更新日:2025/10/29

この記事のまとめ
転職活動中、諸事情により選考を辞退したいと考える状況に直面することがあります。しかし、「どのようにして辞退の意思を伝えればよいのか」「辞退するとその企業からの印象が悪くなるのではないか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
転職市場は狭く、業界内での評判が今後のキャリアに影響することもあります。そのため、選考辞退の際には適切なマナーと伝え方を心掛けることが重要です。本記事では、転職の面接を辞退する際に印象を損なわない連絡方法や、メールの書き方について詳しく解説します。
目次

転職活動中に選考を辞退する場面は誰にでも起こり得ます。しかし、その際のマナーや連絡方法を間違えると、社会人としての評価に影響することもあるため注意が必要です。まずは、選考辞退の連絡をする前に知っておきたい基本的なマナーを確認しておきましょう。
転職活動中に選考辞退を決めたら、できるだけ早く企業側に連絡を入れることが重要です。採用担当者は応募者の選考状況に合わせて、面接官のスケジュール調整や会場の手配など、さまざまな準備を短期間で進めています。ひとりでも辞退者が出ると、これらをすべて再調整しなければならないため、辞退の意思が固まった時点ですぐに連絡するのが基本マナーです。
特に面接日が迫っている場合は、できるだけ早い連絡が求められます。面接直前や当日の辞退は企業側に大きな負担をかけるため、少なくとも2日前までには連絡を入れるようにしましょう。
面接の日程が決まっているにもかかわらず、企業側に何の連絡もなく欠席することはマナー違反です。採用担当者は面接のために時間を確保し、場合によっては複数の面接官のスケジュールも調整しています。無断キャンセルは、こうした企業側の準備を無駄にするだけでなく、応募者自身の社会人としての評価も大きく下げることになりかねません。
転職市場は意外と狭く、無断キャンセルの情報が業界内で共有される可能性もあります。これにより、将来的に別の企業への応募時にも悪影響をおよぼすことがあるため注意が必要です。
転職エージェント経由で面接が決まった場合、選考辞退の連絡は転職エージェントを通して行うのがマナーです。企業への直接連絡は避け、担当のキャリアアドバイザーに連絡しましょう。転職エージェントは企業との信頼関係を構築しているため、応募者が直接企業に連絡を入れると、その関係性を損なう可能性があります。
また、エージェントは企業との橋渡し役であり、辞退の意向を適切な表現で伝える役割も担っています。選考辞退を決めたら、できるだけ早くエージェントに連絡し、辞退の理由を簡潔に伝えましょう。
選考辞退の連絡をする際は、これまでの選考プロセスで企業側が費やした時間と労力を尊重する姿勢が大切です。面接官のスケジュール調整や会場準備など、多くの手間をかけていただいたことを忘れず、まずは感謝の気持ちを伝えましょう。
「貴重なお時間をいただいていたにもかかわらず、このようなご連絡となり大変申し訳ございません」といった言葉を記載することで、誠意を示せるでしょう。

転職活動中に選考辞退を決断した場合の連絡手段は、主にメールと電話です。メールは基本的な連絡手段として広く活用されていますが、面接直前の辞退では電話連絡が必要になるケースもあります。状況に適した連絡方法を選ぶことで、企業との関係性を損なわず、円滑な辞退手続きが可能になるでしょう。
面接までに期間がある場合は、メールで選考辞退を伝えても問題ありません。企業から連絡方法の指定がなければ、メールは適切な選択肢です。ただし、面接日の前日や当日といった急な辞退の場合は、電話連絡を優先するか、メールと電話の両方で連絡するのがマナーです。
メールで辞退連絡をする際も、送信時間には気を配りましょう。企業の営業時間内に送信するのが基本です。やむを得ず営業時間外に送る場合は、「営業時間外の連絡となり申し訳ございません」といった一言を添えるとよいでしょう。
面接日の直前になって選考辞退を伝える場合は、電話で連絡を入れましょう。メールだけでは担当者がすぐに確認できず、準備を進めてしまう可能性があるためです。電話では、まず面接辞退の旨を明確に伝えましょう。「〇月〇日に面接予定の〇〇と申します。誠に申し訳ございませんが、選考を辞退させていただきたく連絡いたしました」といった具合です。
担当者が不在の場合は、「応募職種」「氏名」「面接予定日時」を伝え、担当者への伝言を依頼します。その後、メールでも同様の内容を送信すると安心です。

