更新日:2024/08/30
この記事のまとめ
会社を退職する際には、社内外のお世話になった人たちに、これまでのお礼を伝える挨拶メールを送るのが一般的です。しかし、いざ送ろうとすると、書く内容や送るタイミングが分からず悩んでしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、円滑に退職の挨拶メールを送るための書き方のポイントや、送るタイミングについて解説します。ケース別の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
退職時には、一般的に挨拶メールを送りますが、そのタイミングは社内と社外で異なります。まずは、メールを送る一般的なタイミングを、社内と社外に場合に分けて解説します。引き継ぎや挨拶回りの日程調整などがスムーズに進められるよう、しっかりと確認しておきましょう。
社外に退職の挨拶メールを送る際は、遅くとも退職日の2週間前までには送るようにしましょう。2週間から3週間前に送信することで、相手方に急な連絡にならないよう配慮しつつ、スムーズな引き継ぎや挨拶回りの日程調整ができます。
ギリギリのタイミングでは、相手に与える印象もよくありません。最後まで誠意を持って、丁寧に対応することを心掛けましょう。
社内向けの退職の挨拶メールは、最終出社日に送る傾向があります。ただし、職場によっては送信するタイミングが決まっていることもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
最終日は何かと慌ただしいため、可能であれば2日~3日前に下書きを準備しておくのがおすすめです。宛先や文面をあらかじめ作成しておけば、当日はメールを送信するだけで済みます。
退職を知らせるメールを送る際、個別で送ったほうがよいか、一斉送信してもよいか迷う方もいるのではないでしょうか。ここでは、社外と社内に分けて、退職の挨拶メールの適切な送信方法をご紹介します。退職後も良好な関係を維持するためにも、失礼のない方法で感謝の気持ちを伝えていきましょう。
社外の方に退職の挨拶メールを送る際は、一斉送信ではなく、企業ごとに個別で送るのがマナーです。ひとつの企業内に複数お世話になった方がいる場合は、本文の冒頭に複数名の宛名を入れても問題ありません。
退職後も良好な関係を維持できるよう、一人ひとりに真摯な気持ちを込めた挨拶メールを送ることを心掛けましょう。
社内への退職の挨拶メールは、一斉送信で問題ありません。普段から顔を合わせる機会が多いため、改めて一人ひとりに送る必要はないでしょう。
ただし、一斉送信の際は宛先を「Bcc」に入れ、「To」には自分のメールアドレスを記載するのがマナーです。「To」や「Cc」に相手のメールアドレスを入れてしまうと、個人情報の流出につながる可能性があるため注意しましょう。
お世話になった上司や先輩、親しい同僚には、一斉送信とは別に個別で挨拶メールを送るとよいでしょう。一斉送信のメールでは伝えきれない、一人ひとりへの感謝の気持ちを丁寧につづることで、今後も良好な関係を築いていけるでしょう。個別で送信するメールでは、思い出に残るエピソードを交えながら、別れを惜しむ気持ちを伝えるのがおすすめです。
退職の挨拶メールを送る前に、まずは書き方の基本を押さえておくことも重要です。件名のつけ方、退職理由や転職先の記載方法、感謝の気持ちの伝え方など、ポイントを抑えた文面にまとめましょう。ここでは、退職の挨拶メールを送るうえで意識したい書き方のコツを5つ紹介します。
退職の挨拶メールを送る際、件名は一目で内容が分かるものにしましょう。たとえば、「退職のご挨拶」や「退職のご連絡」など、シンプルで明確な件名が適しています。曖昧な件名では、受け取った側が内容を予測しにくく、見落とす可能性もあるため注意が必要です。社外に送信する場合は、社名や氏名も件名に加えると、より分かりやすくなるでしょう。
退職理由を詳しく説明するのは控えましょう。「一身上の都合により」といった一般的な表現にとどめるのが賢明です。詳細な事情を伝えると、かえって誤解を招く恐れがあります。
また、転職先の会社名を明かすのも避けた方が無難でしょう。「新天地で活躍します」程度の言及で十分です。守秘義務の観点からも、転職先の話題は控えめにするのがポイントといえるでしょう。
退職の挨拶メールでは、これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを、前向きな言葉で伝えることが大切です。一緒に仕事をした中で、相手から受けた支援や助言、励ましの言葉など、心に残るエピソードを思い出してみましょう。
そして、その経験がどのように自分の成長につながったのかを振り返ります。感謝の気持ちを込めて具体的なエピソードに触れながら、相手への謝意を丁寧に表現することで、より心のこもった挨拶文になるでしょう。
退職日や後任者の情報を盛り込むことで、引き継ぎがスムーズに行われると安心感を与えられます。社外の方への挨拶メールでは特に、自分の退職後の窓口となる担当者を明示しておくと親切でしょう。
「〇月〇日をもって退職し、今後は〇〇が担当いたします」といった文章を添えるだけで、取引先の方も戸惑うことなくコンタクトできます。
退職の挨拶メールは、感謝の気持ちを丁寧に伝えようとすると、つい長文になりがちです。しかし、あまりに長すぎるメールは、受け取った側の負担になる可能性もあるため注意しましょう。
具体的には、3段落~4段落程度に収めるのが理想的です。各段落は2文~3文程度で構成し、感謝の言葉、退職日、後任者の紹介、今後の抱負など、伝えたい情報を過不足なく盛り込みましょう。
退職の挨拶メールを送る際、社内外の関係性によって内容を変える必要があります。ここでは、社外向けに後日訪問する場合や訪問しない場合、社内向けに一斉送信する場合や個別に送る場合の例文を、それぞれの状況に合わせて紹介しますので、参考にしてみてください。
【例文】
件名:退職のご挨拶 【株式会社〇〇 〇〇(自分の氏名)】
本文:株式会社〇〇 〇〇部
〇〇様
いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
この度、一身上の都合により、〇月〇日をもちまして退職することとなりました。
