更新日:2024/01/18
この記事のまとめ
「自分でコードを書きたい」「ユーザーの反応を知りたい」といった悩みから、SlerからWeb系エンジニアに転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。どちらもITエンジニアですが、業務内容や開発工程は大きく異なります。
Web系エンジニアへの転職を成功させるには、ポイントやコツを押さえておきましょう。この記事では、SlerとWeb系エンジニアの違いや特徴、転職成功のポイントを紹介します。
目次
SIerとWeb系エンジニアはどちらも同じITエンジニアですが、仕事への向き合い方や開発工程に大きく異なる点があります。また、SIerはWeb系エンジニアより大規模なプロジェクトに関わることがほとんどです。ここでは、SIerとWeb系エンジニアの特徴や違いについて詳しく解説します。
SIerの「SI」とは、System Integration(システムインテグレーション)の略で、「システムを開発する」という意味があります。そこに「行うもの」を意味する「er」をつけた造語が「SIer」です。つまり、SIerはシステムの要件定義や設計、開発や運用サポート、プロジェクトマネージャの下での設計実装が主な業務内容です。
SIerが関わるプロジェクトは大規模なものが多く、身近なSIには銀行のオンラインシステムがあります。コンビニのATMで簡単に入出金ができる便利なシステムもSIです。
Web系エンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの開発が主な仕事です。システムエンジニアが設計した仕様書に従い、プログラミング言語を用いたWebシステムを開発します。
Web系ビジネスといえば、GoogleやAmazonが有名です。データベースとショッピングサイトといったシステムの連動やサーバーサイドエンジニア業務と、業務内容は多岐にわたります。経験とスキルが豊富であれば、設計やマネジメント業務に携われるのもWeb系エンジニアの魅力です。
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SIerとWeb系エンジニアで大きく異なる点は、仕事への向き合い方や開発工程です。SIerは請負業務としてクライアントの要望に応え、設計や実装をします。規模の大きいプロジェクトに携わることが多く、ウォーターフォール開発で進めることがほとんどです。
一方、Web系エンジニアはSIerと比べてプロジェクトの規模は小さいことが多く、基本的にアジャイル開発で進めます。納期が短く、確実性よりも実装スピードを重視するのが特徴です。ユーザーの反応に応じて機能を修正します。
SIerからWeb系エンジニアへの転職を目指す人には、さまざまな理由があります。業務内容やプロジェクトの規模、やりがいに対して不満を感じているケースがほとんどです。ここでは、Web系エンジニアを目指す理由について詳しく見ていきましょう。
SIerはウォーターフォール開発、Web系エンジニアはアジャイル開発が一般的です。ウォーターフォール開発は、基本的に自分の仕事をこなしたら終わりであるため、開発業務に物足りなさを感じる方もいます。
一方、アジャイル開発は工程が少ない分、全行程にエンジニアが関われます。サービスが成長していく過程を間近で感じたいということが、Web系エンジニアへの転職を目指す理由のひとつです。
SIerは開発の実務を委託する側であるため、自分でコードを書くことはほとんどありません。そのため、エンジニアとして物足りなさを感じ、自分自身でコードを書きたいという理由で転職を決意する方もいます。
また、実務に携わらないことで、最新の技術についていけないといった悩みも転職理由のひとつです。このようにWeb系エンジニアとして、開発実務に深く関わりたい方が転職を目指す傾向があります。
SIerはBtoBのクライアントワークがほとんどです。一般のユーザーは、Slerが関わったシステムを認知していないことも多いでしょう。SIerの場合、自分が関わった仕事が世の中にどう影響しているのか分からずに、達成感や満足感が得にくいかもしれません。
一方、Web系エンジニアはBtoCのプロジェクトが多く、ユーザーの反応を直接感じられるのが魅力です。ユーザーの使用感に応じて機能修正をし、よりよいサービスを開発する楽しみもあります。
SIerからWeb系エンジニアへの転職を考えている方は、求められる経験やスキルを把握しておくことが大切です。同じITエンジニアでも、SIerとWeb系エンジニアでは業務内容や進め方が異なります。転職を成功させるためにも、ここで紹介するポイントを参考にしてみてください。
Web系エンジニアは請け負う仕事の範囲が多岐にわたるため、システム開発だけでなく、サーバーサイド開発業務の経験も求められます。サーバーサイド開発とは、ユーザーから見えないサーバー側のプログラムの実行や管理といった開発に関わる業務です。
たとえば、Webアプリの会員登録やログイン機能の開発が、サーバーサイドの開発業務に該当します。サーバーサイド開発業務の経験がなければ、経験が積める企業でスキルやノウハウを習得するとよいでしょう。
Web系エンジニアはアジャイル開発が基本です。SIerはウォーターフォール開発がほとんどであるため、Web系エンジニアに転職した際に戸惑うことがないように、知識を深めておくとよいでしょう。
アジャイル開発は工程が少なく、その分実装スピードが重視されます。すべての行程に関わることも多く、より幅広い知識が必要となるでしょう。新しい知識を学ぶモチベーションもWeb系エンジニアにとっては大切です。
コミュニケーションスキルはSIerでも求められますが、Web系エンジニアは特に重要視されます。Web系エンジニアは少数精鋭で、要件定義書や設計書を作らずに、内部資料とコミュニケーションでプロジェクトを進める場合がほとんどです。
コミュニケーション不足でうまく連携が取れなければ、プロジェクトがスムーズに進まず失敗につながる恐れがあります。また、主体性も重視されるため、指示どおりに動くのではなく、自分で考えて仕事を進めなければなりません。
異なる職種への転職は不安も多いため、事前に転職成功のポイントやコツを把握して転職活動に臨みましょう。転職成功のコツは、「入社する企業を徹底的に調べる」「実際にWebサイトを作成する」「スピード感を身につける」の3つです。ここでは、SIerからWeb系エンジニアへの転職を成功させるコツについて見ていきましょう。
Web系エンジニアに限らず、転職活動で大切なのは、志望する企業をきちんと調べておくことです。面接対策として志望先企業を知ることが大切なのはもちろん、入社後に「思っていた業務内容ではなかった」と後悔しないためです。
気になる企業をピックアップして、それぞれ「どのような業務内容なのか」「どういった実績があるのか」についてリスト化するのもおすすめです。給与や待遇といった条件も忘れずにチェックしておきましょう。
本を読んで勉強するだけでなく、実際にサーバーを構築したりWebサイトを作成したりして、理解を深めることも大切です。実践することで、知識をスムーズに吸収できるだけでなく、要領やコツも掴みやすくなります。
IT業界はトレンドの移り変わりが激しく、常に最新情報を把握することが重要です。転職活動においても実践したことはアピールできるため、まずは自分の手でWebサイトを作ってみるとよいでしょう。
Web系エンジニアが関わるプロジェクトの納期は短いケースが多いため、業務スピードが重視されます。限られた時間内で開発業務を終える必要があり、スピードだけでなく正確さも両立できるとベストです。
SIerで培った正確性を生かし、徐々にスピードを上げられるように練習を重ねるとよいでしょう。また、アジャイル開発はユーザーの反応次第ですぐに機能修正をしなければならないため、臨機応変に対応できる能力も大切です。
Web系エンジニアは「サービスの成長を直近で実感できる」「ユーザーの反応がダイレクトに知れる」といった点が魅力です。SIerとは異なり、アジャイル開発で仕事を進めるため、正確性だけでなく実装スピードも重視されます。求められるスキルや経験を把握し、転職活動に臨んでみてください。
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