面接の前に選考辞退のメールを送る場合に、押さえておきたいポイントがあります。ここでは、選考辞退のメールを送信する際のポイントを4つ紹介します。件名、内容についてなど、しっかりと確認したうえで送るようにしましょう。
担当者は、1日に多くのメールを受け取っている可能性があります。メールの受け取る量が多いと、件名や送信者を見て、重要度が高そうなものから優先的に中身を確認していくこともあるでしょう。そのため、「面接選考辞退のご連絡:●●●●(名前)」など、メールの中身を見なくても内容を把握できる件名を心掛けましょう。
件名だけでなく、本文も分かりやすくシンプルにしましょう。ただし、シンプルで短くまとめるといっても、2行〜3行で終わるような文面はNGです。辞退することへの謝罪と調整してくださったことへの感謝も盛り込みます。
ただし、数百文字にもわたる長文メールは失礼です。目的に合った文量に収める必要があります。長々と書いてしまうと言い訳をしていると捉えられる可能性があるため、極力シンプルに短くまとめましょう。
担当者から聞かれない限りは、面接選考の辞退メールに無理に書く必要はありません。無難なのは「一身上の都合」です。すでに第一希望の企業に内定をもらったことが理由であれば、「他社様に内定をいただいた」と記載してもよいでしょう。
辞退の理由を聞かれた場合は回答しても構いませんが、聞かれない限りは無理に詳しい内容を記載する必要はないでしょう。
面接の辞退メールに限らず、企業の方にメールを送る際は、署名つきで送るようにしましょう。何通かやりとりしているから分かるだろうと、署名なしで送るのはマナー違反です。担当者は、たくさんの応募者とメールのやりとりをしている可能性があるだけでなく、ほかの業務もあります。
署名があることで誰からのメールかがすぐに分かり、スピーディーに返信できるでしょう。メールソフトでは署名の設定ができるため、忘れないように設定しつつも、メール送信の際は都度確認することをおすすめします。

面接辞退の連絡をする際の、メールの例文をご紹介します。
【例文】
件名:
【面接辞退のご連絡】田中太郎
本文:
株式会社◯◯
●●部 △△様
お忙しいところ、大変失礼いたします。
●月●日●時より面接のお時間を頂戴しております、田中と申します。
誠に申し訳ございませんが、その後、自分なりに企業理解を深めるうち、御社のイメージが当初描いていたものと相違があることに気づき、自身のスキルで御社に貢献していくのは難しいと感じました。
よって、この度は面接を辞退させていただきたくご連絡申し上げました。
ご多忙の中、貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、身勝手なお願いをすること、誠に申し訳なく思っております。
直接お詫びすべきところ、メールにより面接の辞退をご連絡しましたことを重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。
田中太郎
〒000-0000
東京都品川区◯◯0-00-00
◯◯ハイツ106号室
080-0000-0000
xxxx@xxxx.com
<解説>
企業と合わないと感じた場合でもネガティブな表現は避けて、自分が入社することが、応募企業にとってメリットとなるのかを配慮した結果であることを伝えるようにしましょう。
【例文】
件名:
【選考辞退のご連絡】田中太郎
本文:
株式会社〇〇
●●部 △△様
お忙しいところ、大変失礼いたします。
●月●日●時より面接のお時間を頂戴しております、田中と申します。
大変恐縮ではございますが、並行して進めておりました他社の選考が先に進み、内定をいただく運びとなりました。熟考の結果、その企業での就業を決断いたしましたので、貴社の選考を辞退させていただきたく存じます。
この度は貴社の選考にお時間を割いていただいたにもかかわらず、身勝手なお願いとなり、誠に申し訳ございません。
本来であれば直接お詫びさせていただくべきところをメールによるご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。
田中太郎
〒000-0000
東京都品川区◯◯0-00-00
◯◯ハイツ106号室
080-0000-0000
xxxx@xxxx.com
<解説>
複数社の選考を並行して進めている中で他社から内定を獲得した場合、その旨を率直に伝えることが適切です。例文のように、簡潔かつ誠実に状況を説明することを心掛けましょう。
【例文】
件名:
【面接辞退のご連絡】田中太郎
本文:
株式会社◯◯
●●部 △△様
お忙しい中、失礼いたします。
●月●日●時より面接のお時間を頂戴しております、田中と申します。
誠に申し訳ございませんが、一身上の都合により就業することが難しくなってしまったため、面接を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
この度は、お忙しいところ、貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、身勝手なお願いとなり、誠に申し訳ございません。
面接の辞退がメールでのご連絡となってしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。
田中太郎
〒000-0000
東京都品川区◯◯0-00-00
◯◯ハイツ106号室
080-0000-0000
xxxx@xxxx.com
<解説>
面接辞退の理由が家庭の事情である場合、それについて詳しく書く必要はありません。相手の時間を取ってしまうことになるので、前述のとおり、「一身上の都合により」として書くのがマナーです。
【例文】
件名:
【面接辞退のご連絡】田中太郎
本文:
株式会社◯◯
●●部 △△様
お忙しい中失礼いたします。
●月●日●時より面接のお時間を頂戴しております、田中と申します。
大変急なことで、誠に申し訳ございませんが、体調を崩し、入院を余儀なくされてしまいましたため、面接を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。
この度は非常に心苦しくはありますが、まずは回復に努めたいと思っております。
ご多忙のところ、貴重な時間を割いていただいたにもかかわらず、身勝手なお願いをしてしまうこと、誠に申し訳ございません。
本来であれば直接お詫びさせていただくべきところをメールによるご連絡となりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。
田中太郎
〒000-0000
東京都品川区◯◯0-00-00
◯◯ハイツ106号室
080-0000-0000
xxxx@xxxx.com
<解説>
体調不良で面接を辞退する場合、企業によっては日程調整を行ってくれることがあります。ただし、入院が必要なときなどは、相手を待たせることになるため、その旨を伝えるようにしましょう。
面接を辞退してしまうと、改めて「受けたい」と思っても、再度企業に面接を組んでもらうことは難しいといえます。辞退の連絡をする前に、本当に辞退して問題ないのか、スケジュールの調整はつかないのかなどをいま一度冷静に考えてみましょう。選考辞退は、「その企業へのチャンスがなくなる」ということを認識したうえで行動に移すようにしましょう。

