更新日:2022/09/07
この記事のまとめ
医療機器営業は、医療機関向けにさまざまな医療機器を販売する職種です。中には、医療業界未経験から医療機器営業への転職を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験者でも医療機器営業を目指せるのか、どのような知識・スキルが求められるのかを解説します。医療機器営業に転職するためのコツも紹介するため、合わせて参考にしてください。
目次
医療業界未経験で医療機器営業への転職を検討するにあたり、「未経験者でも採用されるのだろうか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。医療機器営業職を募集している企業の中には未経験者を積極的に採用しているところもあり、たとえ医療業界経験がなくても医療機器営業に転職する道は開かれているといえるでしょう。
この記事では、医療業界未経験者が医療機器営業に転職するためのコツを紹介します。医療機器営業に求められる知識やスキルを事前に身につけておけば、転職を優位に進められるでしょう。
転職後のミスマッチを防ぐには、転職前に医療機器営業の役割や主な仕事内容を正しく理解することが大切です。しかし中には、医療機器営業についておおまかにしか理解できていない方や、本当に自分のイメージどおりの職種なのか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。そこでまずは、医療機器営業の主要な役割を2つ紹介します。
医療機器営業は、自社が製造している医療機器を病院やクリニックなどの医療機関に販売するのがメインの仕事です。取り扱う医療機器は、主に以下の2種類に大別されます。
医療機器販売後のアフターサポートや使用方法の説明なども医療機器営業の重要な仕事です。メーカー以外にディーラー(販売代理店)で働くこともあり、その場合は複数メーカーの医療機器を取り扱います。転職先の企業によって取り扱っている製品や営業スタイルが異なるため、求人情報や企業情報を詳しくチェックすることが大切です。
販売やアフターサポートだけではなく、医療現場の声を開発現場にフィードバックするのも医療機器営業の役割です。「ここが使いにくい」「ここを改善してほしい」といった声を開発チームに伝え、よりよい医療機器の開発に貢献します。
安全上の懸念点など、対応が急がれる分野に対するフィードバックを取り扱うこともあるでしょう。より安全でより使いやすい製品に改善するためには欠かせない業務です。
医療業界未経験から医療機器営業への転職を成功させるためには、医療機器営業の仕事に役立つ以下のスキルを習得することが大切です。
転職前にどのようなスキルを身につければよいのか、現職の業務をとおして習得できるスキルはあるのかが気になっている方は、ぜひこの機会にチェックしておきましょう。別業種の営業職経験があれば、そこで培ったスキルを活かせます。
医療機器を商材としている都合上、臨床をはじめとした医学に関する最低限の知識が求められます。営業職以外でも、医療業界で働いた経験がある方や医療関係の資格を取得している方はそれを活かせるでしょう。
企業によっては、医学の知識がない方でも積極的に採用しており、充実した研修制度を用意しているところもあります。知識面で不安な方は、研修制度が充実している企業を選ぶとよいでしょう。なお、医療機器営業として活躍するには常に新しい技術を学ばなければならないため、学習意欲も求められます。
医療機器営業に限った話ではありませんが、営業職として活躍するには業界を問わずコミュニケーション能力が求められます。コミュニケーション能力とは、良好な対人関係を構築するのに必要なスキルの総称です。
具体的には、「自分の意見を正確かつ効果的に伝達する能力」「相手の伝えたいことを理解する能力」を示します。これらのスキルは、営業職として相手の悩みや課題を知って適切な解決策を伝えるために欠かせません。
ヒアリングスキルは、相手の話をきちんと聞いて意味を正確に把握するために求められます。広義のコミュニケーション能力に含まれますが、医療機器営業として働くために特に重要なスキルのひとつです。
医療機器営業として働いていると、医師や看護師などの医療従事者が実際に機器を使用し、改善点などをフィードバックしてくれることがあります。製品に対するフィードバックを開発チームに伝え、今後の開発に活かすことは重要です。医療現場の声を直接聞く立場にあるため、ヒアリングスキルを鍛えるように努力するとよいでしょう。
課題解決力とは、課題の原因を追求して適切な解決策を提示するスキルです。営業先の医療機関を訪問したときに、「精度が高い製品を探している」「現在使っている製品が使いにくい」などの課題を耳にすることがあります。
課題をヒアリングしたときに、なぜそのような状態に陥っているのかを知り、どのように自社製品を活用すれば解決できるのかを提示できれば契約につなげやすくなるでしょう。
営業先の要望を満たすための解決策を適切に提示するスキルが提案力です。一口に要望といっても、その内容は「課題解決」や「新たなニーズの充足」などさまざまです。
医療機器営業として働いていると、「診断精度向上を目的として最新機器に取り換えたい」「集まった医療ビッグデータから研究に役立ちそうな情報を抽出したい」など、医療機関側のさまざまな要望を耳にする機会があります。定期的に医療機関を訪問して医師などとコミュニケーションを図りながら、顧客のニーズを満たす自社製品を適切に提案する力が求められます。
医療業界未経験から医療機器営業への転職を目指していて、「はたしてやりがいがある仕事なのだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。医療機器営業は社会に対する貢献度が大きいだけではなく、年収水準も高い職種のため、やりがいはあるといえるでしょう。ここでは、医療機器営業のやりがいを3つ紹介します。
マイナビエージェントの調査によると、医療機器メーカー全体の平均年収は458万円です。年代別に見ると、20代で382万円、30代で501万円と、実績を積むにつれて着実に年収が上がっている様子がうかがえます。
