更新日:2024/09/10
転職面接の頻出質問のひとつに、キャリアプランに関するものがあります。キャリアプランそのものを尋ねられることもあれば、「◯年後はどのようになっていたいですか?」といった言い回しで質問されることもあります。
キャリアプランは、日頃から自分の将来について意識していないと、とっさに答えるのが難しい質問です。あらかじめ答え方を考えておきましょう。ここでは、面接でキャリアプランを聞かれる理由と答え方のポイントの他、注意点についてご紹介します。
目次
転職面接でキャリアプランを聞かれたとき、面接官が確認しようとしているのは主に次の3つです。何を求められているのかを知った上で、回答内容を考えるようにしてください。
企業は、それぞれの経営方針と人材育成プランを持っています。地域に根差した企業活動を行っていきたいと考えている企業に、将来はグローバルな活躍がしたいと思っている従業員が入社してしまった場合、ミスマッチによる早期離職のリスクが高まるでしょう。
同様に、「3年後にはリーダーになってこの仕事を極めていきたい」と考えている応募者と、「まずは社内の仕事を一通り経験してもらって、オールマイティな活躍ができる人材を育成したい」と考えている企業のニーズは合致しません。
このようなミスマッチは、企業だけでなく応募者にとっても不幸なことです。もちろん、自分自身のキャリアプランを企業のために無理に変える必要はありません。しかし、その場合、「そもそもなぜその企業に応募したのか」ということになってしまいます。
入社を希望している以上、自分のキャリアプランに合致すると思える点があったはずです。経営方針や事業内容、人材育成方針を踏まえた上で、自分の希望するキャリアの築き方を伝えましょう。
転職面接でキャリアプランを聞かれたときは、「リーダーとして人から頼られる存在になりたい」といったぼんやりとした希望ではなく、「◯年後に××という職種につき、△△という成果を上げたい」といったように、具体的な目標設定を答える必要があります。
仕事を通して成長していくためには、目標設定が非常に大切です。短期目標、中期目標、長期目標を自ら立てることができるかどうか、また、立てた目標が現実的なものであるかどうかをチェックされます。
「1年後に営業部のリーダーになって、3年後には内勤を経験したい、5年後には企画に行きたい」といったキャリアプランでは、まったく一貫性がありません。
「将来的には支店長として地域住民に愛される企業づくりをしていきたい、そのためにも、3年後には営業成績上位を目指し、5年後には営業部のリーダーとして管理能力を高め、個人ではなく部全体の成績を上げる手腕を磨いていきたい」というように、最終的な目標を設定した上で、そのために何をしていくつもりなのかを伝えましょう。
世の中には、目標だけは立派に立てるものの、まったく実行力がない方もいます。このような方は、企業にとって魅力的とはいえません。
転職面接では、その方の答えたキャリアプランとそれまでの経歴の一貫性や、目標に向けた実行力についても見られています。過去の仕事内容とキャリアプランの関係性が薄い場合は、どのような意図でその仕事をしていたのか説明を加えると、面接官に納得してもらいやすくなります。
キャリアプランを叶えるために行っている勉強や活動、取得した資格などがある場合は、併せて伝えましょう。
キャリアプランを伝える際、3つのステップで話を組み立ててみましょう。ぼんやりとしたビジョンしか持っていなかった方や、入社してみないとよくわからない方もいるかもしれませんが、面接ではある程度形を定めて答える必要があります。
キャリアプランを答えるときは、最初に具体的な目標を提示します。
「入社後半年で店長になれる!」という求人募集を打っている企業であれば、「まずは半年後の店長就任を目指し、5年後までには全国トップの売上の店舗に育てたい。将来的には、本部で経営企画にも携わっていきたい」といった目標設定が可能です。
企業の求める人材や経営方針、評価制度に合致した目標を提示することができれば、「自社の希望とマッチしている」という評価を受けられます。
続いて、キャリアプランのためにしている勉強や保有している資格、取得を目指している資格などについて説明します。また、将来を意識して行っている仕事なども、キャリアプランのためにしていることに該当します。
店長になりたい場合は、経営に関する勉強や、地域ごとの顧客ニーズに関する研究、管理業務の経験などがそれにあたります。
「20代のうちに店長になりたい」だけであれば、どこの企業でも実現させることができます。自分のキャリアプランが、応募先企業のどこに合っているのかを説明しましょう。
「設立5年で全国規模に急成長した御社で、スピード感のある時代を読んだ経営に関わっていきたい」など、自分のキャリアプランと企業の経営方針のどこが合致したのかを伝えます。
キャリアプランを聞かれたときは、次の3つの点に気を付けて答えましょう。
面接では、志望動機や転職理由などについて聞かれることになります。キャリアプランは、社会人として働いていく上での自分の指針になるものですから、「企業を志望した理由」や「転職を志した理由」などとも合致している必要があります。
キャリアプランとして持っている目標を叶えるために転職を志し、その企業であれば叶えられると考えたために志望したと、客観的に納得できる一貫性が必要です。
キャリアプランを聞かれたときは、具体的な将来のビジョンを答える必要があります。「管理職になりたい」といった役職の希望だけでは、転職面接の答えとしては不適切だといえます。
そもそも、管理職になって、具体的にどのようなことがしたいのでしょうか。部下をどう育成したいのか、チームをどのようにまとめていきたいのか、企業にどう貢献していきたいのか、深掘りして考えてみてください。
キャリアプランは自分自身の目標ですが、どの企業に対しても同じことを言えばいいわけではありません。「地域に貢献したい」という目標が同じでも、志望する企業によって、具体的な目標設定や、それまでの道筋は変わってきます。
企業のウェブサイトや社長・従業員のインタビューなどをチェックして、どのような人材が求められているのか、また、企業がどういう経営方針を持っているのかを考えます。その上で、「その企業に転職した場合の自分のキャリアプラン」について話しましょう。
キャリアプランは、様々な言い回しで質問されることがあります。別の言い方をされた場合に戸惑うことがないよう、パターンを知っておくことが大切です。
5年後、10年後など、年数は様々ですが、「どうなっていたいですか?」という質問は、「将来的にどのような人材になっていたいか」ということを聞いています。
将来の夢を聞かれたときに、「長く働いて社会に貢献していきたい」といった企業活動と直接関係のない答えや、「世界中を見て回りたい」といった個人的な夢は、転職面接で求められている答えとはいえません。
将来の夢と言われた場合も、基本的には仕事を通して、その企業で実現したい夢について答えるようにしてください。
「入社後、どのような活躍をしていきたいですか?」という質問は、キャリアプランや将来の夢に比べて、具体性が高いものだといえます。「御社の指示に従って働きます」といった答えでは、主体性がないと捉えられてしまいます。入社後、どのようなキャリアを築いていきたいのか具体的に答える必要があります。
キャリアプランは、仕事をしていく上での自分の軸を定めるために必要なものです。
しかし、自分の中にキャリアプランを持っているからといって、面接の場でそれぞれの企業に対して最適化された答えがスムーズに出てくる方はなかなかいません。事前に、企業研究に基づいたキャリアプランを考えておきましょう。
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