商社業界
商社営業の
仕事内容とは?
転職に有利なスキルや経験も解説
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食品や衣類、医薬品や化学製品、建築資材、
鉄鋼・非鉄金属、燃料・エネルギーなど、
さまざまな商材を国内外から仕入れて顧客に販売する商社。
商社営業への転職を成功させるには、業界の最新動向を理解したうえで、
転職の準備をすることが大切です。
そこで、商社営業職への転職を考えている方々に向けて、
商社業界の現状や展望、求人動向、転職に有利なスキルや期待できる年収など、
転職に役立つ最新情報をお届けします。
商社業界とは?
商社業界は、取り扱う商材によって「専門商社」と「総合商社」に大別できます。
専門商社はその名にある通り、特定分野の商材を専門に扱っているのに対して、
総合商社は広くさまざまな商材を扱っています。
総合商社
総合商社が扱う商材は多岐にわたっており、食品や化粧品、衛生用品といった私たちが日常生活で使うものから、石油などの燃料・エネルギー、ソフトウェアや情報機器といったIT関連に至るまで多岐にわたります。
総合商社は企業の規模が大きく、圧倒的な資金力を誇っています。このような強みを生かしてメーカーや加工会社に直接、出資し、生産から流通、販売に至るサプライチェーンを構築・強化して利益の最大化を図っています。
専門商社
特定の商材を取り扱う専門商社は、「商品の仕入れ・販売」といったトレーディング事業が主体でした。近年は小売業への進出など、トレーディング以外の事業も展開するなど、多角的な事業展開により利益拡大を図る専門商社も増えています。
商社業界の仕事内容
一口に商社営業と言っても、営業のスタイルは企業によって異なります。
また、新規事業に進出する専門商社の場合、営業職が事業企画を担うケースもあります。
ここでは、専門商社で活躍する営業職の仕事内容について説明します。
営業の仕事内容
メーカーから商材を仕入れ、顧客に販売する商社の場合、営業職のミッションは「商材を顧客に販売すること」にあります。専門商社は歴史の長い企業が多く、顧客とも長きにわたって取引を重ねてきた実績があります。そのため、顧客との信頼関係を大切する傾向にあります。
営業においても、新規顧客を獲得するというよりも、受注額の拡大を目指すなど、既存顧客との関係強化を重視しています。
また、会社の規模によっても異なりますが、専門商社のなかには、営業職が商材の仕入れを兼ねることもあります。
事業企画の仕事内容
自社商品を開発したり、ECサイトを運営するなど、新規事業に進出する専門商社では、営業職が事業企画を担うケースもあります。ただし、新規事業に関する専門的な知識や経験が求められるため、新規事業の進出を視野に入れて、経験者を募集する商社もあります。
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商社業界の現状と今後
総合商社は新型コロナウィルスの影響大
海外取引先を多く抱えている総合商社は、コロナ禍により現地での買い付けが厳しくなり、オンラインでの取引を模索するなど、大きな転換期を迎えています。
サプライチェーンをさらに強化するなど、トレーディング以外の事業をより拡大する傾向が進むことも考えられます。
専門商社は安定して売上を維持・拡大
専門商社は海外よりも国内企業との取引が多く、そのほとんどが長く懇意にしている「お得意先」ばかりです。そのため、コロナ禍にあっても、専門商社の売上は安定傾向にあります。
ただし、取引先がコロナの影響を受けているケースもあります。この場合、営業職を新規採用するなどして、販路拡大や新規顧客獲得などの施策を取ることも考えられます。
カテゴリー別では、家庭用食品の売上が急増
商社が扱う商材のなかで、最も大きな動きがあったのが「食品」です。「業務用食材」の売上が停滞する一方、「家庭用食材」の伸び率が非常に高い傾向にあるからです。
ただし、コロナ禍が落ちつけば、再び業務用食材の売上が伸びることが想定されており、この動きは一過性のものと考えて良いでしょう。
働き方は、引き続き対面営業が中心
コロナ禍を機にリモートワークを推進する業界が多い中、商社業界は引き続き、対面での取引を重視する傾向にあります。
