更新日:2022/10/31
この記事のまとめ
機械設計は製造工程の中でも上流に位置する重要な役割を担っており、これから製造業を目指そうという方にも注目されている職種です。未経験でも機械設計の求人で採用されるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験でも機械設計に転職できるのかについて解説します。取得していると転職で有利になる資格や、やっておきたい準備も分かり、有利な条件で転職活動ができるようになります。
目次
未経験の職種へ転職する際は、まずは仕事内容を把握する必要があります。機械設計は工業機械を設計する仕事というイメージが強いですが、具体的にどのような業務を行うのでしょうか。併せて、やりがいや厳しさといったモチベーションに関わる要素もチェックしていきましょう。
機械設計の主な仕事は、機械が動作するメカニズムを設計することです。例えば、車のドアを開けたら自動で室内灯が点くといった仕組みも機械設計に含まれます。コンピュータでCADソフトを使用して設計図を作成し、CAM(コンピューター内での仮想製造)やCAE(設計データのシミュレーション)を行うのがメインの業務となるでしょう。
機械設計はモノづくりにおける上流工程に含まれており、製品の仕様を設計に反映させて下流工程につなぐ重要な役目を果たしています。
機械設計の仕事は製品開発において重要な役目を担うポジションのため、仕事のクオリティがプロジェクトの成功に深く関わってきます。それだけに、目標を達成できたときは大きな満足感を得られるでしょう。基本的にチーム単位で仕事を行うため、目標のために誰かと協力する連帯感もやりがいのひとつと言えます。
仕事の中で新技術や新素材について学べる機会が多く、環境の変化や新しいニーズを追うのが好きな方には魅力的な職業です。
チーム単位で仕事を行うことが多いため、メンバーの能力や仕事に対する姿勢が自身の業務にも影響することもあります。チームビルディングが不十分な環境では、チームで行動すること自体がデメリットと感じる場合もあるでしょう。
また、機械設計の仕事は常に安全性の高さを求められるため、責任が重いと感じる方もいるでしょう。設計の締め切りや成果物の納期に追われるのが負担になるという声も聞きます。
未経験の職種への転職はキャリアチェンジと呼ばれており、成功している方はたくさんいます。しかし、どの職にも簡単にキャリアチェンジできるとは限りません。機械設計の仕事に就くには職務経験が必要なのではないかと気になっている方は多いでしょう。ここでは、経験がない方の転職について解説します。
結論から述べると、未経験者でも機械設計への転職は可能です。機械設計の仕事は職場やプロジェクトごとに仕事が異なり、実務の中で学んでいくことが多いため、知識がそのまま役立つことは多くありません。どのみち勉強は必要になるため、未経験者でも構わないという考え方もみられます。
一方で、知識や経験がある方が有利なのは確かなため、機械設計に関するスキルがある場合は積極的にアピールしましょう。CADや図面についてのスキルも重要な武器になります。
一般的に転職は年齢が若い方が有利とされていますが、30代や40代でも機械設計に転職できるのでしょうか。現実問題として、職種を問わず40代の転職は同職間でも難しいケースが多く見られます。機械設計も同様で、40代での転職は経験者であっても簡単ではありません。
しかしながら、業界によっては経験豊富な技術者を歓迎しているところもあります。若手よりも選択肢は少なくなりますが、適切に志望する業界・企業を見定めれば転職は十分に可能です。
機械設計に向いている人の特徴として、まずモノづくりが好きであることが挙げられます。自分が設計を担当したモノが完成することにモチベーションを感じることが何よりの素質でしょう。
設計以外にもテストや分析などの地道な作業が多いため、コツコツとした作業が得意であれば業務が苦になりません。機械設計は幅広い範囲の業務を任されるだけでなく、他と連携して進めるため、コミュニケーション能力や協調性がある人、リーダーシップに長けている人が向いています。
機械設計のキャリアパスは、スキルを磨いて現場で働き続ける道や、管理職へとステップアップする道、企画・開発部署に異動になるといったケースが一般的です。企業に所属してキャリアを積む場合は、これらの中から自分の適性に合ったキャリアを選ぶことになるでしょう。
社内に留まることにこだわらなければ、大手企業への転職や独立して起業を目指すのも選択肢に入ります。自身の希望やリスクを考慮して、納得のいくキャリアプランを立ててください。
