面接において、企業は長く活躍してくれる人材を採用するために、さまざまな質問をします。企業から質問された際にスムーズに答えられるよう、よく聞かれる質問内容を把握し、適切な回答ができるよう準備を整えておきましょう。

本記事では、面接で質問される内容の傾向と対策、質問に回答する際に意識したいこと、企業側に逆質問するときの内容や具体例、大事なポイントについて解説します。

女性の転職｜面接で質問される内容の傾向と対策

転職を成功させるためには、事前の面接対策が欠かせません。しかし転職活動の経験が少なく、「いったいどのようなことを聞かれるのだろうか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、女性が面接で聞かれやすい質問の傾向と対策を解説します。

採用面接における質問の傾向

男女雇用機会均等法で定められているように、面接の際に性別で質問内容を分ける行為はNGです。しかし、女性に限らず男性であっても、性別によって質問の傾向や意図が異なることはあります。

たとえば結婚に関する質問は本来NGとされながらも、「結婚の予定」「結婚の有無」はいまだに男女を問わず聞かれる可能性がある質問です。その背景には、「長期勤続の意思があるのか」を確認したいとする企業側の意図が秘められています。転勤や異動の多い企業であれば、「柔軟な働き方が可能であるか」を確認する意図もあるでしょう。

効果的な面接対策は？

面接における質問は、基本的に「早期退職リスクはないか」「自社にマッチする人材であるか」の確認を主軸にして考えられています。どのような質問であっても、この軸を意識した回答を考えることが面接官に好印象を与えるためには重要です。

そのため、結婚、出産、育児といったライフスタイルが大きく変わる物事に関する考え方は男性、女性ともに事前にまとめておくとよいでしょう。結婚や出産も含め、どのようなキャリアパスや人生プランを描いているのかを伝えることが大切です。

面接での質問は何個くらい？

面接の質問数は、多くて8個前後が一般的です。面接時間はひとりあたり30分ほどと見積もられていることが多いため、一問一答ではなく、会話によるコミュニケーションを意識するとよいでしょう。

また、面接の最後に企業側に対してする逆質問は、入社意欲をアピールする絶好の機会です。企業研究を徹底したうえで、3個～5個は準備しておくとよいでしょう。ただし面接をとおして疑問が解消するケースもあるため、逆質問は多めに用意しておくことをおすすめします。

女性の面接｜よくある6つの質問と回答例

ここでは、女性が面接で聞かれやすい質問と回答例を紹介します。面接では、採用担当者から聞かれたことに対して、的確に答える意識が重要です。本番の面接では緊張して焦ってしまいがちですが、事前に対策を徹底することで、落ち着いて受け答えができるようになるでしょう。

Q1「残業はできますか？」

繁盛期や多忙なときは残業を求められることもあります。中には日常的に残業が必要とされる職場もあります。もし保育園に預けている子どもをお迎えする必要があって残業を避けたいなら、面接の段階で状況をきちんと伝えておくことをおすすめします。

一方で延長保育やベビーシッター、家族や祖父母の助けなどを借りて残業もできるなら、その旨を伝えておきましょう。しかし、その場合でも「○時までなら残業可能です」と、時間を伝えておくことが大切です。

Q2「転勤はできますか？」

自身の状況を整理しながら国内のみなら転勤可能なのか、海外でも可能なのかなど、希望や考えを伝えるようにしましょう。

Q3「当社を選ばれた理由は何ですか？」

志望動機を質問されたときには、応募先企業でなくてはならない理由を述べて転職意欲の高さを伝えることが大切です。そのためには応募先企業のことはもちろん、業界事情や競合他社まで徹底してリサーチする必要があるでしょう。

また「どのような点を魅力に感じて応募したか」だけでなく、「入社した際にはどのような形で貢献したいか」にまでつなげられると、より魅力的な回答となります。

Q4「前職の退職理由は何ですか？」

面接官が退職理由を質問するのは、早期退職リスクの高い応募者であるかを判断するためです。退職理由については正直に回答して構いませんが、ネガティブな印象を与えないための工夫はしましょう。

前職に対する不平不満をただ述べるだけでなく、志望動機につながるように心掛けるのがポイントです。また結婚や育児、病気、介護などといった理由での退職であれば、現在は問題なく勤務可能であることを含めましょう。

Q5「長く勤められますか？」

「結婚や出産による離職を懸念されているのだろうか」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、質問の言葉をそのまま捉え、回答しましょう。長期的に働きたい意思があれば、その旨を伝えます。

