産前休暇・産後休暇で知っておくべき制度と給付金|求人・転職エージェント

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更新日:2023/04/04

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産前休暇・産後休暇で知っておくべき制度と給付金

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子供を望む働く女性にとって、妊娠・出産・育児期間中のワークライフバランスはとても大切なものです。

在職中の方が出産する場合、産前休暇と産後休暇を取得することになりますが、これは具体的にどのような制度なのでしょうか?産前・産後休業についてまとめました。

目次

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そもそも産休とは「産前休業と産後休業」のこと

womanwill_1401_1.png「産前休暇」と「産後休暇」という言葉の正式名称は、「産前休業」と「産後休業」です。
一般的に使われる「産休」という言葉は、この2つを合わせた出産時の休業制度のことになります。

産前休業(産前休暇)とは?

産前休業は、出産予定日の6週間前から(双子以上の場合は14週間前から)取得できる休暇のことです。取得するためには、勤めている会社に対して産前休業の請求をする必要があります
請求の方法は会社の規定によって異なりますが、会社が請求を拒否することはできません。

また、産前休業に入る前の妊婦検診についても、会社は下記の回数について、請求があれば検診の時間を確保しなければならないと規定されています。

  • 妊娠23週まで...4週間に1回
  • 妊娠24週から35週まで...2週間に1回
  • 妊娠36週以後出産まで...1週間に1回

※医師が別途指示を出した場合はその回数。

産後休業(産後休暇)とは?

産後休業は、出産した日の翌日から8週間です。この期間中は、原則として仕事をすることができません。産前休業が請求制であるのに対し、産後休業は「休まなければいけない期間」ということです。

ただし、産後6週間を過ぎて本人が希望した場合に限り、医師の許可が下りれば職場復帰をすることができます。

産休は働く女性なら誰でも取れる

産前休業・産後休業は、正社員、アルバイト、パート、派遣社員、契約社員など、働き方を問わず誰でも取得することができるように、労働基準法第65条に定められています。働く女性の権利ですから、「アルバイトなのに産休なんて取れないよ」などと言われても、あきらめる必要はありません。

ただし、産前・産後休業中に給与が支払われるかどうかや、手当金が受け取れるかどうかは、個人の状況や会社の規定によって異なります。「休みは取れるが無給」という場合もあるのです。

産前休業・産後休業中にもらえるお金

womanwill_1401_2.png産前休業・産後休業中の生活を支え、出産費用をカバーするために、一時金や手当金の制度が用意されています。特に、出産育児一時金は、出産をするほとんどの方が受け取れるものです。

出産育児一時金

出産育児一時金は、健康保険に加入している方や、その配偶者が出産したときに受け取れる一時金です。ここでいう「出産」とは、妊娠4ヵ月(85日)以上での出産を指していて、通常分娩や帝王切開の他、早産、死産、流産、人工妊娠中絶なども含みます。

金額は基本的に子供1人あたり42万円ですが、産科医療補償制度に加入していない医院での出産の場合は、40万4,000円となります(2019年12月現在)。その他、加入している健康保険組合によって、独自の付加給付制度などが用意されていることもあります。

実際にいくらもらえるのかは、それぞれが加入している健康保険組合の案内を確認しましょう

出産手当金

出産手当金を受け取れるのは、次の2つの条件に全てあてはまる方です。

  • 会社に勤めていて、健康保険に加入している
    (夫の健康保険の扶養に入っている妻や、国民健康保険に加入している方は対象外)
  • 産前、産後に会社を休んで、その間の給与が支払われない
    (もしくは一部のみ支払われて、その金額が出産手当金の額を下回る)

この条件にあてはまる方は、出産の日の42日(双子以上の場合98日)前から出産の翌日以降56日目までのあいだのうち、実際に会社を休んだ日数に応じた出産手当金が受け取れます
なお、出産日が予定日よりも後になったときは、遅れた日数分も支給対象です。

1日あたりの支給される金額は、下記のとおりです(2019年12月現在)。

1日あたりの出産手当金=会社を休む前の12ヵ月間の標準報酬月額の平均額÷30日×3分の2


標準報酬月額とは、社会保険料を決める基礎になるもので、月々の給与の平均額のようなものです。
標準報酬月額がいくらなのかは給与明細などで確認できますので、会社に確認しましょう。

【例】
標準報酬月額の平均が36万円の人の場合

1日あたりの出産手当金の額
36万円÷30日×3分の2=8,000円
産前・産後休業として会社を98日間休んだ場合の出産手当金
8,000円×98日=78万4,000円

この方が産前・産後休業として会社を98日休んだ場合、78万4,000円の出産手当金を受け取ることができるということです。

産前・産後休業が終わったら「育児休業」が取れる

womanwill_1401_3.png産休は、出産後8週間で終わってしまいます。しかし、産後2ヵ月で仕事に復帰できる方ばかりとは限らないでしょう。そこで、産休の後に取得できる「育児休業(育休)」制度があります。

育児休業とは?