転職活動中に選考辞退に関する疑問や悩みを抱える方は少なくありません。ここでは、選考辞退に関する代表的な質問とその回答を紹介します。状況に応じた適切な対応で、企業との関係性を損なうことなくスムーズに辞退手続きができるよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。
企業に選考辞退のメールを送ったものの返信がない場合、面接日までに余裕がある場合は数日待ってみることをおすすめします。企業側は多くの応募者と連絡を取り合っているため、返信が遅れることがあるためです。
数日経過しても返信がない場合は、「先日送信したメールの確認」という件名で再度メールを送信するとよいでしょう。その際、「○月○日に送信しましたメールの確認のため、再度ご連絡いたします」といった一文を添えると丁寧です。
面接日が迫っている場合や、再送したメールにも返信がない場合は、電話での確認も検討しましょう。電話する際は「○月○日にメールで選考辞退のご連絡をさせていただきましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と伝えると、話がスムーズに進みます。
転職エージェントへの選考辞退連絡も、基本的には企業への連絡と同様の考え方で問題ありません。面接日までに余裕がある場合は、メールでの連絡で十分です。メールであれば、自分のタイミングで整理して伝えられるという利点があります。
しかし、面接予定日の1日〜2日前など直前に辞退を決めた場合は、電話での連絡が望ましいでしょう。電話であれば即時に情報が伝わり、企業側への連絡も迅速に行えます。
転職活動では、複数の企業の選考を並行して進めることが一般的です。その過程で選考辞退の連絡や面接日程の調整が必要になることも少なくありません。これらの連絡業務が負担となり、本来の転職活動に集中できなくなってしまうこともあるでしょう。
選考辞退や面接日程の調整など、企業とのやりとりに時間と労力を費やしているなら、マイナビエージェントをご活用ください。マイナビエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが企業とのやりとりを代行いたします。業界に精通したプロが適切な言葉で企業とコミュニケーションを取るため、円滑な選考プロセスが実現します。

面接前に選考辞退する場合には、メールや電話で速やかに連絡をするのが重要です。採用担当者は多くの応募者の面接の調整を行っているため、最低限のマナーとして、少しでも早いタイミングでの連絡を心掛けます。また、担当者には、選考辞退の理由だけでなくお詫びと感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
企業とのやりとりに負担を感じている方は、マイナビエージェントにご相談ください。担当のキャリアアドバイザーが、面接日程の調整、選考辞退の連絡、給与交渉といった企業とのやりとりを代行し、転職活動がスムーズに進むようサポートいたします。
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