更新日:2024/07/25
この記事のまとめ
幅広い分野で活用されているプログラミング言語「Python」。
注目度の高いデータ分析やAIなどにも活用されていることから、Pythonの資格を取得しSEとしてキャリアアップを目指す人も少なくありません。
そこで今回はPythonの資格試験について、難易度やメリット、受験の流れなどを解説します。
目次
Pythonは、シンプルでわかりやすい構文が特徴で、少ないコードで簡潔にプログラムを書くことができます。そして、専門的なライブラリが豊富にあるのも特徴の一つです。学習難易度が比較的低い一方で汎用性も高く、学校などの教育現場からAIなど最先端の研究開発まで、幅広く利用されている言語となっています。
特にPythonが得意とするのは、大量のデータを扱う分野です。
といったジャンルでは、Pythonが選ばれるケースが多いです。
Pythonの資格試験は、「Python3エンジニア認定基礎試験」と「Python3エンジニア認定データ分析試験」の2種類があり、どちらの試験も一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営している民間資格です。
Python3エンジニア認定基礎試験は、Pytonエンジニアを目指すのに適した資格試験となっており、主にPythonの文法や基礎知識が問われます。
一方、Python3エンジニア認定データ分析試験は、機械学習やビッグデータなどの技術でより発展的にPythonを扱いたい方に向けた資格試験です。
Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法などが問われる試験になっています。
受験者数は年々増加傾向にあり、試験開始から3年2ヶ月で1万人に到達し、2022年では累計受験者数は3万人を突破する見込みとなっています。
増加の理由として、PythonがAIや機械学習、ビッグデータなどの分野に活用され、今後大きなビジネス市場が形成されると期待されているためです。
エンジニアはもちろん、マーケターや経営者、管理職など、幅広い人が受験しています。
Python3エンジニア認定基礎試験は、テストセンターで通年受験できます。
受験料は一般10,000円、学割5,000円(どちらも税別)となっています。
Python3エンジニア認定基礎試験では、オライリー・ジャパン「Pythonチュートリアル 第3版」の掲載内容が試験範囲となっています。
各章の出題数・出題率は以下のようになっています。
|
Python3エンジニア認定基礎試験は正答率70%(28問)以上で合格となります。
難易度はそれほど高くはなく、Pythonの実務をこなしていたりプログラミングを学んだりしたことがある方であれば合格は可能です。
Pythonエンジニア育成推進協会の発表では、Python3エンジニア認定基礎試験の受験者は2020年9月時点で10,000名を超えました。
合格率は約75%近くを推移しており、高めとなっています。
Python3エンジニア認定データ分析試験は、基礎試験と同様にテストセンターで通年受けられる試験です。
受験料も同じく一般10,000円、学割5,000円(どちらも税別)となっています。
Python3エンジニア認定データ分析試験は、翔泳社「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」の掲載内容が出題範囲となっています。
各章・節の出題割合は以下のようになっています。
|
Python3エンジニア認定データ分析試験の内容はPythonの応用編ともいえる位置付けですが、日頃からPythonを扱っている方や基礎試験に合格している方であれば、そこまで難易度は高くはありません。
しかし、Pythonを学習したばかりの方がデータ分析試験を受けるにはハードルが高いため、まずは基礎試験から受けることをおすすめします。
Pythonエンジニア育成推進協会の発表では、Python3エンジニアデータ分析試験の受験者は2021年6月末時点で3,158名です。そのうち合格者数は2,726人と発表しています。
合格率は約86%で、高めとなっています。
まずは無料で力試しをしたい方は、「PythonZen & PEP 8検定試験」を検討してみてはいかがでしょうか?2021年12月現在の情報では、近日中に公開されるとのことです。ブラウザ環境があれば誰でも受験できます。
試験は以下の2つから出題されます。
PythonZenはPythonの設計について記述されたイディオム集です。また、PEP8は、Python標準のコーディング規約となっています。
まだリリース前なので難易度は未知数ですが、正答率7割が合格ラインです。PythonZenとPEP8を普及させる目的の試験であるため、そこまで難易度は高くないと予想されます。
