更新日:2024/12/09
新型コロナウイルスなどの影響で不透明な社会情勢が続くなか、公務員という職業の安定性は非常に魅力的になっています。
本記事では、公務員採用試験で合格を得るための重要なポイントである自己PRの方法について解説します。
PRの具体的な例文も交えて紹介しますので、ぜひ試験対策にお役立てください。また、公務員以外を目指す方もぜひ参考にしてみてください。
目次
公務員として採用されるためには、民間企業への就職と同様に多くの応募者の中から採用担当者の目を惹く自己PR力が大切です。特に近年は、地方公務員の採用試験において、筆記試験の成績よりも面接を重視する新方式の採用形態が登場するなど、自己PR力の重要性は高まっています。
いかに自分の魅力やスキルをアピールして面接官によい印象を与えるか、合格の正否はそこにかかっていると言っても過言ではありません。
公務員になるために自己PRをする場は、対面の面接と、公務員試験の場が挙げられます。
面接の場において、応募者は短い時間で面接官の多岐に渡る質問に応答し、自身の適性をアピールしなければなりません。
しかし、この成否には、面接前に提出する「面接カード」の記入も大きな影響を及ぼします。面接カードには、必ず自己PRを記入する欄があります。
多くの場合、面接官はこの面接カードに沿った質問をします。つまり、面接カードの記入を行い、その内容からどんな質問をされるか事前に分析しておくことで、落ち着いた受け答えをすることができます。
一部の公務員試験では集団討論が設けられている場合もあります。ディスカッションの場において、集団の中でどんな役割を果たし、どんな発言をするかは、自分の個性をPRする貴重な機会であるといえます。
一般に公務員試験においては、社会問題や経済問題について自分の考えを手書きで論述する「教養論文試験」があります。論文の記述に当たっては、客観的かつ論理的な思考力が求められますが、同時に「自分の意見」を説明することも重要です。論文試験では、学力や論理的・言語的な説明能力のみならず、あなたの考え方やその個性を示すことができます。
公務員試験の詳細については、下記で詳しく解説しているので、必要に応じて確認してください。
自己PRにおいては具体的にどのようなポイントに力を入れるべきなのでしょうか。
公務員に求められる適性に応じて解説します。
試験において、採用担当者に自分を魅力的に見せることは大切です。しかし、自分をよく見せるために話しを誇張したり、嘘をついたりすることで話が支離滅裂になったり、あなたが実際に面接官に与える印象にギャップが生まれてしまう恐れがあります。
自己PRをするときには、自己分析や周囲からの意見などを踏まえて、ありのままの人間性をアピールすることが大切です。
国民の生活を支え、ときには重要な個人情報にも触れる公務員は、真面目さや誠実さ、責任感の強さが求められます。
また、公務員は公人として、公正な判断や節度ある行動が重んじられるので、冷静さや客観性も大きなポイントです。さらに、市民の話に耳を傾けたり、職場を円滑に運営したりするための協調性の高さも重要視されます。
自己PRのときには、過去の実体験をまじえて説明するのがおすすめです。具体的なエピソードは面接官の共感を呼び、あなたへの理解を助けます。
また、過去の経験から得た教訓を説明することは、自分の成長性や柔軟性をアピールすることにも繋がります。
公務員試験の自己PRでは、受ける公務員の区分や職種に応じた内容にすることが大切です。
また、正確な業務遂行能力を示すためにも、誤字脱字などの基本的な事項にも配慮しましょう。
一口に公務員といっても、地方公務員と国家公務員、総合職と専門職というように、さまざまな区分があります。自己PRの際には、自分自身がどこでどんな仕事をしたいのか、自分が応募している職務に合わせたアピールポイントを考えるのがおすすめです。
たとえば、国家公務員なら国家という大きな機構、地方公務員ならその自治体の土地柄ゆえの特性を考慮するのが大切です。
履歴書や面接カード、試験の答案用紙などにおける誤字脱字や乱暴な筆記は、採用担当者にあなたの業務能力や教養を疑わせるだけでなく、上記で解説した真面目さ、誠実さなどの性格的な適性にも疑問を抱かせてしまいます。そのため、注意深く丁寧な筆記を心がけましょう。
以下では、理想的な自己PRを可能にする4つのポイントを解説します。
効果的な自己PRのためには、入念な自己分析が欠かせません。
自分の長所や短所はどこなのか、またそれを示すようなエピソードなど、常日頃から自己分析を怠らず、言葉にして書き出しておくことで、面接の場においても高いパフォーマンスを発揮することができます。
公務員試験においては、限られた時間内・枠内で自己PRをしなければなりません。そのためには、相手に理解してもらいやすいロジカルな構成で説明する必要があります。
