更新日:2022/07/27
この記事のまとめ
現在自動車整備士として働いていて、今後のキャリア形成について頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。はたしてどのようなキャリアを目指せるのか、よくわからない方も多いでしょう。
そこでこの記事では、自動車整備士のキャリアパスを解説します。整備士資格が活かせる異業種の転職先も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
自動車整備士として実現可能なキャリアパスにはいったいどのようなものがあるのか、気になる方は多いでしょう。ここでは、自動車整備士のキャリアパスを5つ紹介します。自動車整備士が描けるキャリアパスは多種多様です。将来どのようなポジションを目指したいのか、目標を定めたうえで着実にキャリアを積み重ねていくとよいでしょう。
自動車整備主任者は、自動車整備工場で行う自動車の分解作業において国の定めた基準をクリアしているかを検査・管理する職種です。国から認証工場や指定工場の認定を受ける際には必ず1名以上選任しなければならないと定められています。
自動車整備主任者になるには1級自動車整備士や2級自動車整備士などの資格が必要です。それに加え、所属している事業場から選任され、各都道府県の運輸局に申請して受理されたのちに自動車整備主任者研修を受講しなければなりません。
自動車整備主任者は自動車整備工場では欠かせないポジションです。待遇面の優遇が期待できるほか仕事の幅も広がり、やりがいも一層生まれるはずです。
自動車検査員は、車検や整備後の車を最終検査する仕事です。不備がないか、国の基準を満たしているかどうかを検査します。自動車検査員になるには自動車検査員教習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
なお、受講するには整備主任者としての実務経験が1年以上必要であり、かつ整備主任者研修を受講していなくてはいけません。車検検査は自動車検査員の資格取得者のみ実施可能です。自動車検査員の資格を取得すれば自動車整備工場で重宝されるでしょう。
自動車整備士として経験を積み、自社工場で工場長や副工場長を目指すキャリアパスもあります。工場長はいわゆる「管理職」であり、マネジメントが主な仕事です。業務面では「メンテナンス計画の作成」「作業環境の整備」「機械工具の更新計画立案」「経費の管理」、人材面では「人材育成」「シフト管理」などに従事します。
自動車整備における専門的な能力はもちろんのこと、責任感やコミュニケーション能力が必要なポジションです。工場長・副工場長になるには、現在働いている整備工場で昇格を目指すか、工場長候補を募集している求人に応募する方法があります。
整備士の資格を活かして、警察署や市役所などで公務員の自動車整備士として働く方法もあります。警察署の自動車整備士であれば、警察車両の修理や分解、点検などが主な業務です。一般の整備工場とは扱う車両が異なるだけで業務内容自体に大きな差はありません。
公務員として安定した環境で働けるのは大きなメリットですが、公務員試験に合格する必要があります。試験の難易度は職種によって異なりますが、試験勉強に多大な時間を割くことも覚悟しなければならないでしょう。
一般的な乗用車ではなく、バス・タクシー会社の整備工場内で働く道もあります。基本的に自社内の車両のみを整備・点検するため、新規の顧客と関わる機会はほとんどありません。突発的な仕事が入ることもほぼなく、比較的残業が少ない点が大きなメリットです。
業務内容は自動車整備工場と大差ありませんが、扱う車両が異なるため、整備における比重が変わります。たとえばタクシー会社の整備士であれば、タクシー車両の「ブレーキパッド」や「ランプ」といった消耗品の交換作業がメインです。また一般車両と比べて、オートドアやメーターといった装備品の知識も習得する必要があります。
自動車整備士から異業種への転職を検討している方もいるでしょう。国家資格である自動車整備士の資格はあらゆる業界で需要が高いため、整備士としてキャリアを積んでいれば転職活動でも有利に働きます。ここでは、整備士から異業種へ転職したい方に向けておすすめの転職先を6つ紹介します。
自動車に関する知識を活かして、ディーラーや自動車メーカーといった営業職に転職する道があります。ディーラーは個人の顧客に自動車を販売する仕事、自動車メーカーは企業や官公庁といった法人向けの営業が中心です。
営業職は自動車整備士と仕事内容が大きく異なりますが、自動車整備士として身につけた自動車の内装に関する専門的な知識は営業職であっても応用が利くでしょう。また、自動車メーカーは年収が高い傾向にあり、ディーラーも販売数に応じて収入が増える点が魅力です。コミュニケーション能力に自信のある人におすすめの転職先といえます。
自動車整備士を養成する専門学校の講師は、主に自動車の構造や機能、整備技術についての実習や学科授業を担当します。人に教えるのが好きな方、教員に憧れを持っている方におすすめの職業です。
講師経験を積んだら、クラス担任として学生指導を任される場合もあります。教員・講師経験が求められることは少ないため、自動車整備士の資格や実務経験があれば誰でも挑戦可能です。
車の仕組みや部品に詳しいという強みを活かし、カー用品店やレンタカー店で働くのもよいでしょう。主に接客がメインですが、整備や点検、部品交換などの業務を任せられることもあります。
資格や経験を不問としている求人が多くありますが、自動車整備士の資格があれば採用においても有利になるでしょう。接客業に興味のある方におすすめの仕事です。
自動車が好きな方はガソリンスタンドで働くのもおすすめです。ガソリンスタンドでは接客をはじめとし、給油や洗車がメインの業務になりますが、車検や整備を担当することもあります。自動車整備士としての経験を十分に活かせるので、採用においても有利になるでしょう。
ガソリンスタンドは、フルサービスとセルフサービスの2種類あります。フルサービスはガソリンスタンドのスタッフが給油や洗車を実施しますが、セルフサービスはドライバー自身が給油するシステムであり、事故を防止するための見守りが主な業務です。未経験可の求人は多いため、転職しやすい仕事といえます。
自動車の運転が好きな方は、ドライバーとして働くのもよいでしょう。一口にドライバーといっても、運送会社・タクシー・バス・テレビ局関係など仕事先はさまざまです。
接客が好きな方はタクシーやバスのドライバーがおすすめです。タクシードライバーは基本的に二種免許があればなれますが、働くエリアによっては地理試験の合格が求められます。バスの運転には大型二輪免許が必要です。
自動車事故の原因を調査し、解決をサポートするのがアジャスターの仕事です。アジャスターの求人には自動車整備士資格を求められることが多い傾向にあります。転職時には整備士としての経験を大いに活かせるでしょう。また、損害保険会社の専属アジャスターとして働いたのち、乗合アジャスターとして独立する道も開かれています。
アジャスターになるには、一般社団法人日本損害保険協会が主催する試験に合格し、アジャスター登録される必要があります。論理的に物事を考えられる人に向いている仕事です。
自動車整備士として実務経験を積めば、上位職である自動車整備主任者や自動車検査員、工場長へのキャリアアップが可能です。また、バスやタクシー会社の整備士などへ転職してキャリアアップを図る方法もあります。一方、整備士の経験や資格を活かせる業界は数多いため、自身のやりたいことや目標などを踏まえたうえで転職先を検討するとよいでしょう。
マイナビメーカーエージェントでは、自動車メーカー関連の求人を多く取り扱っています。自動車整備士の資格や経験を活かせる転職先を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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