できるチャンスは十分にあります。とはいえ、研究開発や技術開発などの高度な専門知識が必要な職種は実務経験が必須となる場合が少なくありません。
未経験者が化学業界の求人に応募するのであれば、「未経験者歓迎」や「経験不問」の求人を探し、即戦力ではなくゼロから育ててもらえる企業を探すことをおすすめします。もしくは、営業職やシステム開発など、研究開発とは異なる専門性を必要とする職種に応募するのも手段の一つです。
また一人での転職活動に不安がある場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
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化学業界で経験を積んだ後には、異業種のメーカーや化学系の専門商社、
コンサルティングファームなど、さまざまなキャリアが拓かれています。
化学業界での経験を活かせる業界や職種についてご紹介します。
化学業界の経験を活かせる業界
化学製品を中間財として用いる業界がターゲット
化学メーカーが扱っている中間財は、さまざまな製品に使用されています。 製品や事業に関する深い知識が身についている強みを活かして、医療機器や建材、食品、化粧品など異業種のメーカーに転職する選択肢があります。また、化粧品メーカーは広義では化学業界に分類されますが、やさまざまなメーカーの中から、これまでの経験で培ってきた知識を活かせる職種・転職先を検討してみましょう。
化学製品を扱う商社で、これまで培った
知識・経験を発揮できる
自社の製品を扱う化学メーカーに対して、商社はさまざまな会社の製品を扱います。化学系の専門商社であれば、化学メーカーで身につけてきた知識・経験をフルに活かすことが可能です。 「自社の製品だけでなく、幅広い商材の中からお客さまが求めるものを提供したい」といった思いのある方にとって、商社は最高の転職先となることでしょう。
化学業界の経験を活かせる職種
化学業界と親和性の高い企業の研究開発職に就く
化学業界の研究開発職は、新たな技術開発に取り組む「研究職」や、自社が持っている技術を応用して製品を開発する「開発職」などがあります。どちらも、化学業界と親和性の高い企業に転職することで、前職の経験やスキルを活かすことができます。
提案力や製造現場での経験を活かして、
メーカーの課題と向き合う
コンサルティングファームは、提案力に自信のある方に特にオススメしたい転職先です。営業職や製造職、開発職として積んできた実務経験を活かして、さまざまな課題を解決するコンサルタントとして活躍します。例えば生産管理や生産技術など製造系の経験を積んできた方なら、「製造現場の業務効率化」などの課題に応えることができるでしょう。化学業界を熟知しているからこそ実現できるキャリアの一つです。
数字の分析や提案資料の作成で培った
スキルを活かせる
化学メーカーの事務職として経験を積んだ後、他業種の事務職に転職する選択肢もあります。また、営業職として活躍してきた方も、数字の分析や提案資料の作成などで培ったExcelなどのスキルを、事務職の仕事で活かすことができます。「腰を据えて、じっくり仕事に取り組みたい」などの希望がある方に向いた仕事と言えるでしょう。
化学業界の求人数は?今、最も需要の高い職種は?
