更新日:2022/09/30
この記事のまとめ
フィンテックは最近よく話題に上がるようになった新たな事業領域です。ビジネスのみならず、人々の生活にもさまざまな変革を起こすことが期待されている分野だけに、転職を希望している方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、フィンテック企業の志望動機の書き方を解説します。企業の種類別に例文つきで解説するため、実践的な志望動機を作成するのに役立ててください。
目次
効果的な志望動機を作成するには、まずフィンテック業界についての理解を深める必要があります。知識がないままで作成しても、プロの採用担当者を納得させられるものは書けないでしょう。フィンテックの概要や現状、将来性について解説します。
フィンテックは、IT技術と金融の結びつきで生まれた新技術を用いた取り組みを指します。主にIT企業と金融機関が協力して提供する金融サービスを指しており、先進的なサービスを数多く生み出していることで注目されている分野です。
フィンテックが生み出した代表的なサービスとして、現金や金融機関の手続きなしで支払いができるPayPayなどのスマート決済があります。ロボットがAIによる情報分析をもとに、投資や資産運用のアドバイスを行うサービスや、ブロックチェーン技術を活用した仮想通貨もフィンテックの産物です。
フィンテックは中国やアフリカといった途上国、経済発展中の国で急速に普及しているのも大きな特徴のひとつです。これらの国は、紙幣の使用度が低いため現金よりも電子決済の方が喜ばれる傾向にあり、QRコード決済が急激に普及した背景があります。治安が悪いため現金を持ち歩くことに抵抗を感じる方が多いのも、電子決済の普及を後押ししている要因のひとつです。
また、途上国では銀行口座を持てない方も少なくありません。そのような方たちもプリペイド式の決算手段であれば利用できるのも大きなメリットです。中国やアフリカでは携帯電話は普及しているため、口座がなくても場所を選ばず手軽に利用できる送金手段として活用されています。経済成長・人口増が続いていることも後押しして、今後もフィンテックのニーズは高まっていく見通しです。
フィンテックは、融資や保険といったこれまで窓口まで足を運ばなければ受けられなかった金融サービスを、携帯端末などですぐに利用できる身近なサービスへとパラダイムシフトを起こしました。とりわけキャッシュレス決済は、現金を持ち歩かなくても簡単に買い物や支払いができるという、生活スタイルの変化をもたらした革新的な取り組みと言えるでしょう。
キャッシュレス化の波は近年になってさらに加速しており、フィンテックは将来性があると予想できます。
転職を成功させる志望動機を作成するには、担当者の目に留まるためのポイントを押さえておくことが重要です。このポイントを知らずに思いついたことを書いても、説得力のある志望動機にはならないでしょう。フィンテック企業の志望動機を作るときは、次の3ポイントを意識することが大切です。
フィンテック企業のどこに魅力を感じているのか、フィンテック企業に転職するメリットは何なのかを考えて明確化することが重要です。具体性のない曖昧な志望理由を述べると担当者の不信感を招き、後に続く文章にも説得力がなくなります。
変化の早い環境の中で成長できる、最新のツールで知識やスキルを磨ける、大手企業やスタートアップ企業が多い傾向にあるといった、フィンテック企業ならではの特徴を盛り込むことも意識しましょう。
企業がどのような人物を求めているか分かれば、志望動機をその人物像に寄せて効果的なアピールが可能です。企業の求める人材を理解するには、業界や企業への理解が不可欠なため、事前にしっかりと情報収集する必要があります。
フィンテック業界では金融やITに精通している人材ほど選考で有利になる傾向があるため、希望する企業が求めるスキルや専門性を磨き、アピールするのが重要です。企業の事業内容や社風も把握して、自分と親和性が高いこともアピールしましょう。
フィンテックによって、どのような業務改善や課題解決を望んでいるのか明確化するのが重要です。例を挙げると、大手銀行ではフィンテックの導入で業務の効率化を図り、人員削減やコストカットに成功しています。このようなフィンテックだからできることを目標に挙げれば、志望動機に必然性を持たせやすくなるでしょう。
企業が知りたいのは入社して何をしたいのか、何ができるのか、といった明確なビジョンです。意気込みだけではなく、自分が入社することで企業にどのようなメリットをもたらすのか具体的に伝えましょう。
いざ志望動機を書こうとしても、具体的な内容が思いつかないという方もいるのではないでしょうか。ここでは、企業の種類別に4つの例文を用意しました。それぞれにどのような意図で書いたのか解説をつけているため、自分の目指す職種に合わせて実際に志望動機を書くときの参考にしてください。
【例文】
キャッシュレス決済システムの利用加盟店は増加傾向にあること、特にQRコード決済は多くの大手IT会社がサービスを提供していることを知り、関心を持ちました。また、貴社では少人数のチームまたは個人で営業に当たれるところも魅力に感じています。
現職ではITインフラの営業を担当しておりますが、10人以上のチームであるため個人の価値が実感しづらい環境でした。現職での知識を活かしながら、自身の提供価値が明確な環境で働きたいと考え、貴社を志望しております。
