更新日:2023/03/24
この記事のまとめ
履歴書の「趣味・特技」欄は、採用担当者にとって、応募者の人となりや意外な素顔を知るために有用です。しかし応募者からすると、どこまで書いてよいものなのか、さじ加減が難しいものでもあります。
書き方に関しても、どのように記載すればよいのか、迷ってしまう方も多いでしょう。そこでこの記事では、面接時に役立つ、趣味・特技欄の書き方をご紹介します。書くべき趣味や特技が思いつかない場合の対処法、書き方の注意点なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
履歴書の項目のひとつに趣味・特技欄が存在しますが、その重要性について疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。実は、応募者の趣味や特技といったパーソナルな部分は、企業とマッチする人材かの判断材料になっています。まずは、趣味や特技からどのようなことが分かるか、記載するメリットはあるかを見ていきましょう。
履歴書の趣味・特技欄で採用担当者が見ようとしているのは、応募者の人となりです。趣味や特技を深く聞くことは、応募者の人柄を知る手掛かりになります。
応募者がほかの企業で素晴らしい成績を残していても、転職先の社風に合う人材でなければ、実力を発揮しにくいでしょう。そこで、「企業のカラーにマッチしているか」を見極める項目が、趣味・特技欄となるわけです。
また、履歴書に記載された情報を基に趣味や特技の話をすることで、応募者の緊張を和らげたいと考える採用担当者もいます。
企業に適している人材かを判断すると同時に、応募者を印象づける項目となるのも、趣味や特技欄です。採用担当者の興味を引く活動や取りえなどを記載できれば、「〇〇を得意とする応募者」という印象を残せます。
よいインパクトは選考通過率アップにもつながるため、内容しだいでは、趣味や特技は効果的なアピールポイントになり得ます。
趣味・特技欄が何のためにあるかが分かったら、そこに書くべき内容も見えてくるものです。続いては、趣味・特技欄を記載する際の注意点をご紹介します。
趣味・特技欄はアピールの場なので、強みとなる資格やスキルを補強できる趣味、企業が応募者に求める資質を感じさせるような特技などを記載するとよいでしょう。
たとえば、外資系企業や語学スキルを高く評価する会社なら、語学留学の経験を書けば語学力のPRになります。また、営業職や接客業なら、「一度会った人の顔と名前をすぐに覚えられる」といった特技は企業の求める資質に合致するでしょう。
さらに、「小中高と剣道をしてきて、全国大会にも出場した」というような経験も、「ひとつのことを続けて、結果を出せる人」であると、高評価につながることもあります。
応募者の見た目からは連想しにくい意外性の高い趣味や、「文系だがプログラミングもできる」など、経歴や職種とギャップのある趣味・特技は採用担当者の気を引きやすく、印象に残りやすいのでおすすめです。たとえば、次のような趣味や特技が挙げられます。
採用担当者に届く応募書類の中で、目立つ「他人にはない何か」を持っていることは、それだけで武器になります。
つまり、珍しい趣味も、採用担当者の印象に残りやすいのです。面接に進んだときにも、話が弾みやすいでしょう。たとえば、次のような趣味や特技が挙げられます。
趣味・特技欄は履歴書の一項目なので、書き方にはいくつかの注意点があります。
趣味や特技を書くときは、得意なものを一言で記載し、説明を加える構成がよいでしょう。長すぎる文章では読みにくさを与えてしまい、反対に、単語だけでは上手なアピールが難しくなります。
とはいえ、「文章では伝わりにくい」「妥当な表現が見つからない」という場合には、箇条書きでも構いません。その場合、趣味や特技の後ろに()をつけて、中身を説明するとよいでしょう。
<履歴書の趣味・特技を箇条書きにする例>
・料理(創作料理や時短料理が得意)
・読書(推理小説など、考えながら読む小説が好き)
・バスケットボール(チーム競技が得意)
