更新日:2024/10/28
この記事のまとめ
結婚している女性は、出産や育児などに伴う退職リスクや育休中のブランクなどの理由から、転職活動でしばしば不利になると思われがちです。しかし、既婚女性ならではの強みや利点を活かせば、転職活動を成功させることができます。
そのためには、転職活動を成功させるためのポイントや、職場選びのコツを掴んでおくことが大切です。
本記事では結婚している女性が転職で不利になると思われている理由や、既婚女性が転職で有利になる理由について解説します。既婚女性が転職を成功させるコツや職場選びのポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
企業の中には、さまざまな理由により、結婚している女性の採用を躊躇するところも少なくありません。なぜ既婚女性が転職で不利になると思われているのか、その理由をきちんと把握していれば、面接対策に役立てることができます。
ここでは既婚女性が転職で不利になると思われている主な理由を4つご紹介します。
結婚している女性は、妊娠・出産や育児に伴う退職リスクが懸念されます。厚生労働省が公開している資料によると、第一子の妊娠がわかったときに就業していた女性の就業継続率(2015~2019年)は69.5%です。就業継続率自体は年々増加傾向にあるものの、一方で残り3割の人は妊娠・出産を機に仕事を辞めていることがわかります。
企業はなるべく長く働いてくれる人を求めているため、「妊娠・出産・育児ですぐ退職してしまうのではないか」という不安を抱くところも多いようです。
参照:第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況|出典元 厚生労働省
パートナーが仕事の都合で転勤になった場合、配偶者である女性も一緒に移動する可能性が高くなります。転勤に伴う引っ越し先が近場であれば問題ありませんが、市や県をまたぐような遠方に引っ越すことになった場合、通勤が困難という理由で退職や転職せざるを得なくなる可能性が高いです。
企業側は社員のパートナーの転勤事情まで把握できないため、「パートナーの転勤を理由に突然退職されるかもしれない」という不安から採用を迷うこともあるようです。
日本では育児・介護休業法に基づき、原則1歳未満の子供を養育するための育児休暇を取得することができます。育児休業期間は原則1年間(子供が1歳になるまで)ですが、保育所に入所できないなど一定の理由がある場合は最長2歳まで延長されることもあります。その間、企業は不足する人材の穴埋めをするために、既存の社員の業務調整を行う必要がありますが、誰にどのくらいの業務を割り振るのかを考えるのは簡単なことではありません。
ほかの社員の業務負担も少なからず増加してしまうので、業務調整をネックと考えて既婚女性の採用を見送る企業もあるようです。
参照:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内|出典元 厚生労働省
既婚女性の中には、結婚を機に退職し、ある程度生活が落ち着いてから再就職を目指す方もいます。退社から再就職までに空いた期間は人それぞれですが、ブランクが長いほど、仕事に慣れるまでに時間を要すると判断されがちです。特に即戦力が欲しい企業は、入社後すぐに現場で活躍してもらいたいので、結婚を機に退職した方の採用を渋る可能性があります。
ただ、ブランクがあっても業務で役に立つスキルや知識、経験などが備わっていれば、転職で不利になるリスクは低いでしょう。
前述のように、既婚女性はさまざまな理由で転職活動において不利になることも少なくありません。しかし、その一方で、既婚女性だからこそ転職で有利になるケースもいくつかあります。
ここでは既婚女性が転職で有利になる理由を3つご紹介します。
既婚女性の強みは、結婚に伴う退職のリスクがないことです。
企業は人材を採用する際、募集や採用後の研修、教育、育成などに多大な時間とコストを費やします。そのため、早期離職されると投じたコストをペイできなくなるうえ、ほかの人材を新たに採用しなければなりません。
その点、既婚女性は結婚による退職リスクがないぶん、長く働いてもらえる可能性が高いので、企業側にとって安心して採用できるというメリットがあります。ただ、前述した妊娠・出産のリスクは懸念されるため、子供ができたとしても長く働く意欲があることをアピールすることが大切です。
