更新日:2022/04/08
ここ数年、高専卒の就職後や大学へ編入してからの技術力と実践力の高さに注目する声が多く上がるようになってきました。
しかし、高専生の多くは、高専生の持つ強みに気がついていないとも言われています。
この記事では、高専で学ぶことで得られる強みについて、特に就職で役立つ代表的なものを紹介して、その上で高専生としての強みをアピールする方法をお伝えします。
また、もし卒業生の方であれば、転職のためになる情報も記載されておりますので、ぜひご一読ください。
目次
高専生には高専生なりの共通した強みがあると考えられます。
社会が高く評価する高専生が持つ強みの主なものは次の3つです。
高専で学ぶ理系科目や専門分野に関する知識と、その知識に基づいて繰り返される実験や実習によって培われる実践力、また多くの実践を積み重ねる中で養われたマインドは、高専卒の大きな強みと言えます。
先の3つの強みを具体的に掘り下げて見ていきましょう。
高専に入学するのは、中学を卒業してすぐのことです。
高専では入試の時点で専門学科ごとの入学試験が行われて、入学時には5年間学ぶ専門学科が決まっています。
高専では、人生の中でも吸収力の高い16歳から20歳という時期に、徹底した工業分野の専門的な知識と、そのベースとなる理系科目の基礎から学べるようにカリキュラムが組まれています。
高専生は電気や機械、化学などの自分が選んだ専門学科の基礎知識を徹底的に5年かけて学びます。
時間をかけて徹底的に学んだ基礎知識は、就職後に大きな力となって発揮されます。
技術の応用や発展は、基礎知識の積み重ねの上にしか実現しません。
専門分野や理系科目に対する基礎知識がしっかりとある高専生なら、新しい技術にもいち早く対応できるという強みがあります。
高専では、就職後にすぐに現場に出て即戦力となれる実践力を身につけられます。
高専のカリキュラムでは、1年生のときから毎週必ず実験実習の時間が設けられています。
実験や実習の時間数は、3年生から専門教育に入る大学の工学部よりもはるかに多く、より実践的です。
また、高専ではより社会で役に立つための実践力を身につけるために、社会実装教育が実践されています。
社会実装教育とは、実際の企業や地域の課題を、高専生が企業や地域の人と協力して解決方法を探るものです。
この経験を通して、企業や地域の人々という立場の違う人とも意思の疎通を図れるコミュニケーション能力や、自分から考えて実践していく主体性、また現実の課題を解決するために思考を深めることで創造性を磨いています。
学校での実験や実習、学校外の人々と共同で行う社会実装教育で培った、実際に自分の手を動かしながら課題の解決を測るために動ける実践力は、大学工学部や専門学校では身につけるのが難しい、高専生ならではの強みと言えるでしょう。
高専生は目的意識がしっかりとしている点も大きな強みと言えます。
高専を進学先として選択する時点で、理系分野や工学系に対して高いモチベーションがうかがえます。
高いモチベーションで学習できるために、知識の吸収や実験や実習で手を動かすことにも積極的になります。
また、実験や実習では失敗して思うような結果が出せないこともあります。
しかし、何度失敗しても、試行錯誤して成功するまで手を動かし続けて、実行し続ける根気の良さは、高専だからこそ身に付けられるものかもしれません。
学習に対するモチベーションの高さや、失敗しても失敗と思わずに実行し続けるマインドの強さは、高専生特有のマインドとして高く評価されることもあるのです。
理系科目や工業分野、専門分野に関する基礎知識がしっかりと備わっている点、数多くの実験や実習、社会実装教育で培った実践力、高専生ならではのモチベーションの高さと根気強く手を動かし続けられる強いマインドは、高専生の強みとして就職や転職でもアピールすることができます。
令和2年3月卒業の大卒の就職内定率は69.8%であったのに対して、全国各地の高専の就職希望者の就職内定率はほぼ100%です。
引用:令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況
驚くべきは高専の卒業予定者に対する求人倍率です。
文部科学省が平成27年に発表した資料によると、全国の高専への求人倍率の平均は、本科生に対しては16.9倍、専攻科に対しては39.1倍にも登るのです。
引用:高等専門学校の現状について(文部科学省)
高専の卒業・修了予定者に対する求人倍率がこれほどまでに高い理由は、企業側が高専生の持つ上記のような強みを高く評価しているからにほかならないのではないでしょうか。
企業は、新入社員を採用するとまずは教育しなければいけません。
入社後に一定の研修期間を設けて、現場に出て、安全に働けるだけの技術を一通り身に着けさせてからでなければ、第一線で働かせることはできません。
しかし、高専卒の場合、特に製造業などの高専の専門学科で学んできた分野と関連性の強い業種であれば、すぐ即戦力になれる技術力を備えています。
企業側としても、即戦力として期待できる高専生に大きな期待を寄せているようです。
自由応募での就職活動をする場合に、どのように高専生であることの強みをアピールすればいいのかお伝えします。
高専での学びの中で、あなたならではの強みと言えるのは、卒業研究でのテーマや社会実装教育で実際に問題解決を行った経験でしょう。
卒業研究や、実際の社会における問題解決を行った経験をアピールできるように用意しておきましょう。
特に、「そのテーマを選んだ目的」「どのような課題があったのか」「どのように解決を図ったのか」といったことを面接で話せるように用意しておくといいでしょう。
卒業研究などの結果から、企業側に問題解決能力や、諦めずにトライし続ける根気強さなどをアピールすることがポイントです。
また、近年就職活動にSNSを活用する企業が増えています。
就職活動の情報をキャッチアップするためや、自身の情報を発信するために、SNSを就職活動に利用することも検討してみるのもよいでしょう。
就職活動をするにあたって、SNSに卒業研究や自分がかかわったものづくりの過程などを掲載すると、どのようなスキルを持っていて、どのような課題を解決した経験があるのかを、画像や動画でわかりやすく伝えられます。
SNSはあくまでも面接やエントリーシートを補足するためだけのものですが、面接での会話やエントリーシートでの文章で伝えるよりも、わかりやすく伝えられるでしょう。
ぜひ、自分の高専での研究の成果をアピールするのに、SNSを活用してみましょう。
ただし、企業との共同研究などの場合には守秘義務が課される場合があります。
また、同級生や地域の人が写真や動画に写っている場合には個人情報やプライバシーの問題もあります。
SNSを活用するときには、守秘義務や個人のプライバシーに配慮した情報発信をくれぐれも心がけてください。
高専生の強みというのは、転職でも有利に働きます。
一貫して関連する分野のスキルを磨き上げてきた高専卒は、その専門分野において大卒よりもスキルが高いと評価される可能性が高いのです。
即戦力となる、高いレベルのスキルを持った人材を求めている企業にとっては、高専卒は魅力的な人材となります。
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