更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
建設業界で働くうえで建築士や電気主任技術者などといった資格を取得すれば、企業から高く評価されるほか、活躍できるフィールドが広がります。キャリアアップや転職を検討する際にも役立つため、積極的に資格を取得するとよいでしょう。
この記事では、建設業界で資格を取得するメリットや仕事に活かせる資格、建設業界への転職を成功させるポイントについて解説します。
目次
建設業界で働くにあたり、資格を取得すれば資格手当の支給や担当業務の拡大などといったメリットを享受できます。また、資格取得がキャリアアップにつながるケースも少なくありません。ここでは、建設業界の資格を取得する3つのメリットを解説します。
企業によっては、特定の資格を取得すれば資格手当が支給されます。また、施工管理技士など会社としての経営規模評価に寄与する資格の場合は会社の利益向上につながるため、昇給や昇格の条件として資格取得を掲げている企業もあります。このような場合は資格の取得が給与アップに直結するため、仕事に対するモチベーションも大いに上がるでしょう。
建設業界では、資格を持っていなければできない仕事があります。そのため宅地建物取引士や建築士などの「業務独占資格」を取得すれば、現場でより責任のある業務を担当させてもらえる機会が増え、仕事のやりがいにもつながるでしょう。
資格を有していれば、自身が習得している知識やスキルを客観的に証明することが可能です。また、有資格者は企業側にとっても貴重な人材であり、資格の有無を採用の基準としているところもあります。資格の取得は自身の市場価値を向上させるため、転職活動においても有利に立ち回れるでしょう。
建設業界で資格を取るなら、携わる分野と仕事内容に着目しましょう。実際、建設業界 は29業種に区分されており、やみくもに資格を取得しても業務の役に立たない可能性があるためです。
これから建設業界へ転職する場合、まずは興味がある分野・職種を明確にしましょう。実務で活かせる資格を取得するためにも入念なリサーチが欠かせません。
建設業界は29業種に分かれており、それぞれで特徴が異なります。そのためこれから目指す職種でどのような資格が役立つのか、事前にチェックしておく意識が重要です。ここでは、建設業界で活かせる資格を分野別に紹介します。
建築士は、公益財団法人建築技術教育普及センターが主催する国家資格です。資格には1級・2級・木造建築士の3種類が存在します。資格を取得することで、建築物の設計・工事管理ができるようになります。たとえば木造建築士の場合、小規模かつ2階建てまでの木造建築物の建築が可能です。
建築に関する学歴があれば実務経験がなくても受験は可能ですが、免許登録にあたっては所定の実務経験を積む必要があります。
建築施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得すれば、建築現場の施工計画作りやスケジュール管理などを担当できるようになります。また現場スタッフや監督、顧客との打ち合わせも業務に含まれるため、キャリアを成長させたい方に適した資格ともいえるでしょう。
2級を受験する場合、受験時点で17歳以上であれば受験資格が与えられます。ただし1級を受験するには指定学科の卒業と、3〜15年の実務経験が必要なため注意しましょう。
建築設備士は、公益財団法人建築技術教育普及センターが主催する国家資格のひとつです。資格を取得することで、空調や排水、電気などの建築設備に関する知識を証明できるようになります。
受験資格には指定学科の卒業と一定の実務経験が必要です。建築士の上位資格に該当することもあり、経験が浅い状態から目指す際には注意しましょう。また、建築設備士として4年以上実務経験を積めば、1級建築士試験を受けられます。
電気工事施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得することで、電気工事の専門家として現場を監督・管理できるようになります。電気工事会社や大手ゼネコンへの就職・転職にも有利に働くでしょう。
1級受験の際は指定学科の卒業に加え、一定の実務経験が必要です。ただし2級は、17歳以上であれば誰でも試験を受けられます。
電気主任技術者は一般財団法人電気技術者試験センターが主催する資格で、取り扱える電圧によって第一種・第二種・第三種の3段階に分かれています。資格を取得することで発電所や変電所、工場などで電気設備の保守・運用を監督できます。
電気設備事業者には電気主任技術者を保安監督として選任する義務があるため、転職市場でも高く評価される資格といえるでしょう。特に受験資格は設けられていないため、第三種から第一種に向けてステップアップするイメージで資格取得を目指すことをおすすめします。
電気工事士は、一般財団法人電気技術者試験センターが主催する国家資格です。資格は第一種と第二種に分かれており、第一種まで取得すれば最大電力500kW未満の電気設備も担当できるようになります。
受験資格は設けられていません。第二種免許からチャレンジし、第一種免許を目指しましょう。ただし試験に合格した後は電気工事の実務経験を3〜5年積む必要があるため、注意が必要です。
管工事施工管理技士は、全国建設研修センターが主催する国家資格のひとつです。資格を取得すれば、冷暖房設備やダクト配管工事などの管工事業務に携われます。施工計画の作成やスケジュール管理など幅広い業務が担当できるため、転職時の市場価値も高まるでしょう。
受験するには指定学科の卒業と1〜15年以上の実務経験が必要です。学歴と資格対策の両方が必要になるため、計画的な学習が欠かせません。
配管技能士は、都道府県職業能力開発協会が試験を実施する国家資格のひとつです。資格は「建築配管作業」と「プラント配管作業」に分かれています。取得すれば、建築物におけるガス配管作業や給排水管作業を担当したり、工場をはじめとする特殊な配管を担当したりと活躍の場が広がります。
また1級と2級では受験資格として実務経験が求められますが、3級に関しては誰でも受験可能です。3級を取得すると、2級以上を受験する際の必要実務年数が緩和されます。
消防設備士は、総務省消防庁が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得すると、建物に備えつけられている消火器や火災報知器、スプリンクラーといった消防設備の点検・整備ができるようになります。
