更新日:2024/02/09
危険物取扱者資格はガソリンや硫黄、ニトロ化合物など、指定された危険物を取り扱える国家資格で、甲種、乙種、丙種の3種類があります。
その中でも、乙種危険物取扱者は第1類から第6類まで6種類に細分化されています。通称、「乙4」と呼ばれる乙種第4類は、ガソリンや灯油など資格を活かせる仕事が多いことから、非常に人気の高い資格です。
しかし、いくら乙4の人気が高いとはいえ、上位資格である甲種危険物取扱者の資格ほど、幅広い業務をこなすことはできません。より高いレベルの資格を取得し、業務の幅を広げたい場合は、甲種危険物取扱者の資格の取得を検討してみましょう。
ここでは、甲種危険物取扱者の資格について詳しく解説します。
目次
甲種危険物取扱者とは、消防法で指定された、全ての危険物を取り扱うことができる資格です。国家資格ですので、受験をして合格した後、免状を取得することで、危険物取扱者になれます。
危険物取扱者の資格には、甲種、乙種、丙種の3種類がありますが、このうち甲種危険物取扱者が最も上位の資格となります。取り扱える危険物の種類は下記のとおりです。
甲種危険物取扱者の資格と試験について、日程や内容などをご紹介します。
これから資格取得を目指している方は、参考にしてください。
甲種危険物取扱者の資格試験を受けるためには、以下のいずれかに該当する必要があります。
大学等で化学に関する学科を専攻したり、単位を取得したりしていない場合は、乙種危険物取扱者資格を取得した後で2年間の実務経験を積むか、指定の4種以上の乙種危険物取扱者資格を取得しましょう。
甲種危険物取扱者の資格試験は、マークシート形式で行われます。
5つの選択肢の中から正しいものを選ぶ方法で、試験時間は2時間30分、試験問題は合計45問です。
試験問題の内訳は下記のとおりです。
甲種危険物取扱者の試験で、科目免除はありません。
甲種危険物取扱者の受験資格として、乙種危険物取扱者の資格のうちの4種類以上の免状を取得する際、乙種の1種類に合格した後は、受験科目の「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の試験が免除されます。つまり、乙種における4種類以上の資格を取得する段階では、免除された科目を復習する必要はありません。
しかし、甲種危険物取扱者の資格では科目免除はありませんので、試験範囲となる3科目全ての試験を受ける必要があります。そのため、乙種の試験で免除されていた「危険物に関する法令」の勉強についても、あらためて復習し直す必要があります。
甲種危険物取扱者の資格試験は、各都道府県にある一般財団法人消防試験研究センターの各支部で行われます。どの支部でも、1~2ヵ月に1回程度は試験が実施されているため、準備ができたと感じたら受験の申込みをしましょう。
なお、危険物取扱者資格の試験日程の中には、乙種危険物取扱者の一部の類の試験しか行われない日もあります。試験日程を確認するときは、必ず甲種危険物取扱者の試験が行われるかどうかもチェックしましょう。
具体的な日程は、一般財団法人消防試験研究センターのサイトで確認できます。
甲種危険物取扱者試験は、「危険物に関する法令」「物理学及び化学」「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」それぞれの科目について、60%以上正解すると合格です。
合計ではなく、科目ごとに60%以上の正解が必要である点に注意しましょう。
甲種危険物取扱者試験の合格率は、2019年度は40.1%、2018年度は39.4%です。
甲種危険物取扱者の資格は、非常に難関というほどではないものの、しっかり事前準備をしておかなければ合格するのは難しい資格だといえるでしょう。
甲種危険物取扱者試験の受験料は6,600円(非課税)です。
受験料の支払いは、郵便局から振込で行います。クレジットカード決済などには2020年1月現在対応していません。
なお、合格後に免状の交付を受ける際に、別途手数料2,900円(非課税)がかかります。
甲種危険物取扱者試験の申込みから免状の交付を受けるまでには、6つのステップがあります。
合格した後は、免状の交付申請を忘れずに行ってください。
甲種危険物取扱者の資格が業務上のメリットになる仕事には、下記のようなものがあります。
ガソリンスタンドで取り扱うガソリンや灯油は、乙種第4類でも取り扱うことができますが、甲種危険物取扱者の資格は乙種の上位資格ですから、同じように取り扱うことができます。
たとえば、乙種第4類を取得しておらず、甲種危険物取扱者の資格を取得している人であっても、ガソリンスタンドでガソリンや灯油を扱うことが可能です。
石油も、乙種第4類で取り扱うことのできる危険物ですが、ガソリンスタンドの場合と同様、甲種資格を取得することでも取り扱えるようになります。
甲種危険物取扱者の資格は、取り扱える危険物の範囲が広いため、様々な薬品や危険物を取り扱う研究機関でも活かすことができます。
危険物の保管を行う倉庫でも、危険物取扱者資格の保有者が必要です。
甲種危険物取扱者の資格があれば、保有者数の多い乙種第4類ではカバーできない危険物を扱っている倉庫での仕事もできるようになります。
ビルの管理でも、危険物を取り扱うケースがあります。大型施設やオフィスビルなどで、不特定多数の人の安全を守るために、危険物取扱者の資格が役立ちます。
甲種危険物取扱者の資格の保有者が、上記で紹介したような資格を活かした仕事に6ヵ月以上従事した場合、危険物保安監督者になることもできます。製造所や給油取扱所、野外タンク貯蔵所など、危険物保安監督者を選任しなければならない施設で働くことができるのです。
甲種危険物取扱者の資格は、危険物に関連した仕事に就く上では非常に有利な資格のひとつだといえるでしょう。
危険物取扱者の中で特に人気が高いのは、乙種第4類です。
しかし、人気があるということは、それだけ保有者も多いということでもあります。より広範囲に、より高度な仕事を目指すのであれば、甲種危険物取扱者の資格を取得して、自分の価値を高めてみてはいかがでしょうか。
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