更新日:2024/09/11
金融業界に属する証券会社は、実力に応じて高い収入を得ることができる人気の転職先です。証券会社に転職したいけれど、どのような資格や能力が必要になるのか詳しく知らないという方もいるでしょう。
ここでは、証券会社への転職を希望する方に向けて、具体的な仕事内容や職種の他、求められるスキルや有利になる資格をご紹介します。
目次
証券会社とは、証券市場で売買取引される株式や債券を取り扱う会社のことです。
証券会社は、有価証券を買いたい・売りたいという投資家からの注文を受け付けて証券取引所に取り次ぎ、仲介手数料を得たり、証券会社自らが有価証券の売買を行ったりして利益を上げます。
また、投資家の資産を預かって運用する「ラップ口座」などから手数料を得る場合もあります。
証券会社の業務というと、顧客から株の注文を受けて証券取引所に取り次いでいるといったイメージが浮かぶかもしれません。しかし、証券会社では、他にも様々な業務が行われています。
証券会社の代表的な業務として、「セリング業務」「アンダーライティング業務」「ブローカー業務」「ディーリング業務」の4つが挙げられます。それぞれの業務内容について見ていきましょう。
証券会社のセリング業務とは、企業が発行した株式や債券などの有価証券を預かり、販売する業務です。証券会社は、企業からの委託を受けて株式や債券を購入する投資家を募集し、販売します。
アンダーライティング業務も、セリング業務同様、企業が発行した株式や債券などの有価証券を買い取って、それを販売する仕事です。セリング業務とは、証券会社が売れ残った有価証券を買い取るという点が異なります。
アンダーライティング業務の難しさは、買い取った有価証券が売れ残ったら損失が出てしまうという点です。一方、買い手が見つかれば、有価証券の購入額と売却額の差額が利益となります。
ブローカー業務は、投資家からの有価証券売買の注文を受け付けて、証券取引所に取り次ぐ仕事です。個人投資家は直接証券取引所で注文することができないため、必ず証券会社があいだに立つことになります。
証券会社はブローカー業務を行うことで、売買金額や取引回数などに応じた手数料を得ることができます。
ディーリング業務とは、証券会社が自社の資金で有価証券の売買を行うことをいいます。証券会社は、有価証券の売買で利益を得るためだけでなく、市場を活性化させることも目的としてディーリング業務を行います。
ただし、証券会社がディーリング業務で多額の資金を使ってしまうと、経営が不安定になる可能性があります。そのため、各証券会社は、自社が保有できる証券について、取引対象や限度額などを定めています。
続いては、証券会社で働くメリットとやりがいについてご紹介しましょう。
下記のような点に魅力を感じる方は、証券会社での仕事に向いているかもしれません。
アンダーライティング業務では、買い取った株式や債券を投資家に売りきることができたとき、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
アンダーライティング業務の場合、株式や債券が売れ残ったときに、証券会社が買い取らなければならないというリスクがありますが、その分、市場の動向を分析して成長株を見極め、売りきることができたときの喜びは大きいはずです。
証券会社では、顧客から資産運用の相談を受けることもあります。顧客の資産を有効活用するために役立つ情報を提供したり、ラップ口座の運用などで顧客の資産を増やしたりすることができれば、大きなやりがいになるでしょう。
証券会社で働く上で、常に最新の市況を把握できることは、ビジネスパーソンにとってのメリットであり、やりがいであるといえます。
業務を通して得られる経済情勢や国際情勢に関する情報は、ビジネスにおける有用な知識といえるでしょう。
証券会社には営業や事務など様々な職種があり、役割を分担してセリング業務やアンダーライティング業務などを行っています。続いては、証券会社の代表的な職種と主な仕事内容について見ていきましょう。
証券会社の営業は、証券口座の開設や投資商品を案内したり、顧客に資産運用のアドバイスを行ったりします。
証券会社に限らず、営業の仕事はノルマが設定される場合があります。ハードですが、実力次第で成績を上げていける職種だといえるでしょう。
証券会社の事務の仕事は、金融商品の販売促進や店頭サービス、オペレーションなどが挙げられます。株の受発注に関する顧客からの問い合わせに対応することもあるため、金融商品に関する知識が必要です。
また、一般的な事務職と同様に、顧客情報の管理なども行います。
証券会社のコールセンターは、顧客からのオンライントレードの操作に関する問い合わせや、商材に関する問い合わせ、クレーム対応の他、自社の口座開設や金融商品の案内を行うのが仕事です。
様々な問い合わせをスピーディーに解決していく必要があるため、臨機応変な対応が求められます。
証券会社では、どのようなスキルがあれば活躍できるのでしょうか。続いては、証券会社への転職に必要なスキルや資質についてご紹介します。
証券会社で必要なスキルとしては、顧客に対して資産運用のアドバイスを行ったり、顧客のニーズに合った商品を提案したりするコミュニケーション能力が挙げられます。顧客から資金を預かる証券会社の仕事では、信頼を得ることが非常に大切です。
証券会社では、判断力も求められます。特にディーリング業務においては、株価の値動きを予測して売買のタイミングを判断する必要があります。
情報収集力も、証券会社で働く上で必要なスキルです。商品の売買について、投資家にアドバイスを行うことがあるため、投資の判断材料として政治や経済、トレンドなど、最新の情報を入手しておく必要があります。
証券会社で働くにあたって、特に必要な資格はありません。しかし、保有しておくと転職に活かしやすい資格は、下記のようにいくつかあります。
ファイナンシャル・プランナーの資格は、資金計画や資産運用などのアドバイスを行える専門知識を有していることを証明する資格です。
ファイナンシャル・プランナーの資格で代表的なものは、特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)と一般社団法人金融財政事情研究会が認定試験を実施する国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士」です。
加えて、日本FP協会が認定試験を実施する民間資格の「AFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)資格」、ならびに「CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)資格」があります。AFP資格やCFP資格の認定を受けるには、ファイナンシャル・プランニング技能士の2級に合格している必要があります。
DCプランナーとは、確定拠出年金(Defined Contribution)だけでなく、年金制度全般や投資などに関する知識を有していることを証明する資格です。
DCプランナーの資格を取得するには、日本商工会議所と一般社団法人金融財政事情研究会が共同で実施する「DCプランナー認定試験」に合格する必要があります。
外務員とは、職務において株式や債券など、金融商品の販売や勧誘などを行えるようになる資格です。取り扱える業務の内容によって、資格の種類が6つに分かれています。
外務員の資格を取得するには、日本証券業協会が実施する「外務員資格試験」に合格する必要があります。
証券アナリストとは、顧客が有価証券の取引を行う際に、証券を発行する企業の評価を行ったり、市場の分析などを行ったりする能力を保有していることを証明する資格です。
証券アナリストの資格を取得するには、公益社団法人日本証券アナリスト協会が実施する「証券アナリスト試験」に合格する必要があります。
投資診断士とは、投資についての知識を持ち、資産形成について投資家や企業にアドバイスすることができる、投資のアドバイザーとしての能力を証明する民間資格です。投資診断士の資格を取得するには、一般社団法人投資診断協会が実施する投資診断研修を受講し、投資診断士の認定試験で一定の成績を修める必要があります。
投資診断士の資格は、証券会社で働く上で、投資商品や投資制度などについて、基本を再確認しておきたい方におすすめです。
証券会社への転職を成功させるには、自分の適性に合った会社や職種を選ぶ必要があります。
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