資格は乙種と甲種に分かれており、それぞれで受験資格も異なります。乙種は誰でも受験できる一方、甲種では電気工事士や電気主任技術者指定の資格取得が不可欠です。受験の際は受験資格を詳しくチェックしておきましょう。
土木施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得すれば、道路やトンネルなどの施工計画作成に加え、現場作業の管理や品質管理の仕事も担当できるようになります。
受験の際には、指定学科の卒業と1〜15年以上の実務経験が必要です。試験区分をよく確認し、自身が条件に該当しているかどうかをチェックしましょう。
コンクリート診断士は、公益社団法人日本コンクリート工学会が試験を主催する資格です。資格取得後は、コンクリート構造物の管理を担えるほか、RC構造の建物やインフラ補強・補修なども担当できます。
受験には指定資格の取得、または実務経験が必要です。ただし所有する資格によっては実務経験が免除されるケースもあります。たとえば一級建築士を取得している場合、実務経験は問われません。
技術士(建設部門)は、文部科学省が管轄する国家資格のひとつです。資格取得後は、建設コンサルタントや国土交通省の地質調査業者といった業務に従事できるようになります。建設業界では技術士の評価が高いため、企業によっては待遇が向上しやすくなるほか、転職市場における評価も高まるでしょう。
技術士の試験は一次試験と二次試験に分かれています。一次試験は誰でも受験可能ですが、二次試験では実務経験が必要になるため注意しましょう。
造園技能士は、都道府県職業能力開発協会が試験を実施する国家資格です。資格を取得できれば、一戸建てやマンションの作庭、公園の緑化整備などに携われます。
試験は1級から3級に分かれており、学科と実技試験が設けられています。1級を受験するには1〜7年の実務経験が必要になるため、条件を満たしてからチャレンジするようにしましょう。
造園施工管理技士は、国土交通省が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得すれば、造園工事の監督業務が担えるようになるほか、現場の安全管理も担当できます。
資格は1級と2級に分かれており、受験するには1〜15年の実務経験が必要です。ただし過去に取得した資格や学歴によって必要な実務経験は異なるため、受験にあたっては要項をよく確認しましょう。
エクステリアプランナーは、公益社団法人日本エクステリア建設業協会(JPEX)が試験を主催する資格です。住居の外観設計や状態維持に関する専門知識が身につくほか、設計や施工管理に携わることもできるため、転職においてもアピール材料のひとつになるでしょう。
試験は1級と2級に分かれており、2級は誰でも受験できます。ただし1級に関しては指定資格の取得、または実務経験が必要になるため注意しましょう。
建築業界で活かせる資格に加えて、別のスキルも身につけておきたいと感じる方もいるかもしれません。多彩なスキルを持つ人材は転職市場でも重宝されるため、複数の資格を有して人材価値を高めることには意義があります。ここでは、幅広い分野で活かせる資格を紹介します。
宅地建物取引士は、一般財団法人不動産適正取引推進機構が試験を実施する国家資格です。資格を取得すれば、不動産取引の重要事項説明や契約書の交付などの独占業務に携われます。
特に受験資格は設けられておらず、誰でも受験可能です。不動産業界で働くには欠かせない資格であり、不動産に関する知見を身につけたい方や人材価値を高めたいと考えている方に適しているといえるでしょう。
測量士は、国土交通省国土地理院が管轄する国家資格のひとつです。資格を取得することで国内における測量作業を担当できるようになります。また測量計画も立てられるため、現場以外でも活躍の場を広げられるのが特徴です。
年齢や性別、実務経験に関係なく受験できるため、比較的チャレンジしやすい資格といえるでしょう。業務独占資格であり、資格を取得すれば自身の市場価値を上げることも可能です。
CAD利用技術者試験は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する資格です。資格は二次元CAD利用技術者と三次元CAD利用技術者に分かれており、それぞれ平面・立体での製図や設計に役立ちます。
試験は1級・準1級・2級に区分されており、2級に関しては誰でも受験可能です。準1級と1級に関しては2級に合格している方のみ受験できます。
建設業界への転職を検討している場合は、事前に転職成功につながるポイントを押さえておきましょう。対策を練らずに本番を迎えると、希望していた企業から内定をもらえない可能性もあるため注意が必要です。ここでは、建設業界への転職を成功させるポイントを解説します。
転職を成功させるためには、情報収集が欠かせません。特に応募先企業に関する情報が豊富に集まれば、転職後のミスマッチも防げるほか、面接の際に採用担当者からの質問にもスムーズに答えられるでしょう。企業のホームページや転職サイトなど、さまざまなサイトから情報を集めることをおすすめします。
応募先企業に求める条件を明確にすることも重要です。転職に際し、希望条件をすべて満たすのは難しいといえます。しかし優先順位の高い条件がクリアできていれば、満足度の高い転職が実現しやすくなります。給与や業務内容、キャリアパスなど、自身が転職に何を求めているのかをリストアップしたうえで順位づけするとよいでしょう。
本番の面接を迎える前に、入念な面接対策をしておきましょう。特に中途採用の場合、採用担当者から聞かれる内容は多岐にわたります。これまでの経歴や応募先企業の情報などを頭にインプットし、面接時に自身のアピールポイントをうまく伝えられるように準備を欠かさない意識が重要です。
建築業界では、資格を取得することで給与アップや昇格が望める可能性があります。また、建築士や電気工事士など資格を取得していなければ業務に従事できない「独占業務資格」が多く存在するのも特徴です。これらの資格を取得すれば転職時のアピールポイントにもつながるでしょう。
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