受託開発で働くメリット・デメリットとは?企業選びのポイントも解説|求人・転職エージェント

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更新日:2022/12/06

IT業界

受託開発で働くメリット・デメリットとは?企業選びのポイントも解説

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この記事のまとめ

  • 受託開発とはクライアントから発注を受けてシステムやソフトウェアを開発すること。
  • 受託開発企業で働くことで、さまざまな知識やスキルが身につくほか、幅広い人脈を形成できるメリットがある。
  • 将来性の高い受託開発企業に転職するためには、設計や運用までシステム開発を一貫して行っているか、幅広い業界で受託開発を行っているかを重視して転職先を選ぶとよい。

受託開発とは、クライアントから発注を受けてシステムやソフトウェアの開発をすることです。受託開発企業への転職を検討する際、事前に仕事の流れや働くメリットを把握しておくと転職活動をスムーズに進められます。

この記事では、受託開発の仕事の流れや受託開発で働くメリット・デメリットを紹介します。将来性の高い受託開発企業を選ぶポイントについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

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受託開発とは?SESや自社開発との違い

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受託開発とはどのような働き方なのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。また、受託開発と似た言葉に「SES」「自社開発」がありますが、契約形態や開発方法が受託開発とは異なるものであるため、違いについてきちんと押さえておくことが大切です。ここでは受託開発の特徴や、SES・自社開発との違いについて解説します。

受託開発

受託開発とは、クライアントから発注を受けてシステムやソフトウェアを開発することです。受託開発は「請負契約」という契約形態に該当します。成果物を完成させて納品する義務を負うため、納品物が未完成であれば報酬は受け取れません。

受託開発はクライアントから直接発注を受ける元請け、元請けから発注を受ける二次請けといったように、複数のSIerが請け負う構造が多い傾向にあります。

SES

SESは「システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)」の頭文字を取った略語で、システムやソフトウェアの開発・保守・運用における委任契約のひとつです。委任契約には「委任」「準委任」の2種類があり、法律に関する仕事が「委任契約」、それ以外が「準委任契約」に該当します。

SESは準委任契約で、労働力を提供して対価を得る仕組みです。受託開発と違って納品の義務はなく、労働工数や作業時間などで報酬が決まります。

自社開発

自社が提供する商品やサービスの企画・設計・開発にいたるまでの工程を自社で行うのが「自社開発」です。受託開発はクライアントの依頼でシステムを開発するため、プロジェクトの決定権はクライアント側にあります。一方の自社開発はすべての工程を自社内で完結するため、「システムを再構築したい」「スケジュールを延期したい」といった融通を利かせられるのが特徴です。

開発手法においては、受託開発では要件定義からじっくり工程を進めていく「ウォーターフォール開発」が多く用いられています。一方の自社開発では、「計画→設計→実装→テスト→リリース」といった一連の工程を短期間で繰り返す「アジャイル開発」が主流です。

受託開発の仕事の流れ

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受託開発企業の業務フローは、仕事の受注から納品まで大きく5段階に分けられます。前もって仕事の流れを押さえておくことで、受託開発企業への転職後にスムーズに業務へ取り掛かれるでしょう。ここでは、受託開発の5つの業務フローを詳しく解説します。

1.仕事の受注

受託開発は、まずクライアントから仕事を受注することからスタートします。「女性向けファッションをWeb上で紹介するシステムを開発してほしい」「サービスの売上状況をデータ化して管理するシステムを開発してほしい」など、企業によって依頼内容はさまざまです。受注方法も多岐にわたりますが、主に以下のようなパターンがあります。

  • 自社に直接電話がかかってくる
  • 自社ホームページの問い合わせフォームから依頼がくる
  • 以前仕事を受注したクライアントの紹介
  • 自社の営業が開発案件を受注してくる

2.クライアントとの打ち合わせ

クライアントから仕事を受注したら、具体的にどのようなシステムを開発するのか打ち合わせをします。必要な機能や仕様、納期、スケジュールなどを細かく決める「要件定義」という工程です。クライアントの目的やニーズを具体化し、要件定義書としてまとめます。

3.見積もり・予算の擦り合わせ

要件定義で開発するシステムのイメージを決めたら、システムの完成に必要な工数や人数を見積もり、予算の擦り合わせを行います。システム開発に必要な費用の算出でよく用いられるのは「人月単価」です。人月単価は、SEが1ヵ月働くのに必要な費用を1人月として表します。

人月単価を50万円とすれば、SE1人が1ヵ月働く際にクライアントが支払う金額は50万円です。このように人月単価を用いて見積もりを作成したら、クライアントに提出します。

4.設計・実装

打ち合わせや見積もりが終わったら、いよいよシステム開発が始まります。システム開発ではSEが中心になってシステムの設計を行い、プログラマーが開発・実装を行うのが一般的な流れです。要件定義書にしたがって基本設計→詳細設計→プログラミングへと順に進めていきますが、納品後に作り直しを指示されないよう、クライアントとは定期的にミーティングを行います。

