更新日:2022/12/07
この記事のまとめ
機械設計エンジニアへの転職を検討していて、年収水準がどの程度なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、機械設計エンジニアの年収水準について詳しく紹介します。年収アップを目指して転職する方が押さえておきたいコツや、習得しておきたいスキルについても合わせて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
機械設計エンジニアに転職して自分が望んでいる報酬水準を実現できるか、自身にマッチした職であるかを判断するためにも、事前にひととおりチェックしておくことをおすすめします。
目次
厚生労働省の「令和3年年賃金構造基本統計調査」によると、機械設計エンジニアの平均年収は587万3,000円です。年収が比較的安定した職種ですが、製造業であるため経済状況の影響を受けやすいといえます。
また、厚生労働省が公表している「ハローワーク求人統計データ」によると、平均月額報酬は27万3,000円です。転職を検討している方は、この金額を目安にするとよいでしょう。
機械設計エンジニアの年収水準を別の職種や全産業平均と比較しつつ、さらに詳しく見ていきましょう。一口に製造業といっても設計・開発に携わるエンジニアは多いため、それらと比較することで機械設計エンジニアの年収水準を客観的に判断できます。年収水準は転職するうえで大切な指標のひとつであるため、事前に詳しくチェックすることが大切です。
以下の表のように、機械設計エンジニアの年収水準は製造業で活躍するほかの設計・開発職と比較すると高めです。なお、年収データはすべて厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」に基づいています。
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年収アップを目的として転職するのであれば、開発・設計関連の高度なスキルを習得したうえで機械設計エンジニアにキャリアアップするのはおすすめの道です。
出典:建築設計技術者 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
出典:システムエンジニア(組込み、IoT) 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
出典:CADオペレーター 職業詳細 | 職業情報提供サイト(日本版O-NET)
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、2021年における全産業平均の年収水準は489万3,100円でした。機械設計エンジニアの平均年収は全産業平均より100万円程度高いのが特徴です。
機械設計エンジニアは高度なスキルが求められる専門職であるため、その専門性や希少価値が年収水準にも反映されていると考えられるでしょう。開発・設計スキルを高度なレベルで有していて、転職で年収アップを実現したいと考えているのであれば機械設計エンジニアを検討してもよいでしょう。
機械設計エンジニアへの転職を目指すにあたっては、転職後のミスマッチを防ぐためにも具体的な仕事内容を事前に理解しておくことが大切です。ここからは、機械設計エンジニアが担当する主な仕事を6種類紹介します。事前にひととおり確認し、どのような仕事に携わるかをイメージしておきましょう。
機械設計エンジニアは精密機械から大型機械までさまざまなものを設計しますが、どのような機械に携わるときでも概念設計から始めます。概念設計は開発する製品のコンセプトを定め、設計方針や使用する技術、必要な素材などを決定するプロセスです。ここでどのような機械を開発するのかが決まります。
概念設計で定めたコンセプトに基づいて、具体的な製品設計を定めるのが構想設計です。製品の具体的な用途や構造を決め、モデルを設計する段階です。これにより、開発する機械がどのようなものかを具体的にイメージできます。この段階でCADを用いて初期の図面を起こすケースもあるため、おおよその設計が決まってくるでしょう。
基本設計は、構想設計で定めたイメージに基づいて設計図を作成する段階です。構想設計で図面を起こしている場合は、必要に応じて改良を施したり、設計に無理がある部分を修正したりします。
この段階において、製品を開発することで前段階までに策定した開発コンセプトを達成できるかを検討するのが一般的です。問題がないと判断できたら、次の段階に進みます。
基本設計が完了したら、製品の具体的な仕様や細かい部分の設計に進みます。これを詳細設計と呼び、製品の製造で必要になるすべての要素を考慮して仕様を確定させます。
この段階でコストや強度などに問題がないかを確認することもあるでしょう。問題がある場合は改良を施し、問題がない場合は商業生産体制の構築に移行します。
商業生産体制を構築するには、量産できる体制を整備しなければなりません。必要な原料や技術、使用する機器を決定し、需要を踏まえてどの程度のペースで生産するかを定めます。
場合によっては、製作機器を調達したり生産ラインを新設したりする必要があるでしょう。生産に必要な体制を整えるのがこの段階です。
すべての設計が完了して生産体制が整ったら、製品を試作して問題がないかを検証します。問題がなければ量産体制に移行し、本格的な商業生産を始める流れです。