それに加えて、どのようなキャリアパスを思い描いているかまで伝えられればなおよいでしょう。長期勤続の意思を伝えられれば、採用担当者に好印象を与えられます。

Q6「転職回数が多い理由を教えてください」

転職回数に関する質問もまた、早期退職リスクを懸念してのものです。転職回数が多い場合でも、転職理由をしっかりと伝えられればマイナス評価にはつながりません。企業側の懸念点を払拭できるよう、明確な転職理由とともに、思い描いているキャリアパスや、これまでに培ってきたキャリアを活かしてどのように貢献していきたいのかを伝えられるようにしましょう。

女性の転職｜面接で質問に回答する際に意識したいこと

面接の場で採用担当者から質問されたときは、理解しやすい表現を心掛けることや、質問の意図を的確に把握することなどを重視することが大切です。また、表情や話し方、回答時間などにも注意を払いながら適切な受け答えを意識しましょう。

以下では、面接で質問に答えるときに意識したいポイントを6つご紹介します。

結論から話す

採用担当者から質問を受けたら、まず結論から話すことを意識しましょう。結論を先に話しておくと、その後に続く理由や経緯を採用担当者に理解してもらいやすくなり、質問に対する回答を印象づけることができます。また、結論から話し始めると自分がどのようなことを話したいのか、きちんと整理できるようになるため、理路整然とした受け答えを行えるようになります。

具体的には、以下3つのステップに分けて話すことを整理しておくと的確な受け答えができるでしょう。

1. 結論
2. 1.の理由や経緯
3. 全体のまとめ

質問の意図を汲み取る

採用担当者から質問されたときは、「何について聞かれたのか」「なぜそのようなことを聞くのか」など、質問の意図を的確に汲み取ることを意識しましょう。質問の意図を把握できないまま話し始めてしまうと、ちぐはぐな回答になってしまうおそれがあるので、落ち着いて相手の質問を聞き取り、頭のなかで整理してから話し始めましょう。

表情や話し方にも気を配る

面接時は緊張のあまり、声のトーンが低くなったり、表情が硬く強ばったりしてしまいがちです。声の調子や表情は、話の聞き取りやすさや第一印象に大きな影響をもたらす要因となるので、適切なトーンと表情で話すことが大切です。

また、話すときのスピードにも注意しましょう。あまり早口になると話の内容が聞き取りづらくなってしまうので、早すぎず遅すぎず、適切なスピードを保つよう意識します。具体的には、10秒間で50文字くらいのスピードを意識するのがおすすめです。

回答時間の目安は「30秒」

質問に対する回答時間は特に制限されていないケースがほとんどですが、話す時間があまりに長すぎると相手に飽きられてしまうおそれがあります。質問の量や内容によって調整は必要ですが、1つの質問に対する回答時間は、なるべく30秒を超えないよう意識した方がよいでしょう。

前職に対する不満や愚痴は話さない

転職の場合、面接で退職理由を尋ねられることがあります。退職理由は人それぞれですが、どのような理由であれ、前職の不満や愚痴は話さないようにしましょう。不平や不満を漏らすと採用担当者にネガティブな印象を与えてしまい、かえって逆効果になってしまうので要注意です。

回答には一貫性をもたせる

面接では志望動機や転職の理由、入社後に挑戦したいことなどを質問されますが、これらの回答に一貫性がないと「適当に話しているのではないか」と疑われる可能性があります。相互につながりのある質問については、主張にブレがないか、内容に矛盾が発生していないかどうかなどをチェックして、慎重に答えるようにしましょう。

女性の転職｜働きやすい職場を見極める逆質問5選

面接の終盤では、「最後に質問はありますか」といった逆質問の時間を設けられることが一般的です。働きやすい職場で長期的に活躍するためにも、逆質問を有効活用しましょう。ここでは、働きやすい職場を見極めるために使える逆質問例を5つ紹介します。

休暇について

休暇に関する逆質問は、聞き方次第でやる気がないと勘違いされる恐れがあります。「仕事に全力を尽くすためにもオンオフはしっかり分けたいと考えている」「休日は勉強してスキルアップに努めたい」など、企業に貢献するうえでも休日が必要だと考えていることをアピールできるとよいでしょう。

評価について

性別にかかわらず仕事に対する適切な評価を受けられる企業であるかを知りたいときには、評価基準について質問するほか、実際に活躍されている女性の特徴や割合を質問するのがおすすめです。仕事に対する意欲の強さも印象づけられるでしょう。

