更新日:2024/10/30
サポートエンジニアは、IT製品に関するユーザーのさまざまな課題を解決する役割を担う仕事です。さまざまな技術職が存在するIT業界の中でもとりわけ注目を集めている仕事の一つとなっています。
今回は、サポートエンジニアの仕事内容や必要なスキル、将来性について解説していきます。
目次
サポートエンジニアとは、IT製品に対してユーザーが抱える困り事や疑問の解消に向け、サポートやレクチャーを行う仕事です。ハードウェア・ソフトウェアを問わず、導入や操作方法、トラブル、故障など、技術面のあらゆる問題に対処します。
サポートエンジニアの対応領域は企業により違いが大きく、その仕事内容はさまざまですが、取り扱い製品だけでなく業界全体に対する高い専門性や知識が求められる仕事です。
サポートエンジニアという職種の中には、さらに細かく4つの役割が存在します。それぞれの特徴を解説していきます。
ユーザーからの幅広い問い合わせに対処するのが、カスタマーサポートの仕事です。
カスタマーサポートの働き方は多様で、客先に常駐するケースも多く見られます。トラブル対応やクレーム対応までさまざまな声が寄せられるため、柔軟な対応力が求められます。
カスタマーサポートについて詳しくは下記記事を御覧ください。
営業担当者とともにユーザーのもとへ出向き、IT製品の仕様や技術面の説明をするのがセールスサポートの仕事です。営業担当者では網羅しきれない専門的な領域をわかりやすく説明することで、顧客に安心感や満足感をもたらします。営業担当にかわって製品のプレゼンテーションを行う機会もあるため、製品を魅力的にアピールする手腕も問われます。
ユーザーからの技術的な問い合わせを受け対処法を提示するのがテクニカルサポートの仕事です。サポートエンジニアの中でも需要が高いポジションのため、活躍の場も多いでしょう。メールやチャット、電話を用いてユーザー対応を行います。
テクニカルサポートについて詳しくは下記記事を御覧ください。
製品利用に特化したサポートを行うのがプロダクトサポートの仕事です。製品購入後の導入から、長期に渡り継続的に利用しているユーザーの困り事を解消していきます。製品を使い込んでいるユーザーからマニアックな質問を受けることもあるため、製品への深い知識を蓄えておく必要があるでしょう。
サポートエンジニアとして仕事をするには一定の能力が求められます。その能力を5つ挙げていきます。
常に多くのユーザーと接するサポートエンジニアにはコミュニケーション能力が必須です。ユーザーに的確なサポートを行うために欠かせません。また、ただ会話をすれば良いというものではなく、ユーザーの話から正しく意図を汲み取ったり、こちらが欲しい情報を引き出したりする能力も必要となります。
当然ながらITスキルや知識も持っていなければいけません。取り扱い製品にまつわる知識のみならず、周辺のIT製品やサービス、最新のトレンドなどについても学ぶ姿勢が大切です。
サポートエンジニアは社内でのチームワークが欠かせない仕事です。
IT技術の進化が加速し、特定の部門や人材だけでサポートを完結するのが難しい時代となりました。そのため、社内の他のサポートエンジニアたちや他職種の同僚と、知識やスキルを出し合いながら問題解決に導く必要性が増してきています。そのため、日頃から良好なチームワークが形成されていなければ業務の遂行が困難となる場合があります。
プレゼンテーション能力があれば、サポートエンジニアとしての活躍の場がさらに広がります。
サポートエンジニアの仕事においては、製品の良さや優位性を顧客に直接アピールするケースもあります。そのため最低限のプレゼンテーション能力を身につけておいて損はありません。顧客から好反応をもらえれば営業担当者からも喜ばれ、社内のチームワークにも好影響をもたらすでしょう。
自社や常駐先が外資系企業の場合、社員間の会話が英語で行われる場合があるため、英語力が必要になります。また、外国人ユーザーからの問い合わせを受ける可能性も十分にあり得ます。最低限の意思疎通ができる英語力があると、いざというときにも安心です。
では、サポートエンジニアに向いている人はどのような人なのでしょうか。2つのポイントをご紹介します。
「困っている人の役に立ちたい」「自分の力で助けたい」と考えられる人はサポートエンジニアの仕事に向いています。
