更新日:2021/12/22
転職などで退職する場合、気持ちよく次の仕事をするためにも、退職の挨拶が重要です。
仕事の引継ぎをスムーズにするために、得意先や社内に退職挨拶のメールを欠かさないようにしましょう。
今回は、社内向けのスピーチマナーや仕事でお世話になった方に挨拶メールを送るタイミング、メールの例文、注意点などについてご紹介します。
目次
円満退社をする上で、退職の挨拶は重要となります。得意先をはじめとする社外の人や、お世話になった社内の人に感謝の気持ちを伝えることで、関係を悪化させず退職できるでしょう。
転職後、現職で関わった人と仕事をする機会があるかもしれませんので、良い印象を残しておくのは悪いことではありません。
また、直接顔を合わせる機会の多い人には、できるだけ口頭で挨拶することをおすすめしますが、遠方など、会えない人にはメールを使っても問題ありません。
職場の親しい方たちを前にしてその場で退職の挨拶をしようとすると考えがまとまらず、上手く言葉が出てこないこともあります。自分で内容を考え、上手く話ができたと思っても、聞いている方の反応が感じられない場合もあります。
そのような事態にならないために、退職の挨拶を社内でスピーチする際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
退職の挨拶スピーチは最終出社日の朝礼や送別会などのタイミングで行うことが多いです。特に就業時間内に挨拶する場合、他の社員は日々の業務で忙しいので、スピーチが長くなると業務に支障が出かねません。
また、いろいろな思い出やエピソードを伝えたくて、長々と話すと、聞いている側も疲れてしまいます。スピーチは1~2分を目安に、長くても3分以内に収めるようにしましょう。
スピーチの際はポイントを絞って簡潔に話すことが重要です。ただし、早口になってしまうと聞き取りづらく、丁寧さも感じられません。緊張のあまり小声になったり、声のトーンが暗いのもマイナスな印象を与えてしまいます。最後の印象を良くするためにも、笑顔を心がけ、大きな声でハキハキとゆっくり話すようにしましょう。
社内向けの退職の挨拶スピーチでもっとも大切なのは、これまでお世話になったことへの感謝の言葉です。たとえ退職の理由が前向きな内容でなかったとしても、ネガティブな批判や意見、マイナスイメージに捉えられる内容を話すのは避けましょう。
退職理由を具体的に伝える必要はなく、自分のキャリアアップや新しい分野への挑戦など前向きな内容を簡単に伝えるだけで構いません。
感謝の気持ちを伝えるには、職場での具体的なエピソードを盛り込むと、気持ちが伝わりやすくなります。新人時代や異動当初は、周囲に教えてもらったり、助けてもらったりした経験があるはずです。具体的なエピソードで迷ったときは、直属の上司との思い出を語るのもいいでしょう。そして、お世話になった方々に対し、今後への応援の言葉を伝えると、相手に与える印象もよくなります。
では具体的な社内向けスピーチの事例をご紹介します。
「本日はお忙しい中、このような時間をいただき、ありがとうございます。一身上の都合により、本日をもって退職することになりました。
入社してから今まで、多くの皆様にご指導・ご鞭撻をいただき、一人前の仕事ができるまで育ててくださったことに感謝いたします。特に新人時代にご指導いただいた上司の〇〇さんをはじめ、先輩方には大変お世話になりました。
社会人として、ビジネスマンとして大変多くのことを学ばせていただきました。皆様のご恩に報いるためにも、ここで得た経験を今後も活かしていきたいと思います。皆様のさらなるご活躍とご健康を心よりお祈りしております。これまで本当にありがとうございました。」
退職の挨拶メールを送るタイミングは、社外向けと社内向けで異なります。
社外への挨拶メールは、社内にも周知されるなど、退職を公表しても良い時期になってから送ります。引継ぎなどの関係もありますので、遅くとも退職日から2~3週間前には伝えるようにしましょう。
退職直前に挨拶すると、取引先に無責任な印象を与えてしまう可能性があるので注意してください。
社内向けへの挨拶メールは、最終出社日に送ることが一般的です。退職の報告というよりも、今までお世話になったことを感謝する最後の挨拶として行います。
なお、送るタイミングに関しては会社ごとに慣例が存在する場合もありますので、今まで受け取った退職の挨拶メールのタイミングを参考にしたり、先輩に質問したりすると安心です。
社外への退職の挨拶では、今後の業務を円滑に引き継ぐことを配慮した内容にすることをおすすめします。
取引先と会社は、自分が退職した後も関係が続きます。会社に迷惑をかけないよう、十分配慮しましょう。
今までお世話になってきた取引先と担当者へは、しっかり感謝の気持ちを述べた上で、エールを送ることをおすすめします。
「貴社のご発展と◯◯様のますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます」と文末を締めくくることで、相手に良い印象を与えることができ、退職後も会社と取引先が良好な関係を維持できるようになります。
仕事を引き継がなければならない場合は、必ず後任者を紹介するようにしましょう。その際、後任者のスキルや特徴について一言ふれることで、後任者と担当者のやりとりがスムーズになります。
長い時間をかけて関係を築き上げ、信頼している担当者が退職してしまうというのは、相手にとって大きな不安を感じさせることです。後任者もしっかりとした実力があり、信頼できそうな人だと感じて頂けるよう、上手に紹介しましょう。
今までお世話になった方一人ひとりに退職の挨拶メールを送るのは手間がかかります。
同じ挨拶文を一斉にメールで送ると失礼にならないかと思う方もいると思いますが、退職の挨拶は一斉メールで送っても、失礼にはあたりません。メールの文面にしっかり感謝の気持ちを込めていれば、受け取る相手にも伝わります。
ただし、一斉送信する際は宛先に注意してください。「To」には自分のアドレスを入れておき、送る相手のアドレスは全て「BCC」に入れます。他の送付アドレスが不特定多数に見えてしまわないように配慮しましょう。
件名は用件がはっきりわかるものにし、退職理由は「一身上の都合」に留めておきます。
ここでは、挨拶メールの例文をご紹介します。
社外向けと社内向け、それぞれご用意しましたので、作成の際に参考にしてください。
件名:
退職のご挨拶(株式会社◯◯ 名前)
本文:
株式会社✕✕
営業部
△△様
いつもお世話になっております。
株式会社◯◯の◯◯です。