たとえば、明るく元気な人材を募集する企業と、1対1の粘り強い交渉ができる人材を募集する企業とでは、アピールするべきことは違ってきます。趣味・特技欄の内容は、応募先企業のカラーや求められる人物像に応じて変更しましょう。
趣味や特技は余暇の楽しみではありますが、それが業務内容や志望先の社風に通じるものであれば、履歴書に書き込む意味は大きいといえます。事務職志望の場合は読書や書道、エンジニア職の場合はゲームやプログラミングといったように、業務内容に通じる要素のあるものを記載できれば、プラスの判断材料になるでしょう。
採用担当者の目を引く趣味や特技がある一方、多くの採用担当者があまりよい印象を抱かない趣味や特技もあります。たとえば、パチンコなどのギャンブル系です。ただし、応募企業がパチンコ業界である場合など、応募企業で活かせそうな趣味である場合は検討してもよいでしょう。
自身の趣味が政治や宗教に関する場合にも、記載を避けたほうがよいかもしれません。政治的・社会的な思想によるトラブルを懸念する採用担当者も中にはいます。そのほかにも、「この趣味は大丈夫だろうか」と迷う内容に関しては、記入しないほうが無難です。
趣味や特技は、面接で話題になることも多いので、うそをつくのはNGです。面接で履歴書に記載した以上に深く聞かれても問題ないように、正直に自分の趣味や特技を書きましょう。
履歴書の趣味・特技欄の書き方の例文をご紹介します。
【例文】
特技:人の名前を覚えること
初対面の人の顔と名前を覚えるのが早く、前回会った際の話の内容も多くを覚えています。
<解説>
会った人の顔と名前を覚えるのが早いという特徴は、仕事の面で役立つ能力となることがあります。また、「話の内容を覚えていること」は、特に接客業などでアピールできる特技といえるでしょう。
【例文】
趣味:収納を工夫して整理整頓すること
服や小物、生活用品の整理も兼ねて、部屋の収納を工夫するのが好きです。各種の収納グッズを活用して、今日はクローゼット、明日は台所など、日によって整理する場所を決めています。
<解説>
整理整頓がきちんとできるだけでなく、創意工夫で効率化を追求する姿勢が見てとれます。漫然と作業するのではなく、日によってエリアを決めているところに計画性が感じられるのもよい点です。
【例文】
趣味:毎朝のランニング
毎朝5時に起床して、自宅周辺をランニングしています。始めてから5年になりますが、毎日7~8kmを1時間ほどかけて走ります。
<解説>
規則正しい生活、十分な運動量から、心身の健康さがうかがえます。これを毎朝5年も続けるという継続性は、長期にわたるプロジェクトの推進に適した性質といえ、目的に近づいていく粘り強さをアピールできるでしょう。
【例文】
趣味:フラワーアレンジメント
花が好きで、学生時代から自宅や部室を花で飾るのが習慣でした。前職ではオフィスや受付の花のセットアップを進んで行い、お客様からもご好評をいただきました。
<解説>
人から見られることへの配慮や気配りがあることをアピールできます。顧客の目線を意識した対応が適宜できる点も高評価となる場合があるでしょう。
【例文】
特技:野球・サッカー
中学・高校で野球部に所属し、大学時代はサッカーをしていました。いまも地域の社会人チームに在籍し、月に一度は試合に参加しています。
<解説>
運動系の趣味は、採用担当者に根強い人気があります。十分な体力やルール遵守という性質に加えて、個人競技であれば忍耐力やセルフコントロール能力、団体競技であれば周囲の状況への配慮や協調性があるといった評価につながるでしょう。
続いては、履歴書の趣味・特技のNGな例文をご紹介します。
【例文】
趣味:一人でYouTubeに没頭すること
休日はまとまった時間をつくり、YouTubeを見ています。日常から離れた世界に没頭することで、ストレス解消とリフレッシュを図っています。
<解説>
趣味が個人内で完結しているため、組織での行動に不可欠なコミュニケーション能力に疑問を持たれがちです。
【例文】
お酒が好きで、自宅で日本酒の飲み比べをしたり、カクテルを作ったりして楽しんでいます。珍しいお酒や気の利いた酒肴を出す店を探すのも好きです。
<解説>
