更新日:2022/07/27
この記事のまとめ
医薬・医療業界を目指す方の中には、MSやMRの仕事が気になっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし両者の違いが具体的にどのようなものなのか、はっきりと理解していないという方も多いでしょう。
そこで今回は、医薬・医療業界の「MS」と「MR」の違いやそれぞれの役割について解説します。
目次
MSとは「医薬品販売担当者」のことであり、英語の「Marketing Specialist」の頭文字を取ってこう呼ばれます。医薬品卸売会社で営業を担当し医薬品を納品・販売する他、価格交渉などを行います。
MRとは「医薬情報担当者」のことであり、英語の「Medical Representatives」の頭文字を取った呼び名ですMSのような販売は行わず、医薬品に関する情報収集や伝達、共有を行います。
MSとMRはそれぞれ異なる役割を持ちますが、情報共有を密に行いながら連携して仕事を進めるのが一般的です。
MSは、調剤薬局や医療機関などを訪問して医薬品の具体的な価格交渉を実施し、自社が製造する医薬品の価格を決定します。また、新しいクリニックが開業する際の支援を行ったり、患者からの疑問に表に立って対応したりすることもあります。日頃から自社の顧客と接する機会が多いため、顧客の意見や要望を汲み取りやすい立ち位置だといえます。
一方、MRは情報収集や伝達をメイン業務としており、顧客との価格交渉は行いません。自社製品に関する深い知識を身につけて製品の効果や特徴を正しくMSに伝達する役割を担います。また、MSは現場の意見や要望をMRに伝えるなど製品の品質を高めるための情報提供を行います。MSとMRは、お互いに連携しながら業務を進める関係にあるのです。
一般的に「MRの年収は高く、MSは低い」と言われがちですが、志望先の企業や経験・勤続年数などによっても違いがあるため、一概に言い切ることはできません。
MRの全国平均給与は620万円程度、MSは450万円程度になるケースが多いようですが、求人によってはMRもMSも600〜800万円程度の場合もあります。給与の高さにこだわりたい場合は、自身のスキルや経験でアピールできる部分を洗い出し、求人内容と照らし合わせて高い給与を得られる企業を志望してみましょう。
MSもMRも、転職するにあたっては必ずしも資格が必要なわけではありません。しかし、どちらにも認定資格があるため、取得しておくと転職活動において有利になると考えられます。
ここでは、MSとMRに転職するにあたって身につけておきたい資格やスキルを紹介します。
MSには「MS認定資格制度」という資格試験があります。MSの情報提供に関するスキル向上やモチベーション向上、ジェネリック医薬品の普及活動推進などを目的に、年に1回試験が行われています。「所属企業に2年以上勤務実績があること」「入社以来メーカー等による商品説明50時間以上完了のこと」などの条件もあるため、前職・現職もMSである人に向いている資格です。
MRには「MR認定証」という資格があります。MR認定証はMRの導入教育を終了した人に発行される証明書であり、MR導入教育を受けたうえでMR認定試験に合格することで取得できます。認定証は5年間有効です。資格試験は「医薬品情報」「疾病と治療」「医薬概論」の3科目で、年1回開催されています。
MSは営業職に近い性質を持つため、医薬品に関する知識はもちろん、顧客と交渉するための高いコミュニケーション能力が求められます。また、顧客が抱えている課題を対話によって引き出して自社に持ち帰り、MRと情報共有してフィードバックするため、ヒアリング能力も重要となります。
一方のMRは、MSと同様に医薬品に関する知識を身につけるだけでなく、医薬品に関する市場の動向を敏感に察知し情報を収集する能力が必要です。さらに、医薬品や医療器具の正しい効果や使い方を伝えるために、「わかりやすく相手に説明するスキル」も求められるでしょう。自社の製品に対する理解を深めたうえで、詳しい知識を持たない人にも使い方を理解してもらえるような伝達力を養うことが大切です。
医薬品の販売や価格交渉を行うMSと、知識の収集、伝達を中心に行うMRは、お互いに情報共有しながら連携して業務を進めていく、医薬品会社にはなくてはならない存在です。
MSやMRとして転職を検討しているのであれば、それぞれに合った資格やスキルを身につけることが大切です。自分が志望している職種の特徴や必要なスキルを今一度確認し、どのような力を身につける必要があるのかをしっかり把握しておきましょう。
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