更新日:2023/05/15
経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」(2016年6月)によると、女性のIT人材は、他の多くの職業に比べて少ないことが明らかになっています。中でも、ネットワークエンジニアは、男女比が極端に片寄っており、活躍する女性が少ないのが現状です。
しかし、女性のネットワークエンジニアが少ないからこそ、女性にとって大きなチャンスがあるともいえます。女性のネットワークエンジニアにはどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
目次
ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークの設計、構築、監視、運用など多岐にわたります。設計書などのドキュメントの作成やサーバー構築など、デスクワークだけではありません。
場合によっては床の下にケーブルを引き込んで配線したり、ネットワーク機器を配置したりするなど、他のITエンジニアに比べて地道な現場作業も行います。
また、ネットワークは他のIT技術と同様に、一般にはなじみのない専門用語を多く使います。そのため、お客様との打ち合わせなどでは、相手の要望をよく理解した上で、適切な提案ができる知識とコミュニケーション能力が求められます。
女性のネットワークエンジニアは、今のところ、そう多くはありません。では、女性がネットワークエンジニアとして働くメリットには、どのようなものがあるでしょうか。
企業の採用担当者は、女性のネットワークエンジニアとなる人材を求めています。
2015~2016年にマイナビエージェントが行った調査によると、ネットワークエンジニアとして働いている女性はわずか16%で、圧倒的に男性の比率が高くなっています。
ちなみに、「システムエンジニア・プログラマー」では、女性の割合は24%を占めています。このことから、ネットワークエンジニアは同じITエンジニアでも、男女比に開きがある職種であるといえます。
また、女性比率が低いとされている「システム運用、保守」といった、同じくインフラ系にあたる職種と比較しても、ネットワークエンジニアとして働く女性の比率は低いといえます。
男性では解決が難しい課題も、女性ならではのきめ細かな視点を活かすことで、解決できることもあるかもしれません。また、女性の視線があることで、男性の業務に取り組む姿勢が変わってくるとも考えられているようです。
このようなことから、企業担当者が女性のネットワークエンジニアを探す傾向があります。元々、女性の割合が少ないということは、女性だからこそ採用に結び付くこともあるということです。
大企業で働きたい、あるいは管理職を目指したいという女性にとっては、ネットワークエンジニアを目指すことが、そのようなチャンスを得る、良い機会になるとも考えられるでしょう。
ネットワークエンジニアの評価は、技術、スキルで決まります。ですから、男性だからといって優遇されることも、女性だからといって低く評価されることもありません。
自身の持つ技術力を存分にアピールし、評価を得ることができるでしょう。
女性の人生の中で考えられる大きな出来事といえば、結婚後の出産や育児が挙げられます。パートナーの協力があったとしても、場合によっては数ヵ月から2年ほどの休暇を取ることになるかもしれません。
産休、育休後も、それまでと変わらず仕事を続けることを希望する女性も多いかと思います。しかし、現状では、休職している間のブランクの影響を懸念する傾向もあり、残念ながらなかなか復帰しづらいということも事実です。
しかし、そもそもネットワークエンジニアに必要とされるのは技術力です。ですから、しっかりとした技術力さえあれば、いくらかの期間、現場から離れていたとしても、職場復帰しやすい職種といえます。
また、たとえ別の会社に再就職することになっても、それまでのスキルをベースに、評価を受けやすくなります。
クラウドサービスの普及により、ネットワークエンジニアは、場所や時間を選ばずに働くことができます。特に、次のようなスキルが高ければ、ネットワークエンジニアとしてリモートワークを行える可能性を高められるでしょう。
現時点では、クラウドサービスの知識が豊富なネットワークエンジニアは、まだ多くないのが現状です。
これから新たにウェブサービスを立ち上げるといった場合、様々なクラウドサービスの中からどのサービスを選ぶかは、ネットワークエンジニアの判断次第です。
クライアントや自社が求めるものに相応なサービスを選ぶには、各クラウドサービスの内容や動作をきちんと把握している必要があります。このような知識を多く持つことは、リモートワークでも仕事を任せてもらえる大きなポイントとなります。
実際にネットワークを運用していくと、「このへんがパフォーマンスのボトルネックになっていそうだけど、よくわからないので見てもらって、解消するための提案をしてもらえますか?」といった、クライアントからのふわっとした要求が多くなってきます。
こうした要求に対応していくと、ボトルネックの要因は、数ヵ所にわたっていることもありますし、ネットワーク以外のところに見つかるかもしれません。解決するには、システム全体を俯瞰して、判断することができる知識が必要となってきます。
すなわち、クライアントからのふわっとした要求や希望を、具体的な課題に置き換えることができるスキルが、の問題解決を可能とし、クライアントの満足につながるのです。
実際にネットワークを構築するとなると、クライアントのもとへ出向いて作業しなければならないこともありますが、設計部分のみであれば訪問の必要はありません。
設計スキルを磨けば、仕事の幅を大きく広げることが可能となります。
女性のネットワークエンジニアは、なぜ少ないのでしょうか?ネットワークエンジニアの仕事を理解することで、女性が活躍できるイメージを広げてみましょう。
ネットワークは、システムを根底で支える重要なインフラです。そのため、安定的に稼働することが求められます。システムが稼働するまでの限られた期間でネットワークを構築するためには、休日出勤もやむをえないというのが現状です。
さらに、万が一ネットワークにトラブルが起きたときには、24時間365日いつでも迅速に対処することが求められます。そのため、突発的な夜勤が発生するなど、勤務時間が不規則になってしまう側面があります。
ただし、ネットワークの監視など、日常的に夜勤になるような業務は男性が担当する職場が多いようです。これは、通勤や業務の時間に人が少ない夜間の勤務は、安全面で女性が不安を感じることがあるため、十分配慮すべきと考えられているためです。
夜勤や不規則な勤務が多いため体力が必要ですが、担当によっては、ケーブルを引いたりサーバーやネットワーク機器を動かしたりといった力仕事も求められる場面もあります。
ただし、できるだけ女性の負担にならないよう役割分担を配慮してくれることが多く、これは男性が多い職場で働くメリットと考えることもできます。
ITエンジニアの仕事は専門性が高く、未経験からの挑戦は難しそうに思えるかもしれませんが、実際には「未経験可」としている求人も少なくありません。
ネットワークエンジニアにおいても例外ではなく、未経験から先輩といっしょに仕事を進めるうちに力をつけて、第一線で活躍する人も多い職種です。
考えてみれば、誰もが最初は未経験からのスタート。ITの現場はプロジェクト単位で行われ、チームで同じゴールを目指して働くため、困ったときには助け合うのが当然というマインドがあります。
ネットワークエンジニアは、転職をして収入がアップすることも珍しくない職種です。実務で得た経験を資格取得につなげ、80%以上の人が1~2回の転職を経験しています。
また、ネットワークは他のシステムと密接に関連しているため、積極的に新しい知識や技術を吸収しようとする姿勢があれば、インフラ全体を手がけるエンジニアとして活躍する機会も生まれます。
ネットワークエンジニアは、ネットワークのみにとどまらない、幅広いキャリアアップの選択肢が用意されている仕事といえるでしょう。
マイナビエージェント編集部
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