現在、日本では2016年4月に女性活躍推進法が施行されるなど、女性の活躍を社会が後押しする風潮が強まっています。そうした流れの中で、企業に対しても女性が働きやすい環境づくりが求められており、未婚や既婚、子供の有無にかかわらず、働く意欲のあるすべての女性が活躍できる環境の整備が進められている状況です。
結婚している女性を採用すれば、既婚女性が活躍できる職場のロールモデルを作ることが可能となるため、近年では積極的に既婚女性を採用しているところも増えてきています。そうした企業に対して、既婚女性であることは転職活動で有利になる要素の一つです。
働いた経験のある既婚女性には、前職で培ったスキルや技術、経験などを備えています。多少ブランクが空いたとしても、これらのスキルや経験は業務において貴重な戦力となります。特に業種や職種とマッチしている資格や経験を持っている方は重宝されやすく、ほかにリスクがあっても積極的に採用したいと考える企業は少なくありません。
ここでいう経験は、業務経験や実績、資格だけに限らず、結婚や育児も含まれます。既婚女性や子どものいる女性ならではの経験を活かせる業種を選べば、率先して採用してくれる企業も増えるでしょう。
結婚している女性が転職を成功させるためには、企業が既婚女性の採用に対して抱いている不安を解消することが大切です。具体的には、長く働けることをアピールしたり、自身の経験や強みをまとめておいたりすると、相手に好印象を抱かせることができます。
ここでは既婚女性が転職を成功させるために押さえておきたいコツを5つご紹介します。
企業は出産や子育てによる早期退職を懸念しているので、長く働く意欲があることをアピールしましょう。たとえば、将来的に子供ができた場合でも職場に復帰する意欲があることを面接時にきちんと伝えておけば、出産に伴う退職という懸念点を払拭できます。
ただ、口頭で「育児と仕事を両立したい」と伝えても説得力がないと判断される可能性があります。実際に子供が生まれたときはどのようにワークライフバランスを取っていくつもりなのか、家族からどのくらいサポートを受けられるのか、といった具体的な話を盛り込むことも意識しましょう。
前職や結婚、育児といった経験を通して培ってきた経験やスキルを棚卸しし、自身の強みや長所をまとめておきましょう。そのなかから応募した企業にマッチするスキル・経験をピックアップし、応募書類に記載したり、面接時の自己PRに盛り込んだりすれば、企業が求める人材であることを効果的にアピールできます。
キャリアの棚卸しをすると、自身でも気づいていなかった能力や長所に気づくきっかけになるほか、自己評価が高くなって自信にもつながるので、一石二鳥の効果を期待できます。
転職希望者が多い場合、応募書類による選考が行われ、対象者のみが面接に進むことになります。書類選考で落とされないためには、応募書類を丁寧に作り込み、企業側に「この人と面接をしてみたい」と思わせることが大切です。
特に重視したいのは志望動機や自己PR欄です。なぜその企業を志望したのか、入社後にどのような仕事をしたいのか、などを分かりやすく、簡潔にまとめるようにしましょう。また、書類を作るときは誤字脱字のチェックを行う。学歴や職歴に載せる学校名や企業名は正式名称を使用するなど、基本的なポイントも忘れないようにしましょう。
面接ではさまざまなことを聞かれますが、既婚女性の場合、特に出産や育児に関する質問が多い傾向にあります。想定外の質問をされると、パニックになってスムーズに受け答えできなくなる可能性があるので、あらかじめ質問への回答を準備しておくとよいでしょう。
以下では既婚女性が聞かれがちな質問とその回答例をいくつかご紹介します。
【例文】
質問「残業や休日出勤はできますか?」
回答「残業は◯時までなら可能です。休日出勤は予定を調整し、できる限り対応します」
【例文】
質問「お子さんが生まれた後の仕事についてどのようにお考えですか?」
回答「出産後も家族などのサポートを受けながら、長く働き続けたいと思っています」
残業や休日出勤が難しい場合でも「できない」と即答するのではなく、「◯時までなら可能」と対応できる範囲を提示したり、予定を調整する意欲があることを伝えたりすれば、働く意欲があることを評価してもらえるでしょう。
既婚女性の転職活動は、未婚女性の転職とは異なるハードルがあります。未婚のときと同じ感覚で転職活動を行うと成功率が下がってしまう恐れがあるので、既婚女性ならではの転職のコツを押さえて活動していくことが大切です。
