更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
ゼネコンは仕事のスケールの大きさから憧れる人も多い職種です。業界の規模が大きいため、志望動機がうまくまとまらず、書き方に悩む方も多いのではないでしょうか。志望動機は面接でも聞かれる重要な項目です。
この記事では、ゼネコンへの転職に成功する志望動機の書き方や注意点、評価されやすい資格やスキルを紹介します。ゼネコンへの転職をお考えの方は参考にしてみてください。
目次
日本国内でゼネコンと称される企業は、売上高によってスーパーゼネコン・準大手ゼネコン・中堅ゼネコンの3つに分類され、さらに、サブコンと呼ばれる企業もあります。志望動機を書く際はゼネコンの企業研究が重要です。ここでは、ゼネコンに関する基礎知識を紹介します。
ゼネコンはゼネラルコントラクター(General Contractor)の略で、総合建設業を意味します。明確な定義はありませんが、設計・施工・研究を自社で行う企業はゼネコンに分類されます。また、土木一式工事業と建築一式工事業の許可を受けており、土木工作物や建築物建設の元請け業務が可能です。
工事の発注者は国や自治体・企業が中心のため、建築物の規模が異なります。主に一戸建てを建てる建築会社に対して、ゼネコンは多くの人が利用する大規模な建設物が対象です。たとえば、マンションやビル、商業施設や学校、ダムや橋といった生活に欠かせないものを建設します。
ゼネコンの業務は大きく2つに分かれます。設計から施工まで自社で担当する建設業務と、専門工事会社や資材メーカーに工事を依頼して納期までに完成させるマネジメント業務です。
特に、マネジメント業務は重要な仕事です。実際に現場で工事するのは別の会社で、数百人規模の作業者が働く場合もあります。円滑に工事を進めるには、多くの関係者をコントロールする能力や労働災害を防ぐ安全管理が求められるでしょう。
明確な定義はありませんが、売上高が1兆円を超える企業を「スーパーゼネコン」と呼びます。エンジニアリング部門・建設部門・研究開発部門があり、高い技術やノウハウを持つ建築業界のトップです。なお、売上高が3,000億円を超える企業を準大手ゼネコン、1,500億円を超える企業を中堅ゼネコンと呼びます。
スーパーゼネコンは暮らしを守るインフラ工事や日本を代表する建築物の工事のほか、海外の工事実績が豊富です。高い技術やノウハウが長い間受け継がれており、より大規模な工事を手掛けています。
サブコンはゼネコンの下請けとして工事を担当する業者です。空調設備・消防設備・電気設備・衛生設備といった工事の工程管理や安全品質管理、原価管理をします。
サブコンはゼネコンや発注者との契約形態により、工事の関わり方が異なります。代表的な契約形態は、ゼネコンが一括で請け負った工事の一部を依頼する「一括請負」、発注者がゼネコンとサブコンそれぞれに工事を依頼する「別途工事」、発注者が指名したサブコンにゼネコンが下請け発注する「コストオン工事」の3つです。
ゼネコンが自社で働く人材として求める人物像は以下の2つです。
ゼネコンは関わる人が多いため、意見の食い違いもあります。さまざまな意見をまとめ、協力できるコミュニケーションスキルが必要です。また、ゼネコンの業務は地図や後世に残る大規模な仕事もあり、完成までの長い期間、前向きな気持ちでやり通す実行力が求められます。
ゼネコンについて理解したら、志望動機の基本的な書き方を押さえなければなりません。ただ書き連ねても、採用担当者に伝わる文章にならないためです。面接に進むためには、まずは書類選考を通過する必要があります。希望する企業と自分のビジョンを擦り合わせながら、相手に伝わる志望動機を目指しましょう。
企業から好まれる志望動機は、シンプルかつ分かりやすい文章構成です。最後まで読みやすく、内容も伝わります。シンプルにする方法として、「結論から先に書く」「一文一意で文章を短くする」「接続詞で無理に文章をつなげない」といったことを意識するだけでリズム感のある志望動機が書けます。
文章が読みやすいか判断できない場合、第三者に読んでもらい、フィードバックしてもらうと改善点が見えるでしょう。
何社もあるゼネコンの中で、その企業を選んだ理由を明確に伝えます。どのような興味があるかよりも「なぜ興味を持ったか」が大切です。企業で働くモチベーションに直結し、結果として業務成績につながるためです。
幅広い業務があるゼネコンは企業により得意・不得意の仕事があるため、自らが企業の求める人材であることをアピールし、意欲があることを伝えましょう。
採用担当者はキャリアや将来ビジョンを読んで、自社で達成できる内容かを見極めます。自分の強みややりたいことを分析し、入社後どのように貢献できるかを伝えなければなりません。
