更新日:2024/11/26
この記事のまとめ
組み込みエンジニアは、炊飯器や洗濯機といった家電製品や通信機器にプログラムを組み込むエンジニアです。転職を成功させるには、資格を取得して専門性を高めることが大切です。
この記事では、組み込みエンジニアへの転職に役立つ資格を5つピックアップして紹介します。求められるスキルや向いている人についても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
組み込みエンジニアへ転職したい人は、資格を取得して専門性を高めることが大切です。資格は転職で有利になるだけでなく、入社後も資格手当が出たり管理職へ昇進できたりとたくさんのメリットがあります。難易度の高い資格もありますが、自身のレベルに応じて取得する資格を決めましょう。ここでは、組み込みエンジニアの業務に活かせる資格を5つ紹介します。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。資格取得に向けて勉強することで、情報処理の基礎知識や専門用語が身につきます。IT業界では定番の資格であるため、転職で有利になるでしょう。
試験は基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の2種類で、どちらも午前試験は多肢選択式、午後試験は基本が多肢選択式、応用が記述式です。受験資格はないため、自分のレベルに合わせて選ぶとよいでしょう。
JASA(一般社団法人組込みシステム技術協会)が実施する試験で、組み込み系ソフトウェアの開発スキルや知識が身につきます。難易度に応じて「クラス1(ミドルレベル)」「クラス2(エントリレベル)」の2種類があり、クラス1は上級者向けです。
試験結果は合否ではなくスコア制で、A・B・Cのグレードで評価されます。はじめて受験する際は、ETECのアカウントを発行する必要があります。
参照:ETEC(組込み技術者試験制度)|JASA(一般社団法人 組込みシステム技術協会)
国際標準化団体OMG(Object Management Group)が実施する技術者試験で、試験に合格すれば、組み込みシステムの設計および開発スキルをアピールできます。
試験はファンダメンタル(初級)・インターエディメント(中級)・アドバンス(上級)の3つのレベルに分かれており、上級資格を取得するには初級から段階的に挑戦する必要があります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)実施する国家試験の中でも、特に組み込みエンジニアを目指す人向けの試験です。資格取得を目指して勉強することで、組み込みシステムの設計・構築・運用・保守に関する幅広い知識が身につきます。
試験の対象者は、組み込みシステムの開発基盤の構築や設計・製造を主導的に行うリーダー向けで、難易度の高い試験といえるでしょう。出題形式は、午前試験が多肢選択式、午後試験が記述式です。
日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織「JSTQB」が実施する試験で、ソフトウェアの品質・安全性を図るテストエンジニアやQAエンジニアとしてのスキルを証明できます。
試験は難易度に応じて「Foundation Level」と「Advanced Level」があり、Advanced Levelを受けるにはFoundation Level合格後、実務経験が3年以上必要です。
組み込みエンジニアに求められるのは、プログラミングの知識やスキルだけではありません。転職を成功させるために、どのようなスキルや知識が必要か知っておきましょう。ここでは、組み込みエンジニアに求められるスキルや知識を紹介します。
組み込みエンジニアは、クライアントの要望を正確にヒアリングするためのコミュニケーションスキルが欠かせません。システムの設計・開発・構築・導入は要件定義に沿って行われます。したがって、クライアントと認識のズレが生じないように意思疎通しなければなりません。
また、エンジニアは1人で黙々と仕事をするイメージがあるかもしれませんが、基本的にはチームで進めます。円滑にプロジェクトを進めるには、メンバーとのチームワークも重要です。
組み込みエンジニアは、ソフトウェア開発のためのプログラミング言語はもちろん、組み込みシステムで採用するハードウェアの知識も欠かせません。プログラミング言語は数多くありますが、組み込みエンジニアが使用する代表的な種類は以下のとおりです。
また、組み込みシステムを制御するOSの知識も必要です。代表的なものとして以下が挙げられます。
デジタル家電や自動車といった組み込み製品ごとに採用するOSは異なりますが、上記OSの知識をひとつでも身につけておけば、ほかのOSでもある程度対応できるでしょう。
ETSSとは、組み込みソフトウェアの開発スキルを測定する指標のことです。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が定義しており、「技術要素」「開発技術」「管理技術」の3つのスキルカテゴリがあります。
分類されたスキル項目には4段階のレベルがあり、「初級」「中級」「上級」「最上級」でスキル診断することで、技術者スキルの可視化が可能です。ETSSは、組み込みソフトウェアエンジニアの人材育成に役立っています。
組み込みエンジニアに転職するには、プログラミングの知識が必要です。習得する方法は、独学とプログラミングスクールに通う方法の2種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合う方法を検討しましょう。ここでは、プログラミングを学ぶ方法について解説します。
プログラミングを学ぶための書籍やオンラインサービスは豊富にあるため、独学で必要な知識を身につけてもよいでしょう。独学であれば費用もかからず、自分のペースで勉強できます。
ただし、思うように勉強が進まず、挫折したり途中で飽きてしまったりすることも考えられます。特に未経験で学ぶのであれば、モチベーションの維持は大切です。1人では難しいと感じた場合、ほかの方法を検討することをおすすめします。
プログラミングスクールに通うのもひとつの方法です。独学に比べて費用はかかりますが、実績に基づいたカリキュラムで効率的にスキルを習得できます。また、講師のサポートを受けられることで、初心者でも挫折しにくいのがメリットです。
とはいえ、受講しただけでスキルが身につくわけではありません。学ぶのはあくまでも自分自身であるため、積極的に学ぶ姿勢が必要です。
どのような人が組み込みエンジニアに向いているのか知ることで、求められる人物像を把握できます。転職の際、志望動機や面接で自身をアピールするポイントを見つけるためにも重要です。ここでは、組み込みエンジニアに向いている人を紹介します。
組み込みシステムの開発には、ものづくりへの関心が高い人が向いています。ラジコンを作って遊ぶことや電子工作が好きな人は楽しく働けるでしょう。
製品を作る製造業とは業務内容が異なりますが、プログラムを使って機械を動かす組み込みエンジニアは、ものづくりに携わる職種のひとつです。目の前にある製品がどのように作られ、どのように動くのか、仕組みに興味を持てる人はスキルアップも早いでしょう。
組み込みエンジニアは集中力を要する作業が多くあります。プログラミングや設計、仕様書の作成においては、ミスなく丁寧に仕事をこなさなければなりません。また、開発中に原因不明のエラーが生じることもあり、集中を切らさずに根気強く原因を探ることが大切です。集中力があり几帳面な人は、組み込みエンジニアとして重宝されるでしょう。
組み込みシステムは、テレビや洗濯機といった家電、自動車や製造ロボットに用いられます。組み込みエンジニアはさまざまなシーンで多くの人の生活を支える重要な仕事ですが、決して目立つものではなく、あくまで「縁の下の力持ち」のような存在です。目立たなくとも誰かの支えになりたいという気持ちを持っている人が向いています。
組み込みエンジニアへの転職を目指す人は、情報技術者試験やETEC(組込み技術者試験制度)といった業務に活かせる資格を取得するのがおすすめです。資格以外にも、ソフトウェアやハードウェアの知識も必要です。自分に合った方法で勉強して、専門性を身につけるとよいでしょう。
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