もし試作品を通じて何らかの問題が発見された場合は、必要な修正を加えたうえで再度試作品を制作します。定めた仕様で量産しても本当に問題がないかを確認する最後の段階です。
機械設計エンジニアとして活躍し、年収アップを目指す方法は複数存在します。ここでは、年収アップを実現する方法を2つチェックしましょう。一人ひとりの状況によってどちらを選択するとよいかは異なるため、自分にマッチしたほうを選ぶのがおすすめです。より年収アップを実現しやすい方法を実践しましょう。
経験を積み重ねつつスキルアップし、在籍中の企業でキャリアアップするのがひとつ目の道です。機械設計エンジニアのスペシャリストを目指したり、マネジメント層にキャリアアップしたりする道があるため、一度検討してもよいでしょう。
どのような道に進めるかは、在籍中の企業がどのようなキャリアパスを用意しているかによって異なります。まずは自分の前に開かれている道を確認し、自分が想定しているキャリアパスを実現できそうか考えましょう。
在籍中の企業に不満がある場合や、自分が望んでいるキャリアパスが用意されていない場合は、転職するのがおすすめです。年収アップを目指して転職するのであれば、転職先の報酬水準を調査して求めている金額に達しているかを確認しましょう。
専門的なスキルを習得して自分の市場価値を高めるように努力すれば、より年収アップを実現しやすくなります。同じ機械設計エンジニアであっても、企業によって担当する製品や求められているスキルが異なります。これまでに培った知識やスキルを活かせる転職先を探すことが重要です。
キャリアアップや転職を通じて年収アップを実現するには、機械設計エンジニアとして求められているスキルを高めなければなりません。ここでは、長期的に機械設計エンジニアとして活躍するために必要なスキルを3つチェックしましょう。いずれも自分の市場価値を高めるために重要なため、普段からスキルアップに励むことをおすすめします。
機械設計エンジニアとして活躍するには、工学の知識やスキルが欠かせません。工学といっても幅広く、携わる分野によって必要となる具体的な知識・スキルは異なります。汎用性が高い知識・スキルの一例は以下のとおりです。
どのような分野でも上記の知識・スキルが求められる可能性が高いため、優先的に学習するとよいでしょう。分野によっては航空工学や自動車工学、農業工学などの専門的な知識が必要です。自分が目指す分野に応じて学習内容を決めるとよいでしょう。
日本国外にある企業や工場と連携して設計に携わるケースもあります。そのような環境で働くときには、外国語のスキルが求められるでしょう。国外で使用する図面を作成したり、生産ラインに共有する資料を作成したりするケースもあります。
企業によっては機械設計エンジニアに外国語のスキルを求めているケースもあるため、学んでおくとよいでしょう。外国語を学ぶことでキャリアの幅を広げられます。
実務経験を積み重ねることもキャリアアップするためには欠かせません。開発プロジェクトを担当した経験を積めば、転職時のアピール材料になるでしょう。実務経験が豊富であれば転職先からも高く評価され、選択できるキャリアの幅が広がります。
転職する際にはこれまでの経験を振り返り、活かせそうな分野の機械設計エンジニアを選ぶとよいでしょう。転職によって年収を増やしたい場合は、これまでの経験やスキルを活かせる同種の機械設計エンジニアを目指すのがおすすめです。
機械設計エンジニアとしてキャリアアップしたいと考えていて、資格を取得したほうがよいのか迷っている方もいるのではないでしょうか。ここでは、転職時に資格の有無が問われるのかについて解説します。設計職向けの資格を取得しようか迷っているのであれば、ぜひ参考にしてください。
機械設計エンジニアとして活躍するうえで、資格の有無が重要視されることはありません。どちらかというと経験やスキルが重視されるため、転職を有利に進める目的のみで資格取得を目指す必要はないでしょう。
転職で高く評価される経験を積んでいるのであれば、資格を取得するより経験をアピールするのがおすすめです。機械設計エンジニアには業務独占資格もなく、「資格がなければ転職できない」ということはありません。
転職時に資格の有無が重要視されないとはいえ、学習の一環として資格取得を目指すのはひとつの方法です。実務経験が少ない場合やスキルレベルを客観的にアピールしたい場合、学習目標を定めたい場合は資格取得を目指してもよいでしょう。機械設計エンジニア向けの資格には、以下のようなものがあります。
資格取得を目指すことでモチベーションを高め、学習効率をアップさせる効果も期待できるでしょう。ただし、資格を取得したからといって転職で有利になるとは限らない点に注意が必要です。
機械設計エンジニアの年収水準は比較的高く、製造業で活躍するほかの職種より高年収を実現しやすいといえます。年収アップを目指しているのであれば、在職中の企業でキャリアアップするか、年収水準が高い企業に転職するのがおすすめです。
転職を検討している場合は、自分のスキルや経験を高く評価してくれる企業を選びましょう。企業選びでお悩みの方は、ぜひマイナビメーカーエージェントにご相談ください。マイナビメーカーエージェントでは、製造業に精通したキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートいたします。
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