更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
不動産金融業界は、不動産分野と金融分野を組み合わせたビジネスを行う業界で、転職先として人気があります。不動産金融業界への転職を考えている方は、未経験でも転職できるのか気になるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産金融業界を未経験の方向けに解説します。「転職は可能か」「将来性はあるのか」「必要なスキルはどのようなものか」などをまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産金融業界は「未経験可」の求人が少なくありません。同じ業界や類似する業界の経験者が優遇されやすい傾向にありますが、金融系や不動産系の資格を取得するなどし、知識とやる気をアピールすればチャンスは大いにあります。
しかし、未経験者にはハードルが高い職種があるのも事実です。たとえば、アレンジャーやアセットマネージャーといった仕事は高度な専門知識が求められるため、未経験者は歓迎されにくいでしょう。
未経験者は、不動産金融業界についてきちんと理解しておくことが大切です。業界理解の浅さは面接で露呈する可能性が高く、「未経験者だから」と大目に見てくれない採用担当者もいるでしょう。ここでは、未経験者が押さえておきたい不動産金融業界の特徴を解説します。
不動産金融業界とは、その名のとおり、不動産分野と金融分野を複合させたビジネスを行う企業の総称です。不動産を株式や社債などの証券に変換する「不動産証券化」や、担保とする不動産の範囲内で融資を決定する「ノンリコースローン」、不動産を貸し出して継続的な収益を得る「不動産投資」などの事業があります。
特に不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンを狙えるとして着目され、安定的な利益を得やすいことから、機関投資家や富裕層に人気です。
不動産金融業界は、株式や債券といった伝統的な投資対象とは異なるオルタナティブ(代替可能な)投資として期待されています。市場変動が比較的少ない不動産は、長期的な資産運用を考えている方や、着実なリターンを狙っている方に人気です。
海外投資への広がりも見せている点にも注目でしょう。マレーシアやフィリピンなどの不動産価格は他地域と比べて安く、人口やGGP成長率も増加している期待の高い市場です。
不動産金融業界にはさまざまな職種があります。転職を考えているなら、それぞれの職種がどのような仕事なのか知り、ビジネスの流れを体系的に学ぶとよいでしょう。ここでは、不動産金融業界の主な職種とその業務内容を紹介します。
アレンジャーは不動産の証券化において、オリジネーター(原資産保有者)や投資家といった参加者の間を取り持ち、調整する仕事です。オリジネーターと投資家の双方のニーズをくみ取り、案件の立案から証券化の組成や取引の実行まで行います。
アレンジャーはそれぞれのプレーヤーの間を取り持つことから、コミュニケーション能力が求められます。また、利害調整のために法務・税務に関する知識も必要です。
アセットマネージャーは、アセットオーナー(資産保有者)から依頼を受けて、不動産の管理・運用を行う職種です。資産運営戦略の策定やファンドの決算といった業務も担当します。
業務上、クライアントとの信頼関係を作ることが非常に大切であり、資産運用の知識に加えて経理知識も求められます。簿記の資格を取得しておくと、転職活動でアピールできるでしょう。
銀行・機関投資家の役割は主にファイナンス(資金調達)です。不動産の証券化においてはノンリコースローンがよく利用されます。ノンリコースローンとは、資産から生じるキャッシュフローのみを返済原資とするローンのことです。
こうした調達・審査のほか、金融機関との交渉、融資先や出資先の開拓営業なども担当します。法人営業の経験や、不動産証券化のアレンジ業務経験があると転職で有利になるでしょう。
プロパティマネージャーは、不動産オーナーに代わって物件管理やテナント管理、レポーティングといった管理業務を担う職種です。空室対策や設備投資などの資産価値向上の提案、メンテナンス計画の立案と実施など、業務内容は多岐にわたります。
プロパティマネージャーへの転職に役立つ資格として、管理業務主任者やマンション管理士が挙げられます。物件管理に関する知識や法令について学べるため、実務に活かしやすいでしょう。
デューデリジェンスは、「企業や不動産の資産価値」「企業が受けるリスク」「予想される収益性」などを調査する仕事です。たとえば、「不動産の生み出すキャッシュフローに影響がないか」「有害物質の汚染がないか」といった懸念事項を評価します。
デューデリジェンスは会計士や弁護士、金融機関の専門家などがチームを編成して仕事を進めることがほとんどです。不動産鑑定士の資格を持っていると、転職活動でアピールできる材料になります。
不動産金融業界への転職を成功させるには、どのようなスキルや知識が求められているのかを知ることが大切です。活かせる強みは伸ばし、弱みは自覚したうえで対策を練りましょう。ここでは、不動産金融業界へ転職するために必要なスキルや知識を解説します。
不動産金融業界で働く以上は、不動産やアセットに関する知識は必須です。業界経験がなくても、不動産やアセットへの強い関心があれば知識の吸収は早いでしょう。最新情報を日々追うことも大切です。
転職時の採用面接では、業界の動向や将来性についての意見を求められるシーンがよくあります。きちんと答えられるよう、新聞、テレビ、インターネットなど各種メディアで情報収集する癖をつけましょう。
不動産金融はどの職種においてもコミュニケーションスキルが求められます。アセットオーナー、投資家、法律事務所などさまざまな関係者と関わるため、円滑なコミュニケーションが取れないと交渉や連携がスムーズにいきません。
いいかえれば、コミュニケーションスキルはかなりの強みになるということです。前職が何であれ、対話力を活かして仕事を有利に進めた経験のある方は、ぜひアピールするとよいでしょう。具体的な数値を交えつつ、どのような意識を持って対話したかを盛り込むのがコツです。
不動産金融業界はチームワークを重んじる傾向にあります。不動産の証券化ひとつを取ってもさまざまな人が関わっており、社内外で連携して仕事を進める「協調性」は重要です。
前職で協調性をアピールできるエピソードがあれば、ぜひ披露しましょう。「チーム一丸となって目標を達成した」「チームのスキルアップのためにノウハウを共有した」など、何かを成し遂げた実積もつけるのが理想です。
投資家の外国人比率の上昇や外資系ファンドへの投資の促進により、不動産金融業界では英語力の高い人材が求められています。アセットマネージャーであれば、外国人投資家に対して報告業務ができるレベルの高い英語力が必要です。
また、オリジネーターが外国人であったり、国外案件を受けたりする場合は英語を使わざるを得ません。英語力を証明するには「TOEIC」が使いやすいでしょう。求人によってはスコアを明示しているものもあります。
不動産金融業界は「未経験可」の求人もあるため、未経験者でも転職可能です。不動産金融の将来性は高く、転職市場としても活気のある業界のひとつです。採用担当者に求められるスキルや知識を身につけ、ぜひ転職を目指してみてください。
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