更新日:2025/05/15
この記事のまとめ
転職活動をいつから始めるべきか、迷っている方も多いでしょう。
1年のうち、企業が採用活動に力を入れるタイミングは複数あります。求人が増える時期に合わせて転職活動を行うことで、自分に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。
ただし、求人が増える時期はライバルも増えるため、余裕を持って転職活動を始めることが大切です。この記事では、転職のベストタイミングや、求人が増える時期の仕事探しの注意点、効率のよい転職活動の方法について詳しく解説します。
目次
1年を通じて、企業が出す求人の数には波があります。年度末になると退職者が増加したり、夏以降に向けて人員を強化したりと、時期によって採用活動の傾向が変わるためです。
転職活動のスケジュールを立てる前に、企業の求人が増えるタイミングを知っておきましょう。ここでは、求人数が増える3つの時期や、その理由を紹介します。
1~3月は、企業の求人数が大きく増える時期です。厚生労働省が毎月公表する「一般職業紹介状況」によると、ハローワークにおける令和7年1月の新規求人倍率は2.32倍で、前月に比べ0.05ポイント上昇しています。
1~3月の求人が多い理由は、年末から3月末にかけて退職を申し出る人が多く、欠員を補充する企業が増えるためです。厚生労働省の「雇用保険事業月報・年報」によると、令和6年2月から令和7年1月までの雇用保険の資格喪失者数は4月(3月退職)にピークを迎えています。
また年度末に近づくと、その年の採用予算を使い切るため、採用活動を強化する企業も存在します。転職するタイミングを迷っている方は、1~3月に焦点を当てて準備を始めるとよいでしょう。
参照:一般職業紹介状況(令和7年1月分)について|厚生労働省
大型連休明けの5~6月も、企業の求人が増加する時期です。理由は大きく分けて3つあります。
・内定辞退が続くなど、新卒採用がうまくいかなかった企業が、第二新卒や中途採用によって欠員を補充するため
・秋採用(9~10月)に焦点を当てて、5~6月から求人募集を始める企業が増えるため
・夏のボーナスの支給時期(6~7月)に合わせて、退職を申し出る人が一定数いるため
1~3月の転職が間に合わない方も、秋採用に向けて求人募集が本格化する5~6月なら、希望に合った転職先が見つかるかもしれません。直前にゴールデンウィークがあるため、転職活動の準備に集中しやすいのもメリットです。
お盆明けの8~10月も、求職者にとって狙い目となる時期のひとつです。ほとんどの企業は、お盆の期間(8月13日~8月16日)に夏季休暇を取得しています。8月下旬の夏休み明けから9~10月にかけて採用活動を再開する企業が多く、求人数も増加するでしょう。
また後期の経営目標を達成したい企業にとって、8~10月は組織再編に適した時期です。秋季は人事異動も増えることから、社内の空いたポジションを埋めるため、採用活動に力を入れる企業も多くみられます。
このように1年を通じて求人が増える時期は、1~3月、5~6月、8~10月の3つです。求人数が増えると、自分に合った転職先も見つかりやすくなります。企業の採用活動のピークに合わせて、転職活動のスケジュールを立てるとよいでしょう。
一方、企業が採用活動を控え、求人数が減少する時期もあります。たとえば、多くの企業が休みを取る年末年始やお盆、ゴールデンウィークの時期は、求人・求職の動きがともに鈍くなり、採用活動における閑散期として位置づけられます。
求人募集がまったくないわけではありませんが、企業の採用活動にはサイクルがあることを知っておきましょう。
年末年始は、企業の採用活動が停滞する時期です。就業規則で年末年始(12月29日~1月3日)を休日に設定している企業も多く、求人に応募しても年明けまで返事がないケースも珍しくありません。厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」によると、令和5年の年間休日総数は昭和60年以降最多であり、今後も年末年始に採用活動を控える企業が増えるでしょう。
ただし、競合他社の動きが鈍る年末年始だからこそ、中途採用に力を入れる企業も存在します。年末年始の休みを利用して、新たな職場探しを始めるのもよいかもしれません。
お盆やゴールデンウィークなどの大型連休も、企業の求人が減少します。採用担当者が長期休暇を取得するケースも多く、転職活動が進みづらい時期です。
一方、飲食業や宿泊業などのサービス業では、旅行やレジャーの需要が高まる大型連休は繁忙期となります。採用活動に力を入れる余裕がなく、休み明けから求人募集を本格化させる企業が一般的です。
このようにお盆やゴールデンウィークの時期は、求人数が大きく減る傾向にあります。働きながら転職活動を行っている方は、大型連休を準備期間に当て、情報収集や履歴書・職務経歴書の作成などを行うとよいでしょう。
求人が増える時期の転職活動には、落とし穴もあります。求人が増えると、転職活動のライバルも増えるからです。
企業の採用が活発化する時期に焦点を合わせ、計画的に準備を進めましょう。年末年始やお盆、ゴールデンウィークといった採用活動の閑散期を利用し、企業研究をしっかりと行っておくと、ほかの求職者の一歩先を行くことができます。
1~3月や5~6月、8~10月は、求人サイトなどに多くの求人広告が掲載され、転職活動の選択肢が広がる時期です。
転職市場の活発化により、この時期は転職先を探すライバルも増えます。人気のある企業や職種の場合、同じ求人に応募が殺到し、転職活動のハードルが上がってしまうかもしれません。応募者が増えることで、企業側の採用基準が通常より厳しくなる可能性もあります。
求人数が多いからといって、転職のハードルが低くなるわけではないことを知っておきましょう。
求人が増える時期に転職活動を始める場合は、「ライバルを一歩リードするため、計画を立てて早めに準備をする」という意識を持つことが大切です。