人間関係について

自分に合った人間関係を築きやすい企業であるかを確かめるためには、なるべく具体的に質問することが大切です。失礼にあたる質問を避けようとするあまり、「社風はどのようなものですか」といった曖昧な聞き方になっては、実のある話を聞きづらいでしょう。

転勤について

転勤について心配なことがあれば、頻度やエリアなどを具体的に質問してみましょう。転勤の有無が分からない場合には、「支店を複数お持ちですが、これまでに転勤された方はいらっしゃいますか」というように誤解のない表現を心掛けたいところです。

制度について

福利厚生など導入されている制度については内容を聞きたいのか、活用率を聞きたいのかをはっきりさせたうえで質問を考えるとよいでしょう。ただし休暇についての質問と同じく、聞き方次第では待遇ばかりを重視していると捉えられかねないため、気をつけましょう。

女性の転職｜好印象を与える逆質問3選

逆質問は、企業側に仕事への意欲やモチベーションを伝える大切な機会です。適切な逆質問を行えば、採用担当者に好印象を与えることができるので、企業側のニーズに適した質問を行うようにしましょう。

ここでは企業に好印象を与えられる逆質問の例を3つご紹介します。

会社の方針について

企業方針についての逆質問は、会社の将来性や、自身とのマッチ度を知りたい場合に有効です。
また、「その会社で長く働くことを想定している」とアピールする手段にもなります。

仕事内容について

会社の仕事内容について詳しく尋ねる姿勢を見せると、入社意欲がある人材とみなされ、好印象を持たれやすくなります。仕事内容をよく知ることは入社後のミスマッチを防ぐ手段にもなるので一石二鳥です。

会社の文化・社風について

会社の文化や社風は、社内の雰囲気や人間関係と密接な関係があります。企業文化・社風に興味・関心を寄せる質問は、長期的に働く意欲があることのアピールにつながるため、好感を持たれやすくなるでしょう。

女性の転職｜面接の逆質問で大事なこと

面接の逆質問は、知りたい情報を得られるチャンスであると同時に、自分を効果的にアピールする場でもあります。逆に、質問の仕方や内容を間違えると相手にマイナスの印象を与えてしまう原因にもなるので注意しましょう。

ここでは面接の逆質問で大事にしたいポイントを4つご紹介します。

入社意欲をアピールする

逆質問で企業の経営方針や業務内容、社風といったより詳しい情報を求めると、入社に対する意欲やモチベーションを持っていることを間接的にアピールできます。

たとえば、どうすれば会社に早くなじめるか、どのような知識・スキルを持っていればキャリアアップを目指せるか、などの質問を行えば、仕事に対して前向きな姿勢があるとみなされ、好印象を持ってもらえるでしょう。

企業HPや求人情報を調べれば分かるような質問はしない

企業のホームページや求人情報などを調べれば簡単に分かるような質問をすると、下調べ不足と認識されてしまいます。下調べができていない＝入社する意欲が少ない、関心が低いとみなされる可能性があるため、内容の浅い質問は控えた方がよいでしょう。

抽象的な質問や「はいorいいえ」で答えられるような質問はしない

逆質問では、採用担当者との対話につながるような内容を尋ねることが大切です。たとえば、「仕事は楽しいですか」といった抽象的な質問や、はいorいいえだけで完結してしまうような質問を行うと、会話のキャッチボールが成り立たなくなってしまいます。

簡素な質問はコミュニケーション能力不足とみなされる可能性もあるので、具体的な回答が得られるような質問を投げかけるようにしましょう。

自分の強みを踏まえた逆質問を考える

自分が伝えたいこと、強調したいことを踏まえた逆質問を行うと、自己PRにつなげることができます。たとえば、「◯◯の資格を持っていますが、御社の業務に貢献できる機会はあるでしょうか」などの逆質問を行うと、自然な形で特定の資格を有していることをアピールできます。

ただし、過剰な言い回しをすると自慢に聞こえてしまう可能性があるので、質問の仕方には十分な配慮が必要です。

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まとめ

転職時の面接では、採用担当者からさまざまな質問を受けることになります。会社に対して自己PRする絶好の機会なので、予想される質問に対して適切な受け答えができるよう準備をしておきましょう。また、逆質問では入社意欲をアピールしたり、自分の強みを踏まえた質問内容を用意したりすると、自身を効果的にアピールできます。

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