私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により、●月●日(●)をもって株式会社◯◯を退職することになりました。
△△様には何かとお力添えを頂き、心より感謝しております。
本来なら直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、メールでのご挨拶となりましたことをお詫び申し上げます。
後任は、同じ部署の■■が務めさせて頂きます。
後日あらためて■■がご挨拶に伺いますので、変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のご発展と△△様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
株式会社◯◯
◯◯
社外向けの退職の挨拶メールでは、必ず退職日を明記するようにしましょう。連絡したら退職した後だったというのは、失礼にあたります。
社外の取引先は、今いる会社の顧客です。退職後の連絡先を記載してしまうと、顧客情報を不当に利用しているという誤解を与えてしまう可能性がありますので、記載は避けるようにします。
件名:退職のご挨拶(◎◎株式会社 名前)
株式会社〇〇 △△部
□□□□様
いつも大変お世話になっております。◎◎株式会社の■■です。
私事で大変恐れ入りますが、一身上の都合により×月×日をもって◎◎株式会社を退職することとなりました。
□□様には、在職中何かとお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
本来であれば、直接ご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。
貴社の後任はメールのCCに入っております▽▽が担当させていただきます。今後は▽▽よりご連絡させていただきますので、変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴社のますますのご発展と□□様の一層のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
後任の案内がないと相手が不安に感じる場合があるため、必ず後任の名前と、できれば連絡先を記載します。退職の挨拶に伺えない場合は、直接ご挨拶に伺えず申し訳ない気持ちを伝えると、丁寧な印象になります。
件名:
退職のご挨拶(名前)
本文:
△△部 ✕✕様
お疲れ様です。□□事業部の◯◯です。
この度、一身上の都合により退社することになり、本日が最終出社日となりました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶にて失礼いたします。
✕✕部長には入社当初から目をかけて育てて頂き、たいへん多くのことを学ばせて頂きました。
在籍中は至らぬ点もあったかと思いますが、お世話になりありがとうございました。
今後も✕✕部長から教えて頂いたことを糧にし、活かしていきたいと思っております。
退職後の連絡先は下記になりますので、何かございましたら、いつでもご連絡ください。
メール:XXXX@XXX
携帯:090-XXXX-XXXX
最後になりましたが、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。
□□事業部
◯◯
社内向けの退職の挨拶メールでは、退職理由を細かく書かず、シンプルな内容を心掛けましょう。
お世話になった上司や同僚へのメールであれば、思い出深いエピソードや相手から学んだことなどを記載することで、より印象深い挨拶になります。
件名:退職のご挨拶(◎◎)
〇〇事業部△△課の皆様、お疲れ様です。
私事で申し訳ありませんが、一身上の都合により本日をもって退社することになりました。
本来であれば、皆様に直接ご挨拶すべきところ、メールの挨拶にて失礼いたします。
在職中は大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。
皆様から温かくご指導いただき、業務を通じて多くのことを学ばせていただきました。
この会社で培った経験を今後に活かしていきたいと思っています。
退職後の連絡先は下記の通りです。今後もこちらへご連絡いただけると幸いです。
メール:XXXX@XXX
携帯:090-XXXX-XXXX
最後になりましたが、皆様のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
これまで本当にありがとうございました。
□□事業部
◯◯
退職後も連絡を取りたい社内の方には、連絡先を書いても構いません。その場合は、「今後の連絡先は~」などの一文を添えます。最後はシンプルに所属先と名前を署名します。
退職の挨拶のスピーチやメールで失敗しないための注意点についてまとめます。
よい印象で退職するためにも、以下の点に気をつけてください。
給料が安い、上司と折り合いが悪かったなどネガティブな退職理由を書くのは不適切です。
結婚や出産などお祝いごと以外での退職理由の場合は具体的な内容に触れず、「一身上の都合」とするのがビジネスマナーです。
有名大手企業に転職する、待遇が良くなるなどの自慢話は、職場の方が不愉快な気持ちになる可能性があるので控えましょう。転職先は聞かれたら謙虚に答えるようにします。
退職の挨拶は、所属部署の一番上の方から、直属の上司、同僚の順番で行います。役職や年齢が上の方から伝えるのがマナーです。
忙しい時間帯は避け、仕事が落ち着いたタイミングで、簡潔に丁寧に挨拶をします。
退職の挨拶は、ポイントを押さえて簡潔にまとめましょう。
今後、退職した会社が取引先になる可能性もあります。円満な関係を保つためにも、周囲から気持ちよく送り出してもらえるようなスピーチやメール文で、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが大切です。メールで挨拶する場合は、直接挨拶に伺えないことをお詫びする一文を添えるようにしましょう。
マイナビエージェントでは経験豊富なキャリアアドバイザーが、転職に関する皆様のさまざまなお悩みを手厚くフォローし、ビジネスマナーについてもアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
転職全般
事務職の転職理由や志望動機はどう書く?ポイントや盛り込みたい内容を解説
転職全般
入社5年目での転職|メリット・デメリットや成功のポイントを詳しく解説
転職全般
仕事と子育ての両立は難しい?成功させるポイントやおすすめの仕事を紹介