特に専門商社は長くお付き合いのある取引先が多く、お客さまとの関係構築・維持をとても大切にしています。お客様先を訪問してコミュニケーションを図る昔ながらの営業手法が、しばらくの間、続くことが予想されます。
事業の多角化を図る商社が増加傾向に
専門商社の中には、自社商品の開発に乗り出したり、ECサイトの運営を始めるなど、新規事業に進出する企業も出てきています。これは、事業を多角化することで、会社としての付加価値を高めていこうとする専門商社が増えているということを意味します。
この傾向が続けば、商社営業が担う役割も多角化していくことが考えられます。
商社業界の求人動向
コロナ禍の影響をあまり受けていない専門商社では、
スポットの採用が中心です。
商社営業を目指している方は、こまめに求人をチェックするなどして、
情報を逃さないようにしましょう。
総合商社の
求人動向
総合商社は新卒採用を重視しており、離職率が低いことから、ほとんど中途採用を行っていないのが現状です。新型コロナウィルスの影響もあまりなく、引き続き、新卒採用に力を入れています。
専門商社の
求人動向
コロナ特需で売り上げが増大している「食品」系の商社を中心に、採用を拡大する傾向にあります。
ただし、専門商社は欠員が出た際にスポットで求人をかけることが多いため、採用人数は1~2名程度です。募集をかける時期もまちまちなので、専門商社の営業職を志望している方は、こまめに求人情報をチェックすることをお勧めします。
職種別・地域別の
求人動向
商社と言えば営業職が花形の職業でしたが、最近は営業職以外の職種採用を検討する企業も増えています。
特に新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、IT化の推進を検討する専門商社が増加傾向にあることから、社内SEの求人が増えつつあります。また、新規拠点を設立し、地方での採用を進める専門商社もあります。
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商社営業のやりがい
メーカーと顧客の間に立ち、顧客が求めている商材を提供する商社営業は、
日々、どのようなやりがいを感じているのでしょうか。
商社営業ならではのやりがいや、身につく知識・スキルなどを紹介します。
企業同士の
仲介役として
活躍できる
01
商社の仕事では、企業同士の仲介役として活躍できることに、大きなやりがいを見いだせるでしょう。
2つの企業の仲介を行うことで双方が利益を得られるという点は、商社ならではのおもしろさといえます。企業同士を結び付けるにあたり、人間関係が複雑化して困難になる場合がありますが、その分、1つのプロジェクトをやり遂げたときの達成感も大きいです。
海外で
活躍しやすい
02
近年では規模を問わず、多くの企業が海外に活路を見いだし、進出しています。中でも活躍のフィールドが幅広い商社は、早くから海外展開を行ってきた業界であり、現在も海外事業に積極的に取り組んでいます。
まさに「世界を股にかけてビジネスを展開する」というイメージどおり、商社に入社すればグローバルな舞台で活躍できる可能性があるというわけです。
大規模な
ビジネスに
関わることが
できる
03
商社で働くことのひとつの魅力として、大規模なビジネスに関わることができる点が挙げられます。時に数億円、数十億円というビッグプロジェクトに参加できるのは、大きな魅力といえるでしょう。
特に総合商社の場合、発展途上国での国家プロジェクトなどに関わることも多く、勤務年数が浅いうちからこうした大規模案件に関われる可能性があります。
プレッシャーは大きくなりますが、やり遂げたときの達成感もまた大きいことでしょう。
商品知識が
身に付く
04
総合商社であれば幅広い分野の、専門商社であれば特定の領域の商品知識を身に付けることが可能です。
他にも、商社の仕事を通して、最先端の技術に関する情報を取得できたり、マーケットを分析する能力が身に付いたりする点に魅力を感じられるでしょう。
商社営業への転職に求められるスキル・経験
日々、取引先を訪問して関係強化に努め、売上拡大を図る営業職に求められる資格は、自動車の運転免許。
さらに、顧客との関係を丁寧に築くことからコミュニケーション力も求められます。