5.納品

実装されたシステムが設計書どおりに動作するかを確認したら、クライアントに納品します。納品時には成果物とともに操作や運用に関するマニュアルも提出します。納品日を過ぎて提出するとクライアントからの信頼を失いかねないため、基本的に締め切りは厳守です。クライアントが納品された成果物を受け入れテストし、問題がないと判断したら検収完了です。

受託開発で働くメリット

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受託開発企業で働けば幅広い知識やスキルが身につけられたり、人脈が形成できたりするメリットがあります。受託開発企業で働くか悩んでいる人は、まずここで紹介する「受託開発で働く3つのメリット」を参考にしてみてください。

幅広い知識やスキルが身につく

受託開発は自社開発と違い、複数のクライアントから開発を受注するため、案件の種類・分野はさまざまです。多岐にわたる案件を通じて、幅広いIT・開発スキルが身につけられます。また複数のクライアントと打ち合わせをすることで、調整・交渉スキルも磨けます。

さまざまな企業と人脈を形成できる

複数のクライアント企業と関わることで、幅広い人脈を形成できる点もメリットです。強固な信頼関係を構築できれば、将来転職を考えた際に仕事を紹介してもらえる可能性があるほか、フリーランスになった際に仕事を発注してもらえることもあるでしょう。

案件が多いため安定して働ける

日本の企業の多くはシステム開発を外部に発注しているため、それに比例して案件数も多い傾向にあります。取引先がなくならない限り、同じ会社で長く働けるでしょう。また、最初はプログラマーからスタートしたとしても、経験を積めばシステムエンジニアやプロジェクトリーダーへのキャリアアップも可能です。

受託開発で働くデメリット

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受託開発にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。転職前にデメリットを把握しておくことで、入社後に後悔してしまうリスクを減らすことが可能です。ここでは受託開発で働くデメリットを3つ紹介します。

クライアントの要望に左右されやすい

受託開発では、クライアントの要望を叶えるためにスケジュールがタイトになる可能性があります。自社開発であればさまざまな場面で融通が利くものの、受託開発はクライアント側の意見・要望が優先される傾向にあります。タイトな納期や急な仕様変更によって残業が発生し、長時間労働を余儀なくされかねない点に注意が必要です。

ユーザーの反応が見えにくい

受託開発で開発のみを請け負う場合は、成果物を納品したら基本的にその後の保守・運用には関わりません。そのためユーザーの反応が見えにくい点がデメリットです。商品やサービスがヒットしてもリターンが得られず、「やりがいを感じられない」という人もいるでしょう。ユーザーの反応が気になる場合は、運用・保守まで一貫して行う受託開発企業に勤めるのがおすすめです。

下請けだと給与が低い傾向がある

受託開発は多重請負構造であることがほとんどです。二次請け・三次請けと中~下層になるにつれ利益が少なくなり、給与水準も低くなる傾向にあります。給与面が気になる人は、クライアントと直接取引する元請けの受託開発企業へ転職するとよいでしょう。

将来性の高い受託開発企業に転職するポイント

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一口に受託開発といっても、行う業務の範囲や扱う分野は企業によってさまざまです。企業選びを失敗すれば、長く働き続けるのが難しかったり、スキルが身につけられなかったりします。受託開発企業で長く働き続けるためにも、ここで紹介する将来性の高い企業を見極めるポイントを押さえておきましょう。

システム開発を一貫して受託しているか

設計から開発・運用まで一貫してシステム開発に携わる受託開発企業を選ぶのがポイントです。受託開発では、クライアントから直接受注した仕事の一部を二次請け・三次請けと別の企業へ委託するケースは珍しいことではありません。

二次請け・三次請けと工程が分けられることで、システム開発の一部にしか携われず、他工程の知識・ノウハウが得られにくいのが難点です。システム開発を一貫して行う企業であれば、上流工程から運用にいたるまでのノウハウを熟知しており、将来性が高い企業といえます。

幅広い業界で受託開発を行っているか

特定の取引先に依存していないかも重要なポイントです。「幅広い業界で受託開発している」「取引先が複数ある」といった企業であれば案件数が豊富にあり、経営面において安定しているといえます。また取引先が多ければ、幅広い知識・スキルが得られやすいのも魅力です。

クライアントや元請けから受託しているか

受託開発では多重請負構造となっているケースが多くあります。下請けになるほど納期が短くなるほか、得られる利益も少なくなりがちです。利益が少ないと給与水準の低下にもつながります。元請けに近いほど仕事内容や待遇面で条件がよいケースが多いため、企業選びではクライアントや元請けから仕事を受注しているかも大事なポイントです。

まとめ

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受託開発とはクライアントから発注を受けてシステムやソフトウェアを開発することです。受託開発企業へ転職する際は、システム開発を一貫して行っているか、幅広い業界で受託開発を行っているかを重視して企業を選ぶとよいでしょう。

受託開発企業へ転職したい人、自分に合った求人を紹介してほしい人は、ぜひマイナビITエージェントへご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが転職活動をサポートいたします。

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