医療機器営業の年収水準は比較的高い傾向にあるため、ほかの業界で営業職として働いていた方であれば、年収アップを目的として転職を目指すのもひとつの方法です。
医療機器営業は医師などの医療従事者に医療機器を提案・販売する仕事のため、医療に関する専門的な知識が不可欠です。常に最新の医療技術に通じている必要があるため、継続的な学習も欠かせません。医療機器営業として活躍するには覚えなければならないことが山積みですが、その分、専門的な知識を習得できるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、自社製品を的確にアピールする必要もあるため、高度な営業スキルも求められます。医療機器営業の業務をとおして習得できるスキルは、将来的なキャリアアップにも役立つでしょう。
医療機器営業として経験を積んだあとは、自社でマネージャークラスへの昇格を目指したり、同業他社に転職をしてキャリアアップを図ったりといったさまざまなキャリアパスを選択することが可能です。
また、医療機器営業として働く中で、医療だけではなく、クリニックの経営に関する悩みやコスト削減方法などの相談を受けることもあります。そのような経験をとおしてコンサルティングのスキルを習得し、医療コンサルタントにキャリアアップすることも可能です。医療コンサルタントを目指す場合は、医療機器営業として働きながら中小企業診断士の資格を取得するなど、経営面の知識・スキルを習得することをおすすめします。
医療機器営業への転職を有利に進めるには、企業側が選考時に重視するポイントを押さえたうえで適切な対策を講じることが重要です。しかし、未経験から転職を目指している方であれば、企業側が何を求めているのかがイメージしにくいでしょう。医療業界未経験者が選考時に特に見られるポイントは、以下の2つです。
企業側に好印象を持ってもらえるよう、事前に上記のポイントをまとめて効果的にアピールしましょう。
医療機器営業への転職では、転職者が実際に有しているスキルや経験が重視される傾向にあります。医療業界の経験がないとしても、ほかの業界で営業職の経験がある場合はそのことをアピールするとよいでしょう。
そのうえでMDIC認定やCDR認定、看護師、臨床工学技士などの資格を取得しているのであれば、より有利に転職できる可能性が高まります。自分がこれまでのキャリアでどのようなスキルを習得したのかを振り返り、自身の強みを積極的にアピールしましょう。
営業職への転職では、前職でどのような実績を上げたのかも重視されます。実績をアピールするときは、成果を数値化すると効果的です。「在庫管理システムの営業活動に携わり、管理の効率化を課題と感じている工場をメインに営業した結果、前年比50%増の売り上げを達成できた」などの具体例を挙げてアピールするとよいでしょう。
前職でどのような活動に取り組んだのか、その結果、どの程度の成果につながったのかを含めることで全体の説得力が高まります。結果を残すために取り組んだ工夫も伝えましょう。
未経験から医療機器営業を目指す方にとっては、転職に際して何をどうすればよいのか、分からないことだらけでしょう。さまざまな疑問が浮かび、思わず不安に感じてしまっている方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、医療機器営業への転職にあたってよくある疑問を5つ紹介します。疑問に対する答えも詳しく解説しているため、転職活動前の不安解消に役立ててください。
医療機器を取り扱う企業は医療機器メーカーだけではありません。複数の医療機器メーカーの製品を取りまとめ、病院やクリニックなどの医療機関に販売する販売代理店(ディーラー)の営業に転職する道もあります。
販売代理店では特定のメーカーの製品のみに限定せず多様な製品を取り扱うため、医療機器メーカーの営業職と比べると、より幅広い知識が求められます。さまざまな製品の営業をしたいと考えている方は、販売代理店への転職を検討するとよいでしょう。
医療機器営業は専門的な知識・スキルが求められる職種ですが、転職時に必須とされる資格はありません。看護師や臨床工学技士など、医療関連の資格を保有している方は選考を有利に進められますが、事前に資格を取得していなくても転職は可能です。
ただし、営業先を車で回るケースが多く、普通自動車運転免許を必須条件としている企業もあります。医療機器営業への転職を考えている場合は、事前に取得しておきましょう。
医療機器営業は、新規顧客の獲得よりも既存顧客への売り込みがメインです。医療機器を販売するだけでなく、機器の使い方やメンテナンスなどのアフターサポートを提供する機会も多くあります。
新規顧客を獲得する場合でも、既存顧客から紹介されることが多いのが特徴です。飛び込み営業を行うケースはほとんどありません。
転職活動を進めていると、選考でSPIと呼ばれる適性検査を受けるケースがあります。医療機器営業の選考ではSPIが使用されることが多いため、覚えておくとよいでしょう。具体的な内容は以下のとおりです。
SPIは事前に対策したからといって結果が変わるものではないため、前もって特別な準備をしておく必要はありません。
未経験から医療機器営業に転職しようと考えている方は、30代前半までを対象としている求人が多い点に注意しましょう。企業側が年齢制限を設定している理由は、長期的なキャリア形成を目的としているためです。
経験者であれば前職の経験をアピールすることで年齢を問わず転職できる可能性がありますが、未経験から転職したい方は、できるだけ20代の内に転職したほうがよいでしょう。
医療機器営業は未経験者歓迎の求人も多く、医療業界の経験がなくても転職できる可能性が高い職種です。前職で営業経験があるケースでは転職を有利に進められるでしょう。選考時には保有しているスキルや経験、前職の実績が重視されるため、自身の強みを企業側にアピールできるようにしっかりと準備することをおすすめします。
転職を成功させるには、自分のキャリアプランを実現できる企業を選ぶことも大切です。マイナビ営業エージェントではさまざまな営業職の求人を取り扱っているため、転職活動中の方はぜひご利用ください。
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