更新日:2023/09/22
この記事のまとめ
働き方が多様化する中、リモートワークを取り入れる企業が増えてきています。通勤するのではなく、リモートワークできる企業への転職を検討している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、リモートワークのメリットやデメリット、リモートワークが可能な転職先の探し方について解説します。リモートワークが可能な企業へ転職したいと考えているのであれば、まずは自分にマッチした働き方であるかを見極めましょう。
目次
ここではリモートワークの概要を解説します。テレワークや在宅勤務との違いのほか、全国のリモートワーク実施率についてもまとめました。「リモートワークに憧れはあるものの、詳しい実情は知らない」といった方は、ぜひご一読ください。
リモートワークとは「remote(遠隔)」と「work(働く)」を組み合わせて生まれた言葉であり、出社はせずに会社とは異なる場所で業務を行うことを意味します。
リモートワークができる場所は、以下のようにさまざまです。好きな場所で仕事に従事できる点が、リモートワークの特徴といえるでしょう。
そのほか、気分転換を兼ねて公園など屋外でリモートワークを行う方もいます。
リモートワークを細かく分類した言葉が、テレワークや在宅勤務です。テレワークは「tele(離れて)」と「work(仕事)」を組み合わせた言葉で、ICT(情報通信技術)を活用してオフィス以外で働くことを指します。インターネットや電話回線などを使わない業務、たとえば手作業で資料をまとめる仕事はリモートワークではあってもテレワークには該当しません。
在宅勤務は、自宅で業務にあたること全般を指します。企業に勤めている方だけでなく、自営業者が自宅をオフィスとして利用している場合も在宅勤務といわれます。
総務省の「令和4年通信利用動向調査の結果」によると、テレワーク導入企業の割合は全体で51.7%でした。しかし導入率は業界による差が大きく、情報通信業では97.6%、金融・保険業では84.3%と高い数値を示しています。
一方、運輸・郵便業では33.1%と全体平均を下回る結果になっています。リモートワークを望むのであれば、転職先の業界選びも重要になるでしょう。
一口にリモートワークといっても、雇用型と自営型に大別されます。リモートワークが可能な仕事を探すのであれば、まずは雇用型と自営型のどちらにするかを検討するとよいでしょう。ここでは、雇用型と自営型それぞれのメリット、デメリットを解説します。
雇用型テレワークとは、企業と雇用契約を交わしている会社員が自宅などで業務にあたることを指します。国土交通省の「令和3年度テレワーク人口実態調査」によると、雇用型テレワーカーの割合が比較的多いのは、研究職、管理職、専門技術職(IT系、メーカー系、建築系など一般的な専門技術職)、営業職です。
雇用型テレワークのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
|
雇用型テレワークでは、働き方の自由度は上がっても会社員であることは変わりません。収入や保険など安定性を得やすいでしょう。
ただし、会社の規則には原則したがう必要があります。業務の進め方も「進捗上問題がなければやり方および始業時間や終業時間は不問」とする会社があれば、「勤務時間中は原則拘束」とする会社もあり、働き方の自由度が高いとは一概にはいえません。
自営型テレワークとは、クライアントから受注した仕事を自宅などで行う自営業者の働き方を指します。クライアントと直接業務委託契約を交わすか、クラウドソーシングサイトなどを通じて仕事を獲得する方法などがあります。
国土交通省の「令和3年度テレワーク人口実態調査」によると、自営型テレワーカーの割合が比較的多いのは、専門・技術職(一般的な専門技術職、保険医療、社会福祉・法務・経営・金融等専門職、教員を除く)です。デザイナーやライターなどクリエイティブ職が多い傾向にあります。
自営型テレワークのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
|
自営型テレワークでは仕事の受け方、進め方など自己裁量となる範囲が広いため、雇用型テレワークよりも自由度の高い働き方ができるのはメリットです。ただし雇用型に比べると安定性に欠けるほか、「上司や同僚を頼れない」、「確定申告をはじめ業務外の手間も増える」といったデメリットがあります。
働く場所を選ばないリモートワークでは、個人にとっても家庭にとってもさまざまなメリットが得られます。ここでは、リモートワークの主なメリットを4つ紹介します。
現在の働き方と比較しながら、自分のライフプランにマッチするメリットが得られるかを確認しましょう。
自宅でのリモートワークであれば、通勤や移動が不要です。時間に余裕を持てるだけでなく、通勤の際にかかるストレスや疲労を軽減できるでしょう。
また、完全リモートワークが可能な仕事や会社であれば、出勤の必要性がないことから居住地を問わない求人もあります。自宅から勤務先への距離を考えずに済む分、転職先選びの幅を広げられるのもメリットでしょう。
育児や介護などで自宅から離れることが難しい状況であっても、リモートワークであれば仕事に取り組みやすいのはメリットです。家族の様子を見ながら仕事ができるだけでなく、育児や介護のための体力や時間にも余裕を持ちやすいでしょう。
なお、会社によっては「育児休暇や介護休暇時に活用できるように、希望があればリモートワークが可能」といった制度を取り入れているケースもあります。今後のライフプランを考え、リモートワークを検討している場合にはリモートワークと通常勤務の両方が選択可能な転職先もおすすめです。
リモートワークでは、ワークライフバランスを自分が思うようにコントロールしやすい傾向にあります。通勤時間が削減できる分、時間的な余裕を持ちやすいためです。
また、仕事や会社によってはリモートワークとフレックスタイム制を併用しています。始業時間や終業時間を自分で決められれば、より自分に合った生活を送りやすくなるでしょう。スキルアップのための勉強時間を確保したり、プライベートを充実させたりすることも可能です。