化学業界の最新求人動向をチェックして、効率よく転職活動を進めていきましょう。
化学業界はコロナ禍で一時的に業績が減少したものの、現在は回復基調にあります。また、持続可能な開発目標「SDGs」を達成するため、再生可能なエネルギーの利用を拡大するなど、環境を軸にした取り組みで業績を伸ばしている企業も少なくありません。今後も安定的に成長していくことが見込まれています。
業績拡大により中途採用に力を入れている企業も多く、転職市場も活況です。技術職、営業職、製造職などの職種で転職を検討している方は、積極的に転職活動を進めていきましょう。
マイナビエージェントが調査した「業種別平均年収ランキング【2016年版】」によると、平均年収は470万円となっています。
20代では418万円であるのに対して、30代では552万円と、20代から30代にかけて年収が上がっていく傾向です。 他業種と比較すると、やや高い水準であるといえるでしょう。
ただし、企業によっても年収にはばらつきがあります。一部上場企業などの大手化学メーカーであれば、平均年収が高い場合もあります。
化学業界は世界的に市場規模の拡大を続けていますが、日本に限るとここ数年横ばいの状況です。
ここでは、化学業界の動向について解説します。
世界的には中国を中心に市場規模が拡大
化学業界の市場は、世界的に見ると1990年頃から順調に成長し続けています。しかしこの成長の内訳は中国が中心であり、中国を除く世界の国々の実態としては、ここ20年ほど「それほど伸びていない」と表現して差し支えない状況にあります。GDPは各国とも伸び続けていますが、化学業界に限ると飛躍的な成長は見られていないのが現状です。
日本はここ数年横ばい
中国の急速な成長もあり世界全体で見ると拡大を続けている化学業界ですが、日本に関していえばここ数年横ばいの状況が続いています。
かつてはアメリカやヨーロッパとともに化学産業において世界の最先端を進んでいましたが、前述の通り日本を含めたこれらの地域は石油の産地である中東とも、需要が増加している中国とも地理的に遠いために、化学産業の分野において比較的不利であるといえます。
原油価格の影響や不採算事業の整理等が課題
新型コロナウイルス感染症からの景気回復を見越した産油国の減産政策などの影響により、原油価格の高騰が続いています。石油を原料とする製品が多い化学業界は価格高騰の影響をダイレクトに受けやすく、輸入に頼るしかない日本では開発コストが膨らむことが予想されます。
現行の不採算事業を整理し、コスト面で優位に立つことが難しい「コモディティーケミカル」と呼ばれる大量生産の化学製品ではなく、「ファインケミカル」と呼ばれる高付加価値化した少量生産の化学製品を中心としたビジネスに転換していくことが課題となります。
日本には、最先端技術を駆使して
人々の生活を支える製品を開発する化学メーカーが数多くあります。
東証一部に上場する化学メーカーは売上高が5,000億円を超える企業もあり、
各社の技術が日々の暮らしだけでなく日本経済全体も支えているといえるでしょう。
日本の化学メーカーの
世界での立ち位置
一般的に化学メーカーは、原料の生産地が近い地域や製品の需要が高い地域が市場競争において有利だといわれています。その点で日本は、化学製品の原料となる石油などの産地から遠く、中国近隣など主要な需要地からもやや離れているため、地理的な観点から見れば厳しい立ち位置にあります。
一方、国内需要が落ち着いている日本やアメリカ、ヨーロッパは急速な発展を続ける新興国とは異なり、化学製品に対して独自の価値を創出し、需要を喚起する必要がある段階に入っているといえるでしょう。
しかし、5~10年程度の開発期間を必要とする化学技術の開発サイクルは、ここ数年、市場との需要にズレが生じやすい状況にあります。化学メーカーが市場の需要に応えて新たな製品を提供したいと思っても、技術開発に長い時間がかかり、その間に次のトレンドが発生してしまう状況は少なくありませんでした。このような部分を見直し、今後は社会の変化に伴うユーザーの需要に応えていくためにも、開発体制を改めていく必要性が生じています。
化学業界の動向や職種、平均年収などについてお伝えしてきました。
日本における化学業界の成長率は横ばいを続けていますが、
ビジネスの転換次第ではさらなる成長を遂げる可能性を秘めた業界です。
とりわけオープンイノベーションの必要性が叫ばれる今、
化学メーカーが蓄積するさまざまな技術にはますます注目が集まると考えられ、
業界全体の活性化が期待されます。
未経験から化学メーカーへの転職をお考えであれば、
どのような職種があるのかを理解したうえで、まずは実務経験を必要としない
未経験者歓迎の求人を探すところからスタートしてみましょう。
Q未経験で化学業界に転職できますか?
Q化学業界の平均年収はどれくらいですか?
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