更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
建設業界への転職を考えているのであれば、ライバルに差をつけられる志望動機を書きましょう。そのためには深い自己分析はもちろん、業界への理解を深めなければなりません。
志望動機の段階で差がつくポイントは特徴的です。そこでこの記事では、採用担当者の心に残る志望動機の書き方を、例文を交えて紹介します。経験の有無や職種の違いごとに例示するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
転職活動をする際に、志望動機の作成は避けられません。しかし、志望動機を即座に書き上げることは難しく、筆が止まってしまう方もいるでしょう。
魅力的な志望動機を書くためには、建設業界への理解が必要不可欠です。業界を理解することで、自分のアピールするべき方向性を見出せるかもしれません。
周囲よりも際立つ志望動機を書くにあたって「建設業界とは何か」は欠かすことはできません。建設業界がどのようにして世界の役に立っているか知ることで、志望動機はさらに深くなるでしょう。
建設業界はマンションやアパートのような建築だけを指すのではなく、土地や水路の工事をはじめとする土木工事も含みます。建築と建設は似た言葉ではありますが、建設はより大きな枠組みと捉えられるでしょう。
自分が身を置く業界の動向をつかんでおくことは非常に大切です。収入の高さと職業としての安定性、両方をよく調べる必要があります。国土交通省の建設投資額を年度別に比較するなどし、業界の動向が見ておきましょう。
特徴のひとつとして、人材不足が挙げられます。仕事の多いのは良いことですが、人手が足りていない点、残業が多い点は業界全体の課題といえるでしょう。
建設業界の職種を細かく確認しましょう。ひとつ目は建築です。ビルや戸建て住宅の建築のほかに、電気や配管の工事も建築に含まれます。建設業界と聞いて最もイメージしやすい業種といえるでしょう。
ふたつ目は土木です。土地や水路の工事は土木に含まれるため、建築と並んで建設業界の柱とも呼べる業種です。どちらも人材の数に対して仕事の依頼数が多い点が特徴です。残業や休日出勤を含めて多忙な業種ではありますが、仕事がなくなる心配が少ない業種でもあります。
建設業界に携わる職種は営業、設計、施工管理と大きく3種類に分類できます。
営業はお客様と建設会社とをつなぐ大切な橋渡し役です。お客様のニーズを細かく伝えることは良い建築に欠かせません。設計は建物の内装や外装の図面を作成することがメインであり、数学的な能力を必要とする職種といえます。
施工管理は建築のすべての過程を管理、調整する仕事です。工事の進捗状況に合わせて、的確な交渉や手配が求められます。
建設業界全体について大まかな傾向がつかめたら、次は志望動機において差が出るポイントを押さえましょう。企業側は多くの志望動機を目にするため、必然的に似たものも増えます。
ほかの志望者と似たような志望動機になると印象に残りにくく、採用に至らないかもしれません。以下のポイントに注意しましょう。
志望動機を書く際には、なぜ建設業界に転職したいと考えたのか、確かな理由に基づいて説明できる能力が求められます。
ものづくりが好きなだけでなく、平均的な労働環境や年収といった要素も無視できません。そのため業界に対する知識も必要です。
建設業界の経験がある方は、経験を通して業界をどう捉えているかも含めることで中身の濃い志望動機が書けるでしょう。
志望した理由のほか、企業を選んだ理由も明確にしましょう。建設業界に数多くある会社の中でも、その企業を選んだ理由を差別化することが大切です。
ほかの企業にはない独自性や魅力、長所を簡潔に述べられるよう、あらかじめリストアップしておくことをおすすめします。企業に対するリサーチ能力も必要です。
建設業界を選んだ理由や会社を選んだ理由は、収入や通勤距離といった現実的な側面によって決まる部分もあるでしょう。調べれば分かるこれらと異なり、自分の強みは客観的に見つけることが難しいものです。
自分の長所が何なのか、またその長所が仕事をするにあたってどのようにプラスに働くかを確実にアピールしましょう。
仕事を探している身からすれば転職はひとつのゴールと考えられるかもしれませんが、企業が望んでいるのは転職後の活躍です。
自分がどのようなかたちで貢献できるのか、採用担当者に伝わりやすい言葉・表現を選んでアピールしましょう。
自分の強みや企業への貢献といったポイントは「企業目線」の長所が大切です。雇う側にとって魅力ある能力を持つ人材は、受かる確率も高くなるでしょう。
特定の資格や能力が業界で重宝されていると分かれば、それらを所持していることは強力な武器になります。業界で求められている能力の把握は大切です。
企業を志望した理由や自分の強み、企業への貢献具合のように志望動機で触れるべきポイントは多くあります。すべての要素を盛り込もうとするあまり、まとまりのない文章や口調になってしまうこともあるでしょう。
志望動機を的確にまとめる力も評価対象です。書いた後は文章を見直し、分かりやすく簡潔な文章になっているか確認しましょう。
