更新日:2022/04/13
この記事のまとめ
証券会社を辞めたいと考えているのなら、できる限りはさまざまな考えを整理してから辞めることをおすすめします。そうすれば、転職もスムーズになるでしょう。
そこで今回は、辞める前にしておきたいことや知っておきたいことをご紹介します。実際に証券会社を辞めた方の声もまとめているので、転職や退職を決めかねている方もぜひご一読ください。
目次
辞めたい理由はなんであれ、大切なのはその理由を考察することです。深く考察すれば、自身の得意や苦手が把握でき、理想の転職先ビジョンも鮮明になるでしょう。
ここでは、証券会社を辞めたいと思っている方や、実際に辞めた方の主な理由をご紹介します。自身の辞めたい理由と照らし合わせて、考察を進めましょう。
営業職と言えばノルマは付きものですが、証券会社の営業はほかと比べてもノルマが厳しいとよくいわれます。その結果、ノルマの達成が難しく、毎日のように厳しく叱責される環境が作られやすいといえるでしょう。
そのような環境に理不尽さを感じて辞めたいと考える方は少なくありません。またノルマを達成できないことで自分を責めてしまう方であれば、精神的に参り、辞めたいと考えるようになるケースも多いでしょう。
証券会社の営業は、体力勝負ともいわれます。長時間の外回りに飛び込み営業、夜には接待があるだけでなく、空いた時間には営業を成功させるための情報収集や勉強をしなければなりません。
もともと体力のない方であれば就職後すぐ、体力がある方でも限界を感じた瞬間に転職を考えるでしょう。
証券会社の営業はノルマがとても厳しいため、顧客のための営業ではなく、売上のための営業になってしまうことも少なくありません。
「自分が稼ぐためにお客さまに損をさせているような気がする」といった罪悪感が、辞めたいという気持ちにつながることもあるでしょう。
証券会社には、前時代的な体育会系の社風が色濃く残る企業が多いといいます。ノルマ未達成が続く社員に対しては、必要以上に叱責する上司がいるケースもあるでしょう。
また、前時代的であることに伴って、女性が育児をしながら働きにくい印象のある企業も少なくありません。このような社内の雰囲気に嫌気が差し、転職を決める方もいます。
証券会社の営業は、商品を販売するために、目まぐるしく変化する相場や市場の動きを常に追い続ける必要があります。それもただチャートを確認していればよいという訳ではなく、さまざまな業界についての知識を日々アップデートさせる必要があるでしょう。
向上心やモチベーションを常に高く持っていられなければ、「ついていけない」と感じやすい環境だといえます。
証券会社では、同企業であっても支店によって評価ポイントが異なることがよく見られます。結果として、自分と同等や低い売上であるにも関わらず、自分よりも高い評価や給料をもらっている社員がいることもあるでしょう。
また、仕事ができなくて残業が多い人のほうが給料をもらっているというケースに直面することもあります。「仕事は厳しいが稼げる」と聞いて証券会社に就職した方ほど、このようなギャップが辞めたいと考えるきっかけになるでしょう。
証券会社を辞めたい気持ちが固まったのなら、行動に移す前にいくつかの考えを整理しましょう。ここでご紹介する思考の整理方法は、次の転職先をスムーズに見つけるコツでもあります。
勢いで退職して後悔しないためにも、ぜひご一読ください。
辞めるのに適したタイミングは、「閑散期」かつ、できれば「勤続3年以上経った後」です。繁忙期の退職は引き継ぎに時間を要しやすく、退職の手続きをスムーズに進めにくいため、なるべく避けましょう。
また、勤続3年未満の退職は、転職時の選考に悪影響を及ぼす恐れがあります。新しい会社へ就職したとしても、早期退職リスクを懸念されるためです。特に大手ほど勤続年数を気にするケースが多いため、大企業への転職を考えているのであれば、勤続3年以上のタイミングをおすすめします。
転職をスムーズに進めるためには、自分を客観視することが大切です。実力に見合わない転職先を選んでは、たとえ入社できたとしてもつまずいて、またすぐに辞めたいと感じてしまうかもしれません。
まずはどのような経験やスキルがあり、何が得意で何が苦手なのかを紙に書き出しましょう。箇条書きで自分の要素を並べることで、自分を客観的に見られるようになります。
どうしても客観視が苦手だという場合には、友人や転職エージェントの手を借りて、第三者視点から経験やスキルの棚卸しを手伝ってもらうのがおすすめです。
応募書類や面接では、必ず退職理由を聞かれます。そのときに「お客さまよりも売上第一なことに嫌気が差した」など、ネガティブな理由を伝えてしまっては、採用担当者から高評価は得られません。
たとえば証券会社から保険会社への転職であれば、「よりお客さまの生活に密接な商品を販売したいと思った」というように、退職理由をポジティブな理由に変換しましょう。
ここでは、実際に証券会社を辞めた方から聞いた「証券会社を辞めて感じたこと」をまとめました。証券会社を辞めたことで得られるのは、メリットだけではありません。大切なのは、自分にとって辞めることで得られるメリットとデメリットのどちらが大きいかです。退職経験者の意見を参考にして、じっくりと検討してみましょう。