機械設計として働くには、機械工学に関連する知識は最低限必要です。実務経験がなくても知識や資格は取得できます。転職を有利に進めるためにも、下記の機械設計に求められるスキルや役立つ経験を把握しておきましょう。
機械工学では、4大力学(機械力学・熱力学・材料力学・流体力学)やモノづくりの経験、そしてこれらを設計で活かすための論理的思考力が求められます。CADなどを扱うためのコンピュータスキルや、新たな知識に対応するための情報収集能力も重要です。
コミュニケーション能力やプレゼン能力、突発的な状況に臨機応変に対応できる柔軟さもスムーズに業務を進行させるうえで役立つでしょう。
資格は必須ではありませんが、機械設計技術者試験、CAD利用技術者試験、CAD実務キャリア認定といった機械設計エンジニアの実務に関わる知識を持つ証明になる資格を保有していると転職で有利になることがあります。
これらの資格取得の過程で得られる知識やスキルは実際に業務を行う際も必要になるため、未経験者は積極的に取得を目指しましょう。
機械設計の求人は、大きく分けて「製品」の設計と、「製造装置」の設計の2種類があります。それぞれ設計するものや仕事の方向性にも違いがあるため、応募する求人を決める前にこちらで内容を把握しておきましょう。
製品メーカーは、自社で消費者に提供する製品を製造している企業を指します。トヨタや日産といった自動車メーカーや、日立・三菱をはじめとした電機系メーカー、ソニーやパナソニックなどのAV機器メーカーが代表的です。設計から製造・販売まで自社で手掛けているB to Cのメーカーが多く見られます。
製品メーカーでは特定の製品の設計に専念するケースが多いため、ひとつの分野に特化した専門性の高い技術者になれる可能性が高いでしょう。自分が手掛けたものをユーザーに届けたいという方には、製品メーカーへの就職をおすすめします。
製品を作成する装置を製造する会社を、製造装置メーカーと呼びます。電子機器に用いられる半導体の製造装置メーカーなどがあり、製造した装置を製品メーカーに納品するのが主な業務です。
製造装置メーカーでは多種多様な部品を製造するため、さまざまな技術や機器に触れられます。分野を問わず設計にかかわりたいという方には、製造装置メーカーが適していると言えるでしょう。スキルアップのために幅広い技術を身につけたい方にもおすすめです。
製品メーカーと製造装置メーカーのどちらにも入社せずに、派遣や請負社員として働く方法もあります。派遣や請負という形態に肯定的なイメージを持たない方もいるかもしれませんが、企業のしがらみにとらわれずに業務に集中できるため、設計に専念したい場合は一考の余地があるでしょう。
企業に所属して実績を積むとマネジメントが仕事の中心になっていき、設計から離れてしまうというケースは少なくありません。設計が好きで希望通りの仕事をしたいという方におすすめの働き方です。
機械設計へ転職を目指していて、どのような準備をすればよいのか分からないと悩んでいる方は、仕事に必要な知識を勉強しておくのがおすすめです。あらかじめ知識を身につけておけばスムーズに業務を理解でき、経験者との差を埋めるのに役立ちます。転職までに下記の3つについて勉強しておきましょう。
機械設計がどのような仕事を行うのかを理解しておかなければ、転職後に想像とのギャップに苦しむ懸念があります。機械設計は打ち合わせなどの機会も多く、コンピュータで設計をするだけの仕事ではありません。ひとりで黙々と作業をする仕事だと思っている方は注意したほうがよいでしょう。
熱力学、材料力学、流体力学、機械力学の通称「4大力学」の知識は機械設計を行ううえで欠かせません。機械系の科目を履修していない場合は、基礎だけでも勉強しておきましょう。機械設計製図便覧などを参考にして、仕事に関係のある分野を重点的に学んでいくのがおすすめです。
機械設計の主な業務である設計や製図は、コンピュータ上でCADを使用して行います。転職してからゼロから学び始める場合はロスが大きいため、事前に扱い方を学んでおきましょう。製図の基本技術も習得しておくと、スムーズに業務に移行できます。
機械設計は未経験でも転職可能ですが、業務では専門性の高い知識やスキルが求められます。製造の経験や機械工学の知識があれば、面接で積極的にアピールしましょう。機械設計やCAD関連の資格を取得するのもおすすめです。
マイナビメーカーエージェントでは、エンジニアへの転職を目指す方の全面的なサポートを行っています。自分の適性やキャリアに関することでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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