仕事のうえでもお酒の付き合いはあるため、お酒を好むこと自体は決してネガティブなことではありません。しかし、履歴書に書くべきことかとなると、不適切だと考える方がいることは留意しておきましょう。
「趣味・特技といわれても、取り立ててそのようなものはない」という方は、自分の生活を振り返り、趣味・特技に近いものから探してみましょう。続いては、履歴書に書く趣味・特技の見つけ方をご紹介します。
趣味や特技が思いつかない場合には、難しく考え過ぎているかもしれません。熱中しているものでなくても、普段の生活でワクワクする行動や好きだと思うものを探してみてください。
たとえば、「車の運転が好き」「写真を撮るのが得意」といったささいなことも、趣味や特技として記載できる内容のひとつです。
普段の生活でどのようなことに時間を使っているのか、仕事以外の時間をどのように過ごしているのか思い出してみましょう。
たとえば「ニュースサイトで国内外のさまざまなジャンルのニュースにふれている」といった習慣は、多方面にアンテナを張り、情報収集能力が高いことをアピールできる趣味や特技といえます。
これまでの経験の中で、あなた自身が「楽しかった」と感じたことを思い出してみましょう。土日に仲間とキャンプをした思い出など、休日のレジャー体験を書くのもおすすめです。仲間とテントを立てたエピソードなどを盛り込めば、「協調性」のアピールもできます。
これまで誰かに褒められたことがないかを思い出すことも、趣味・特技を見つけるために有効です。たとえば、「いつもデスクの周りが片づいているね」などと言われたことがある方は、特技として「整理整頓が得意」と書いてもよいでしょう。
趣味や特技がまったく思いつかない場合は、ボルダリングを経験してみたり、美術館に行ってみたりするなど、「これから体験してみる」というのもひとつの手です。その場合は、「趣味といえるほどのものではありませんが、先日◯◯へ行ってきました」として記載しましょう。
面接では、趣味や特技についての質問から、応募者の人柄やコミュニケーション能力が判断されています。履歴書に記載した内容を掘り下げて話せるとよいでしょう。ここでは、受け答えの際に重要なポイントをご紹介します。
面接では履歴書を基に質問されるケースが多いため、記載した内容を忘れないようにコピーをとるなどの工夫をするとよいでしょう。「何を記載したのか忘れた」ということがないように、面接前に見返しておくのがポイントです。
趣味や特技に関しては、内容自体が選考に悪影響を与えるケースは少ないため、うそや誇張は避けて正直に答えましょう。
趣味や特技で自分をアピールすることも大切ですが、受け答えをとおして応募者の人となりが判断されていることを忘れてはいけません。質問と回答にズレが生じていたり、適切な振る舞いができていなかったりすると、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまいます。
面接時には、コミュニケーション能力も合否を判断する材料になるため、返答の仕方も意識できるとよいでしょう。「趣味は〇〇です」だけで終わらせず、好きになったきっかけや理由を述べると、会話がスムーズに続きます。
会話を弾ませようと意識するのは大切ですが、熱が入りすぎるあまり、趣味や特技について話しすぎるのは避けましょう。あまりにも長く話を続けた結果、印象を悪くしてしまうケースもあります。「おしゃべりな人」というイメージがついてしまうと、仕事に支障がでるのではないかと思われる恐れもあるため注意が必要です。
履歴書の「趣味・特技」欄は、採用担当者へのアピールの場になり得ます。そのため、資格やスキルを補強するような特技や、ギャップや個性でインパクトを残せる内容を記載するのが効果的です。ただし、趣味や資格でアピールしようと意気込むあまり、うそや誇張した内容を書くのは避けましょう。
面接時には履歴書に記入した内容を基に受け答えする必要があるため、趣味や特技は正直に書くのがポイントです。履歴書の作成に自信がない方は、転職エージェントの利用をおすすめします。
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