ここまで解説してきたようにサポートエンジニアにはさまざまな役割がありますが、すべてにおいて「人の役に立つ」というミッションは一貫しています。仕事である以上、感謝されたり喜ばれたりすることばかりではなく、時にはネガティブな場面に遭遇することもあります。そのようなことがあっても「人の役に立ちたい」という気持ちが強ければ、きっと乗り越えていけるはずです。
常に相手の目線に立って考えながら丁寧で繊細な仕事ができる人もサポートエンジニアの仕事に向いています。
問い合わせをしてくるユーザーの中には、伝えたいことをうまく言語化できなかったり、コミュニケーションがスムーズにいかなかったりする方もいます。そのようなユーザーに対しても諦めずに真摯な姿勢で向き合い、困りごとを引き出さなければなりません。人を相手にしている以上、自分の思い通りに事が運ばないこともありますが、丁寧さや繊細さを持ち続けられれば、きっとサポートエンジニアとして評価されるはずです。
サポートエンジニアのような技術的な仕事の場合「資格が必須なのでは」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。しかしサポートエンジニアの仕事に就くうえで必須とされる資格はありません。未経験の方にも門戸が開かれている仕事といえます。
ただし、自身のスキルのレベルを対外的に証明する術として資格取得は効果的です。たとえば未経験者の場合、ITパスポートや基本情報技術者などのITの基礎知識が問われる資格を提示できれば、最低限のスキルを持ち合わせている証明となり、企業側に安心してもらえる可能性があります。
それ以外にも、より難易度が高い資格がいくつもありますが、あとは実務をこなす中で必要性が感じられる資格を取得していけば問題ないでしょう。
マイナビエージェントの調査によると、2020年度におけるIT業界全体の平均年収は427万円です。その中でさらに技術職を見てみると、サーバーエンジニアは462万円、システムエンジニアは455万円をキープしており、比較的高水準にあります。
サーバーエンジニアに関しては、担う役割の範囲や担当する企業、製品、また雇用形態により振れ幅がありますが、おおむね上記のラインであると見込まれます。経験やスキルを積み上げていくことで役職手当や資格手当を支給する企業もあるため、その点でもサポートエンジニアはやりがいのある仕事といえます。
サポートエンジニアとして活躍すると、どのようなキャリアパスを描けるのでしょうか。また将来性は高い仕事なのでしょうか。順番に見ていきましょう。
サポートエンジニアのキャリアパスとして主に考えられるのは、会社に属し管理職としてマネジメント側にまわる道と、独立しフリーランスとして活動する道の2つです。
管理職を目指すためには、まずは現場で地道に経験を積んでいくことが必要です。その積み重ねにより上司から昇進の打診を受けたり、自ら昇進試験を受験したりという手段を経て、晴れて管理職となります。管理職となった後は若いサポートエンジニアの育成・マネジメントに従事していくことになります。
一方、組織に属さずフリーで活躍する道もあります。頑張りによっては会社員よりも多くの収入を得られる可能性もあるため、モチベーションも得られるでしょう。ただし、活躍できるかどうかは自分の努力次第です。技術面だけでなく営業や事務的スキルも身につけ、それなりのコネクションや戦略を持ったうえでフリーランスになることをおすすめします。
サポートエンジニアは、近年注目を浴びている仕事です。事実、グーグルやマイクロソフトもサポートエンジニアの人員強化を目指しています。こうしたことからも、サポートエンジニアの重要性や将来性の高さが伺えます。
また、コロナ禍以降リモートの環境整備に力を入れる企業が増加していることも、サポートエンジニアの将来性に好影響をもたらしています。
サポートエンジニアは多くのユーザーにIT製品を快適に利用してもらうために欠かせない存在です。求められる経験やスキルも多くありますが、そのぶん人の役に立てるやりがいや達成感もきっと大きいでしょう。
IT業界でスキルを身につけ活躍したいという方は、ぜひサポートエンジニアへの転職も検討してみてはいかがでしょうか。
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