採用担当者の目に留まる志望動機のために、参考にできる例文をご紹介します。例文のすべてが自分の状況に当てはまることはないでしょうが、文章の運びや触れるべきポイントを可視化できるでしょう。
「建設業界の経験がないケース」や「設計を志望するケース」のように状況ごとに分けて紹介しています。文章作成に困ったときにご参照ください。
建設業界で働いた経験がない方は、未経験で転職することになります。いままで建設業界に無関係だったにも関わらず、どういった理由で興味を持ち、転職する考えに至ったか述べる必要が出てくるでしょう。
【例文】
未経験者を積極的に採用していることから、貴社に転職したいと考えました。建設業界のものづくりに対する姿勢にも心を打たれ、未経験ながらもこの業界での転職を希望しています。一からものをつくっていくことにやりがいを感じるため、建設業界に貢献していきたいです。
未経験であること、また建築業界をどのように捉えているのかを説明できることは重要です。
設計を希望する場合、なぜ設計職に就きたいのか、具体的な理由と共に志望動機を書くことが大切です。設計職の魅力や自分が熱意を持つようになった経緯を伝えるように心がけましょう。
【例文】
設計職はお客様の希望をいかに反映させられるかを問われる重要な仕事だと思っています。設計に詳しくないお客様の希望をきちんと読み取り、かたちにできることは設計職の強みであり、私が希望する理由です。
設計職の現状と、自分の考えを両方並べることをおすすめします。仕事に対しての姿勢も読み取ってもらえるでしょう。
施工管理職は、情報の共有が重要になる職種です。前職で培ったコミュニケーション能力や、人に指示を出す側に立った経験などを交えて志望動機を書くとよいでしょう。
【例文】
建物をつくる仕事に興味を持ち、貴社を志望しました。前職では小規模ながらチームリーダを務めた経験があり、情報共有の大切さを学びました。建設現場ではおのおのの情報共有が重要であり、施工管理職はなくてはならない職であると考えています。
過去の経験と施工管理職をつなげて書くのが理想です。特定の職を希望する場合は、職について触れることも忘れないようにしましょう。
営業職は建設業界の中でも最も人と関わる機会が多い立場です。高いコミュニケーション能力が求められるため、人と接することの喜びや人と関わって得られた成功例を盛り込むと好印象が得られるでしょう。
【例文】
ダイレクトに人と接することができる営業職は、何かを届けることで人に貢献したいと考える私にとって適職と考えています。建築に対する貴社の真摯さを、営業という職を通してお客様に正しく伝えられればと思っています。
コミュニケーション能力や過去の経験といった、営業職に直接生かせるような長所をアピールしましょう。
建設業界の志望動機を書く際には、自分の強みをアピールすることや業界全体の動きを把握することが大切です。おすすめできる書き方があることと同じように、避けたい表現やミスも存在します。以下はその代表例です。
志望動機から建設業界に携わりたい強い意志が伝わってこない場合、読み手の注目を引けなくなってしまいます。志望動機は明確に伝わるよう、表現を工夫しなければいけません。
【NG例文】
「学生時代に建設業界に興味を持ち、この業界で働きたいと思うようになりました。将来は建築のプロフェッショナルになりたいです。」
このような文章では、建設業界に興味を持ったきっかけが分かりません。誰が見ても理解できるように、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
自分の強みといえる部分が充分にアピールできているかを確認しましょう。アピールの方法を間違えてしまわないよう注意が必要です。
【NG例文】
「前職でリーダーをしていたことがあり、対話には慣れています。リーダーをしていた経験は営業職として役に立つと思います。」
このような文章では、対話スキルがどのように自分の強みとして生かされているのか、推し量ることが困難です。「自分の強みはここだ」と感じるポイントがある場合、強みを得るまでのプロセスをしっかりと語れるように意識しましょう。
求められる内容とずれていないか確認しましょう。書くべき内容に対して論点がずれてしまっていると、良い評価を得ることは難しくなってしまいます。
【NG例文】
「ものづくりを行う上で忍耐力が大切だと思っています。お客様の都合による突然の予定変更や、従業員同士のコミュニケーション不足によって予期しないトラブルが起きる可能性があるためです。」
忍耐力が大切と主張していますが、忍耐力がどのようにプラスの結果をもたらすかについての記述に欠けています。文章の整合性が取れているか、また質問に対してずれた回答をしていないかチェックしましょう。
志望動機を書く際には建設業界やその会社を選んだ理由、自分のアピールと共に業界への理解も必要です。的確な自己分析と業界のリサーチ、両方が欠かせません。
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