更新日:2024/09/26
この記事のまとめ
適性検査は、新卒採用だけでなく中途採用の際に実施されることも多い傾向です。企業と応募者のミスマッチを防ぐのが適性検査の主な役割ですが、対策をしないまま臨むと選考に落ちる可能性もあります。
そこでこの記事では、適性検査の目的から対策まで詳しく解説します。失敗例や注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。事前に適性検査の種類や内容、対策方法を確認しておくことで、選考通過率を高められるでしょう。
目次
就職活動時だけでなく、転職時の選考においても適性検査が実施されることはあります。いざというときに焦るのを防ぐためにも、転職時にいつ適性検査が行われる可能性があるのかを押さえておきましょう。ここでは、適性検査の種類や実施方法に加え、転職の選考で適性検査が行われるタイミングについて解説します。
適性検査とは、応募者が企業の社風や募集している職種に、能力や性格の面でどの程度合っているかを確認するためのものです。応募者と企業とのミスマッチを防ぐ役割を果たします。一口に適性検査といっても、思考力や人柄を測る「SPI」のほか、各企業が独自に作文や業界の歴史を出題するなど、種類はさまざまです。
適性検査には、大きく分けて「能力検査」と「性格検査」の2つがあります。
転職の選考で適性検査が実施されるのは、主に以下3つのタイミングのうちのいずれかであることが一般的です。
応募者数の多い企業ほど早い段階で適性検査を実施し、選考の効率化を図る傾向にあります。また、入社後の人事や教育方針の参考とすべく、選考の後半で適性検査が実施されるケースも少なくありません。
転職時の適性検査には、主に2つの受検方法があります。従来の検査会場での受検と、近年増えているWeb受検です。受検方法によって心構えや対策も変わってくるため、いずれかを選べる場合は自分に合った方法を選び、万全の準備で臨みましょう。ここでは、各受検方法の特徴と注意点を詳しく解説していきます。
転職時の適性検査では、検査会場での受検が一般的です。会場には2つのパターンがあり、応募先企業のオフィスか、テスト専用会場で実施されます。受検方法には、紙のテスト用紙を使用するペーパーテスティングと、パソコンに入力するコンピューターテスティングがあります。ペーパーテスティングではマークシートに慣れておくことが大切です。
検査会場での受験は、時間や場所の制約がある反面、集中して取り組める環境が整っているのが特徴です。遠方からの応募者にとっては負担が大きいこともありますが、緊張感を味方につけて実力を発揮しましょう。
Web受検は、転職時の適性検査の新しいトレンドです。自宅のパソコンやスマートフォンを使って、好きな時間に受検できます。
Web受検の利点は、地理的制約がなくなることです。遠方の応募者も気軽に参加でき、企業にとっても優秀な人材を広く集められます。また、結果の即時集計や分析が可能なため、選考プロセスの効率化にも貢献します。一方で、集中力の維持が難しい点が、Web受験のデメリットといえるでしょう。
一口に適性検査といっても、新卒採用時には応募者のポテンシャルを測る、転職時には入社後のミスマッチを防ぐなどそれぞれ実施目的が大きく異なります。転職活動をスムーズに進めるためにも、企業がなぜ適性検査を実施するのかを把握しておきましょう。ここでは、企業が中途採用において適性検査を実施する3つの目的について解説します。
適性検査を実施する目的のひとつは、応募者の性格や価値観などを見極めるためです。応募書類や面接での選考ではどうしても面接者の主観的な要素が加わってしまいがちですが、適性検査は客観的に応募者の人物像を把握しやすいことから、転職時の選考でしばしば用いられます。適性検査を行うことで、自社が求めている人物像と応募者がマッチしているかどうかを確認するというわけです。
選考の初期で適性検査が実施されるケースでは、その結果を面接の資料として用いる企業も少なくありません。その背景には、性格面での特徴など適性検査で得られた結果について応募者に質問することで「どれほど自己分析ができているか」をチェックする狙いがあります。そのため、選考時には適性検査と面接の位置づけを意識したうえで、対策を練ることが肝要です。
適性検査の結果は、入社後の配置や教育方針を決めるうえでの指標として用いられることもあります。たとえば採用した人材がより能力を発揮できるよう、面接で得た情報と適性検査の結果を踏まえたうえで最適な部署に配置するといった具合です。
また、適性検査の結果を基にその人の能力や性格に合った育成プランが作成されることも少なくありません。入社後のミスマッチを防ぐためには、性格に関する適性検査で正直に回答することが大切です。
適性検査には複数の種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。本番で焦ってしまうことを防ぐためにも、事前に適性検査ごとの目的や特徴を把握しておきましょう。ここでは、転職時の選考に用いられることが多い代表的な適性検査を6つ紹介します。
CUBICは、大学の組織心理学研究から生まれた適性検査です。検査時間が約20分と短いのが特徴です。採用活動のほか、人材の育成や人員の評価などにも活用されています。
SPI3は適性検査のスタンダードともいわれ、年間1万5,500社以上の企業が利用しています(2023年度実績)。