漠然としたイメージやほかの企業でも叶えられる一般的なビジョンは、マイナス評価につながります。自分のキャリアをもとにオリジナル性のある志望動機を書きましょう。
採用担当者にあまりよい印象を与えない志望動機にはNGとなる特徴があります。すべてに共通するのは、自己分析と企業分析が不十分なことです。表面的な志望動機しか書けず、説得力に欠けるでしょう。ここでは、マイナスとなる書き方について解説します。
退職理由と志望動機に矛盾があると、採用担当者は「給料だけで選んだのでは?」「言えないような理由があるのでは?」と不審に思います。退職理由と志望動機に一貫性があると、人柄やストーリーが見えて採用担当者の心を動かせるでしょう。
退職理由をさらに掘り下げて、「いままで自分は何をしてきたか」「なぜその企業でなければならないのか」と筋道を立てる必要があります。求められるのは模範解答ではなく、自分にしか語れない独創性のあるストーリーです。
「学ばせていただきたい」「入社後勉強したい」といった言葉は意欲的に見えますが、自分の意思ではなく他人任せというマイナスイメージを抱かせてしまいます。企業が求めるのは、学校のように受動的に学びたい人ではなく即戦力です。
未経験でも取得した資格や生かせるスキルを伝えて、「新たな業務にチャレンジして成長したい」というポジティブな姿勢をアピールすれば、積極的な印象を与えられます。
転職先を検討する際は福利厚生や休日、昇給といった条件を比較する人がほとんどです。面接で退職理由を聞かれたとき、転職を考えるきっかけとして待遇面を話す程度であれば問題ありません。
ただし、志望動機として待遇や給与を書くのは避けたほうがよいでしょう。「仕事に対する意欲が感じられない」「もっと条件のよい企業があれば、すぐに転職するのでは?」と不信感を与えるためです。志望動機は企業の仕事に関わる内容にしましょう。
【例文】
私は、台風や地震といった自然災害に負けない安全な暮らしができる街づくりがしたいと考え、貴社を希望しました。貴社は安全第一を企業理念として、利益より安全を最優先する社風です。貴社に入社できた際は、安全な街づくりに大きく貢献したいと考えています。
周りからは注意深い人と言われたり集中力が高いと褒められたりした経験があります。そのような性格を生かして、注意深く集中力を保ちながら業務に従事し、貴社に貢献したい気持ちです。
例文では「安全な暮らしができる街づくりがしたい」「貴社は安全第一が企業理念のため理想の街づくりをするのであれば貴社しかない」と、その企業でなくてはならない理由や入社後にやりたいことが明確です。また、自分の人間性を交えて業務に従事できることを伝えています。
ゼネコンは未経験でも転職できますが、業務上役立つ資格があれば採用のチャンスが増えます。職種によって求められる資格やスキルは異なり、設計を希望する人は2DCADのスキルが必須です。ここでは、ゼネコンを目指す人が持っていると有利なスキルや資格を紹介します。
人手不足の解消や業務効率の向上を目指し、ゼネコンもIT化が進んでいます。たとえば、2Dや3Dの設計図面の製図に使用するのはパソコンが一般的です。AR技術(拡張現実)も使い、風景や建設中の建物をイメージする手法も広がり始めています。
パソコンを使った製図は、フリーソフトを使うと独学で習得可能です。時代の変化に対応できるITスキルがあれば、企業へアピールできます。
未経験で転職する場合、資格があるとスキルを証明でき、採用の可能性が広がります。ゼネコンへの転職に有利な資格は以下の4つです。
面接や志望動機には、企業の情報収集が大切です。応募する企業だけを対象とした内容でなければ、採用担当者に気持ちは伝わりません。企業のホームページに書かれた経営理念や事業内容、代表者のメッセージをしっかりと読んで、自分の言葉で説明できれば説得力が増すでしょう。
ホームページに書かれている言葉をつなぎ合わせるだけでなく、企業が携わった建築物や企業の事業所へ直接足を運ぶだけでも、ほかの応募者と差別化できます。
ゼネコンに限らず、志望動機は希望する企業に伝わる文章でなければなりません。企業は自社が求める人材とマッチするかを応募書類から見極めます。優れた学歴や経験があっても、相手に伝わらないと意味がありません。
ゼネコンへの転職を考えているものの、志望動機に自信がないという方は、マイナビメーカーエージェントにご相談ください。転職のプロであるキャリアアドバイザーが専門的な視点から、一人ひとりの強みを生かせるアドバイスをします。企業が求める人材を知り尽くしたキャリアアドバイザーのノウハウで応募書類に差をつけましょう。
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