更新日:2022/05/24
以前は、ネットワークエンジニアの働き方としては、客先に常駐して仕事をすることがほとんどでした。
しかし、最近では在宅勤務の可能な案件も増加傾向にあります。
そこで、ネットワークエンジニアが在宅で仕事を行うために必要な資質やスキル、設備についてご紹介します。
目次
ネットワークエンジニアの仕事には、システムの設計・構築・運用などがありますが、このうち頻繁に綿密なコミュニケーションを必要とする業務は、在宅勤務には不向きです。
「在宅勤務可」の案件として求人募集が多いのは、発注者側がタスクを切り出しやすく、エンジニアが一人で遂行しやすく、業績を評価されやすい業務です。
ネットワークエンジニアの場合は、設計、構築の支援、定期的な運用チェックなどがそれに該当します。
設計は、ネットワーク機器の構成を検討し、設計図に落とし込む仕事なので、必ずしもオフィスに常駐する必要がなく、在宅ワークに適した仕事といえます。
また、構築の一部や定期的な運用のチェック、設定の変更においても、遠隔でできるツールを使うことで、在宅勤務が可能です。
在宅ネットワークエンジニアの最大のメリットは、開発や構築で結果さえ出せれば、時間の使い方を自由に決められる点です。
定期的な進捗報告など、どうしても会社に出向く必要がある場合や打ち合わせの時間が決まっている場合もあります。
しかし、それを除けば好きな時間帯に自由に仕事をすることができます。
在宅のネットワークエンジニアは、企業のオフィスに常駐する場合と同等の環境を整えて、支障なく業務を遂行できることが求められます。
では、企業は在宅のネットワークエンジニアに、どんな資質やスキルを求めているのでしょうか。
在宅で仕事をするために必要な資質やスキルについて、それぞれご紹介します。
ネットワークエンジニアに限らないかもしれませんが、高速で安定した通信環境は不可欠です。
特に、障害や誤作動などで通信が止まることが許されない監視などの業務では、遅延なくネットワークにアクセスできる環境が必要となります。
業務利用に対応できる機器や回線は、コンシューマー向けのものに比べて高価であるため、自費でまかなう必要がある場合には注意が必要です。
これはネットワーク設備でもいえることですが、セキュアな環境で業務を行うことは欠かせません。
たとえ家族であっても、容易にコンピューターや資料に近づける状態は望ましくありません。
特にネットワークエンジニアは、あらゆるデータが流れるシステムの中枢を支える重要な任務にあたっています。
セキュリティ事故が起こらないように、物理的な対策をとるようにしましょう。
ある程度一人で進められる仕事とはいえ、ITエンジニアの仕事はチームプレーですから、プロジェクトマネージャーと進捗状況を共有し、特にトラブル時には仲間と協調して仕事を進める必要があります。
遠隔でプロジェクトに参画するとなると、直接声をかけてミスを防ぐということができません。
チャットやテレビ電話などのコミュニケーションツールを適切に使い分けて、うまく意思疎通を図る能力が求められます。
また、お客様や他のメンバーが実現したいことは何なのか、意図をくんで推進できる力は、信頼されるエンジニアが持たなければならない素養のひとつです。
フリーランスで活躍しようと考えているのなら、信頼は仕事の獲得に重要ですので、ぜひ磨いておきたいですね。
最近は、エンジニアの仕事でもクラウドサービスを利用する機会が増えました。
特に新しいサービスを迅速に立ち上げたいというニーズに応えるため、独自性が求められないプラットフォームやインフラはクラウドで構築し、アプリケーションの開発に注力する傾向が鮮明になっています。
また、障害や誤作動などが許されないような処理が求められるネットワーク環境についても、徐々にクラウドに移行されつつあります。
自社で構築したネットワーク環境とクラウドサービスを組み合わせることは、もはや珍しくないのが現状です。
全体像を把握しているネットワークエンジニアには、ネットワークだけでなくアプリケーションも含めたシステム全体を、マクロの視点で最適化する役割を期待されるでしょう。
在宅で業務が行えるのだから、それだけスキルが高いエンジニアなのだろうと、期待される可能性もあります。
ネットワーク上のサービスや各種機器についても、しっかり扱えるようにしておきたいものです。
在宅で働くフリーランスのネットワークエンジニアとして活躍したいと考えているなら、まずは企業に所属してエンジニアとしての実績を積み重ね、経験値を高めることを目指しましょう。
それから独立の意向を伝え、継続して任せてもらえるように交渉することが、独立へのスタートを確実に切るための道といえます。
ネットワークはシステムの根幹であり、ひいてはサービスの運営や企業経営にも関わる重要な要素です。
幅広く深い知識とスキルは当然ながら、遠隔でも円滑なコミュニケーションが可能なことを示す必要があります。
そして何より、信頼できるエンジニアとして依頼者に安心してもらわなければ、受注につなげるのは難しいでしょう。
クラウドソーシングや転職エージェントの紹介を受ける方法もありますが、いきなりフリーランスで案件を獲得するのは容易でないでしょう。
大原 直人
前職は大手メーカー系SIerにて要件定義から実装・導入まで幅広く担当し、現在は関西圏のIT領域責任者を担当しております。エンジニアとしての現場知識を活かし、コンサルタント・SI・WEB系・社内SEなど、ご希望に対する適切な提案を強みとしております。
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