更新日:2024/07/16
近年、大学3年生に編入したり専攻科へ進学する高専生は増加傾向にありますが、6割以上の高専生が高専の本科を卒業してすぐに就職しています。
高専4年生、5年生になり就職先を考えるようになると気になるのが高専卒の年収です。
引用:高等専門学校の現状について(文部科学省)
多くの業界が学歴によって年収に大きな差が出ます。
実際に高専を卒業した人は就職後にどのくらいの年収を稼げるようになるのでしょうか。
この記事では、大卒や高卒と比較した場合の高専卒の年収についてと、高専卒の年収が今後、上がっていく可能性があるのかどうか、高専卒が年収アップのためにできることなどについて詳しく解説します。
目次
高専卒の年収を詳しく見ていく前に、まずは比較対象となる大卒と高卒の収入をご紹介します。
令和元年度の大卒の平均初任給は21万200円です。
年代別の大卒の平均年収は、次の通りです。
また就職してから定年退職するまでの大卒生涯賃金の平均は約2億2,000万円です。
20代の年収は高卒や短大・高専卒とあまり大きな差が見られません。
しかし、30代からの年収の上がり方は大卒が一番いいのが特徴です。
引用:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(厚生労働省)
高卒初任給(令和元年度)の平均は18万円です。
年代別の高卒の平均年収は、次の通りです。
また就職してから定年退職するまでの高卒の平均生涯年収は約1億5,700万円です。
高卒の方の年収は大卒や短大・高専卒と比較すると、50代に入ってもそれほど高くはありません。
しかし、社会に出るのがいち早く、20代ではキャリアが最も長くなるために、20代の年収は大卒と短大・高専卒との差がそれほど大きくはありません。
引用:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(厚生労働省)
次に、高専卒の年収について詳しく見ていきましょう。
一般的な学歴別の年収で調べると、高専卒は短大卒の年収と一緒にまとめられています。
令和元年度の短大・高専卒の初任給の平均は18.4万円です。
年代別の短大・高専卒の平均年収は、次の通りです。
高卒よりは優遇されますが、大卒よりはやや下がる傾向にあることが読み取れます。
引用:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況(厚生労働省)
就職後に給与アップさせるためには、高専卒の場合どのようなことが大切なのでしょうか。
高専卒の方が、より年収をアップさせるために注力すべき点を解説します。
高専卒に限らず、給与をアップさせるためには、社内での評価を上げることが大切です。
企業ごとに人事評価の基準は違うので、どうすれば社内での評価を上げて給与アップにつなげられるのかは、会社によって異なります。
しかし、給与をアップさせたいからと言って、ただがむしゃらに働いても評価が上がるとは限りません。
特に製造業の技術職や専門職として採用されることが多い高専卒であれば、新規プロジェクトを立ち上げて成功させる、画期的なアイデアで生産効率を大幅に上げた、などの成果を上げることが、特別ボーナスの支給や、基本給のアップにつながる可能性があります。
ボーナスや基本給のベースアップのための人事評価は上司が行います。
自分が何らかの成果を上げたときに、その成果を上司にしっかりとアピールすることも大切です。
また、社内の評価システムもしっかりと理解した上で、常日頃からどのような行動を取り、どのような成果を上げることが評価のアップに繋がるのかも考えながら仕事をすることが大切です。
近年、国内の製造業はグローバル競争の波の中で厳しい状況に置かれています。
厳しい状況を打破するための人材として、多くの企業が実践的な専門教育を受けている高専卒の人材に注目しています。
企業の中には高専卒の採用の条件を大卒と全く同じにし、即戦力となる優秀な高専生を多く採用している会社も出てきています。
高専卒には中学卒業後の5年間で身につけた高度な技術力があります。
大学工学部では3年生からのたった2年間の専門課程で学ぶところを、高専卒は5年間の専門課程で狭くても深い技術力を磨いています。
そのため、高専卒の場合は、スキルや実績といった実力を重視する企業に転職したほうが年収アップにつながる場合があります。
学歴を重視する企業と異なり、実力重視の企業は高専卒の経験や技術力を評価し給与に反映してくれるためです。
実際に転職活動をする際には、求人要項の福利厚生や賞与なども加味し、自身の年収アップになるかどうかを確認しましょう。
高専卒で転職をする際は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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