更新日:2024/04/23
この記事のまとめ
転職先を選ぶうえで、年収は大事な検討材料のひとつです。バックエンドエンジニアは専門的なスキルが必要な職業であることから、「年収が高そう」といったイメージを持つ方もいますが実際はどうなのでしょうか。
この記事では、バックエンドエンジニアの年収について解説します。また、転職を成功させる方法や将来性についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
バックエンドエンジニアの平均年収について紹介する前に、まずはどのような仕事をする職業なのかを解説します。転職前に改めて確認しておきましょう。また、バックエンドエンジニアと似た職種であるフロントエンドエンジニアとの違いについても理解を深めておくことが大切です。
バックエンドエンジニアは、WebサービスやWebアプリケーションにおけるサーバーサイド全般を扱うITエンジニアです。サーバーの設計・構築、プログラム開発、データベースの設計・構築など、ユーザー側の目に触れない部分を担当します。
バックエンドエンジニアはシステム開発において要件定義から全体設計、保守・運用に至るまでの全行程が業務内容に含まれますが、規模の大きいプロジェクトは複数人で分担するケースが一般的です。
フロントエンドエンジニアは、バックエンドエンジニアとは対照的にユーザーから直接見える部分の設計や開発を担当するITエンジニアです。具体的には、Webアプリケーションのホーム画面やログイン画面などが該当します。
ユーザーにとってWebサービスやWebアプリケーションが使いやすいと感じるかどうかは、フロントエンドエンジニアの力量に大きく左右されるといっても過言ではありません。
バックエンドエンジニアの平均年収に関する明確なデータはありません。ただし厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査の結果」によると、バックエンドエンジニアと似た職種である「システムエンジニア(基盤システム)」の平均年収は660万4,000円です。
また、同調査の「きまって支給する現金給与額×12ヵ月+年間賞与その他特別給与額」で一般労働者全体の平均年収を算出すると約496万円であり、バックエンドエンジニアの年収は比較的高めであるといえます。
参照:システムエンジニア(基盤システム)|職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag|厚生労働省
参照:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
バックエンドエンジニアは高収入を得られる職業ですが、スキルを磨いたり実績を積んだりすることで、さらなる年収アップが可能です。ここでは、バックエンドエンジニアとして年収を上げる方法を4つ紹介します。すぐに実践できる方法も含まれているため、ぜひ参考にしてみてください。
市場価値とは、転職市場における自分の価値のことです。基本的に、企業は労働者のスキルや経験に見合った報酬を労働の対価として支払います。つまり、企業にとって価値の高い人材になることで、年収アップが実現できます。
バックエンドエンジニアとして市場価値を高めるには、実績や経験を積んでスキルを磨くことが大事です。また資格を取得し、一定の知識やスキルを有していることを第三者に証明できるようにするのもよいでしょう。
給与規定は会社によって異なるため、転職すれば年収を上げられる可能性があります。現職での年収アップが難しい場合には、年収水準の高い会社への転職を検討するとよいでしょう。バックエンドエンジニアとしての実績や経験が豊富にあれば、転職時の給与交渉によってさらなる年収アップも期待できます。
バックエンドエンジニアから年収の高い職種へキャリア転換するのも有効な方法です。たとえば、複数の開発工程をひとりで担えるようになれば「フルスタックエンジニア」へのキャリアパスが見えてきます。
マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを磨き、プロジェクトをけん引していける実力をつけて「Webディレクター」や「プロジェクトマネージャー」といった管理職のポジションを狙うのもよいでしょう。
企業に勤めるのではなく、フリーランスとして働くのもひとつの手段です。会社員の場合は、会社の規定によって給与が決められることから、どれだけ成果を出しても得られる報酬には限界があります。
しかし、フリーランスであれば働いた分だけ自分の収入になるため、実力しだいで高収入を目指すことが可能です。また、フリーランスは働く時間に制限がなかったり、好きな仕事を選べたりと自由度が高い点も魅力です。
バックエンドエンジニアはスキルが年収に反映されやすい職業です。しかし、年収を上げるためにどのようなスキルを磨けばよいのかが分からない方も多いのではないでしょうか。そこでここでは、年収アップのために磨きたいスキルを紹介します。
バックエンド開発において、JavaやPython、SQLなどのサーバーサイド向けのプログラミング言語の知識は欠かせません。すべてを覚える必要はありませんが、複数の言語を扱えるようになれば業務の幅が広がり、市場価値を高められます。