ただ、結婚して初めて転職活動をスタートする方は、なかなかコツやポイントを掴めないこともあるでしょう。そんなときは転職エージェントを利用し、プロのキャリアアドバイザーからサポートを受けるのがおすすめです。キャリアアドバイザーは幅広い年代や属性の方の転職を支援してきた実績があるため、既婚女性の転職についても的確なアドバイスやサポートを提供してくれます。
結婚後の転職活動に不安や悩みを抱えている方は、転職エージェントに相談することも検討してみましょう。
結婚している女性がワークライフバランスを実現するには、パートナーの存在や、将来子供ができた場合のことを考えて職場を選ぶ必要があります。
ここでは既婚女性が職場を選ぶときにチェックしたいポイントや、選び方のコツを4つご紹介します。
既婚女性が転職先に求める要素は人それぞれで、マイホーム費用や子供の学費のために収入面を重視する人もいれば、なるべく家庭中心の生活を送りながら無理なく働きたいという人もいます。前者なら待遇の良いところを、後者なら勤務地や勤務時間、休暇などを重視して職場を選ぶことになります。
このように、何を重視するかによって職場を選ぶ基準が変わってくるので、まずは仕事に対する優先順位を明確にするところからスタートしましょう。優先順位を決めるときはご自分の気持ちだけでなく、パートナーともよく話し合って、お互いの希望を擦り合わせておくことが大切です。
転職先で長く働く意欲があるのなら、目先の状況だけにとらわれず、将来のライフプランやキャリアプランを踏まえて職場を選ぶことが大切です。
たとえば、働きながら資格やスキルを習得できる環境が整っているか、キャリアアップを目指せる制度が整備されているか、育休後に復帰しやすい労働環境が整っているか、などをチェックしておくと、長期的に働ける職場であるかどうか判断しやすくなります。
会社によっては、ホームページなどにキャリアアップ制度や育児支援制度を実際に利用した社員の体験談などが掲載されていることもあるので、参考にするとよいでしょう。
産前・産後休業や育児休業は労働基準法や育児・介護休業法などの法令で定められた制度なので、妊娠・出産・育児中の女性なら誰でも取得できます。
ただ、実際に産休や育休を取得しやすい環境であるかどうかは会社によって異なります。人手不足などを理由に、産休や育休の取得をあまり好ましく思わない企業も残念ながら存在するので、積極的に産休・育休の取得を推進してくれるところを選びましょう。
また、企業によっては法令で定められたものとは別に、独自の育児支援制度を導入しているところもあります。たとえば、育休期間の延長制度や、無料保育所の設置、保育料の補助などです。こうした支援制度がある企業を選べば、出産後の職場復帰のハードルが低くなるでしょう。
女性が管理職やリーダーとして活躍している企業は、女性が働きやすい環境が整っている職場と考えられます。会社のホームページや企業案内などをチェックし、ロールモデルとなる女性管理職がいるか、全社員に対する女性社員の割合はどのくらいか、などの情報を確認しておきましょう。
また、女性活躍推進法に基づき、一定基準を満たした優良な企業は、えるぼし認定と呼ばれる認定を受けることができます。えるぼし認定の有無で職場を絞り込めば、女性が能力を発揮しやすい環境が整っている企業かどうか判断する参考になるでしょう。
参照:女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」|出典元 厚生労働省
結婚している女性は、出産・育児に伴う退職リスクや育休中の業務調整の手間などにより、転職活動で不利になるというイメージがあります。
しかし、一方で結婚による退職リスクがないこと、女性が働きやすい職場づくりのロールモデルとして役立つこと、これまでの経験やスキルを活かせることなど、既婚女性ならではの強み・利点もたくさんあります。これらのメリットを活かし、コツを掴んで転職活動を行えば、希望する業種・職種に採用される確率をアップできるでしょう。
結婚後の転職活動に不安があるという方は、プロのキャリアアドバイザーによる支援を受けられる転職エージェントの利用がおすすめです。
マイナビエージェントでは、転職を希望する方のニーズや目的をきちんとヒアリングしたうえで、ライフプランやライフスタイル、優先事項に沿った転職活動を支援します。職場選びから応募書類の作成、面接対策まで、一貫して徹底したサポートを提供するところが特徴です。
結婚後の転職活動に不安や悩みがある方は、ぜひマイナビエージェントのご利用をご検討ください。
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