Pythonの求人数は年間1.5倍ペースで増えており、需要が増加しています。
しかし、需要の増加に対して、エンジニア教育の環境が整っていません。
Pythonの基本的な規約やルールを知らないまま書かれた書籍や、不適切なPython文法を教える講師も存在しています。
この状況を食い止め、適切な記述ができるPythonエンジニアを増やす目的で、PythonZen & PEP8試験は生まれました。
国際的に活躍するエンジニアになりたい方は、海外のPython資格である「Python Certifications」もおすすめです。
この資格は、
の3つのレベルに分かれています。
エントリーに関しては、どこでもオンラインで受験可能です。アソシエイト以上に関してはテストセンターでの受験が必要となります。国内にも会場はあるので、気になる方は公式サイトを参照ください。
では、Pythonの資格を取得することによるメリットはどんなところにあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
Pythonの資格を取得していれば、Pythonの文法やデータ分析に関する基礎知識を理解している証明になります。
未経験からの転職でも資格があるだけで仕事の幅を広げることができますし、機械学習やデータ分析など将来性豊かな分野で活躍することも夢ではありません。
資格取得のための学習そのものがスキルアップにつながりますし、資格を得て仕事の幅が広がれば技術も蓄積され、エンジニアとしてのスキルをより高めることができます。
さらに、そうした積み上げたスキルは自らのキャリアアップにも効果を発揮するはずです。
資格手当があるところでは、資格を取得していれば給与に直結します。
また転職する場合、自分の実力を示すこともできますし、強みとしてアピールすることができます。さらには、より条件の良い企業に就職できる可能性もでてきます。
Pythonの資格試験について、申込みから受験、合否連絡までの流れについて整理します。
受験は会場で直接申し込みます。
Odyssey CBTのサイトにて試験会場・日程を調べることができるので、近くの試験会場を探しましょう。
具体的な申込み手順は試験会場によって異なるので、希望の会場が見つかったら直接問い合わせてください。
Pythonの資格試験を受験するには、Odyssey IDの登録が必要になります。
無料で登録できるので、事前に済ませておきましょう。
Odyssey IDは繰り返し利用できるので、すでに登録してある場合は再度登録する必要はありません。
申込時に指定した日時・会場で受験します。
試験当日はOdyssey ID・パスワード、受験票、写真付きの身分証明書(運転免許証やパスポート等)が必要となります。
試験の合否は試験終了直後に判定されます。
試験終了後に「試験結果レポート」が渡されるほか、「合格者の照会」ページで合格を確認することができます。
試験合格者には、4〜6週間以内に合格証が郵送されます。
Pythonの資格取得に向けて勉強するならば、主に2つの方法があります。
書籍や学習サイトを使うことで、Pythonを自力で学ぶこともできます。自分のペースで学習でき、比較的安価なので取り組みやすいのがメリットです。
ただし独学の場合、疑問点の解消に時間がかかります。検索など解決手段はあるものの、初学者は何から調べていいのかすらわからない状況にもある点に注意が必要です。
プログラミングスクールを活用して資格取得を目指すのも良いでしょう。
プログラミングスクールの場合、理解しやすい順番を考えた効率的なカリキュラムが用意されています。さらに疑問点は講師に質問できるので挫折しにくくなっています。
ただし、スクールはまとまった費用がかかります。途中でやめたくならないか、無料体験を活用したり口コミを調べたりしてから通学を決めましょう。
ここまで、Pythonの資格試験の難易度や受験のメリット、受験の流れについて解説しました。
Pythonはプログラミング言語の中でも汎用性が高くさまざまな現場で活用されているため、需要の高い言語となっています。
そのため、Pythonのスキルを客観的に証明できる資格があることは転職活動において有利に働くはずです。
マイナビITエージェントでも、Pythonの求人案件を多数取り扱っております。
IT・WEB業界の転職市場に精通したキャリアアドバイザーがあなたのご経歴を踏まえつつ親身に転職活動をサポートいたしますので、Pythonの資格取得によってキャリアアップを目指すなら、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。
IT業界
Webエンジニアに将来性はない?AI発展の3つの影響と生き残るための戦略
IT業界
ネットワークエンジニアの将来性は?需要が高まる理由と必須のスキル
IT業界
システムエンジニアを辞めたい4つの理由と辞める前に確認したいこと