更新日:2022/12/07
この記事のまとめ
機械エンジニアは、家電製品や自動車、産業用機器をはじめとした多種多様な機械の設計や開発に携わります。製造業内でのキャリアアップを検討していて、機械エンジニアを目指そうと考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、機械エンジニアへの転職を検討していると、何らかの資格を取得したほうがよいのか不安に感じることもあるでしょう。そこでこの記事では、機械エンジニアへの転職に役立つ資格と習得したいスキルを紹介します。
転職のコツについても合わせて解説するため、ぜひ参考にしてください。転職前にポイントを押さえることで、思い描いているキャリアパスを実現しやすくなるでしょう。
目次
機械エンジニアは主に「機械を開発・製作・運用する」職種で、メカニカルエンジニアとも呼ばれます。具体的な業務内容は、以下のとおりです。
機械エンジニアの仕事は、開発する機械のコンセプトを定めるところから始まります。コンセプトが定まったら細かい仕様を策定し、試作品を製作します。製作した機械の機能や耐久性などに問題がないかどうかを評価するのも重要な仕事です。
問題があれば改善し、問題がなければ量産体制を構築する段階に移行します。開発の初期段階から生産体制を稼働させるところまで、開発プロジェクトの全体に携わる職といえるでしょう。
機械エンジニアは専門性が高い職種であるため、何らかの資格が必要なのではないかと思う方も多いでしょう。しかし、機械エンジニアに転職するために必要な資格というものは存在せず、資格を取得したからといって高く評価されるわけでもありません。
ただし、資格取得が無意味とはいえないでしょう。資格を取得することで、自分の技術レベルを客観的な視点で証明できます。学習を通じてさまざまな知識を習得できるのもメリットのひとつです。
自分の知識・スキルレベルを高めるための学習に励んでいるのであれば、資格取得をマイルストーンとして設定するのもおすすめです。
機械エンジニアとしてのスキルアップに役立つ資格にはどのようなものがあるのか気になる方もいるではないでしょうか。ここでは、スキルアップにおすすめの資格を4つ紹介します。機械エンジニアとして役立つ技術を体系的に学びたいと考えている方は、資格取得を検討してもよいでしょう。
|
CAD利用技術者試験には2次元CADと3次元CADの2種類が存在します。機械エンジニアの仕事では図面やモデルの制作で両方使用するため、それぞれの合格を目指すとよいでしょう。
機械製品の設計・開発において、CADのスキルは欠かせません。資格取得を目指しつつCADのスキルアップを図ることでより高度なスキルを習得できます。
3次元CAD利用技術者試験は1級・準1級・2級、2次元CAD利用技術者試験は基礎・2級・1級の3段階に分かれており、いずれも1級を受験するには2級に合格する必要があります。下位の等級から順番に取得し、スキルアップを目指しましょう。
|
構想図・設計図をはじめとする図面作成スキルや物理学の知識などを問う資格が「機械設計技術者」です。この資格を取得することで、機械エンジニアとして必要な幅広いスキルを有することを証明できます。また機械設計技術者の需要は高く、家電業界や自動車業界などへの転職時に有利に働きます。
3級は受験資格が定められていませんが、2級以上は所定の実務経験が必要です。普段の業務を通じて必要なスキルを習得し、資格取得を目指すことをおすすめします。
|
「機械・プラント製図技能検定」は、さまざまな機械やプラントを設計するのに必要なスキルを総合的に測定する試験です。機械エンジニアを目指すのであれば、取得しておいて損のない資格といえるでしょう。
試験は1級から3級に分かれており、受験するには等級ごとに定められた実務経験を有していなければなりません。ただし、3級はこの職種に関する学科在籍者や職業能力開発施設在籍者などであれば実務経験がなくても受験が可能です。また、3級に合格すれば実務経験なしで2級を受験できます。
|
技術士は多数の分野に分かれており、その中のひとつが機械分野です。技術士を取得することで、機械エンジニアとして活躍するうえで求められる高度なスキルを有することを証明できます。試験は第1次試験と第2次試験に分かれており、順番に合格するのが基本です。
第2次試験を受けるためには第1次試験に合格するか、指定教育機関の課程を修了してから一定の実務経験を積むことが求められるため、ある程度の期間がかかります。長期的に取得を目指すものといえるでしょう。
機械エンジニアへの転職では、資格の有無より保有しているスキルや実務経験を重視する傾向にあります。転職を成功させるためには資格取得を目指すのもよい方法ですが、日々スキルアップに励むことはさらに重要です。
ここからは、機械エンジニアへの転職を成功させるコツをいくつか見ていきましょう。どのようにスキルアップに励めばよいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
転職を成功させるうえで、スキルアップは欠かせません。機械エンジニアとしてキャリアアップし、年収アップを目指したり、より上流工程を担当したりするには以下のスキルを磨くのがおすすめです。
機械エンジニアと聞くと企画・設計・開発に関連するスキルが注目されがちですが、マネジメントスキルやポータブルスキルなどの汎用的なスキルも欠かせません。必要とされるスキルを総合的に磨き、自分の市場価値を高めましょう。