育児休業は、1歳未満の子供を育てている男女が取れる休暇制度です。会社に申請することで、子供が1歳になるまで取得できます(両親が二人とも取得する場合、1歳2ヵ月まで)。

なお、保育園に入れないなどの事情がある場合は1歳6ヵ月まで延長可能で、それでも決まらない場合は、最長2歳まで再延長ができます。

育児休業を取得できる条件

育児休業は、会社に期限の定めなく雇用されている社員であれば、基本的に誰でも取得することができます。ただし、入社後1年未満の方について「適用を除外する」という労使協定が結ばれている場合、取得できないこともあります。

また、派遣社員や契約社員のように期間を定めて働いている方については、「1年以上雇用されている」「今後も1年以上継続して働く予定がある」「1週間に3日以上働いている」といった条件を満たす必要があります。

雇用保険に加入している場合、育児休業給付金が支給される

育児休業を開始する前の2年間のうち、12ヵ月以上雇用保険に加入している方は、育児休業給付金を受け取ることができます。
ひと月あたりに給付される金額は下記のとおりです(2019年12月現在)。

  • 育休開始~6ヵ月まで
  • 育児休業給付金=育児休業を開始する前6ヵ月間の給料の合計を180で割った金額×支給日数(原則1ヵ月あたり30日)×67%
  • 6ヵ月経過後
  • 育児休業給付金=育児休業を開始する前6ヵ月間の給料の合計を180で割った金額×支給日数(原則1ヵ月あたり30日)×50%

【例】
育児休業を開始する前、1ヵ月あたり36万円の給料をもらっていた方の場合

36万円×6÷180=1万2,000円
1万2,000×30×67%=24万1,200円

育休開始から6ヵ月間は、毎月24万1,200円が受け取れるということになります。

産前休業・産後休業、育児休業中のお得な制度

womanwill_1401_4.png産前休業・産後休業や育児休業中には、様々な優遇制度を利用することができます。

  • 健康保険、厚生年金とも免除
  • 健康保険料や厚生年金保険料の支払いが免除されます。これは、妻だけでなく育児休業を取得した夫にも適用されます。
  • 出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金は全て非課税
  • 出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金には所得税がかかりません。
    また、翌年の住民税を算出する際の所得にも含まれませんから、税金を抑えることができます。ただし、今年支払っている住民税は去年の所得に対してかかっているものですから、住民税の支払いがなくなることはありません。
  • 出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金以外の収入が少なければ一時的に夫の扶養になれる
  • 出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金は、年間の所得に含める必要がありません。
    そのため、会社から支給された給料や副業などの所得額が低ければ、配偶者控除や配偶者特別控除が利用できます。
  • 将来の年金額をキープできる
  • 厚生年金の額は標準報酬月額によって決まりますが、3歳未満の子供を養育している場合、年金額をキープできる特例措置があります。
    3歳未満の子供を養育している期間中の標準報酬月額が、養育期間前を下回った場合は、特例措置として養育期間前の標準報酬月額を適用して年金額を算出してもらえるのです。

産前休業・産後休業や育児休業は働く人の多くが取得できる制度

womanwill_1401_5.png出産や育児に関する休業制度は、「正社員しか取れない」というものではありません。
また、育児休業に関しても、女性だけでなく男性の取得も法律で認められた権利です。
休業期間中に利用できる手当金や税制優遇、社会保険料の優遇制度なども多いため、お金の不安を感じすぎる必要はありません。安心して出産・育児に挑みましょう。

制度は充実しているものの、まだまだ理解の足りない会社や、旧態依然とした暗黙の了解がまかり通っている会社もあるのではないでしょうか。
自社の制度に疑問を抱いたときは、一度、マイナビエージェントのキャリアアドバイザーにご相談ください。また、これから出産を計画している方も、転職先の産休や育休の状況について、キャリアアドバイザーに相談してみることをおすすめします。

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執筆・編集

マイナビエージェント編集部

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