証券会社からの転職によるメリットとして、「ストレスから解放された」点を挙げる方はとても多く見られます。職場環境によるストレスを理由に辞めたいと考える方が、証券会社には多いためでしょう。
辞めることで得られるメリットとしては、このような精神面でのメリットが特に大きいと考えられます。
転職したことによるデメリットとしては、「給与が下がった」ことを挙げる方が多い傾向にあります。また、証券会社に勤めていることをステータスとして感じていた方からは、「ステータスを失った」ことを嘆く声が聞かれました。
給与やステータスの高さに重きを置く場合には、退職を踏みとどまるべきかをよく検討したほうがよいかもしれません。
証券会社からの転職先におすすめなのは、主に営業職です。厳しいノルマに疲れて、営業職自体を辞めたいと考えているかもしれませんが、売る物が異なれば取り巻く環境も大きく変わります。
ここではさまざまな営業についてご紹介するほか、営業以外のおすすめの転職先もまとめました。自分に合った転職先を見つける手がかりとして、ご活用ください。
営業をしている中で、無形の商品を販売すること自体は得意だと感じていたのなら、同じ無形物を扱う営業職がおすすめです。営業手法をはじめ経験をそのまま生かせる部分が多いため、選考時にも優遇されやすいでしょう。
また、これらの企業では、同じ無形物営業であっても、新規の個人相手ではなく、法人ルート営業がメイン業務となる企業も多くあります。個人の新規顧客を獲得する営業が苦手だったという方にもおすすめです。
証券会社以外で無形物を取り扱っているのは、保険会社、広告会社、人材会社、コンサルティング会社などが挙げられます。
無形物営業に苦手意識があるのなら、有形物販売の営業職を検討してみましょう。有形物営業に比べて無形物営業は難しいといわれているため、販売商品が有形物に変わっただけで成果が上がるケースもあります。
有形物営業のうち、製薬会社やメーカーであれば、ルート営業がメイン業務である企業も多いため、個人営業が苦手な方にもおすすめです。
逆に個人営業が多い企業としては、不動産会社があります。不動産会社は、証券会社に比べると営業に時間をかけるのが特徴です。顧客目線の営業を優先したいという方にぴったりでしょう。
営業職から離れたいと考えているのであれば、不動産業界の営業事務もおすすめです。営業の経験があれば、スムーズに転職しやすい職業だといえるでしょう。
営業事務は、営業担当者が必要とする書類の作成や、データをまとめるなどの業務を担います。証券会社の元営業であれば、営業目線での的確なアシストができるため、重宝されるでしょう。
保険業界の金融事務にも営業のサポート業務があるため、営業職経験者におすすめの職業です。
また、金融事務は一般の事務に比べて、顧客の応対が多い傾向にあります。接客が好きな方や、顧客の声を直接聞きたいという方におすすめです。
ときにはお客さまの相談に乗ることもあるので、お客さまの役に立つことにやりがいを感じられるでしょう。
証券会社の勤務経験が役立つ業界は、やはり金融業界です。金融業界であれば、事務や企画、分析およびコンサルティングなど、さまざまな職種で経験を生かせるでしょう。具体的な職業例としては、以下が挙げられます。
投資に興味があるのであれば、商品を売る立場ではなく、ディーラーやファンドマネージャーといった分析や運用を担う職業を目指すのもよいでしょう。
人の役に立ちたいという気持ちが強いのであれば、ファイナンシャルプランナーやアクチュアリーといった人や企業を支える職業もおすすめです。
証券会社を辞めることを決め、退職意思を伝えても、無理な引き止めに合うケースがあります。
しかし、退職の自由は法律で認められています。辞めたい気持ちが固まっているのなら、引き止めにひるまず、冷静に正しい行動を取りましょう。
正社員であれば、「いつでも理由を問わず、解約を申し入れてから2週間後には必ず雇用契約が解約される」ことが、民法627条にて定められています。また、無理な引き止めは労働基準法の第5条「強制労働の禁止」に抵触することから、「在職強要に当たる」ことを主張して構いません。
ただし、各企業の就業規則では、法律とは別に退職の意思表示をする時期が定められています。退職に急を要する状況でなければ、無用なトラブルを避けるため、就業規則に則った意思表示を心掛けましょう。
いくら主張をしても無理な引き止めに合う場合や、退職を申し出ること自体が難しい場合もあります。そのようなときには、弁護士への依頼や、退職代行サービスの活用も考えましょう。
弁護士事務所で退職代行依頼を受け付けているケースもあり、相場は5万円前後です。依頼する際は、信頼できるサービスであるかどうかをよく確認するようにしましょう。
証券会社からの転職や退職を考え始めたら、まずは辞めたい理由をよく考察しましょう。そうすれば、あなたに合う職場が明確に見えてくるはずです。
そのうえで証券会社以外の金融系企業に転職したいと思ったなら、マイナビ金融エージェントまでご相談ください。マイナビ金融エージェントでは、独占求人も多数ご紹介可能です。あなたに合った転職先探しをぜひサポートさせてください。
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