業界の動向について把握していることと、志望する企業と関わりのある職歴があることを伝えています。志望先の企業の魅力と、現職では希望を実現できないことをつなぎあわせ、志望の高さをアピールしている構成です。ITの営業知識があると伝えているのも採用で有利になるでしょう。
【例文】
貯蓄よりも資産運用に注目が集まっている昨今において、貴社のサービスを活用すれば、初心者でも気軽にスマートフォンで投資を始められるという点に魅力を感じています。インターネット上で取引が完結するという形態は現代のニーズに適っていると感じており、将来性があると考えております。
一方で手数料の高さや指値注文ができないといった課題も抱えていると考えており、入社後はこれまでの業務経験で培った知識とスキルを駆使してこの課題解決に取り組み、貴社に貢献できるよう努力する所存です。
フィンテックについての知識と志望先企業の事業を調査していることを示し、将来性を感じている理由を述べて志望理由としている内容です。入社後に具体的に何をしたいのか伝え、業務の改善や課題解決に意欲があることと目的意識の高さを示しています。
【例文】
前職では、営業部員13名の営業事務として、注文書の作成、請求書・領収書の発行、電話対応、資料作成、小口現金などを把握することで複数の作業を並列進行する工夫をしておりました。常に営業部員が話しかけやすく、仕事を頼みやすい雰囲気を作ることを心がけていました。
クラウドファンディングが普及することで、社会的意義のある事業や商品を生み出しやすくなると考えております。営業部員のデータ整理を通じて得た管理業務の知識を活かして、クラウドファンディングで夢を実現したい多くの方をサポートできればと思う所存です。
前職の業務内容について体験を交えて詳しく解説することで、臨場感を演出しています。光景を想像しやすいエピソードは説得力を与えやすいため効果的です。後半のようにステップアップしたい意思を書くときは、「前職の知識がある」といった裏づけも示しましょう。
【例文】
ファイナンシャル・プランニング技能士という資格を活かせる転職先を探していたところ、貴社の求人を拝見しました。また、「オンライン上で契約者が自ら保険商品を選べるようにしたことで、ライフプランに合わせて最適化された保険を提供する」という旨の社風に共感し、時代にマッチした新しい形の保険に心が惹かれました。
スキルアップを目指しつつ、貴社が作り出す新時代の価値観に貢献したく思います。自身を成長させる機会が多くあるという貴社で、積極的にキャリアアップを目指していきたいです。
保険業界での転職で有利になるファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得していることをアピールし、志望先企業の社風と自分の親和性の高さを説いています。後半では積極的にキャリアアップを目指す姿勢を示し、やる気や向上心を見せています。
フィンテック企業への転職を成功させるために、押さえておきたいポイントを紹介します。フィンテック業界が抱えている問題や求めている人物像、自分に合った企業の探し方が分かれば、スムーズに転職してすぐに活躍できる可能性が大きくなるでしょう。
フィンテックのような、ネットワークを介したサービスは常に第三者から攻撃されるリスクを抱えており、安心して利用するためにはセキュリティ対策が必須です。
フィンテックにおいてはセキュリティが重視されているため、技術職はセキュリティに強い人材へニーズが集中する場合もあります。サイバーセキュリティは基本的に攻撃と対策のイタチごっこであるため、常に機能のアップデートを更新し続けることが重要です。技術者として入社したい場合は、セキュリティの知見を深めておくと有利になるでしょう。
フィンテック業界が未経験でも、事業に関連する業界に関わっていれば入社後に即戦力として活躍するチャンスが広がります。特に営業や技術者として志望企業の商材に関わっていれば、専門的な知識を活かせるため重宝されるでしょう。
フィンテックは金融に限らずさまざまなサービスを展開しているため、思わぬところで関わりがあるかもしれません。チャンスを逃さないためにも、情報収集は丁寧に行いましょう。
ひとりで転職活動を行う場合は、求人探しや企業との調整をすべて自分で行わなければなりません。これらの作業と並行して、情報収集や志望動機の作成を行うのは負担に感じることもあるでしょう。そのようなときは、転職エージェントに登録するのがおすすめです。
転職エージェントを利用すれば、求職者の希望や能力に応じて最適な企業を紹介してくれます。転職サイトには公開されていない求人を紹介してもらえる可能性もあるため、選択肢を広げる意味でも有用と言えるでしょう。フィンテック業界に転職するのは厳しいと判断した場合はほかの適職を提案してくれることもあり、客観的な意見を聞けるという点でも役立ちます。
フィンテックはITとの連携によって生まれた新しい金融サービスです。AIなどの最新テクノロジーに支えられた利便性の高いサービスを提供しており、生活スタイルに影響を与えるほどの革新的な取り組みを行っています。転職を希望する際は、業界とマッチした人材であることをアピールして、志望理由や目標を具体的に伝えることを意識しましょう。
マイナビ金融エージェントでは、転職のノウハウを熟知したプロによるサポートをご提供しています。無料で利用できる転職支援サービスをお探しの方は、ぜひマイナビ金融エージェントをご利用ください。
金融業界
フィンテック業界で役立つ資格5選!資格勉強や選び方のポイントも解説
金融業界
フィンテック業界は未経験でも転職可能?求められるスキルと転職のコツを紹介
金融業界
銀行業界に将来性はある?銀行員として働くメリット・デメリットも解説