リモートワークの場所として、自分にとって働きやすい環境を構築したり選んだりすれば生産性の向上が見込めます。人の話し声や視線が気になる方であれば自宅、おしゃれな環境や外からの刺激を受けることが活力になる方であればお気に入りのカフェで働くと、より仕事に集中できるでしょう。
また、リモートワーク中に音楽を聞いてモチベーションを上げたり、集中力を高めたりすることもできます。
通勤時間の削減やプライベートの充実させやすさが大きなメリットであるリモートワークですが、一方でデメリットも存在します。リモートワークの向き・不向きはこれらデメリットに大きく左右される傾向にあるため、注意が必要です。
ここで紹介するリモートワークのデメリットが、自分にとって大きな負担となり得るかどうかを確認しておきましょう。
たとえ雇用型の形態を選んだとしても、リモートワーク中は基本的にひとりで業務にあたります。オフィス勤務のように気軽に同僚や上司と話せないため、社内でのコミュニケーションに重きを置いている方ほど孤独を感じやすいでしょう。
また、業務上で発生した疑問をメールやチャットなどで問いかけても、リアルタイムで返答がくるとは限りません。仕事に慣れないうちは、戸惑うことも増えるでしょう。
自宅だと生活空間で仕事をすることになるため、オン・オフの切り替えに難しさを感じる方もいます。なかなか仕事モードのスイッチが入らないケースがあれば、仕事を切り上げられずに自ら過重労働を課してしまうケースもあるでしょう。
フレックスタイム制を併用している会社であればなおのこと、オン・オフの切り替えは難しくなります。自主的にタスク管理やスケジュール管理を徹底することが求められます。
社外のネットワーク環境では、セキュリティー性に欠ける恐れがあります。自宅であれば自らセキュリティー対策を施せますが、カフェやカラオケ店などのWi-Fiを利用する場合には特に注意が必要です。ウイルス対策はもちろん、紛失・盗難対策や盗み見を防ぐためのパスワード設定なども心掛けましょう。
仕事に使用するパソコンをプライベートで利用する際にも同様の対策が必要です。
リモートワークを導入する企業が増えている理由として、以下の点が挙げられます。
生産性の向上が見込めるだけでなく、従業員の交通費、ペーパーレス化による印刷代といったコスト削減ができるのは大きなメリットです。また、場所や状況を選ばずに働きやすいことから、優秀な人材の獲得、離職率の低下につながるメリットもあります。
その一方で、各業務のタスク管理や情報共有が対面時よりも難しく、マネジメント層の負担が増えるのは企業にとってデメリットです。各業務をスムーズに進行できるツールの開発や導入など、環境整備が課題になるでしょう。
リモートワークを始める際に必要なものは職種や会社によって異なりますが、主に以下のものが必要です。
そのほか、働きやすい環境を整えるうえではパソコン用のデスクや椅子の用意が欠かせません。床やソファに座ってのデスクワークは体への負担が大きいためです。
会社によっては、在宅勤務手当などリモートワーク環境を整えるための資金や現物が支給されるケースもあります。
リモートワークで働ける転職先を探す際には、いくつかのコツがあります。ここでコツを押さえれば、効率よく転職先を見つけられるでしょう。在職中の転職活動をはじめ、多忙な方はぜひ参考にして自分に合った仕事を見つけるのにお役立てください。
リモートワークができることを優先条件にして転職先を探すのであれば、リモートワークの導入率が高い職種を選ぶのがおすすめです。国土交通省の「令和3年度テレワーク人口実態調査」によると、各職種別のリモートワーク導入比率は以下のとおりです。
|
未経験からの転職であればITエンジニアやイラストレーター、デザイナー、ライターといったクリエイティブな専門・技術職がおすすめです。
求人サイトでリモートワーク可能な転職先を探す場合には、「リモートワーク」または「在宅勤務可」のワードで検索をかけましょう。求人サイトによっては、カテゴリや特集ページが用意されているケースもあります。
リモートワークに特化した求人サイトもありますが、比較的新しいこともあり、全体の求人数はそこまで多くありません。転職先の選択の幅を広げるためにも、特化サイトだけでなく、さまざまなサイトを活用してより多くの求人情報を集めましょう。
自分に合った転職先を探したい場合には、転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントに登録すると、「リモートワークがしたい」という希望はもちろん、これまでの経験およびスキルを加味したうえで最適の求人を紹介してもらえるためです。
転職エージェントは各企業の人事とも密接にやりとりをしているため、「どのような業務形態でリモートワークをしているのか」「在宅勤務手当をはじめ福利厚生の利用状況はどうか」など、求人票だけでは分からないリアルな情報を教えてもらえることもあります。
マイナビエージェントでは、リモートワーク可能な求人を多数取り扱っています。転職活動の際には、まずはそのほかの希望も含めてお気軽にお伝えください。担当のキャリアアドバイザーがあなたに最適の求人をご紹介します。
また、働き方や収入に関する交渉も代行いたします。理想の転職をかなえたいのであれば、マイナビエージェントをぜひご活用ください。
リモートワークは個人裁量で業務を進めたい方や、ワークライフバランスを重視する方におすすめの働き方です。自分らしいライフプランをかなえるうえでリモートワークが最適と感じたのであれば、転職活動を始めましょう。
転職先に対して譲れない条件がある、自分に合った転職先を紹介してほしい方は、マイナビエージェントへご相談ください。「リモートワークをしたいが自分に向いているのか分からない」「どの業界や職種がよいのかを決めきれないでいる」といったお悩みも、担当のキャリアアドバイザーが親身に寄り添って解消いたします。
転職全般
事務職の転職理由や志望動機はどう書く?ポイントや盛り込みたい内容を解説
転職全般
入社5年目での転職|メリット・デメリットや成功のポイントを詳しく解説
転職全般
仕事と子育ての両立は難しい?成功させるポイントやおすすめの仕事を紹介