メーカーによっては外国に工場や支社を設置していることがあります。国外の企業と連携して設計・開発・生産を行っていることもあるでしょう。そのような企業に就職するのであれば、外国語のスキルが求められます。
機械エンジニアとしてキャリアの幅を広げるには、外国語を習得するとよいでしょう。英語やスペイン語、中国語など、汎用性が高い言語を身につけるとキャリアアップに役立ちます。
機械エンジニアのキャリアパスには、主に技術職のスペシャリストを目指して高度な機械設計に携わる道と、マネジメント層を目指す道があります。どちらの道に進むかを明確にすることで、転職時に重視するポイントが見えてくるでしょう。
スペシャリストを目指す場合は技術面の学習を怠らないようにし、マネジメント層を目指す場合はプロジェクトマネージャーの経験を積みつつマネジメントスキルを磨くことが大切です。
キャリアアップするときに求められる知識・スキルは工学関連のものや設計に関するもの、法令に関するものなどさまざまです。多種多様なスキルが求められるため、継続的な学習が不可欠といえるでしょう。
ここからは、機械エンジニアとしてキャリアアップするうえで必要なスキルを7種類紹介します。家電・コンピューター・プラントなど、どのような分野の機械に携わる場合でも必要となるスキルです。
「機械工学」は、機械を設計・製造・運用するために必要な技術や知識を体形的にまとめた学問です。機械が動くメカニズムを理解するには、特に力学に関する知識が欠かせません。
機械エンジニアとして働くうえでは必須の知識といえます。意欲的に学び、最新の機械工学を理解するように努力しましょう。
電気に関連するあらゆる現象を研究し、工学分野に応用する学問が「電気工学」です。電気は動力や通信などに用いられ、機械を動かすうえで欠かせません。機械設計には電気工学に関する広範な知識が求められるため、積極的に学習するとよいでしょう。
機械を適切に制御し、意図したとおりに動作させるには「制御工学」に基づく技術が欠かせません。制御工学は機械を自律的に動作させるための技術をまとめた学問で、ほかの工学分野と同様に機械設計として働くうえで必須です。
小型家電をはじめとした小さな機器から船舶や航空機のような大型機器まで、さまざまな分野で用いられている技術です。
設計・開発する機械によっては、法令に関する知識が求められることがあります。特に建築や自動車、船舶などに携わるときは関連する法令を理解し、定められている条件を満たすように設計しなければなりません。
自分が携わりたいと思っている分野でどのような法令知識が求められるのかをチェックし、学ぶとよいでしょう。法令は改正されることも多いため、最新の情報を取り入れることが大切です。
実際の設計では、設計図をはじめとした図面を起こすために2DCADや3DCADを使用します。2DCADは図面の製作に、3DCADはモデルの製作などに使用するため、両方のスキルを学習するとよいでしょう。機械エンジニアとして欠かせないスキルのひとつです。
設計を進める段階で、コンピュータ上で製品を仮想的に設計して評価するのが「CAE解析」です。試作品を製作する前にCAE解析を行うことで、設計ミスをはじめとした致命的な問題がないかをチェックできます。
試作することなく評価できるため、コスト削減や効率化、環境保護に役立つ技術といえるでしょう。機械エンジニアとしてキャリアアップするのであれば、習得しておきたいスキルです。
開発プロジェクトを主導するマネジメント層を目指すのであれば、マネジメントスキルが欠かせません。機械エンジニアとしての経験を積みつつキャリアアップを目指すと、プロジェクトマネージャーとして働く機会があるでしょう。
プロジェクトをスムーズに進行するには、リーダーシップやヒューマンスキル、調整力が必要です。これらのマネジメントスキルを磨くためにも、継続的にスキルアップに励みましょう。
機械エンジニアへの転職を検討する際に、はたして本当に自分に向いている職種なのか不安に感じる方もいるのではないでしょうか。機械エンジニアに向いている方の特徴は以下のとおりです。
上記に該当するのであれば、機械エンジニアに向いているといえるでしょう。機械そのものに興味があるか、設計に携わりたいと思っているかも重要なポイントです。自分の嗜好を詳しく分析することで、転職後のミスマッチを防げます。
機械エンジニアは家電や輸送用機器、プラントなどをはじめとした多種多様な機械の設計に携わる職種です。転職時には経験やスキルが重視され、資格の有無が問われるケースはそこまで多くありません。しかし、資格取得が無意味というわけではないため、学習の一環として資格取得を目指してもよいでしょう。
機械エンジニアへの転職を目指す際には、自分の経験やスキルを活かせる転職先を探すことが大切です。マイナビメーカーエージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーがベストな転職をサポートいたします。転職についてお悩みを抱えている方はぜひご相談ください。
関連記事:マイナビメーカーエージェント
メーカー
機械設計の転職先とは?転職で失敗するパターンと成功の5つのポイント
メーカー
機械設計の年収水準は?年収アップに必要なスキルや転職のコツも
メーカー
【例文つき】機械系エンジニア(機械設計)の志望動機の書き方やポイントを紹介