更新日:2022/07/27
この記事のまとめ
「自動車整備士は年収が低い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。自動車が好きで自動車整備士の職に就いたものの、年収面で頭を悩ませている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、自動車整備士の平均年収や年収を上げる方法を紹介します。自動車整備士へ転職するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
厚生労働省の『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、自動車整備士の全国平均年収は454万1,000円です。ボーナスを年間5ヵ月分として計算すると、月収は26万7,000円ほどです。
給与所得者の平均給与が30万7,700円(『令和3年賃金構造基本統計調査』による)なので、全体的に見れば自動車整備士の収入は若干低い傾向にあることが分かります。
参照:自動車整備士-職業詳細|職業情報提供サイトjobtag
参照:賃金の推移|厚生労働省
長く働き続ける以上は給与アップを目指したい方も多いのではないでしょうか。ここでは、自動車整備士として給与アップを目指す方法を3つ紹介します。
自動車整備士の上位資格を取得し、仕事の範囲を増やすことで年収を上げる方法があります。自動車整備士の資格は三級・二級・一級と段階的にレベルが分かれています。難関資格である一級を取得できれば、その分、社内でも高く評価され、企業によっては資格手当やボーナスに反映されるところもあるでしょう。
また整備工場に欠かせない整備主任者に選任されれば、収入の増加が見込めます。年収アップのためにも、着実に実務経験を積むとともに上位資格を取得し、会社にとってかけがえのない人材となることを目指しましょう。
経験を積んで管理職を目指す方法もおすすめです。一般の整備士から主任整備士・副工場長・工場長へとステップアップすれば、当然年収は上がります。
しかし、管理職として働くには「経営的な視点」が欠かせません。整備士として現場に出ることは少なくなる一方で、業務管理や人材管理といったマネジメント業務にあたる必要があります。管理職として「人を動かす」立場となるためには、リーダーシップやコミュニケーション能力も求められます。仕事の責任感が増して苦労することもあるかもしれませんが、その分やりがいは増えるでしょう。
ディーラーで働く自動車整備士は民間の整備工場よりも年収が高いといわれています。ディーラーの自動車整備士の主な仕事内容は、新車販売した自動車の点検、エンジンオイルやバッテリーの交換などです。
メーカーによっては、独自に設定している整備士資格を取得することで資格手当を支給するところもあります。有名なメーカーに転職するのは簡単ではありませんが、よりよい待遇の環境で働きたい場合はディーラーを目指すのもひとつの方法でしょう。
自動車整備士として働く中でどのような経験やスキルを身につけられるのかが気になる方もいるのではないでしょうか。今後のキャリアを考えるうえでも、自動車整備士が習得できる経験やスキルを知っておくことは大切です。ここでは自動車整備士の仕事内容を解説するとともに、習得可能な経験と技術を紹介します。
点検整備は自動車が安全に道路を走行できる状態かをチェックする業務です。点検整備項目は多岐にわたり、ハンドルの操作具合やブレーキの効き具合、各種オイル・フィルターの汚れなどを点検します。
自動車は定期的に点検するように義務づけられており、車検を受けていない車は違反行為として公道を走れません。自動車整備士として働くことで自動車を良好な状態に保つために不可欠な点検整備の技術が身につきます。
分解整備(現在は特定整備と呼ばれることが多い)は自動車の故障や点検整備で不良箇所があった際に、自動車のパーツを取り外して分解し、修理や点検を行う業務です。取り外す部品はエンジンやドライブシャフト、ドラムブレーキなどさまざまです。
分解整備は整備業務の中でも高い技術が必要で、2級自動車整備士以上の資格を保有していなければ実行できません。分解整備をきちんとこなせるようになれば、ひととおりの自動車整備業務を担当できるといっても過言ではないでしょう。
事故による故障や走行中のエンジントラブルなど、急を要する整備・修理を行う業務です。主にエンジンや電気系統を点検し、修理が必要な箇所を特定します。そして分解や部品の交換などを行い、自動車が安全に走れるように修理して完了です。
緊急整備は現場へ出向いて作業を実施するほか、自社工場に持ち帰って修理するケースもあります。緊急整備をする機会は点検整備・分解整備と比べると多いとはいえませんが、整備工場で働いていれば経験を積むことが可能です。
年収アップを実現するためには、日々の業務から自身の能力を磨く心掛けが重要です。着実に評価を積み上げていき、リーダーや管理職への昇進を目指しましょう。ここでは、自動車整備士が磨きたい能力について紹介します。
自動車整備士は細かい作業を黙々とこなす仕事です。自動車にはデリケートな部品が多く、ひとつのミスが深刻な事故につながる危険性もあります。そのため作業には高い集中力と注意力が必要です。単調で地味な作業が続くこともありますが、集中を切らさず、どの仕事も丁寧にやり遂げなければいけません。
集中力・注意力を磨くのは困難ですが、「責任を持って仕事をこなす」といった点を意識して業務に邁進すれば、集中力・注意力を持続できるでしょう。
自動車整備の仕事では探究心・向上心を持つことが重要です。自動車業界は変化が激しく、電気自動車や自動運転車といった新しい技術を持った自動車が続々と開発されています。こういった最新の自動車を整備・修理するためには、整備士も新しい知識を常にインプットし続けなくてはなりません。
入社したての頃は探究心・向上心はともに高い傾向にありますが、仕事に慣れるにつれ現状に満足してしまいがちです。自動車整備士として仕事の幅を広げるためにも、探究心・向上心を持ち続けましょう。
自動車整備士はチームで連携して仕事を進めることがあります。そのためコミュニケーションスキルも大切です。また自動車のオーナーに検査結果を分かりやすく説明する能力や、困っていることを聞き出すヒアリング能力なども求められます。
後輩ができれば、仕事のやり方を教えることもあるでしょう。自動車整備の技術だけではなく、こういったコミュニケーションスキルを磨くことも年収アップには欠かせません。
自動車整備士は、上位資格を取得したり、ディーラー勤務の整備士になったりすることで年収を上げることが可能です。自動車整備士として働く中で給与を上げたいと考えている場合は、自身のスキルを磨くとともにキャリアアップも視野に入れることをおすすめします。
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