SPI3は基礎能力検査と性格検査で構成されています。性格検査は約300問と問題数が多いため、直感的に答えていくとよいでしょう。基礎能力検査に関しては、四則演算や「正しい接続詞を選べ」といった初歩的な内容のものが大半です。
SCOAは正式名称を「SCOA総合適性検査」といい、能力検査や性格検査のほか、事務能力検査用のテストが用意されています。中でも能力検査は一般教養に関する出題範囲が広く、語学や計算能力だけでなく理科分野や社会分野まで出題されるのが特徴です。
問題の難易度自体は決して高くありませんが、ひとつひとつを慎重に解いていては時間が足りなくなってしまいかねません。分かる問題から解いていく効率性が求められるでしょう。
V-CAT(ブイ・キャット)は、性格検査に特化した適性検査です。問題に対する回答を機械的に分析するだけでなく、筆圧や筆跡などを目視し、人の手によって個々の特性を検査する仕組みを設けています。
検査方法もユニークで、「いくつも並んだ数字を順番に足していく」といった作業的な内容です。単調的な計算を繰り返すことで、ストレス下における個々の傾向を判断し、本質を見極めることを目的としています。本来の自分の力を発揮できるように、焦らずリラックスして回答することが大切でしょう。
クレペリン検査とは、ドイツの精神医学者であるエミール・クレペリンが発見した作業中のパフォーマンスの変化を表す「作業曲線」を基に、日本の心理学者・内田勇三郎が開発した適性検査です。面接や質問ではなく、受検者に簡単なひと桁の足し算などの計算をさせることで、効率よく作業がこなせる人物であるかという点を読み取ります。
玉手箱IIIは、応募者の「知的能力」と「パーソナリティ」の両面を測定する適性検査です。特徴的なのは、計数、言語、英語、パーソナリティ(OPQ)の4つの科目を49分という短時間で測定する点です。そのため、時間配分を意識しながら臨むことが大切といえるでしょう。
診断結果は、従来の6尺度フォーマットか、入社時に重要な9つの特性にフォーカスしたフォーマットで報告されます。これにより、企業は応募者の適性を多角的に把握できます。玉手箱IIIは大卒者を対象としており、多くの企業で採用されている傾向です。
適性検査の結果が選考の合否にどれほど影響するかは企業によってさまざまです。しかし選考にまったく影響しないとは考えづらいため、対策しないまま臨んでは落ちる可能性を高めてしまいかねません。ここでは、適性検査でよくある失敗例を3つ紹介します。理想の転職を実現するためにも、失敗例を参考にして事前に対策を講じましょう。
適性検査のよくある失敗例として、「緊張のあまり1問回答するのに時間がかかりすぎてしまって、全部終わらなかった」「平常心であれば回答できるような質問なのに検査では焦ってしまって回答できなかった」などが挙げられます。しかし回答数が少ないと、企業は確実な判断を下せません。
十分な判断材料がないため、不合格にする場合があるでしょう。また本番に弱いタイプであるというマイナス評価から、不合格になることもあります。
転職活動において「職務経歴書や面接の対策はしていたが、適性検査に関してはまったくノーマークだった」という方は少なくありません。しかし適性検査で学力が試されることもあれば、業界や業務についての特殊な知識を問われることもあります。十分な対策ができておらず、合格基準を満たさなかったという理由で落ちてしまうこともあるでしょう。
性格に関する適性検査では、似たような質問を何度も繰り返して回答の信ぴょう性を追求することがあります。回答内容に矛盾が生じると、「うその回答をしているのではないか」とマイナス評価につながる可能性があるでしょう。
ここでは、適性検査を通過するための対策を3つ紹介します。適性検査は一般的な試験とは異なり、とにかく勉強して知識を習得しておけばよいというものではありません。適性検査を通過するためにも、事前対策を徹底してから本番に臨みましょう。
適性検査の対策として、応募企業の情報収集を入念に行うことも重要です。たとえば、金融系の会社を受ける場合、時事問題や応募企業が扱う商品について問われることがあります。
事業内容や商品の情報は入社後も必要となるものです。応募企業の公式ホームページをはじめ、ニュースサイトに掲載されたリリース情報などもチェックしておきましょう。
適性検査の性格検査でスムーズに答えるためには、自己分析が重要です。自分自身を深く理解することで、質問に対して迷いなく回答できます。まずは、自分の長所や短所、価値観、興味関心を洗い出してみましょう。その後、過去の経験を振り返り、力を発揮できた場面や、働きたい環境を考えます。
自己分析を通じて、自分の特性や傾向が明確になれば、性格検査の質問に対して一貫性のある回答ができます。たとえば、「チームワークを重視する」と自覚していれば、関連する質問に迷わず答えられるでしょう。
ただし、企業に合わせて自分を偽る必要はありません。ありのままの自分を理解し、正直に回答することが、長期的にはよい結果につながります。自己分析は、適性検査だけでなく、面接や志望動機の作成にも役立つ重要なステップといえるでしょう。
転職活動を成功させるには、適性検査対策のほかにも応募書類や面接対策も不可欠です。選考通過率を高めたいのであれば、転職エージェントを活用して適性検査以外の対策も進めることをおすすめします。