転職活動を終えるには、早い方でも1ヵ月、通常は2~3ヵ月程度の時間がかかることが一般的です。厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」によると、20~30代の方が転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間は、「1ヵ月以上3ヵ月未満」が多くなっています。
求人が増える時期に合わせて転職活動を始められるように、余裕を持って準備を進めておくことが大切です。
転職活動の準備を進めていくうえで、重要なのがキャリアプランを明確化することです。キャリアプランとは、"仕事や働き方の理想像を明確にし、それを実現するために中長期的な計画を立てること"を指します。キャリアプランが曖昧なままだと、多くの求人の中から自分に合う仕事を見つけられず、転職活動に時間がかかってしまいます。
求職者約500人を対象としたアンケート調査によると、キャリアプランについて「あまり考えたことはない(29.3%)」「まったく考えたことはない(24.2%)」と答えた方が過半数となりました。年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどの長期休暇を利用し、自分自身のキャリアについて一度考えてみましょう。
参照:約500人に聞いた!理想の働き方やキャリアアップの取り組みとは|厚生労働省
キャリアプランの作成と並行して取り組みたいのが、企業研究です。キャリアプランが「仕事や働き方の理想像」だとすれば、企業研究は「さまざまな目線から情報を収集し、自分に合った企業かどうかを見極めること」を意味します。
企業研究をしっかりと行うことで、「思っていた企業と違う」「自分の適性やスキルと合わない」といった転職後のミスマッチを防止できます。また企業研究を通じて、その企業がどのような人材を求めているかを把握できるため、志望動機の作成時にも役立つでしょう。
求人が増える時期はライバルも増えるため、効率よく仕事を探す方法を知っておくことが大切です。ここでは、効率的な転職活動の方法を6つ紹介します。
1~3月や5~6月、8~10月の時期は、求人サイト(転職サイト)に掲載される求人広告の量も増加します。求人サイトなら、自分の好きなタイミングで求人を探すことが可能です。またほとんどの求人サイトでは、勤務地や職種、雇用形態、年収など、さまざまな検索条件で求人情報を絞り込めます。
一方、求人サイトを利用する場合、転職活動におけるサポートは受けられません。求人への応募から、履歴書・職務経歴書の作成、書類選考通過後の面接対策に至るまで、基本的に自力で行う必要があります。
転職活動について誰かに相談したい方は、ハローワーク(公共職業安定所)の利用を検討するとよいでしょう。
ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する職業紹介機関で、すべての都道府県に設置されています。職業選択や将来のキャリア設計、スキルアップなどに関する相談も行っており、どなたでも無料で利用することが可能です。
まだ在職中でハローワークに通いづらい方は、オンラインで利用できる「ハローワークインターネットサービス」が便利です。就職支援サービスは利用できませんが、年齢や就業場所、希望する職種などの条件で求人情報を検索できます。
参照:求人多数、未経験の転職もサポート!仕事を探す人のハローワーク|厚生労働省
転職を希望する企業や職種がある場合は、採用ページを直接チェックするのもよいでしょう。採用ページには、企業の魅力や求める人材像、従業員のインタビューなどが掲載されており、企業研究を行う際にも役立ちます。
採用ページを一年中公開している企業もあれば、新卒採用の広報活動が解禁される3月1日に合わせ、転職者向けのページを公開する企業もあります。とくに求人サイトでの募集が少ない職種への転職を希望している方は、気になる企業の採用ページを確認してみましょう。
気になる企業で働く知人や友人がいる方は、仕事の紹介を受けられないか尋ねてみるのもよいでしょう。
企業が自社の社員から推薦を受け、採用候補者を探す手法を「リファラル採用」といいます。日本では、近年注目され始めたばかりですが、アメリカでは大企業から中小企業まで広く行われている手法です。
リファラル採用なら、求職者が紹介者を通じて、企業の魅力や社風、業務内容などを詳しく質問できます。転職後のミスマッチが起こりにくいのがメリットです。
最近では、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSを採用活動に取り入れる企業が増えています。SNSの中には、企業と求職者のマッチングを目的としたサービスもあります。気になる企業がある場合は、SNSの機能を使って気軽にコンタクトを取ることが可能です。
SNSの運用に積極的な企業であれば、採用情報に加えて、オフィスや職場風景、自社の製品・サービスなどに関する情報発信を行っているケースもあります。企業研究に向けた情報収集の一環として、SNSを活用してみるのもよいでしょう。
転職活動全般に関するサポートを受けたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントとは、"「転職したい方」と「人材を探している企業」の間に立ち、ベストなマッチングを実現するサービス"です。一人ひとりに担当のキャリアアドバイザーが付き、ヒアリング結果に基づいて、キャリアプランに合った求人の紹介を受けられます。さらに転職活動でつまずきやすい、企業分析や履歴書・職務経歴書の添削、面接対策などをサポートしてもらうことも可能です。
基本的に、転職エージェントは無料で利用できます。求人サイトには掲載されていない、非公開の求人情報の紹介を受けられる可能性もあるため、気軽に利用してみましょう。
企業の求人が増える時期は、1~3月、5~6月、8~10月の3つです。この時期は求職者の動きも活発化するため、転職活動のハードルが上がる可能性があります。求人が増えるタイミングに合わせて転職活動をスタートできるように、計画を立てて準備を進めましょう。
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