更新日:2022/04/08
将来に向けて、どのような学校を卒業するのがいいのかいろいろと考えることでしょう。
その中で意外な穴場が高専だと言われています。実は、高専卒の求人倍率はとても高いことで知られています。
毎年、高専には就職希望者を大きく上回る数の求人が寄せられるとも言われていますが、これは本当のことなのでしょうか。
この記事では、高専卒の求人倍率が高いのは本当なのかどうかを検証するとともに、高専卒に対する求人が特に多い業界とはどの分野なのか。
また、失敗しない転職方法などを詳しく解説していきます。
目次
実は、高専は大卒よりも求人倍率がはるかに高いです。
高専卒の求人倍率は実際のところどのくらいあるのか、なぜ大卒よりも高専卒の人材の方が企業から求められているのか見ていきましょう。
平成29年度卒の大学生の有効求人倍率は約1.7倍でした。
(参考:平成29年度全国キャリア・就職ガイダンス)
大卒の求人倍率は、その年の景気動向に大きく左右される面があり、就職氷河期と言われた2011年から2014年には1.2倍から1.3倍、超就職氷河期と言われた2000年には0.9倍と、求人数が就職希望者の数を下回る年もありました。
一方、高専の卒業予定者に対して寄せられる求人は、20倍から30倍もあると言われています。
文部科学省が平成27年に公表した「高等専門学校の現状について」という資料では、全国の高専の平均の求人倍率が記載されています。
それによると、平成25年には本科に対しては16.9倍、専攻科に対しては39倍もの求人がありました。
また就職内定率は、本科も専攻科もどちらも99%を達成しています。
卒業生の就職先への満足度も7割以上が満足しているということで、就職に関するミスマッチが起こりにくいのも特徴です。
しかも、高専卒は工業や船舶などの専門分野に関する高い知識と技術を持っているので、求人倍率は景気の影響を受けることがあまりありません。
景気の落ち込みで求人数が落ち込むことはあっても、求人数が就職希望者数を常に大きく上回っている状況です。
大卒と高専卒を比較すると、高専卒の方が希望する企業へ就職できる確率は高く、就職後も満足できる環境で働き続けられる可能性が高いことがわかります。
企業にとって高専卒は、常に10倍以上の競争率を勝ち抜かなければ獲得できないほどの人材だと言えます。
では、一体どういった理由で高専卒が高く評価されているのでしょうか。
高専では中学卒業後の5年間の課程で学びます。
カリキュラムには、同年代の高校生と同じように最低限身に着けておかなければならない教養として、国語や保健体育、芸術などの授業もあります。
しかし、専門課程とは関係ない社会科や家庭科などは一切勉強しません。
その代わり、入学後の1年生から専門的な教育が始まります。
5年間の一貫教育で専門的な知識や技術を身につけていきます。
16歳から20歳という吸収力の高いとされる時期に、5年間という長い時間をかけて学んだ技術力は、卒業後にすぐに即戦力として使える程の高いものがあります。
企業としては、即戦力で使える優秀な人材として、高専卒を高く評価しています。
社会実装教育とは、高等教育において、主体的に自ら考えて問題を解決できる人材を育てるために、コミュニケーション力と主体性、創造性を強化するための教育です。
高専では、学生に教える専門的な知識により応用力と実践力を付けるために、地域や企業と連携して実践的な課題を解決するという教育を行っています。
この教育により、高専卒には単なる深い知識と高い技術力があるだけではなく、課題を把握する力や、解決策を粘り強く考える力、PDCAを回して効率的に業務を進めていく力などが養われます。
また、高専卒は転職市場でも求められています。
特に、即戦力となる人材を求める企業にとって、スキルや実績の高い高専卒は魅力的なようです。
高専卒が転職先を選ぶ際は、自分の経験や技術力を活かせるか、という視点で求人を探すことが大切です。
もし企業選びに迷った際は、マイナビエージェントにご相談ください。
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高専卒を企業が高く評価していて、常に10倍を超える高い求人があることはここまで見てきたとおりです。
それでは、実際にどのような企業が高専卒に対する求人を出しているのか解説します。
高専には、工業高等専門学校、商船工業専門学校の2種類があります。
この記事では、高専卒の中でも圧倒的に卒業生が多い、工業専門学校の卒業生に対する求人についてみていきましょう。
工業分野に関する専門知識を深めているということで、高専卒に対する求人はモノづくりの企業が主なものになります。
その次に求人が多いのが、流通やインフラ関係の業界からの求人です。
それぞれの状況について詳しく解説します。
工業高等専門学校では、機械工学や電気工学、電子工学、物質工学などのモノづくりに欠かせない分野が専門学科として用意されています。
そのために、機械系などの製造業などから求人が最も多く、就職先の大半を占めます。
製造技術者として就職する卒業生が最も多いのですが、生産現場や研究開発部へ配属される人もいます。
モノづくりの企業からは、幅広い職種での求人が高専卒には寄せられます。
有名大手企業からの求人も、決して少なくありません。
また、製造業以外の分野からの求人も多数寄せられています。
情報化社会が進むにつれて、情報工学に関する専門的な知識を求める企業が多くなっています。
電波高等専門学校はなくなってしまいましたが、代わりに情報工学科を新設した高専も多く、現在では就職先の4分の1が情報通信分野の業界です。
今後はAIの活用が広がっていくので、ますます情報通信分野への優秀な人材が必要となります。
高専卒に対するこの分野への期待は今後も高まっていくことでしょう。
また、土木科を有する高専もあります。
土木科では、道路やトンネル、ダム、橋などのインフラについての専門知識を学べることから、インフラ業界からの求人も多数寄せられます。
また、インフラ関係と隣接する知識が多い機械工学科や物質工学科への求人もあります。
電気工学科などで電気関連の知識を学んだ卒業生に対しては、電力会社からの求人も多く寄せられます。
近年では新電力が広がったことで、情報通信分野と同じかそれ以上に電力会社では多くのベンチャー企業が立ち上がっています。
大手の電力会社だけではなく、ベンチャー企業からの求人も増えているのも特徴です。
流通関連からの求人も多くあります。
直接的な専門分野には関連がなくても、高専卒が5年間の学生生活で身に付けてきた探究心や、学んできた分野に対する専門性の高さが流通業界では高く評価される傾向にあります。
この他にも、とても多くの分野からの求人が増えています。
高専卒には大きな期待を寄せている企業が多くあります。
高専卒は就職や転職に強いといえるでしょう。
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