あなたを採用することにどんなメリットがあるのか、採用担当者はその「根拠」の説明を求めているのです。
PR文を何度も添削したり、周囲の方に聞いてもらったりしながら、伝わりやすいPRへと磨き上げていきましょう。
PRをする際には、具体的なエピソードを交えましょう。PRの内容を、関連した経験談に落とし込むことで、PR全体の説得力を高め、面接官の共感と理解を引き寄せることができます。
エピソードの選定においては、面接の場に立っている「今」のあなたの人物像がイメージしやすいものがおすすめです。学歴が高等学校卒業ならば高校生活の、大学卒業ならば大学生活の、転職ならば前職の、といった直近のエピソードから取り入れるのがベターです。
自己PRというと、長所ばかりを強調しがちですが、実は短所を交えて述べた方が効果的な場合もあります。人間は誰しも完璧ではありません。長所と短所は表裏一体で、自分の短所を自覚していることは非常に大切なことです。
相手にポジティブな印象を与えつつ短所を説明するには、上記の「具体的なエピソード」において、自分の短所への反省やどのように克服したか、といった内容を取り入れるのがおすすめです。
ここまで説明したことを踏まえ、以下では自己PRの例文を3つご紹介します。
「私の長所は責任感と協調性の高さです。
私の前職は非常に多忙な職場で、締切がタイトな依頼が急に飛び込んでくることも多々ありました。
しかし、私は自分が担当した仕事において、一度も締切を落としたことはありません。不測の事態に対しても、周囲の同僚の協力を得ながら、高い調整能力を発揮して切り抜けてきました。
「締切を確実に守る」、「職場の仲間と協力する」といったことは、社会人として当たり前のことかもしれません。しかし、そんな当たり前の能力こそ、公務員として働くことになっても絶対に役立つ土台であると私は確信しています。」
前職の経験も踏まえながら、自身の適性の高さをアピールする例文です。最初にアピールポイントを端的に述べ、そのあとに過去のエピソードで補強するという形を取ることで、論理的に一貫した分かりやすい構図になっています。
「私は高校時代、美化委員会に所属していました。美化委員の活動は、花壇への毎日の水やりが主で、地道で目立たないものです。
しかし、私はある日のお昼休み、その花壇の周りに自然と生徒たちが集まってお弁当を食べていることに気がつきました。私が水をあげていたお花が、その生徒たちの昼食の時間に彩りを与えていたのです。
国民の生活を陰で支える公務員の仕事も、この美化委員会の仕事と共通する部分があると思います。私はこの経験を糧に、人に気付かれないような仕事でも、誠実に、責任感をもって取り組みたいと思います。」
上記は具体性と物語性に富んだエピソードです。地味な仕事でもコツコツ頑張れる真面目さ、誠実さをアピールすることで、公務員に求められる適性が高いことを示すことができます。
「私は元々人見知りな性格が欠点で、人前で自分の意見を主張したり、知らない人と接したりするのが苦手でした。
しかし、大学時代にアメリカへ留学し、言葉に不自由した経験をきっかけに、言葉が互いに通じることのありがたさ、コミュニケーションの大切さを身をもって思い知りました。
〇〇市は外国からの移住者や旅行者が多いと存じております。ご採用いただいた暁には、留学時代に培った英語力やコミュニケーション力を武器に、積極的に職務に当たりたいと思います。」
欠点の克服エピソードを通して、最終的に自分の強みとポテンシャルの高さをアピールする例文です。応募した自治体の特性を把握していることをさりげなくアピールしているのもポイントです。
本記事では、公務員試験における自己PRの方法について解説しました。
先に説明したように、公務員においては真面目さや冷静さなど、堅実な性格が求められます。したがって、公務員試験の自己PRにおいて大切なのは、いたずらに奇をてらったり、目立とうとするのではなく、誠実な物腰で自分の考えを伝えることです。
面接や試験は緊張感を伴うものですが、ここで紹介したことを参考に事前対策をしっかり行い、冷静な自己PRを心がけましょう。
また、効果的な自己PRを行うためには、過去の経験を振り返って自分自身の長所や短所などを見つめ直す自己分析と、分析した内容を分かりやすく相手に伝えるための説明する力が重要です。ここでご紹介したことを、ぜひ試験対策に役立ててください。
公務員は安定した職業であるといえますが、転職をお考えの方は公務員以外も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した自己PRのポイントや注意点は公務員に限らず、さまざまな業界・職種で活用できます。「自分がどんな仕事が向いているのか」や「仕事に求める条件をしっかりと見極めたい」など、転職に関する悩みや疑問はぜひマイナビエージェントにご相談ください。
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