商社営業を目指している方は、
商社が営業職を採用する際に重視する資格やスキルを事前にチェックしておきましょう。
資格
商社営業は、取引先に商材のサンプルを持参して商談を進めます。社用車での移動が一般的で、多くの商社が自動車の運転免許を応募要件としています。
また、数は多くありませんが、倉庫から商材をピックアップする際に用いるフォークリフトの有資格者を求めるケースもあります。
スキル
コミュニケーションスキル
仕入れ先や販売先に加えて、社内の関連部門とも日常的にやりとりをしている商社営業にとって、マストのスキルと言えるのがコミュニケーションスキルです。明るく前向きで協調性があり、時には顧客の懐に入り込んで親身になって対応する。このような人柄の求職者が採用される傾向にあります。
語学力
海外との取引が多い商社の場合、ある程度の英語力が求められます。目安としては、TOEIC600点以上。もちろん、配属先によって語学力が不要な場合がありますし、企業によっては入社後に社内研修で身に付けることも可能です。
柔軟性
複数の企業を結び付けることで、市場に新たな価値を提供する商社では、既成概念にとらわれず斬新な考え方ができる、柔軟性に富んだ方が活躍できるでしょう。
また、事業投資の面から見ても、今後の時代の流れを読み、柔軟な発想ができることが重要になります。
忍耐力
商社で働く上では、粘り強い忍耐力が必要になります。複数企業の仲介役となると、ステークホルダーが増える分、商談がスムーズに進行しない場合があるでしょう。プロジェクトを遂行するため、粘り強く業務に取り組む必要があります。
マネジメントスキル
商社では、プロジェクトの全体を見渡して、適切に管理するマネジメント能力が求められます。
体力
商社の仕事では、取引のために日本国内や世界中を飛び回ることもあるでしょう。体力がないと、仕事の前の移動で疲弊してしまうおそれがあります。
年代別
商社に限らず転職では、年代によって求められるスキルが異なります。一般的に、転職で求められるスキルを、20代・30代・40代の年代別にご紹介します。
商社に限らず転職では、年代によって求められるスキルが異なります。一般的に、転職で求められるスキルを、20代・30代・40代の年代別にご紹介します。
20代の転職で求められるスキル
第二新卒を含む20代の転職では、組織に適応して行動できるかどうかなど、ポテンシャルが重視される傾向があります。
30代の転職で求められるスキル
30代以上で転職を目指す際には、専門性の高いスキルなど、即戦力が求められます。
TOEIC800点以上の高い英語力や、公認会計士・ファイナンシャルプランナーといった資格の他、貿易実務の経験などはアピールポイントとなるでしょう。
40代の転職で求められるスキル
40代以上の転職では、即戦力となるスキルに加えて、マネジメントの経験やスキルが求められます。
商社営業が目指せる次のキャリア
商社営業として経験を積んだその先には、同業他社に転職したり、
他業界の営業として活躍する道などが拓かれています。
商社営業の経験を生かせる転職先やキャリアについてご紹介します。
転職先の会社でキャリアアップする
転職先の会社で営業経験を積んで昇給を目指すほか、営業部門のトップに立ち、マネジメント職として活躍するケースが一般的なキャリアと言えるでしょう。
加えて、他部門に異動し、営業以外の仕事に就いてキャリア転換するケースもあります。
同業他社に転職する
専門商社で経験を積むことで、取り扱う商材の深い知識が身につきます。そのため、同業の商材を扱っている他の企業に転職することも可能です。
例えば、「ワークライフバランスを充実させたい」「もう少し年収をアップさせたい」といった要望がある場合、商材の専門知識や営業経験を武器に、同業他社に転職する方法もあります。
異業種に転職する
商社営業は、仕入れ先と販売先の間に立って商談を進めていくため、「マッチング」のスキルも身につきます。このスキルを生かして、人材会社や不動産仲介会社などで活躍することが可能です。
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商社営業に関するFAQ
- 未経験で商社営業への転職は可能ですか?