最終出社日は〇月〇日を予定しております。
在職中は格別な配慮を賜り、心より感謝申し上げます。
〇〇様には、入社当初から数々のご教示をいただき、大変勉強になりました。
退職後は、後任の〇〇が務めさせていただきます。
今後とも変わらぬお付き合いを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
つきましては、近日中に〇〇とともに直接ご挨拶に伺えればと思っております。
その際は、改めてお礼を申し上げたいと存じます。
末筆ながら、貴社のますますのご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
(署名)
【例文】
件名:退職のご挨拶 【株式会社〇〇 〇〇(自分の氏名)】
本文:株式会社〇〇 〇〇部
〇〇様
いつも大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
この度、一身上の都合により、〇月〇日をもちまして退職することとなりました。
最終出社日は〇月〇日を予定しております。
本来であれば、直接お伺いしてご挨拶すべきところ、メールでの挨拶になり大変申し訳ございません。
在職中、〇〇様には何かとお力添えいただき、心より感謝を申し上げます。
退職後は、後任の〇〇が務めさせていただきます。
今後とも変わらぬお付き合いを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴社のますますのご発展と、〇〇様のご健勝をお祈り申し上げます。
長い間、本当にありがとうございました。
(署名)
【例文】
件名:退職のご挨拶 【〇〇部 〇〇(自分の氏名)】
本文:〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
私事ではございますが、この度一身上の都合により、〇月末をもって退職することになりました。本来であれば直接お会いしてご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶となり申し訳ございません。
在職中は、皆様に多大なるご支援とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
皆様と一緒に仕事ができたことを誇りに思います。
学ばせていたただいたことを活かし、今後も精進してまいります。
最後になりましたが、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
長い間、本当にありがとうございました。
(署名)
【例文】
件名:退職のご挨拶 【〇〇部 〇〇(自分の氏名)】
本文:〇〇部
〇〇さん
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
この度、一身上の都合により、本日をもちまして退職することとなりました。
在職中は、〇〇さんに大変お世話になり、たくさんのことを学ばせていただきました。
心より感謝申し上げます。
〇〇さんからいただいたアドバイスやご指導は、今後の人生の糧となります。
〇〇のプロジェクトで温かい叱咤激励の言葉をいただいたことは、いまでも覚えております。
本当にありがとうございました。
最後になりましたが、〇〇さんのますますのご活躍とご健勝をお祈りしております。
長い間、本当にありがとうございました。
(署名)
退職の挨拶メールを送る前に確認しておきたい注意点がいくつかあります。お世話になった社内外の方々と、退職後も良好な関係を継続できるよう、事前にチェックしておきましょう。ここからは、退職の挨拶メールを送る際の3つの注意点を紹介します。
退職の挨拶メールに、ネガティブな内容を盛り込むのはおすすめできません。上司との不仲や会社の方針への不満といった、愚痴や恨み言を漏らすのは控えましょう。
退職の理由を詳しく説明する必要はありません。お世話になった方々への感謝の気持ちを中心に、前向きな内容でまとめます。最後まで誠実な態度を心掛けることは、今後のキャリアにもプラスになるでしょう。
社外向けの退職の挨拶メールに、退職後の連絡先を記載するのは避けるのが一般的です。連絡先を記載することで退職後に業務外の用件で連絡がきたり、顧客情報を利用していると誤解されたりといったトラブルに発展する可能性もあるため、慎重に判断する必要があります。どうしても連絡先を記載したい場合は、上司に相談したうえで、別途個別にメールを送るとよいでしょう。
退職の挨拶メールに返信が来た場合は、お礼のメールを送信してもマナー違反にはなりません。「温かいお言葉をいただき、ありがとうございました」「今後とも、よろしくお願いいたします」など、感謝の気持ちを伝える内容をシンプルにまとめて返信するとよいでしょう。
退職後の近況報告を兼ねるのもおすすめです。「新しい職場にも慣れ、充実した日々を過ごしています」など、前向きな様子を伝える内容にしましょう。
「いまの会社を退職して新たな職場で働きたい」と思っても、「何から始めてよいのか分からない」「退職を切り出すタイミングに迷う」など、転職に関する疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。転職活動をスムーズに進めるには、転職のプロに相談するのがおすすめです。
マイナビエージェントは経験豊富な転職の専門家が、転職先の紹介や選考対策のサポートだけでなく、転職に関するさまざまなお悩みにもお答えします。相談だけの利用もできますので、お気軽にお問い合わせください。
退職の挨拶メールは、社内は最終出社日、社外は退職日の2週間~3週間前に送るのが一般的です。件名は「退職のご挨拶」など明確にし、感謝の気持ちを伝える丁寧で前向きな内容にするとよいでしょう。
退職のタイミングで悩んでいる方や、転職活動を効率よく進めたいと考えている方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。スムーズに次のキャリアへ進めるよう、専任のキャリアアドバイザーが一人ひとりに寄り添いながらサポートいたします。
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