また、開発における時間や手間を減らし、生産性をアップさせるにはフレームワークの知識も重要です。Ruby on RailsやNode.jsなどのフレームワークスキルも身につけておきましょう。
クラウドサービスの登場によって、ITのインフラ環境を従来のオンプレミスからクラウドに移行する企業も増えています。インフラの設計や構築など、バックエンドエンジニアが担う業務の一部にクラウドサービスを利用するケースもあるでしょう。
今後もクラウドサービスが発展し、主流となることが予想されます。市場価値を高めるためにも、クラウドサービスを扱うスキルを磨きましょう。
WebサービスやWebアプリケーションの開発は、バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの連携が重要となります。バックエンドエンジニアもフロントエンドの知識を身につけることで意思疎通がスムーズになり、よりユーザーファーストなWebサービスを構築できるようになるでしょう。
フロントエンド開発で用いられるHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語や、UI/UXについての知識を身につけておくことをおすすめします。
IT業界はITエンジニア不足が深刻化していることもあり、バックエンドエンジニアの求人には「未経験者可」と記載されたものもあります。とはいえ、専門的なスキルが要求されるバックエンドエンジニアに転職するのは簡単ではありません。ここでは、未経験からバックエンドエンジニアになる方法を紹介します。
未経験者でもバックエンドエンジニアに転職できるとはいえ、ITリテラシーが低いと選考で不利になります。異業種転職の場合、選考の際にITの知識について質問される可能性も否めません。最低限、ITにおける基礎知識だけでも習得しておくことをおすすめします。
プログラミング言語やITの知識は、Webサイトや本などで独学できます。独学は費用を抑えられるものの、疑問点の解決が難しい点がデメリットです。IT知識をしっかりと身につけたい方は、プログラミングスクールに通うのもよいでしょう。コストはかかりますが、疑問点をすぐに解消でき効率よく勉強できる点がメリットです。
ポートフォリオとは、自身の過去の実績や成果物をまとめた資料のことです。ITエンジニアとしてのスキルや可能な業務をアピールするために用いられます。ITエンジニアの選考では、ポートフォリオの提出が求められることも少なくありません。
未経験者の場合、ポートフォリオの提出を求められることは基本的にありませんが、独学の過程で作成した作品をまとめておくことをおすすめします。未熟な作品であっても、ポートフォリオを提出することで熱意や入社意欲をアピールできます。
未経験者は基本的に「未経験可」と記載された求人に応募することになります。ただし、未経験可の求人を見つけてもすぐに応募せず、しっかりと企業研究することが大切です。
特に未経験者は、「研修制度や教育制度が充実しているか」をチェックしましょう。また、未経験の仕事は分からないことばかりで、精神的な負担もかかりやすくなります。「職場の上司に質問しやすいか」「疑問点を気軽に相談できそうか」なども意識して調べてみてください。
バックエンドエンジニアの転職に関して、まだ疑問や不安のある方も多いのではないでしょうか。前向きに転職活動を進めるためにも、気になる点はしっかりと解消しておくことが大切です。ここでは、バックエンドエンジニアに関するよくある質問を3つピックアップして紹介します。
バックエンドエンジニアの副業案件には、「Webサイトやアプリケーションの開発」「コンサルタント」「プログラミング講師」「Webライター」の主に4つが挙げられます。
クラウドソーシングやフリーランスエージェントなどに登録し、案件に応募して契約できれば、副業として稼ぐことが可能です。フリーランスエージェントには高単価の案件もあるため、実力しだいでは本業の収入も超えられるでしょう。
バックエンドエンジニアの仕事が「つらい」といわれる一般的な理由として以下が挙げられます。
上記のようにバックエンドエンジニアの仕事には大変な部分があるのは事実ですが、年収が高く将来性に期待できるなど魅力も多い職業です。
IT・Web業界は日々成長・発展している将来性の高い業界であり、バックエンドエンジニアの仕事がなくなることは考えにくいといえます。バックエンドエンジニアが携わるWebサイトやWebアプリケーションの種類や形態が変わったとしても、バックエンド開発は不可欠です。
ただし、この先バックエンドエンジニアに求められるスキルが変化する可能性はあります。自身の市場価値を高めるためにも、新しい技術やトレンドは積極的に吸収し、時代の変化に対応できるようにしましょう。
厚生労働省の調査によると、バックエンドエンジニアと類似した職種である「システムエンジニア(基盤システム)」の平均年収は660万4,000円です。ITエンジニア職はスキルや経験が反映されやすい職業であるため、スキルを磨き市場価値を高めることで高収入を目指せます。
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