-
未経験者であっても、商社営業に転職することは十分に可能です。顧客との関係性を重視する専門商社では、顧客との相性を見たり、経験よりも求職者の人間性を評価する傾向にあります。
なお、他業界の法人営業経験があれば、さらに評価が高まるでしょう。面接では、ご自身の人柄や入社への意欲・熱意を存分にアピールしましょう。
- 商社営業に転職可能な年齢は何歳までですか?
-
未経験の場合は30代前半くらいまで、商社営業の経験がある方であれば、30代後半までを目安と考えると良いでしょう。実際、マイナビエージェントでのご紹介実績も、30代前半~後半までの方がボリュームゾーンとなっています。
- 20~30代の商社営業の平均的な年収水準を教えてください。
-
転職先の企業やこれまでの経験などによっても異なりますが、おおよそ300~450万円程度の年収を見込むことができます。さらに詳しく見ていくと、20代前半で300万円強、30歳で400~420万円、40歳で500円前後が目安になります。
なお、商社の場合、インセンティブ制を採用している企業はほとんどなく、日々の営業活動で打ち出した実績はボーナスで反映されます。また、年功序列型の企業が多く、年数に応じて昇給していくのが一般的です。そのため、商社営業は安定的に年収を伸ばしていくことが可能です。
- 商社営業の選考の特徴を教えてください。
-
面接では、特徴だった質問を矢継ぎ早に投げかけるようなことはあまりなく、基本的な質問によって求職者の経験や人柄を推し量る傾向にあります。
経歴、転職理由、志望動機。この三つの質問を投げかけ、そこから本人の回答に応じて、プラスアルファの質問をしていくといったスタイルになります。会話の内容はもちろん重視しますが、同時に、面接官は会話の流れもチェックしています。「会話のキャッチボールが上手にできている求職者であれば、顧客とのやりとりもスムーズにできるだろう」と評価できるからです。
- 商社営業は、残業や休日出勤は多いですか?
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全般的に働く環境が整っており、ワークライフバランスも充実しています。残業時間は月平均で20~30時間程度、休日出勤はほぼありません。顧客が土日祝日も営業している場合のみ、休日出勤に対応することがありますが、この場合は代休をしっかり取ることができます。
- 商社営業を目指す上で、やっておくべきことはありますか?
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商社は取り扱っている商材が多岐にわたっており、商材ごとに動向が異なります。まずはいろいろな商材について調べ、各商材の動向も見極めながら、興味ある商材を固めていくと良いでしょう。
- 商社営業はどんな人におすすめですか?
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商社はインセンティブ制を採用せず、年功序列型の人事制度を敷いているところがほとんどです。ノルマも厳しくないため、営業職のファーストキャリアとして商社営業を選ぶのも賢い選択と言えます。顧客との関係を重視しているので、お客様目線での提案スキルも磨かれることでしょう。
「シビアに数字を追いかけるよりも、お客さまに寄り添いながら商材を提案したい」「腰を据えて長く働ける会社に転職したい」といった方にも、商社営業をぜひおすすめします。
鍛治本 聖
株式会社マイナビ所属。転職エージェント歴13年、理系大卒。経験領域として、いちアドバイザーとしても管理職としてもオールジャンルを経験(Web広告、商社、消費財、医療、不動産、IT(Web・SIerNIerとも)、製造業メーカー(電気・機械・化学とも)、職位もメンバーから役員クラスまで)。法人営業担当、キャリアアドバイザー双方の経験を活かした、双方にとってベストなアドバイスを心がけています。
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