転職エージェントを利用すれば、無料で応募書類の添削や模擬面接を行ってもらえます。また企業がどのような人物を採用したいと考えているのか、選考時にどのような点を重視しているのかのアドバイスもしてもらえるため、適性検査対策にも役立てられるでしょう。ひとりでは転職活動を進めることに不安を感じている方は、転職エージェントの利用を検討してはいかがでしょうか。
転職の適性検査で時間内に終わらないのは、多くの受験者が直面する課題です。しかし、適切な対策を講じることで、この問題を克服できます。ここでは、時間内に適性検査を完了するための効果的な方法を2つ紹介します。これらの戦略を実践することで、転職時の適性検査をスムーズにクリアし、自信を持って次のステップに進めるでしょう。
多くの適性検査では、問題の形式や解法に一定のパターンがあります。たとえば、SPIの非言語分野では、表の読み取りや確率に関する問題が頻出します。これらの問題を繰り返し解くことで、解法のコツを体得し、素早く正確に答えられるようになるでしょう。
また、電卓の使用が許可されている場合は、その操作にも慣れておくことが重要です。電卓を効率的に使えるようになれば、計算時間を大幅に短縮できます。
長文読解問題が多い適性検査では、文章を素早く読む能力が重要です。ゆっくり丁寧に読んでいては時間切れになってしまうため、速読のテクニックを身につけましょう。
たとえば、文章全体にざっと目を通してキーワードや主題を把握する「スキミング」という方法があります。また、段落の最初と最後の文に注目する「トップダウンリーディング」も効果的です。これらの技術を使えば、文章の要点を素早く理解できるようになるでしょう。
日頃から新聞や雑誌を活用し、制限時間を設けて読む練習をすることで、読解スピードは向上します。さらに、問題文と設問を先に読んでから本文に取り組むことで、必要な情報に焦点を当てながら読めるでしょう。
適性検査を受ける際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを意識することで、よりよい結果を出せる可能性が高まるでしょう。ここからは、転職時の適性検査で高評価を得るために押さえておきたい、3つの注意点について解説します。
適性検査では、時間配分を意識することが重要です。特に制限時間が設けられている問題では、この意識が欠かせません。分からない問題に時間をかけすぎると、後半で焦ってしまう可能性があります。そのため、まずは分かる問題から解いていくのがおすすめです。時間に余裕があれば、後から難しい問題に取り組めます。
性格検査の場合は、正解や不正解はありません。深く悩まずに、直感的かつスピーディに回答することが大切です。自分の第一印象を素直に選択肢に反映させましょう。時間配分を意識することで、最後まで落ち着いて回答でき、自分の能力を十分に発揮できる可能性が高まります。
Web受験の場合は、安定したインターネット接続が必要です。突然の通信トラブルは、せっかくの準備を台無しにしかねません。しかし、技術的トラブルのリスクは常にあります。インターネット接続の不具合や機器の故障に備えて、時間に余裕を持って取り組みましょう。たとえば、締め切りの1週間前に受験を開始するなど、万が一の事態にも対応できるよう計画しておくと安心です。
また、集中力を維持するために、静かで落ち着ける場所を選びましょう。カフェなど公共の場所では、予期せぬ騒音や視線が気になり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。自宅で受験する場合も、家族や同居人に協力を求め、静かな環境を確保することが大切です。
企業は応募者の真の姿を知りたいと考えているため、適性検査はありのままの自分で臨みましょう。うその回答は、短期的には有利に働くかもしれません。しかし、長期的には自分自身を苦しめる可能性もあるため、おすすめできません。たとえば、営業職が苦手な人が得意だと偽って入社しても、実際の業務で苦労することになるでしょう。
また、矛盾した回答をすると低評価につながる可能性があるため、注意が必要です。自信を持ってありのままの自分を表現することが、企業とのミスマッチを防ぎ、長期的なキャリアの成功につながる道といえます。
適性検査の対策を含め、転職活動に対して疑問や不安を感じているのであれば、まずはマイナビエージェントにご相談ください。豊富な転職成功ノウハウを持っているキャリアアドバイザーが、適性検査対策をはじめ応募書類の添削や面接対策などをサポートします。
また、キャリアアドバイザーを通じて企業の情報を把握することで、転職活動を有利に進められるようになるでしょう。相談だけでも利用可能なので、お気軽にお問い合わせください。
転職時の適性検査には能力検査と性格検査があり、多くの場合、企業が選考過程で実施します。応募者の適性や能力を客観的に評価し、ミスマッチを防ぐことが適性検査の主な目的です。選考結果にも影響する可能性があるため、事前に対策をして臨みましょう。
対策方法が分からなかったり、転職活動に関する不安があったりする場合は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。豊富な経験と専門知識を持つキャリアアドバイザーが、あなたの転職活動を徹底サポートします。
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